はじめに
このマニュアルは、アップル社製iPhone・iPod touch・iPadをVoiceOver (ボイスオーバー) の音声サポートにより操作するためのものです。
視覚障害者でも、弱視者と全盲者では操作方法が異なります。弱視者の場合、見えやすさの担保のために画面の拡大や白黒反転などを使います。このため、弱視者には大きい画面であるiPadが利用に適すると考えています。
一方で全盲者の場合、音声サポートを必要とし、また操作スペースが極端に広くない方が利用しやすいと言えます。そこで、iPhoneやiPod touchのように画面サイズが小さい方が使いやすいと考えています。本マニュアルは、特に後者のような状況を想定して書かれました。特に、iPhone・iPod touch・iPadのヘルプページを参考に、1操作1手順になるよう書き直しました。
VoiceOverを利用する場合、操作ジェスチャーが通常の操作と異なります。特筆すべきは、指で触れながら探す点にあります。iOS5までは、VoiceOverには日本語特有の同音異義語の詳細読みがなかったため、テキスト入力時に適切な漢字を選択するのが困難でした。しかし、iOS6にバージョンアップした際に、詳細読み機能が搭載され、適切な漢字を選択することが可能になりました。
この他、iOS6からは、拡大機能とVoiceOverの併用もしやすくなりました。まだまだ視覚障害者が利用する上では機能が完全に充足されてはいませんが、それでも情報取得ツールとして、早いスピードで進化していると言えます。本マニュアルは元々、iOS5を想定して書かれていました。しかし、以上のようにiOS6での更新点が重要であるため、大幅に修正を行いました。本マニュアルでの内容は、iOS6.1.2で再現可能であることを確認しています。しかし、iOSのアップデート頻度はかなり早いため、他のバージョンで一部適用できない箇所が発生する可能性があります。予めご容赦ください。