━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2011年8月号 No.58                       2011年8月26日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース   Excel基礎(4)   Excelの計算機能 ● プロフェッショナルコース  ノートパソコンのテンキーモード ● 【コラム】 パソコンよもやま話  視覚障害者用ツール 音声電卓 [2] サポートお役立ちサイト  読書の時間バージョンアップ [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  独立行政法人 福祉医療機構の「社会福祉振興助成事業」 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  設定から計測までをガイドする音声機能つき体組成計、「BC-202」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  神戸アイライト協会「ミニ・ロービジョンフェア」を開催 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎ Excel基礎(4)  Excelの計算機能 今回はExcelの計算機能について説明します。 Excelは表計算ソフトと言われるように、ソフトの中で電卓で計算するような 複雑な計算もできてしまいます。これはExcelに計算機能が備わっているため です。 Excelの計算方法にはいくつかあり、数値と演算記号を利用して計算する方法、 計算対象となるセルを参照して計算する方法、関数を利用する方法などです。 まずは、数値と演算記号を利用した計算方法を例にあげて説明します。 1.セルA1に『=80+20』と入力してEnter キーを押します。 2.カーソルが隣接するセルに移動した場合は、[上下左右方向]キーでセルA1に  移動します。 3.セルA1に「100」と表示されます。これは「セルA1」に「80+20」の計算結果  である「100」が計算されたからです。 Excelで計算式を入力する場合は、2つの原則があります。 先頭に「=(イコール)」を入力するとExcelがセル内に入力されている内容を 計算式であると認識します。 もう1つの原則は、「=(イコール)」に続けて、計算内容を演算式や関数を使用 して入力することです。 次に計算対象のセルを参照する方法についても例をあげて説明します。 Excelでは計算式を直接入力するよりも計算対象となるセルを参照する方法が 汎用性があり、便利なため、こちらの方法が一般的に利用されています。 1.セルB1に『80』と入力します。 2.[右方向]キーでセルC1に移動して、『20』と入力します。 3.[左方向]キーを押して、セルA1に『=B1+C1』と入力します。  これは、「セルB1とセルC1の数値を加算する」という意味です。 4.[Enter]キーで確定します。 ⇒セルA1に「100」と表示されます。 Excelでは、計算対象のセルを参照して計算しているため、参照するセルの 内容を変更すると計算結果も自動的に変更されます。 例えば、セルB1の「80」の上から「30」と入力しなおして確定します。 ⇒セルA1の計算結果が「50」に変更されます。これは、セルB1に入力されて いた内容が「80」から「30」に変更されたためです。 このように、Excelには再計算機能が備わっていて、計算結果が自動的に変更 されるのです。 再計算機能を利用すると、ちょっとした見積もりも、金額を変えながら概算 することができてとても便利です。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎ノートパソコンのテンキーモード ノートパソコンでは、「789uiojklm」のキーをテンキーとして利用することが できる場合があります。 その場合、押した文字と異なる文字が入力されて困惑することがあります。 例えば、「自己」を入力するために[j]を押したところ、文字カーソルが行末 に移動してしまいました。「J」が[End]キーに割り当てられていたためです。 また、「jiko」と入力したら「1526」と表示される場合は、数字モードに なっているためです。 [Fn]キーと他のキーを使用してテンキーモードを解除すれば元に戻るものも あります。 また、[NumLock]キーを押すと切り替わるものもあります。 注意:モードを切り替えるために[Fn]キーと組み合わせるキーは、メーカーに より異なるので確認が必要です。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎視覚障害者用ツール 音声電卓 今まで多くの便利グッズの紹介をしてきました。 ぼつぼつと終わりに近づいてきています。 紹介している便利グッズ商品のほとんどはSPANが所持しているものです。 これらは日本ユニシス株式会社様からの「ユニハート・日本ユニシス寄付金を 活用させてもらったものです。 今回は音声電卓について紹介します。 昔、読み書き・そろばん、今はそれに代わるものとして、パソコン・音声電卓 でしょうか。 技術の発展により、パソコンがしゃべり出し、電卓まで話し始めました。 友人の車に乗せてもらったら、まぁ、しゃべるわ、話すわ、煩かったですが ・・・。 カーナビがしゃべり、ねずみ取り警告機がわめくんです。 この様に、音声合成技術は進んできています。 小さなチップだけで、合成音の出力ができる様になってきて、我々眼の不自由 な者にとってはとても助かります。 10数年前に私が手に入れた時の音声電卓の価格は3万円ほどしていたと思い ます。 それが今では千円あまりでも購入可能になっています。 機能的な違いもありますが。 音声電卓については余り説明することもないのですが、押したキーを読み 上げる事と、計算結果を読み上げてくれます。 ここで購入時に注意することがあります。 計算結果をどのように読み上げてくれるかです。 棒読みしかできない機種と、位取りをして読み上げてくれる機種があること です。 種類もいくつかあるので、購入前に手に取るか、通信販売であれば、確認 されることをお勧めします。 付加機能として、音声時計などがついているものもあります。 参考URL http://www.technomate.jp/calc.htm http://www.iccb.jp/salon/%e5%95%86%e5%93%81%e4%b8%80%e8%a6%a7/1660-2/1734-2/ また、パソコンで利用できる電卓(カルメモ)もあります。(無料) http://www.vector.co.jp/soft/win95/personal/se346638.html このソフトはスクリーンリーダに対応しています。 すなわち、音声電卓としての利用ができます。                           文責 園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎読書の時間バージョンアップ この「読書の時間」はフリーソフトで[Enter]キーと[矢印]キーの操作で、 「本」ニュース」「サイマルラジオ」と「音の検索」などが簡単操作で聴く ことができます。しかもスクリーンリーダーとも相性が良くとてもよくできた ソフトです。 今回の情報は、バージョンアップして、さらにインターネットラジオが聴き 易くなったというものです。 インターネットラジオは、海外のラジオや国内の地方局のラジオなど豊富で、 その中でも視覚障害者が聴きたい、NHKの「聴いて聴かせて」や「日本福祉 放送」まで簡単な操作で聴くことができます。 「2ちゃんねる掲示板」も新たに追加されています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.eonet.ne.jp/~akiraworld0719/dokusho.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎独立行政法人 福祉医療機構の「社会福祉振興助成事業」 ●独立行政法人 福祉医療機構(WAM)とは 独立行政法人 福祉医療機構)は、社会福祉・医療事業団の事業を承継し、 平成15年10月1日に福祉の増進と医療の普及向上を目的として設立された 独立行政法人です。 福祉医療機構は、福祉施設や医療施設に対するご融資や経営支援、WAM NET、 退職手当共済、心身障害者扶養保険、年金担保貸付、NPOへの助成など福祉・ 医療に関する多種多様な商品・サービスを一体的に実施することにより、 社会保障を支える福祉医療の基盤づくりに貢献しています。 このうち、今回はNPOなどへの助成事業をご紹介します。 ●社会福祉振興助成事業 この事業は、NPO等が実施する民間福祉活動に対して助成を行います。 *事業の概要 高齢者・障害者が自立した生活を送れるよう、また、子どもたちが健やかに 安心して成長できるよう 必要な支援等を行います。 独立行政法人 福祉医療機構(WAM)は、社会福祉振興助成事業を通じて、多様な 社会資源がそれぞれの地域で有機的に連携・協働し、それぞれの得意とする 活動を行いながら人と地域の絆をつくり直し、支え合いと活気のある地域社会 の再生を目指すシステムづくりに取り組みます。 *NPOをはじめとする民間福祉団体の活動を助成金で支援します 国から補助金を受けたWAMが、応募申請を審査・採択し助成金を交付する ことで、NPOなどによる民間福祉活動を支援します。 *様々な方法で事業を支援します 事業評価を通じて得られた成果などをもとに、事業の展開や継続、発展の ための情報提供や助言などの支援を行います。 *助成対象者 NPO、社会福祉法人などの他、法人格のない団体(非営利任意団体)も助成を 受けることができます。(個人は対象としていません。) 助成金の申請をお考えの団体にはぜひ知っておいていただきたい事業です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://hp.wam.go.jp/guide/jyosei/tabid/176/Default.aspx ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎設定から計測までをガイドする音声機能つき体組成計、「BC-202」  今回は、8月1日に株式会社タニタから発売された音声案内機能を備えた 体組成計インナースキャンボイス「BC-202」をご紹介します。  本機は、設定から測定までを音声でサポートし、誰でも手軽に体重や 体脂肪率、内臓脂肪レベルなどを知ることができる体組成計です。初期設定の 手順を音声でガイドしてくれるので、この音声に従って日時や個人データを 入力すれば、誰でも簡単に設定でき、すぐに使用することができます。また、 計測した数値や判定も音声でお知らせします。音量は大・小・オフの3段階に 切り替えられるほか、イヤホンジャックも備え、計測結果のプライバシー 保護にも配慮しました。  計測は体重、体脂肪率、BMI(体格指数)、筋肉量、内臓脂肪レベル、基礎 代謝量、推定骨量、体内年齢、体水分率の9項目。体脂肪率、内臓脂肪レベル、 筋肉量、基礎代謝量は標準値と比較した判定も表示します。体組成計に乗ると 電源が入る「ステップオン」機能、測定者を自動で判別する「乗るピタ」機能を 搭載しているため、ボタン操作をすることなくわずか8秒で計測することが できます。さらに、計測時に足元が安定する横に広いボディーを採用したり、 かかと側の電極に乗る位置の目安となる立体的な目印をつけるなど、「使い やすさ」と「安全・安心感」に徹底的にこだわりました。 ※体重やからだの電気抵抗を基に、登録者の中から測定者を自動的に判別し ます。体格が近似している(双子など)場合、判別しにくくなるケースがあり ます。 ●仕様 商品寸法:D 300mm × W 352mm × H 37mm 商品質量:約1.6kg 電源:単3形乾電池4本 主な付属品:取扱説明書(保証書付)、単3乾電池4本 保証期間:1年 標準価格:15750円(税込) ▼詳しくは下記のURLを1行にしてからご覧ください。 http://www.tanita.co.jp/tanita/hp/productSearchResult.do;jsessionid=A7DD7D05601F2598569299 ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎神戸アイライト協会「ミニ・ロービジョンフェア」を開催 特定非営利活動法人 神戸アイライト協会は、以下の内容で「ミニ・ロー ビジョンフェア」を開催します。 *日時:9月2日(金) 13:00〜16:00 *会場:中山記念会館内 神戸ライトセンター 2階 *内容:相談(見えない、見えにくいことでお困りのことについて)、 ロービジョン用具(拡大読書器、ルーペ)の紹介と体験、音声パソコン体験、 便利グッズ紹介 ほか ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://eyelight.eek.jp/minilvf.html ◎宮崎市で視覚障がい者向け福祉機器展を開催 財団法人 宮崎県視覚障害者福祉協会は、以下の内容で視覚障がい者向け福祉 機器展を開催します。 *日時:9月25日(日) 9:00〜16:00 *会場:宮崎県立視覚障害者センター *内容:視覚障がい者向けIH家電展示体験会、パソコン・デジタル機器利用 相談会、弱視眼鏡・日常生活用具利用相談、音声付き携帯電話「らくらくホン」 利用相談会、プレクストーク使用説明会 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://hpm.miyashishou.jp/080904134135/ ◎「日本ライトハウス展2011」を開催 社会福祉法人 日本ライトハウスは、以下の内容で「日本ライトハウス展 〜全国ロービジョンフェア2011」を開催します。 *日時:10月1日(土)・2日(日) 10:00〜16:00 *場所:難波御堂筋ビル 7階ホール *入場料:無料 *内容:福祉機器展示会(30数社)、ワークショップ、体験イベントなどの ミニステージ、エンジョイ!グッズサロン ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.lighthouse.or.jp/ ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見  など何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 高校野球も終わり、暑かった夏も少しずつ秋へとバトンタッチをしているよう です。日本の「四季」はやはりすばらしいと思います。 ICT環境も、パソコンからスマートホンやタブレットPCへと変化しており、 視覚障害者がこうしたツールにどうアクセスするかもこれからの課題だという 気がします。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は9月23日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク                        SPAN(スパン)                       メールマガジン編集部   発行責任者:北神アキラ http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━