━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2008年9月号 No.23                        2008年9月26日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  見えづらさをカバーするためのWindows上での設定(1) ● プロフェッショナルコース  晴眼者にも大人気、Wordのショートカット(4) ● 【コラム】 パソコンよもやま話  PDFファイルの読み方 その2 [2] サポートお役立ちサイト  キーボードショートカットキーの一覧。 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  特定非営利活動法人 市民社会創造ファンド [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  「MyMail III(マイメールスリー)」を発売 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  アイフェスタ 2008 in おかやま 開催 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎見えづらさをカバーするためのWindows上での設定(1)  見えづらさをカバーするためのWindows上での設定を良く知っていること が大切です。もちろん、特別な拡大ソフトを活用することも必要ですが、 知らないだけで、結構使えるものが存在しています。ちょっとした画面の 変更や、文字の拡大が、大きな助けになることがあります。 コントロールパネルの「画面のプロパティ」は、奥深いものがありますね。 まずは、デスクトップのタブ画面の設定です。気分転換に画面の背景を 変えてもいいのですが、弱視にとって、何より大切なのは、見やすさです。 背景のデザインが、アイコンと並んで、見づらい場合があります。背景は、 基本的に「なし」を選んでください。背景のリストビューの一番上が 「なし」になっています。 問題は、デザインのタブです。私の場合は、「ウインドウとボタン」の コンボボックスは、「Windowsクラシック」、「配色」のコンボボックスは、 「ハイコントラスト黒」(一般的な設定はWindowsスタンダード)、 「フォントサイズ」のコンボボックスは、「特大」(一般的には「標準」) としています。 私は、これがお気に入りですが、これは、一例に過ぎません。一人一人に 合った組み合わせを時間をかけて見つけ出す必要があると思います。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎晴眼者にも大人気、Wordのショートカット(4)  今回は文字カーソルの動きについて確認しましょう。 (1)文の先頭と最後への移動. [Home]、[End]は行のはじめと終わりでしたが、[Ctrl]+[Home]は文全体の 先頭に移動します。[Ctrl]+[End]は文全体の最後に移動します。 (2)Ctrlキーと方向キーの併用. 意外に知られていないのが、[Ctrl]+[方向キー]です。 [Ctrl]+[左右方向キー]では、ほぼ単語単位の移動になります。 [Ctrl]+[上下方向キー]では、文節単位の移動になります。 たとえば、現在行の右端が文字の長さの関係で自動的に折り返している時に [Ctrl]+[下方向キー]を押すと次の行の先頭(つまり、明示的に改行がある 次の文字)に移動します。自動番号発生を利用していない限り、音声にも 対応しています。 (3)方向キーでの移動の確認. 左右の方向キーで1文字づつ動くことは容易に想像がつきます。 上下の矢印の動きは下記の様になります。 文字が全部全角の場合の例で、 先頭から1行目は全角で4文字、2行目は全角で2文字、3行目は全角で 5文字の例 先頭行に移動して[右方向キー]を3回押します。すると、3文字目と4文字目 の間に文字カーソルがあります。 ここで[下方向キー]を押すと、2文字しかないので、行の最後に移動します。 ここでさらに[下方向キー]を押すと、以前の位置を覚えているので、 2文字目の後ろではなく3文字目と4文字目の間に移動します。ワードパッド でも同様です。 しかし、メモ帳では以前の位置を覚えていないので、2文字目の後ろに移動 します。 半角文字があるとどうなるのでしょうか? 半角文字2個で1文字として扱われます。 (4)PageUpキーとPageDownキー. [PageUp]と[PageDown]は1画面分移動します。 [Ctrl]+[PageUp]は前の画面の左上に移動します。 [Ctrl]+[PageDown]は次の画面の左上に移動します。 (5)Shiftキーとの併用. もちろん、上記の操作はShiftキーとの併用も可能です。 次回は、選択された範囲の編集について説明します。 (おまけ)方向キーの確認用サンプル 下記は例1(ワードに貼り付けて下さい) 1234 12 12345 下記は例2(最後に半角で1行加えてあります) 1234 12 12345 12345 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎PDFファイルの読み方 その2  最近は情報提供の手段として、WebサイトにおいてもPDFファイルが増えて きています。 そこで、音声で読む方法をいくつかお知らせしましょう。 今回はその2回目です。 ●ソフトを使用する方法 ・「速攻!Pdf to Data」を使用すれば、  PDFファイルをWordファイルや、テキストファイルに変換できます。  これも、暗号化がされている場合はだめです。  http://www.crosslanguage.co.jp/products/pdf/data/ 以上はデータに含まれているテキストデータを取り出していて、文字認識を しているのではないので正確です。 これ以外にも、OCRソフト、例えば「よみとも」などでテキスト化が できます。 この場合、スキャナを使うのではなく、PDFファイルを指定するので、印刷 などの必要はありません。 但し、イメージからの文字認識なので100%正確ではないかも知れません。 ※参考 PDFファイルをアドビリーダで開いて、ファイルメニューの 「プロパティ」を実行してください。 このダイアログボックスの「セキュリティ」を選ぶと 色んな項目が、「許可」、「許可しない」などと設定されています。 注目すべき項目は ・内容のコピーと抽出 ・アクセシビリティのための内容の抽出 です。 ・内容のコピーと抽出 が許可されていればテキスト保存が可能です。 ・アクセシビリティのための内容の抽出 が許可されていれば、 アドビリーダで音声読み上げができます。 2つとも「許可しない」でも、暗号化がされていなければ、 「速攻!Pdf to Data」で変換ができるはずです。 XPReaderなど、スクリーンリーダではページ単位での読み上げしかできな かったと思いますが、その中でも、JAWSでは文字単位での読み上げが 可能でした。 アドビリーダで開いたPDFファイルをメモ帳などで読むのと似た感じでした。 これについては詳しくは調べ切れていません。 以上、参考になれば幸いです。                           文責 園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎キーボードショートカットキーの一覧  このメルマガの読者で、視覚障害者にとってのショートカットキーの 重要性をご存知ない方はおられないと思います。 しかし、では視覚障害者にとっても読めるショートカットキーの一覧を 教えて、と言われた場合、さてとお困りの方もおられるでしょう。 今回ご紹介するマイクロソフトのページには、 WindowsVista以下の各Windows、 Office2003以下のWord、Excel、などの各ソフト で利用できるショートカットキーを網羅しています。 このように、ここに収録したショートカットキーの数が多すぎるため、 お望みのショートカットキーに辿りつくのに多少階層が深い、という感じも あります。しかし、必要なページをお気に入りに登録しなおせば、結構便利 に使えると思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.microsoft.com/japan/enable/products/keyboard/default.mspx ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎特定非営利活動法人 市民社会創造ファンド 今回は「新しい市民社会の実現」、NPO(民間非営利組織)の資金源を 豊かにし、民間非営利セクターの自立した発展と活性化を図ることを目的に 活動する「特定非営利活動法人 市民社会創造ファンド」をご紹介します。  この団体は、個人・企業・団体等からの多様な寄付や助成の受け皿と なっており、専門的なコンサルティングや資金仲介をおこなっています。 NPOの基盤強化のために3つのプログラムが有ります。 *基礎強化プログラム  NPO支援組織の基盤強化の為、自主的に調達した資金を財源とした活動  に対して助成などを実施する。 *特定目的プログラム  個人や企業などからの特定の目的を指定したファンドへの寄付や助成金を  財源として、個別のNPOが行う特定のテーマの活動に対して、助成など  を実施する。 *協力プログラム  企業や財団に協力し、個別のNPOが行う特定のテーマの活動に助成する  ためのプログラム開発や公募・選考などの助成業務を受託し実施する。  他に市民社会の創造や発展のための資金づくりに関するコンサルタント 業務をおこなっています。  また、助成事業として、企業や財団が取り組むNPO(市民活動団体)を 対象とした助成プログラムの企画開発や公募・選考、助成プログラムを紹介 しています。 例えば、 (1)ファイザープログラム:ヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援 (2)中央労金助成プログラム (3)フィリップ モリス ジャパン 市民活動〜住民活動助成 (4)ダイワSRIファンド助成プログラム (5)Panasonic NPOサポート ファンド (6)花王・コミュニティミュージアム・プログラム などさまざまな分野の助成の紹介支援をおこなっています。  また、インターンシップ奨励プログラムは、学生を対象に、学業の傍ら、 継続的に1年間NPOの現場で活動するインターンに対し、年間400時間を 上限に奨励金を助成します。  自主プログラムとしては、ファンドへの寄付や会費を財源とし、ファンド 独自の事業として、 (1)外部講師の招聘費(謝金・交通費・宿泊費)を助成 (2)参加者交通費と宿泊費の一部を助成 などの活動もおこなっています。  こうした幅広い助成活動はNPOなどの市民団体にとって大変心強い ものです。、ぜひ活用してみてはいかがですか? ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.civilfund.org/index.html ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎「MyMail III(マイメールスリー)」を発売  PC-Talkerの開発元、高知システム開発のメールソフト、「MyMail」が バージョンアップしました。 コンセプトは「SSL対応など上級者向けの機能を充実させながら、初心者には さらにやさしく使いやすくなりました。」というものです。 *主な新機能 1.片手だけの操作で気軽にメールが読める「流し読み」機能。 2.これからメーリングリストを始めたい方や、すでに慣れている方に 便利なメーリングリスト専用の機能を充実。 3.ユーザから寄せられた要望などを元に、約100箇所の見直しを実施。 5.メールボックスをひとつのグループにまとめて管理。 6.その他、SSL対応(Gmailなど)、着信通知機能の強化、  別名アドレス対応、インポート・エクスポート機能の強化など。 *動作環境:WindowsXP、WindowsVista、  PC-TalkerXP(VDMW300)またはPC-TalkerVista(VDMW500)が動作する環境 *価格:18,900円(バージョンアップ価格あり) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.aok-net.com/products/mymail.htm ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎アイフェスタ 2008 in おかやま 開催 視覚障害者のための総合福祉機器展及び総合相談会が岡山県で開催されます。 *日時:2008年10月19日(日) 10:00〜16:30 *会場:岡山国際交流センター *内容:見えにくい、見えない人のために役立つ講演会・座談会・各種体験・   相談・交流 *参加費:無料 *主催:日本網膜色素変性症協会(JRPS)岡山県支部 ▼詳しくは下記にお問い合わせください。 JRPS岡山県支部(TEL:0868−27−2472) ◎平成20年度 パソコンボランティア指導者養成事業 障害のある人々の自立や社会参加の推進を図るために必要不可欠となる パソコンボランティアの指導者を養成する研修が地方及び東京で開催 *各講座日程及び開催場所:  2008年10月3日(金)〜10月5日(日)  地方研修 福岡 サンライフ第3ビル(予定)  2008年10月18日(土)〜10月19日(日)  視覚障害研修 東京 戸山サンライズ  2008年11月7日(金)〜11月9日(日)  地方研修 京都 未定(京都市内)  2008年11月28日(金)〜11月30日(日)  地方研修 名古屋 なごや福祉用具プラザ  2008年12月5日(金)〜12月7日(日)  盲ろう研修 京都 京都リサーチパーク  2008年12月19日(金)〜12月21日(日)  東京研修 東京 戸山サンライズ  2009年1月23日(金)〜1月25日(日)  特別地方研修 沖縄 未定(那覇市内) *内容:盲ろう社・資格・肢体・その他各種障害者支援のための各種講習 *参加費:研修費(資料代):4,000円 *主催:財団法人日本障害リハビリテーション協会 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.jsrpd.jp/ic/pcv/ ◎「視覚障害者のためのパソコン入門(WindowsVista編)」をSPANが公開 このテキストは、SPANが制作したパソコンを初めて学ぶ方、また サポートをする方のためのテキストです。 *内容: ・Windows Vistaに対応、パソコンを初めて学ぶ人でも分かりやすい解説書 になっています。 ・FocusTalk・PC-Talker、主要スクリーンリーダーそれぞれでの操作の仕方 を解説しています。 なお、それぞれの内容をDAISYの録音図書CD(各1枚)に収録して添付して います。 価格:2,000円(送料は無料) 内容は下記の通りです。 1. キーボード配列 2. FocusTalk編 パソコンの起動から文字入力、インターネットの閲覧やメールの送受信に ついて、FocusTalkでの操作。 3. PC−Talker編 (FocusTalkに順ずる内容) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/text/info_nyuumon.html ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見  など何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  WindowsVistaが次第に視覚障害者の中にも浸透しつつあります。このOSに ついてはさまざまな意見があるようですが、今後Vistaが主流になることは 避けられないと思います。  私たちも何とかVistaを使いこなし、視覚障害者に伝えていく努力をして いきましょう。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク                        SPAN(スパン)                       メールマガジン編集部   発行責任者:北神アキラ http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━