━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2012年3月号 No.65                       2012年3月23日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  見やすいこと ● プロフェッショナルコース  バッチコマンドの使い方(5) ● 【コラム】 パソコンよもやま話  音声を認識するパーソナルアシスタント機能 日本語Siri [2] サポートお役立ちサイト  東日本大震災視覚障害者現地情報・支援活動 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  東京都盲ろう者支援センター [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  カーナビの技術を応用したしゃべるGPS、「Trekker Breeze」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  土曜講座「2003ユーザーのためのWord・Excel2010の操作」のご案内 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎見やすいこと 最近、iPadUを使うことがあります。 そして、その見やすさに驚くことがあります。もちろん、改善してほしいことは 山ほどあるんですが、何が見やすいと感じさせるのかを考えてみました。 1. とにかく画面が明るいこと これは、他の携帯端末に比べて随分と明るさの差異があると思いました。 2. 姿勢を楽にして見ることができること パソコンだと、パソコン本体の画面に眼を近づけるために、首をぐっと前に 出さなくてはなりません。これはかなり大変な姿勢になります。 長時間こうしていると腰や首が痛くなりますね。 しかし、iPadだと画面をも持って自分の目に近付けることができます。 窓や照明等の光の問題があれば、iPad本体の向きを変えればよいのです。  このような「見やすさ」を、考えて通常のパソコンにおき直して考えて みます。 1.の問題は、パソコンの明るさの調整で対応します。省電力の流れで、 画面が暗くなっているように感じるのは私だけではないと思います。 パソコンは以前のほうが見やすい画面でした。 とにかく、画面を暗くしないことです。 2.については、画面を眼のほうに近づけるように、回転する台に乗せるように します。ノートパソコンなら、机の手前の隅までパソコンを近づけることです。 外付けのキーボードをつけている場合は、まな板のようなものを本体の キーボードに渡し、その上に外付けキーボードを置くのも方法です。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎バッチコマンドの使い方(5) 今回もいくつかのバッチコマンドを紹介します。 MD はMake Directory つまりフォルダを作成するコマンドです。 MD ABCとすると、そのフォルダにABCという名前のフォルダが作成されます。 CD はChangeDirectoryです CD \ と入力すると、現在のドライブの先頭のルートフォルダに移動します。 現在のフォルダ(つまりディレクトリ)に名前がABCであるとすれば、 CD ABCでそのフォルダに移動します。 CD .. と入力すると親のフォルダに移動します。 TREE は指定したフォルダの内容とその構造を示すテキストファイルを表示 します。 たとえば、現在のフォルダの下にbbbとxyzというフォルダがあり、 xyzの中にaaaというフォルダがある例では、下記のテキストになります。 フォルダ パスの一覧: ボリューム SSVOL ボリューム シリアル番号は 1234-5678 です C:. ├─bbb └─xyz └─aaa SORT は並べ替えをします。 SORT /+4 ABC.TXT > XYZ.TXT をテキストファイルGO3.batに入れて実行すると、4文字目以降を対象にして 順番に並べ替えます。 >(大なり)があるので、その結果が XYZ.TXT に出力されます。 ABC.TXTが下記の4行の場合 渋谷 160円 池袋 210円 新宿 190円 目黒 120円 XYZ.TXTは下記の4行になります。 目黒 120円 渋谷 160円 新宿 190円 池袋 210円 バッチコマンドについては今回が最終回です。 次回からは、別の内容をお届けする予定です。 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎音声を認識するパーソナルアシスタント機能 日本語Siri 最近話題になっていることの一つが、スマートフォン(スマホ)を声で使える ようになって来ていることではないでしょうか。 iPhone の「Siri」とドコモの「しゃべってコンシェル」です。 ここでは、iPhone の日本語Siriについて紹介しましょう。 日本語Siriが利用できるのはiPhone 4S の最新OS(iOS5.1)です。 操作は簡単で、ボタンを押してSiri に話しかければ音声で答えてくれます。 私「今、何時?」 Siri「15時21分です。」 私「何日?」 Siri「月曜日の2012年3月19日です。」 私「大好きだよ。」 Siri「他の携帯電話にも同じ事を云ってるんじゃないですか。」 私「3月22日京都で講演会 とメモしてね。」 Siri「メモを取りました。」  そして、メモに「3月22日京都で講演会」と入力されている。 この入力された内容は音声では読み上げません。表示されています。 メモを開いて、VoiceOverで音声で読み上げることはできます。 そのほかにも、声を使ってiPhoneが操作できるようになりました。 「太郎くんにメールを送る。」と云うと、  「メールの件名は何にしますか?」、「メールの本文はどうしますか?」 などと、順番に聞いてきます。 「花子ちゃんに電話をかける。」 「京都の天気は?」 意外と思うほど音声の認識率は高いです。 そのほかにも、iPhone のwebサイトには次のようにも書いてあります。 http://www.apple.com/jp/iphone/features/siri.html?cid=MAR-JP-SEM-GOOGM ・リマインダーを設定する。 やらなければならないことはSiriに伝えておきましょう。通知してほしい 時間と場所も指定できます。 ・テキストメッセージを送る。 宛先とメッセージの内容を言うだけで、Siriがテキストメッセージを書いて 送信します。 ・天気予報をチェックする。 いまいる場所はもちろん、世界各地の天気予報を知りたくなった時もSiriに 聞きましょう。 ・会議を設定する。 「いつ」「誰と」「どこで」「何を」の情報を言うだけで、Siriが カレンダー上に会議を作成し、参加依頼を送信します。 ・Eメールを送る。 Eメールの作成と送信もSiriにまかせましょう。複数の相手にEメールを送る こともできます。 ・連絡先を探す。 相手の名前を言うだけで、Siriがあなたの連絡先から住所、電話番号や、その ほかの情報を見つけます。 ・アラームを設定する。 Siriに話しかけて、特定の時間にアラームを設定させましょう。いくつでも 好きなだけ設定できます。 ・タイマーを設定する。 必要な時間の長さを伝えると、その時間が経過した時点でSiriがお知らせします。 ・SiriについてSiriに聞く。 「何ができるの?」と聞くと、知っておきたい様々なSiriの使い方を表示 します。 Siriに話しかけている事例がYouTubeにアップされているので参考にして ください。 http://www.youtube.com/watch?v=MxW5x7pobYY&feature=related このページに他の事例もあるのでご覧ください。                           文責 園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎東日本大震災視覚障害者現地情報・支援活動 大震災から1年、各地で地道な支援の活動が継続されています。 「社会福祉法人 日本盲人福祉委員会」が視覚障害者支援の活動を行って いますが、その活動報告が細かくなされています。 視覚障害者の状況を知る参考になると思います。 *内容: 平成23年度 活動中間報告 1. 対策本部による視覚障害者支援の状況 2. 「大多数の中途視覚障害者の実態」と今後の災害対策 【参考】視覚障害者の避難・生活の困難さ ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://homepage2.nifty.com/welblind/aq2011/report4.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎東京都盲ろう者支援センター  〜盲ろう者が安心して日常生活を送れるようにサポートし、自立と社会  参加の促進を図ります〜 「コミュニケーション方法を身に付けたい」 「身の回りのことが自分でできるようになりたい」 「話し合える仲間がほしい」 「困っていることを相談したい」… このセンターは、そんな盲ろうの方のための施設です。 ●盲ろう者の自立を目的とした様々な訓練を個別に提供します ・触手話や手書き文字などのコミュニケーション ・買い物や料理など身の周りの生活訓練、 ・パソコン等の電子機器の訓練 ◆訓練の費用は無料です。 ●盲ろう者の社会参加や問題解決のための支援をしています 外出の機会が少ない盲ろう者の社会参加を促すために、交流会や学習会を 開催します。 ・社会参加促進(交流会・学習会) ・総合相談支援 ・専門人材養成 ●盲ろう者の日常生活をサポートする通訳・介助者の派遣と養成をしています 東京都盲ろう者支援センターでは、盲ろう者の通訳や外出の付き添いに、 通訳・介助者や職員の派遣をしています。 さらに、通訳・介助者を養成する講習会も行っております。 ◆通訳・介助者とは 盲ろう者に対してコミュニケーションや情報入手に関する支援をしつつ、 自由に外出できるように移動介助を提供する 人のことをいいます。 通訳・介助者はその場にいる人達の会話の内容だけでなく、話し手や周囲の 状況など言葉以外の情報も含めた総合的な情報保障を行うことが求められます。 この通訳・介助者の存在があることで、盲ろう者のコミュニケーションの 自由と移動、外出の自由が保障されます。 *東京盲ろう者友の会について 会の目的 盲ろう者(視覚と聴覚に障害を併せ持つ者)に対して、盲ろう者の福祉を 増進する事業を行い、盲ろう者の自立と社会参加を促進することを目的とする。 設立 特定非営利活動法人 2001年8月15日 (任意団体としての活動開始・・・1991年4月30日) 会の沿革 会員数 正会員 54名 (内盲ろう者36名) 賛助会員 240名 (内盲ろう者37名) ※2012年1月6日現在 視覚障害者のサポートをする団体を運営する方には、ぜひ知っておいて いただきたいところです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.tokyo-db.or.jp/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎カーナビの技術を応用したしゃべるGPS、「Trekker Breeze」  今回は、1月30日に有限会社エクストラから発売された視覚障害者の歩行に 楽しさをプラスする携帯型GPS地図端末「Trekker Breeze(トレッカー ブリーズ)」をご紹介します。  トレッカーブリーズは視覚障害者のためのGPS地図情報端末です。 トレッカーブリーズを持って出かければ、自分が今どこにいるのか、近くに なにがあるのか、目的の場所はどこなのかを簡単な操作で知ることができます。  屋外で電源を入れてしばらく待てば、今いる場所の住所を案内します。 今いる道路の名前、歩いている方向、次の交差点までの距離、次の交差点の 形状、周辺にどんな施設があるのかなどがわかります。 お気に入りの場所までのルートを登録すると、そのルートに沿った道案内を 行います。歩行モードのほかに車での移動モードがあります。  街中の騒音でもブリーズの音声が聞き取れるように、使いやすい小型の スピーカーを付属。手のひらに収まる大きさで、パソコンに不慣れな人でも 手軽に使えます。 *日常生活用具給付対象製品です。お住まいの自治体の福祉課窓口へ お問い合わせください。 ●仕様 ・サイズ:縦129mm、横60mm、厚み29mm  重さ:200g ・インターフェース:地図データ格納用SDカードスロット(挿入済)、 3.5mmステレオヘッドフォンジャック、メンテナンス用USBポート ・対応地域:日本全国 ・付属品:レザーケース、ショルダーストラップ、クリップ付き 外部スピーカー、ACアダプター、USBケーブル、ハンドストラップ、 ユーザガイド、音声版ユーザガイドCD ・価格:168,000円(税込) 製造元:Humanware(カナダ) 日本語版開発・発売元:有限会社エクストラ ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.extra.co.jp/breeze/index.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎土曜講座「2003ユーザーのためのWord・Excel2010の操作」のご案内 SPANでは土曜講座「2003ユーザーのためのWord・Excel2010の操作」 (4日間コース)を4月7日から開催します。 これは、Word・Excel2010が「2003」と比較してどう変わったかを、実際に 操作しながら学んでいただく講座です。 *日時:4月7日(土)・14日(土)・21日(土)・28日(土) 13:00〜17:00 *会場:SPAN☆三田スカイプラザ *内容:Word・Excel2010の基本操作を「2003」と比較しながら学びます。 また、便利なアクセスキーやショートカットキーなどもご紹介します。 *受講料:28,000円(4日間、テキスとを含む) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/activity/schedule.html#20120407-28 ◎PC-Talkerがバージョンアップ 高知システム開発では、Microsoft Officeを快適に操作できるように、 PC-Talkerをバージョンアップしました。 ★PC-Talker XP5・VistaU・7Uを使っている方は、MySupport、または ホームページから無償でバージョンアップができます。 *主な機能:AOK Officeで新たに開発された、Microsoft Officeに対応した 読み上げ機能を取り入れています。 *対応Office:Microsoft Office 2003・2007・2010 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.aok-net.com/news/pctkupnews2.html ◎マイクロソフトがWindowsのサポート期限を改定 マイクロソフトは、2012年2月、Windowsの製品サポートライフサイクル ポリシーを更新すると発表しました。 今回の更新により、Windows XP・Vista・7の現在サポートされている サービスパックを利用しているユーザーは、エディションに関係なく、 10年までのセキュリティ更新プログラムの提供対象となります。 各バージョンのサポート終了日は以下の通りです。 Windows XP : 2014年4月8日 Windows Vista : 2017年4月11日 Windows 7 : 2020年1月14日 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.microsoft.com/ja-jp/windows/lifecycle/default.aspx ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽にお寄せ  ください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 東日本大震災から1年が経ちましたが、まだまだ現地の状況は厳しいようです。 大切なのは「忘れない」ことではないでしょうか。 これからも、自分たちに何ができるかを問いながら、継続した支援をして いきたいと思います。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は4月27日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク                        SPAN(スパン)                       メールマガジン編集部   発行責任者:北神アキラ http://www.span.jp 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