同じ内容の文書中に、Excelなどで作成した住所録データを利用して宛先やコメントなどを印刷することができます。これを「差し込み印刷」といいます。
サンプルデータ「address.xlsx」を「ドキュメント」フォルダーに保存しておきます。
また、サンプルデータsasikomi1_es.docx「差し込み印刷1(演習).docx」を開きます。
ここでは、同じ内容の文書に宛先の氏名を印刷します。
差し込み印刷ウィザードの操作
差し込みを行う対象や、宛先の選択などは「差し込み印刷ウィザード」で行います。
ここではサンプルデータの2行目の宛先の「 様」の前に「address.xlsx」の「氏名」を挿入します。
- 1. Alt キーを押してリボンに移動します。
- 2. 左右方向 キーを押して「差し込み文書」タブに移動します。
- 3. Tab キーを押して「差し込み印刷の開始」のドロップダウン ボタンに移動してEnter キーを押します。「差し込み印刷」のメニューが開きます。
- 4. 上下方向 キーを押して「差し込み印刷ウィザード」に移動してEnter キーを押します。差し込み印刷ウィザードが開始し「文書の種類」が選択されています。
* アクセスキー: Alt M S W
- 5. 「文書の種類」で「レター」が選択されていることを確認します。
- 6. Tab キーを押して「次へ」に移動してEnter キーを押します。「ひな形の選択」のダイアログ ボックスが開き「ひな形の選択」が選択されています。
- 7. 「ひな形の選択」で「現在の文書を使用」が選択されていることを確認します。
- 8. Tab キーを押して「次へ」に移動してEnter キーを押します。「宛先の選択」のダイアログ ボックスが開き「宛先の選択」が選択されています。
- 9. 「宛先の選択」で「既存のリストを使用」が選択されていることを確認します。
- 10. Tab キーを押して「参照」に移動してEnter キーを押します。「データ ファイルの選択」のダイアログ ボックスが開きます。
- 11. 「ドキュメント」フォルダーにある「address.xlsx」を選択してEnter キーを押します。「テーブル選択」のダイアログ ボックスが開き、シートのリストが選択されています。
- 12. 「Sheet1」が選択されていることを確認します。
- 13. Tab キーを押して「先頭行をタイトル行として使用する」のチェック ボックスにチェックがついていることを確認します。
- 14. Tab キーを押して「OK」ボタンに移動してEnter キーを押します。「差し込み印刷の宛先」のダイアログ ボックスが開きます。
- 15. Tab キーを押して「OK」ボタンに移動してEnter キーを押します。文書ウィンドウに戻ります。
差し込みフィールドの挿入場所の指定
次に、前の手順で指定した宛先、つまり「差し込みフィールド」を文書のどこに挿入するかを指定します。
ここでは、「氏名」を2行目の「 様」の前に挿入します。
- 1. 2行目の「 様」の前にカーソルを移動します。
- 2. Alt キーを押してリボンに移動します。
- 3. 「差し込み文書」タブが選択されているので、Tab キーを押して「差し込みフィールドの挿入」に移動してEnter キーを押します。「フィールドリスト」が開きます。
- 4. 上下方向 キーを押して「氏名」に移動してEnter キーを押します。「氏名」が「 様」の前に挿入されます。
結果の確認
最後に、設定した内容をプレビューさせて確認します。
- 1. Alt キーを押してリボンに移動します。
- 2. 「差し込み文書」タブが選択されているので、Tab キーを押して「結果のプレビュー」のボタンに移動してEnter キーを押します。設定した宛先の先頭のデータが「 様」の前に挿入されていることが確認できます。
* アクセスキー: Alt M P
- 3. 「差し込み印刷1(演習).docx」を上書き保存します。
【ワンポイント】 住所録ファイルは、名前を変更したりフォルダーを移動させないようにしてください。もし変更したときは、住所録ファイルの選択をやり直してください。
差し込み印刷の実行
作成した「差し込み印刷1(演習).docx」を開きます。
- 1. ファイルを開くと「この文書を開くと以下のSQLコマンドが実行されます。」のメッセージが表示されるので、Tab キーを押して「はい」に移動してEnter キーを押します。
- 2. Alt キーを押してリボンに移動します。
- 3. 左右方向 キーを押して「差し込み文書」タブに移動します。
- 4. Tab キーを押して「完了と差し込み」のドロップダウン ボタンに移動してEnter キーを押します。「完了と差し込み」のメニューが開きます。
* アクセスキー: Alt M F
- 5. 上下方向 キーを押して「文書の印刷」に移動してEnter キーを押します。「プリンターに差し込み」のダイアログ ボックスが開きます。
- 6. 「レコードの印刷」のラジオ ボタンが選択されているので、上下方向 キーを押して「すべて」「現在のレコード」「最初のレコード」の中から選択します。
- 7. 印刷する宛先を指定する場合は、Tab キーを押して「最初のレコード」に移動して、印刷を始めるレコードの番号を入力します。
- 8. Tab キーを押して「最後のレコード」に移動して、印刷を終了するレコードの番号を入力します。
- 9. Tab キーを押して「OK」ボタンに移動してEnter キーを押します。「印刷」のダイアログ ボックスが開きます。
- 10. 部数などを指定して印刷します。
印刷する宛先の選択
住所録の中から印刷したい宛先を選択することができます。
ここではサンプルデータ「差し込み印刷1(演習).docx」の「DM」が「1」となっている宛先を選択します。
- 1. 作成した「差し込み印刷1(演習).docx」を開きます。
- 2. ファイルを開くと「この文書を開くと以下のSQLコマンドが実行されます。」のメッセージが表示されるので、Tab キーを押して「はい」に移動してEnter キーを押します。
- 3. Alt キーを押してリボンに移動します。
- 4. 左右方向 キーを押して「差し込み文書」タブに移動します。
- 5. Tab キーを押して「アドレス帳の編集」のボタンに移動してEnter キーを押します。「差し込み印刷の宛先」のダイアログ ボックスが開きます。
- 6. Tab キーを押して「フィルター」に移動してEnter キーを押します。「フィルターと並べ替え」のダイアログ ボックスが開きます。
- 7. 「レコードのフィルター」が選択されているので、Tab キーを押して「フィールド」のコンボ ボックスに移動し、Alt + 下方向 キーを押してコンボ ボックスを開きます。
- 8. 下方向 キーを押して「DM」に移動します。
- 9. Tab キーを押して「AND OR」のエディット ボックスに移動し、半角で『1』と入力します。
- 10. Shift + Tab キーを押して「条件」のコンボ ボックスに移動し、「値に等しい」が選択されていることを確認します。
- 11. Tab キーを押して「OK」ボタンに移動してEnter キーを押します。「差し込み印刷の宛先」のダイアログ ボックスに戻ります。
- 12. Tab キーを押して「OK」ボタンに移動してEnter キーを押します。「DM」が「1」の宛先だけが選択されます。
【ワンポイント】 宛先を印刷するかの選択は、「差し込み印刷の宛先」のダイアログ ボックスの「宛先」のリスト ビューで、それぞれの宛先を選択した状態でSpace キーを押すことでチェックを外したりつけたりできますが、スクリーンリーダーでの対応が充分でないため、Excelの住所録であらかじめ選択しておくのがベターです。
住所録ファイルの変更
差し込み印刷が設定されたファイルを別のフォルダーに移動したり別のPCで開いた場合、そのままでは住所録ファイルからデータを受け取ることができません。
その場合は以下の操作を行います。
- 1. 対象となる差し込み印刷設定ファイルを開きます。
- 2. ファイルを開くと「この文書を開くと以下のSQLコマンドが実行されます。」のメッセージが表示されるので、Tab キーを押して「はい」に移動してEnter キーを押します。
- 3. 「データ ファイルの選択」のダイアログ ボックスが開くので、対象となる住所録ファイルを選択します。これで住所録ファイルを利用して宛名ラベルを作成することができます。
Excelでの住所録の作成
差し込み印刷で使用する住所録をExcelで作成する場合、以下の点に留意します。
セルA1から住所録を作成し、住所録の上の行に表のタイトルなどを入れないようにします。
1行目には「氏名」「フリガナ」「郵便番号」「住所1」「住所2」「電話番号」などの見出しを入力します。
住所録には空白行がないようにします。
「フリガナ」など、ラベルに印刷しない項目を入れるのは構いません。
「年賀状」や「暑中見舞」「DM」などの見出しを作成し、それぞれの宛先に「1」や「2」などの区分を入れておくと便利です。
「コメント」などの見出しを作成することで個々の文書にコメントなどを入力することができます。
操作の結果はサンプルデータsasikomi1_kk.docx「差し込み印刷1(結果).docx」をご覧ください。
(注) このファイルを開いて差し込み印刷の内容を表示させるためには「住所録ファイルの変更」の操作を行い、address.xlsxを選択してください。
任意の文字列などの入力
文書ごとに異なったコメントなどを入力する場合、あらかじめExcelなどの住所録にコメントを入力してそれを利用する方法もありますが、差し込み文書で作成した文書を編集して入力する方法もあります。
ここでは以下の内容で文書ごとにコメントを入力します。
- ファイル名: 差し込み印刷(コメント入力).docx
- コメントの挿入場所: 「敬具」の2行下
- 1番目の文書のコメント: 青田様、お嬢様のご結婚、心よりお喜び申し上げます。また、結婚指輪をお買い上げいただき、誠にありがとうございました。
- 2番目の文書のコメント: 稲尾様、ご両親への金婚式のプレゼントをお探しと伺いました。私どもでお役に立てるようでしたら遠慮なくお申し付けくださいませ。
- 3番目の文書のコメント: 遠藤様、お買い上げいただきましたアクセサリーの使い心地はいかがでございますか。ぜひお目にかかって感想をお聞かせいただきましたらうれしく存じます。
文書を編集できる状態にする
まず、差し込み印刷が設定された文書を編集できる状態にします。
ここではサンプルデータの1番目から3番目までの文書を編集できるようにします。
- 1. サンプルデータsasikomi2_es.docx「差し込み印刷2(演習).docx」を開きます。
- 2. ファイルを開くと「この文書を開くと以下のSQLコマンドが実行されます。」のメッセージが表示されるので、Tab キーを押して「はい」に移動してEnter キーを押します。
- 3. 「ファイルを開く」のダイアログ ボックスが開くので、対象となる住所録ファイルを選択します。ここでは「ドキュメント」フォルダーにある「address.xlsx」を選択します。
- 4. Alt キーを押してリボンに移動します。
- 5. 「差し込み文書」タブが選択されているので、Tab キーを押して「完了と差し込み」のドロップダウン ボタンに移動してEnter キーを押します。「完了と差し込み」のメニューが開きます。
* アクセスキー: Alt M F
- 6. 上下方向 キーを押して「個々のドキュメントの編集」に移動してEnter キーを押します。「レコードの選択」のダイアログ ボックスが開きます。
- 7. 「レコードの選択」のラジオ ボタンが選択されているので、Tab キーを押して「最初のレコード」に移動し『1』と入力します。
- 8. Tab キーを押して「最後のレコード」に移動し『3』と入力します。
- 9. Tab キーを押して「OK」ボタンに移動してEnter キーを押します。1番目のレコードから3番目のレコードまでが選択され、通常のWord文書になります。
- 10. 「差し込み印刷(コメント入力).docx」の名前で保存します。
(注1) 個々のドキュメントの編集の操作を行うと、ファイルは新しい文書「Letter1」となります。
(注2) 文書中の宛先は、住所録を参照した状態ではなく通常の文字列になります。
(注3) この文書の場合、全体は3ページになります。
コメントを入力する
次にそれぞれの文書にコメントを入力します。
- 1. 1ページの「敬具」の2行下にカーソルを移動します。
- 2. 『青田様、お嬢様のご結婚、心よりお喜び申し上げます。また、結婚指輪をお買い上げいただき、誠にありがとうございました。』と入力します。
- 3. 2ページの「敬具」の2行下に移動します。
- 4. 『稲尾様、ご両親への金婚式のプレゼントをお探しと伺いました。私どもでお役に立てるようでしたら遠慮なくお申し付けくださいませ。』と入力します。
- 5. 3ページの「敬具」の2行下に移動します。
- 6. 『遠藤様、お買い上げいただきましたアクセサリーの使い心地はいかがでございますか。ぜひお目にかかって感想をお聞かせいただきましたらうれしく存じます。』と入力します。
操作の結果はサンプルデータsasikomi2_kk.docx「差し込み印刷2(結果).docx」をご覧ください。