━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2009年11月号 No.37                       2009年11月27日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  良くも悪くも「見る癖」 ● プロフェッショナルコース  Office2002エキスパートユーザのOffice2007奮闘記(7) ● 【コラム】 パソコンよもやま話  見えない、見えにくいってどんなこと?その8 [2] サポートお役立ちサイト  さきがけonTheWeb 音声読み上げ対応ページ [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  ITを通じて真に人が人を支えていけるよう、皆様と一緒に歩む!   「東京都障害者IT地域支援センター」 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  しゃべるテレビが出たぁ!、「LCD-32MX35」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第2回ロービジョンサポートフェア 伊丹で開催 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎良くも悪くも「見る癖」 私が最初にキーボードを覚えたときは、拡大写本ボランティアの方に、AからZ までを大きく書いていただき、それを利用しました。 それぞれの指でどのキーを押すかも、わかるようになっていました。これは、 結構初めてキーボードを触る弱視の方には、好評でした。視力に応じて色々な 大きさのものを作りましたし、大きさは同じだけど、線を太くしたとかという のもありました。そのうち、黒いキーに白い文字のキーボード表もパソコンで 作っていただきました。「F12」より右のグループは、もう一枚に書いて、 セロテープでつなげました。そうすると、少し大きめの109キーボードが 完成します。 キーボードを見て覚えることなど、視覚障害者に対するパソコン指導の中には きっと出てこないと思いますが、見やすいものを教材として提供するのは、 大切だと思います。これは、AからZまでのキー以外のキーの位置を覚えるの にも有効だと思います。 そして、この見て覚えることをやりながら、見ることから、どう離れていくか が大切だと思います。少し回り道ですが、このような指導方法もあってよいの ではと思います。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎Office2002エキスパートユーザのOffice2007奮闘記(7) 今回は残りの「セキュリティ センター」と「リソース」について、説明 します。 [Alt+F]のあとに[I]で「プロパティ」を開きます。左側には、右側に何を表示 するかを選ぶ項目があります。[下矢印]を何回か押して、「セキュリティ センター」にします。 そこで[Tab]キーを押すと右側の「セキュリティ センター」の画面に移動 します。 この画面のタイトルは「ドキュメントを安全に守り、コンピュータを正常で 安全な状態に保ちます。」です。その内容は、5個のWEBへのリンクと3個の ボタン(「セキュリティ センターの設定(_T_)」「OK」と「キャンセル」) でできています。 5個のリンクは3個のグループに分かれています。3個のグループとは 「プライバシーの保護」「セキュリティと詳細情報」「Microsoft Office Word セキュリティ センター」です。 「プライバシーの保護」には、3個のリンクがあります。 (1)Microsoft Office Wordのプライバシーに関する声明を表示する (2)Microsoft Office Onlineのプライバシーに関する声明 (3)カスタマ エクスペリエンス向上プログラム ですが、いずれもマイクロソフト社のホームページが表示されます。 従って、インターネットに接続されていることが必要です。 (1)「 Microsoft Office Wordのプライバシーに関する声明を表示する」 この言葉を読んだだけで、内容を理解できる人は少ないと思います。ここを 選ぶとタイトルが「Office Online」となっているホームページで「個人情報 の取り扱いについての説明」が記載されている「製品のタブ」が表示されます。 「Office Online」 時間があるときに読んでおくことをお勧めします。 Office2007への理解度が高くなります。 「Office Online」は、7個のタブに分かれています。「ホーム」「製品」 「ヘルプと使い方」「ダウンロード」「クリップアート」「テンプレート」 「Microsoft Office Live」です。「製品」のタブが表示されます。 ここでは、個人情報の取り扱いについての説明があります。個人情報について の取り扱いが記載してあります。難しい言葉が並んでいて英語を翻訳したこと がすぐにわかる文章です。しかし、この画面から便利な情報を入手できる糸口 になる点では便利な機能です。 その他のタブでは、便利なテンプレートや、クリップアートを入手することが できます。また、よくある質問に対する回答や、便利な利用方法があります。 (2)「Microsoft Office Onlineのプライバシーに関する声明」 ここを選ぶと、その内容について説明するホームページが表示されます。 説明は省略します。 (3)「カスタマ エクスペリエンス向上プログラム」 これは、Officeのユーザーが参加を表明すると、利用状況の情報がマイクロ ソフト社に送られます。どんな機能を使っているのか?やヘルプを見た回数 などの情報がよりよい製品づくりの情報として利用されます。 次のグループは2個のリンクを持つ「セキュリティと詳細情報」です。その 下の行に説明として「プライバシー保護とセキュリティに関するMicrosoft OfficeOnlineからの詳細情報を表示します。」が記載されています。 (1) Microsoft Windowsセキュリティ センター このグループの説明では、「Microsoft Office Online」インターネット接続 で表示されると思ってしまうのですが、なぜかコントロールパネルの中の 「セキュリティ センター」と同じダイアログが表示されます。 (2) 信頼できるコンピューティング  マイクロソフトがどのようにパソコンのソフト開発に取り組んでいるかを 説明するホームページが表示されます。 次は「リソース」について、簡単に説明します。 6個のボタンがあります。 (1) 「更新プログラムの入手」にはボタン「更新プログラムのチェック(_U_)」 があります。 (2) 「Microsoft Office 診断プログラムの実行」にはボタン「診断(_D_)」 があります。動作が安定しない時に試してみてください。 (注意:一回の実行に15分程度かかる場合もあります。) (3) 「お問い合わせ」の説明は「必要なヘルプ情報や、Microsoft Office の 品質向上に関するご意見をお知らせください」とあります。ボタン「お問い 合わせ(_C_)」を実行すると、マイクロソフトのWEB「サポート オンライン」 へのリンクがある簡単なダイアログが表示されます。 (4) 「Microsoft Officeのライセンス認証」にはボタン「ライセンス認証 (_A_)」があります。 ライセンス認証されている場合は、完了していることを示すメッセージボックス が表示されます。 (5) 「Microsoft Office Onlineに移動」にはボタン「Office Onlineに移動 (_G_)」があります。実行すると、Office Onlineのホームページが開きます。 (6) 「Microsoft Office Word 2007のバージョン情報」にはボタン「バージョン 情報(_T_)」があります。 次回からは、いよいよOfficeの本体について説明します。 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎見えない、見えにくいってどんなこと?その8 今月も先月号に引き続き「弱問研」が作成した「弱視者いろはカルタ」を題材 に取り上げながら説明します。 ・ころころと ころがるこぜに みみでおう 私自身もよく経験していることです。 見えにくくて転がっている小銭を目で追えない、また視野が狭くて追えないん ですね。 その時どうするか。耳をそばだて、音を追いかけるんです。 そして、音の聞こえなくなった辺りを、手のひらなどで探すんですね。 云うまでもなく、絨毯などではダメですよ。でもその場合はあまり転がらない でしょうから見つけやすいですね。 私にはできないですが、チャリーン、と落ちた音で小銭の種類が判断できる 人もおられるようです。 1円と500円の区別はできるでしょうが・・・。 また、この様な事から、見えない人は耳がよい、などとよく言われています。 でも、これは間違い?で、耳(音)への集中力が増すだけのことだと思って います。 感覚代行とも云われていますが、ある感覚器官が損なわれると、それを補える ようになるんですね。 私の例ですが、見えていたときは、横断歩道を歩いているとき、足にはただ 歩いているだけの感じしかありませんでした。 それが、見えなくなると、わずかな昇り・降りが感じられたんです。 これで、一番高いところが足で確認でき、横断距離の半分まで歩いてきた判断 ができるようになりました。 また、歩道のない道では、道の端を歩けるようにもなりました。 これらは、舗装道路は雨が溝に流れていくように、かまぼこ形になっている からですが、そのわずかな傾きが感じられるようになったことです。 見えていたときは、その傾き情報が目から先に入ってくるため、足では感じ られなかったのではと考えています。 つづく                           文責 園 順一 ※参考 ■ 弱視者いろはカルタ 2,940円(税込) 購入はこちらから 弱視者問題研究会/著 高柳泰世/監修 柴崎幸次・アトリエ・メディア・ZOO/デザイン・編 http://www.daikatsuji.co.jp/archives/attention/post000603.php#honbun ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎さきがけonTheWeb 音声読み上げ対応ページ アクセシビリティに配慮した、秋田魁新報のWebサイト内のページです。 このページでは、読み上げユーザには邪魔な一切のヘッダ部分やフッダ部分を 削除してあります。 秋田内のページに始まり、社説、コラム、訃報の後に全国ニュースの、 主要、政治、経済、等々と各ニュースのリンクが並んでいます。 この程度まで各ニュースだけのリンクの形になっていると、視覚障害者用に 開発された新聞読み上げソフトに頼らなくても楽に新聞の最新ニュースが 楽しめます。 主要新聞さん達も、この程度まで視覚障害者に配慮してもらえたらなあ、 とかちょっと複雑な気分にもなります。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.sakigake.jp/p/voice/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎ITを通じて真に人が人を支えていけるよう、皆様と一緒に歩む!  「東京都障害者IT地域支援センター」 東京都障害者ITサポートセンターは、21年4月1日から、「東京都障害者IT地域 支援センター」と名称が変わりました。 区市町村とのパイプを太くするための活動や、私たちが居住地の近くで サポートが受けられるよう地域との連携を今まで以上に図り、IT相談やIT機器 の展示、体験学習や見学など、今まで通りの業務を行っています。 ●IT利用相談支援  1.障害のある方や家族等からの電話・FAX・メール又は来所による相談支援業務 2.障害者IT支援に関する区市町村職員様からの相談支援業務 3.ITサポーター(ボランティア)による訪問支援及びセンターでの体験実習支援 4.センター内での機器の展示・体験実習の実施 5.IT地域支援センターホームページの管理・運営業務 6.障害者のIT利用支援のための必要な情報収集・情報提供 ●障害者のIT支援者養成研修 区市町村職員等を対象に、障害者IT支援のための講習会の開催 ITに関する各種相談の受付:社会福祉士資格を有するスタッフが、技術的な 相談はもとより、生活上のIT利用の目的等を時間をかけて返答し、関連機関や 他の福祉リソースの紹介も含め、一緒に問題点の解決をはかります。 支援機器・ソフト等の展示:展示スペースの機器や情報は自由に試すことが でき、必要な際は、機器コーディネータ(e―AT資格保持者)が、機器の調達 のお手伝いや、今後のサポート体制をスタッフとともに計画してくれます。 障害者特別措置がある主なIT資格試験:障害を持つ方が受験しやすいよう、 試験時間延長などの特別措置を設けているIT関連の資格試験の紹介をして います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.tokyo-itcenter.com/index.html ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎しゃべるテレビが出たぁ!、「LCD-32MX35」  今回は、三菱電機株式会社から10月21日に発売された音声ガイドによる 操作が可能な地上・BS・110度CS デジタルハイビジョン32V型液晶テレビ 「REAL」MXシリーズ、「LCD-32MX35」をご紹介します。  本機の特長は以下のとおり。  リモコン操作でテレビ画面が左右約30度ずつ振り向く「オートターン機能」 により、高画質と高音質を正面のベストポジションで楽しめます。また、 「おすすめ音量機能」により、番組やDVDなどのコンテンツ全体の音量感が常に 一定の範囲となるように自動調整します。  少ない蛍光管で従来と同等の明るさを実現した「ECOパネル」の採用により、 同インチサイズの年間消費電力量比較で業界トップクラスを実現。また、 省エネ効果を画面上で確認できる「ECOメーター」「ECOモニター」を搭載。  映像信号の特徴を解析して5つのカテゴリーに分類し、最適な画質に自動 調整する「オートジャンル適応画質・音質モード機能」や一般のテレビ放送や サラウンド記録のない映画、スポーツ、音楽番組なども臨場感のある音質で 楽しめる「DIATONE サラウンド2.0機能」など映像や音響面も強化しました。  さらに、電子番組表の番組タイトルや番組内容、予約状況などを音声で 知らせてくれる「しゃべるテレビ機能」、リモコン操作を認識し、ボタンが 押されたことを確認できる「報知音機能」を搭載。テレビ設置時に必須の各種 設定などを設問方式で行える「らくらく設定機能」では、郵便番号を入力する だけでデジタル放送、地上アナログ放送のチャンネル設定ができるほか、 手順を音声でガイドしてくれます。  そのほかデジタルカメラで撮影したJPEG静止画を再生できたり、料理の レシピなど気になる画面情報を簡単にメモできたり、テレビ内のファン音が 気にならないファンレス設計だったり、転倒防止を考慮したスタンド設計 だったりと身近な使い勝手を追求した便利機能群が満載です。 外形寸法:幅78.3cm 高さ52.4cm 奥行8.9cm 質量:11.0kg 価格:オープン ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2009/1015-b.htm ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第2回ロービジョンサポートフェア 伊丹で開催 *日時:2009年12月5日(土) 13:00〜16:00 *会場:伊丹市立産業・情報センター *内容:福祉機器展示・販売、ミニ講座(白杖歩行入門)、ロービジョンQ&A (眼科医山縣祥隆氏) 体験コーナー:音声パソコンや点字の体験コーナー、相談コーナー *主催:特定非営利活動法人 神戸アイライト協会 *問い合わせ:神戸アイライト協会(電話:078-221-6019、Fax:078-221-6029 E-mail:itfarm@rhythm.ocn.ne.jp)まで。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://eyelight.eek.jp ◎ 視覚障害者のためのパソコンサポートボランティア養成講座、神戸で開催 *日時:2010年1月13日(水)、20日(水)、27日(水)、以上全3回 12:30〜16:00 *会場:こうべ市民福祉交流センター *内容:音声ソフト体験、キーボード操作の練習など *対象:受講後、視覚障害者のパソコンサポートボランティア活動に新たに 従事できる方 *定員・受講料:10名・1500円(全3回、テキスト代含む) *締切:12月18日(金) *主催:神戸市社会福祉協議会・市民福祉大学・神戸アイライト協会の共催 *申し込み・問い合わせ:こうべ市民福祉交流センター1F市民福祉大学 (電話:078-271-5300)まで。 *その他:申し込みの際の必要事項は、講座名「視覚障害者パソコンサポート ボランティア講座」、住所、氏名(フリガナ)、年齢、電話番号 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.with-kobe.or.jp/college/koza1.htm#koza2 ◎ 視覚障害者のためのパソコン指導者養成講座、松山で無料開催 *日時:2010年1月23日(土)10:00〜17:00、24日(日)10:00〜16:00、2日間 *会場:愛媛県視聴覚福祉センター 4F 多目的ホール *定員:10名※定員になり次第締切らせていただきます。 *対象:視覚障害者に対するパソコン指導者を目指す方でWindowsパソコンで メールの送受信やホームページの閲覧などができる方。また、講習会の全日程 に参加できる方。 *締切:1月16日(土) *主催:財団法人機械産業記念事業財団 http://www.tepia.jp/ *運営:特定非営利活動法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/tepia/info_100123-24matsuyama.html ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見  など何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Windows7のリリースと同時に、FocusTalkとPC-Talkerが対応するスクリーン リーダーを発売しました。視覚障害者がPCを使う環境は確実に進歩していると 思います。ただ、そうした新技術にサポートする側が応えていくのはなかなか 大変です。今後もそうした方々への情報提供に努めていかなければと気持ちを 新たにしています。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は12月25日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 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