━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2008年4月号 No.18                        2008年4月25日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  どう教える?キーボード(8)   Ctrlキー、Altキー、Escキーの位置説明 ● プロフェッショナルコース  ダイアログボックスの部品(1)   【パソコンよもやま話】    パソコンでよく使われる単位について [2] サポートお役立ちサイト  視覚障害者による視覚障害者のための情報検索サイト、アイリンク。 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  ゆうあいネットPCVOL(ぷくぼる)   〜岡山県内の視覚障害者のパソコンライフをサポート!〜 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  年度始めにこれ1本、「らくらく予定帳2」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  視覚障害者パソコン指導者養成講座(旭川)開催のご案内 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎どう教える?キーボード(8)  Ctrlキー、Altキー、Escキーの位置説明  前回から実際のキーの位置をどう説明するかについてお話しています。 今回は、Ctrlキー、Altキー、Escキーの3つです。 尚、前回もお話しましたが、説明は「日本語109キーボード」を基準に しています。  前回のWindowsキー(正確にはWindows Logoキーといいますが、 ここでは略してWindowsキーとします)もそうでしたが、よく使う キーは2つあるケースが多いです。  今回のCtrlキー、Altキーも左右2つあります。 (1)Ctrlキー.  このキーは、キーボードをいくつかのグループに分けた中で、一番 大きなグループである、文字キーなどを含んだ部分の一番手前の一番左と 一番右にあります。  説明するときは、キーボードの一番手前に指をもっていってもらい、 一番左手前角の左Ctrlキーを確認してから、そのままの状態で指を 右にズラして、グループの右端まで行き、右Ctrlキーを確認します。 こうして、同じ名前のキーが2つあることを認識してもらいます。  ただ、どの指で確認するかについては、この段階ではあまり厳密に しなくていいと思います。 (2)Altキー.  このキーは、左Ctrlキーから2つ目、右Ctrlキーから3つ目だということを Windowsキーの場合と同じ要領で説明します。 ただ、初心者にキーの説明をする際は、「Altキーはかつては『前面キー』と 呼ばれていたこともある」などと理屈を説明するのは、受講生がよほど 関心を持っている場合を除いては避けたほうがいいと思います。 「変な名前のキーですね」などと言ったほうが印象に残ることもあります。 (3)Escキー.  このキーは、キーボードの左上端に一つ独立してあるので、その特徴を 使って説明すると分かりやすいです。  つまり、指をキーボードの一番左上端にもっていってもらい「ここに 一人寂しくあるキー」などと言うと印象に残ると思います。  そして、「名前もエスケイプキー」なんて、逃げるイメージです」と 付け加え、「だからこのキーは何かを止めるときなどによく使われます」 などと説明するのもいいかもしれません。  次回は、半角全角キー、Tabキー、Shiftキーなどについてお話しします。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎ダイアログボックスの部品(1) 1.ボタン. 衣服のボタンは丸がほとんどですが、Windowsのボタンは四角い形です。 その上に名前が表示されています。名前の右のかっこ内の通常下線の付いた 文字は、ショートカットです。フォーカスを持っていると、四角の領域の 内側に点線が表示されます。 Tabキーでボタンにフォーカスが移動すると、スクリーンリーダが名前と ショートカットを読み上げます。ここでEnterキーを押すとボタンに登録 されているコマンドつまり命令が実行されます。 そのボタンがフォーカスを持っていなくても、表示されていて有効なら Altキーを押し下げている間に、かっこ内の文字を押すことで実行する ことができます。 ボタンは「プッシュボタン」とか「コマンドボタン」と呼ばれることも あります。コマンドは、命令と翻訳されています。要するに、「このボタン を実行すると、定義されている命令を実行する」ことを意味しています。 スクリーンリーダにより「プッシュボタン」や「確認」と聞こえることも あります。 ボタンのことを「確認」と覚えると晴眼者とのコミュニケーションが できません。 設定により読みの「確認」を変えることができますので、変更することを 推奨します。 一部のボタンにしか用意されていませんが、F1キーを押すと説明が表示 されることがあります。 これも一部のボタンにしか、用意されていませんが、Shift+F10または アプリケーションキーでコンテキストメニューが表示される場合もあり ます。 2.ラジオボタン. ラジオボタンは丸い形をしています。ラジオボタンは2つ以上から1つだけを 選択して有効にする機能です。無効なラジオボタンは白い丸です。有効な ラジオボタンは、白い丸の中に黒い丸があります。そもそも、ラジオボタン とは、ラジオの選局をする為のボタンから名付けられたと考えられます。 同時に2つの放送を聞く人は多くはいないはずです。 通常ラジオボタンの右側には、説明が記載されています。その右側に括弧に 挟まれた英字1文字がある場合は、そのラジオボタンのショートカット です。 ラジオボタンは1つだけでは意味がありません。通常2個以上のラジオ ボタンが1つのグループになっています。このグループの名前も表示されて いる場合がほとんどです。 ラジオボタングループの前のタブオーダーの部品で、Tabキーを押すと、 有効なラジオボタンがフォーカスを持ちます。有効なラジオボタンを変更 したい時は、矢印キーで変更します。変更が終わったら、Tabキーで別の 部品にフォーカスを移動して、作業を継続します。 このラジオボタングループ以外が、フォーカスを持っている場合にショート カットで特定のラジオボタンを有効にした場合、そのラジオボタンが フォーカスを持ちます。 また、ラジオボタンでもF1を押すと、説明が表示される場合があります。 同様にShift+F10とアプリケーションキーでコンテキストメニューが表示 されることもあります。 3.チェック. チェックとはある項目または機能の有効と無効を切り替える機能です。 形状が四角なので、チェックボックスと呼ばれる場合もあります。無効な チェックは白い四角です。 有効なチェックは四角の中にチェックがあります。 チェックを有効にしたり、無効にしたりする作業は空白キーを押します。 ところが、空白キーではチェックの有効と無効を切り替えることが できない場合があります。漢字変換機能が有効になっていることが多くの 原因です。その場合、Ctrlキーを押し下げている間に、空白キーを押して ください。チェックもグループ化されていて、グループ名がついている場合 があります。  次回は、リストボックス、コンボボックス、エディットについて説明します。 ******************************************************************   【パソコンよもやま話】 ◎パソコンでよく使われる単位について 貴方がパソコンを購入しようとしたとき、CPUのクロックは何GHz?、 メモリ容量は何GB? ハードディスクの容量は何百GB?なんて聞いたり、聞かれたり・・・。 最近ではハードディスクの容量も2TBなんて物もありますね。 そして、それらの単位と意味をどこまで理解されてお話しされておられ ますか? また、1MBとは実際どれくらいのデータ量であるかを説明できますか? 更に、例えば、USBメモリの容量が512MBと書いてあるのに、プロパティ などで調べると値が異なる場合がありますが、なぜでしょう? 今回はそんなことについて説明していきます。 まず、位取りのためのM,G,Tについての説明です。 M:mega(メガ)の省略記号です。 コンピュータに関する用法では、1,048,576(2 肩文字 20)を表す場合と 1,000,000(10 肩文字 6)を表す場合とがある。一般的には、情報量を表す 場合には前者が用いられることが多い。曖昧さを回避するために2 肩文字 20については2進接頭辞「メビ」(mebi, 記号:Mi)が導入されたが、あまり 用いられていない。 G:giga(ギガ)の省略記号です。 コンピュータの分野においては、ギガは1,073,741,824(2 肩文字 30)を 表す場合もある(ギガビット、ギガバイトなど)。しかし、1,000,000,000 (10 肩文字 9)を表わす場合もある(例:1ギガビット/秒(Gbps) =1,000,000,000ビット/秒)。曖昧さを回避するために2 肩文字 30に ついては2進接頭辞「ギビ」(gibi, 記号:Gi)が導入されたが、あまり 用いられていない。 T:tera(テラ)の省略記号です。 コンピュータの分野においては、テラは1,099,511,627,776 (2 肩文字 40) を表す場合もある(テラバイトなど)。しかし、1,000,000,000,000 (10 肩文字 12) を表わす場合もある(例:1テラビット/秒 (Tbps) =1,000,000,000,000ビット/秒)。曖昧さを回避するために2 肩文字 40 については2進接頭辞「テビ」 (tebi, 記号:Ti) が導入されたが、あまり 用いられていない。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%AC http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%82%AC http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%A9 ※注.肩文字:10の3畳=1000 を(10 肩文字 3)と表現しています。 これ以外にも 、m、c、d、k などがあります。 kはキロです。 私の体重は60kg、駅から歩いて約1.5km などと使っていますね。 gはグラムで重さ、mはメートルで長さです。 そして、Hzはヘルツで周波数や振動数を表す単位です。 Bはバイトで情報量などを表す単位ですね。 つづきは次号で・・・。                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎視覚障害者による視覚障害者のための情報検索サイト、アイリンク。 視覚障害者向けの福祉とバリアフリー情報を多数集めたリンク集と言えると 思います。 多数の情報の中から、望みの情報を得るために、このサイトではカテゴリー 別の分類とキーワード検索が用意されています。 カテゴリー別の分類は二つの異なった角度からの2系統の分類を試みていて、 その内の、アイリンクカテゴリー特集では、バリアフリー、音声 マニュアル、音声用語解説など25の分類があり、一方の一般カテゴリー 特集では、芸術と人文、メディアとニュース、ビジネスと経済などの15の 分類を行っていて、情報にたどり着くのを容易にしています。 キーワード検索は、多少使い勝手になれる必要もありそうですが、例えば、 「パソコン」というキーワードで検索を掛けると、一般のネット内での検索 では1億件以上のヒットがありますが、このサイト内では150件程度の ヒットとなり、このサイト内での視覚障害者向けの情報がそれだけ厳選 されたものになっていることも示しているようです。 なお、このサイトからは「週刊アイリンク」というメールマガジンも発行 されています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。    http://www.eyelink.jp ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎ゆうあいネットPCVOL(ぷくぼる)  〜岡山県内の視覚障害者のパソコンライフをサポート!〜  この会の名称「ゆうあいネット ぷくぼる」は、パソコンボランティアを 略した「PCVOL」というアルファベットをPC-Talkerなどの 画面読み上げソフトで読ませると「ぷくぼる」ということから付けられて いるそうです。  ホーム頁を開くと★当ホームページは第1回ウェブアクセシビリティ大賞 を受賞いたしました。と書いて有ります。  視覚障害者にとって読みやすいホームページだということですね。  活動としては以下のものがあります。 1.毎月1回の例会  視覚障害者へのパソコン指導法の学習や視覚障害者との交流 2.電話、電子メール、訪問によるサポート  視覚障害者からの依頼に応じての活動 3.メーリングリストによる情報交換とサポート 4.IT講習会の開催 5.講習会テキスト、パソコン用語、お勧めソフトなどのWebでの公開  その他、会員からのQ&Aも掲載されており、ホームページで解らない ことが調べられるようになっています。  何といってもこの会の目指すもの「パソボラを育て、岡山県内どこに 住んでいても視覚障害者が支援を受けられる体制を作り上げたい」という 心意気はすばらしいと思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.pcvol.net/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎年度始めにこれ1本、「らくらく予定帳2」  今回は、毎日の予定を簡単に管理できるスケジュール管理ソフト、 「らくらく予定帳2」をご紹介します。  このソフトは、よく使う機能が一覧表示されているほか、予定や項目の 雛形が用意されているので、初めてでも操作や入力に迷うことはありません。 また、項目を自由に変更できるので、主婦や学生向けの個人用から治療院 向けの業務用まで、幅広い用途に使えます。  予定や履歴の一覧を表示したり、データをExcelに転送して家計簿づくりや 治療院の金銭出納管理ができます。もちろん、表示する文字の大きさも 見やすいように変更できます。  誕生日や結婚記念日など特別の日にはお好みの音楽を設定したり、音声や 画像のファイルをカレンダーに付けられるなど、日々の予定管理を楽しく 演出してくれる工夫が満載です。 ●価格 ・個人      :27,300円(税込) ・企業・法人・団体:54,600円(税込、3ライセンスパック) ・優待版     :18,900円(税込、らくらくリーダー、   らくらくボイスまたは名刺の助っ人の個人ユーザ様) ・アップグレード版: 9,975円(税込、2008年1月1日以降ご購入の   個人ユーザ様には無償提供) ●発売日:2008年4月1日 ●対応OS:WindowsXP/Vista ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.ainet-jp.net/products/anscheduler/index.htm ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見  など何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に お寄せください。 ◎視覚障害者パソコン指導者養成講座(旭川)開催のご案内  財団法人 機械産業記念事業財団が主催し、SPANが協力する講座が 北海道旭川市で開催されます。この講座は、視覚障害者のパソコン指導者を 養成するもので、これにより一人でも多くの視覚障害者がパソコンや インターネットなどのICT(情報通信技術)が活用できるようになること を目指します。 *日時: 2008年5月17日(土)・18日(日) 2日間コース *場所: 旭川神楽公民館 *定員: 10名 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/tepia/info_asahikawa080517-18.html ◎「フォーラム障害者とICT 2008」開催のご案内 日本障害者協議会では、障害のある人びととICT(情報通信技術)利活用 のための課題を深めあう場として以下のフォーラムを開催します。 *日時: 2008年5月25日(日) 9:30〜16:30      前夜祭=5月24日(土)16:00〜19:00 *会場: 東京・セシオン杉並 *内容: 実践学習、セミナー、講演、シンポジウムなど ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/ict2008.html ◎第2回全国視覚障害者携帯ワープロ競技大会 選手募集中!  NPO法人アイティーフリーでは、第2回全国視覚障害者携帯ワープロ 競技大会を開催し、出場選手を募集しています。 *テーマ: 「皆で作ろう共生社会」 *日時: 2008年6月15日(日) 12:30〜17:00 *場所: トーコーシティホテル新大阪 2階「六甲の間」 参加方法: 点字参加と音声参加のいずれかを選択 内容: 点字参加者は点字原稿を読みながら、音声参加者はデイジーCD原稿     を再生しながらその内容を50分間携帯のメール本文画面に漢字     かな混じり文として入力し、その速さと正確さを競います。 *定員: 点字参加、音声参加を合わせて60名 *受付期間: 4月1日〜5月15日 *申し込み方法: 必ず当日使用する携帯電話からのメールで ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.geocities.jp/itfreeosaka/ ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  今月はいくつかのイベントや講座の案内を掲載しましたが、ここに紹介 できなかったものも含めて、視覚障害者を対象にした企画が多くあることは とてもうれしいことです。こうした情報が増えて、「イベントコーナー」 などという新しい企画ができればいいと思います。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。  次号は5月23日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク                        SPAN(スパン)                       メールマガジン編集部   発行責任者:北神アキラ http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━