━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2012年5月号 No.67                       2012年5月25日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  スクリーンリーダーをどの程度使っていますか?(1) ● プロフェッショナルコース  Windows7のコントロールパネル 第2回 ● 【コラム】 パソコンよもやま話  データのバックアップ その2 リモート・バックアップ [2] サポートお役立ちサイト  拡大教科書の効率的な作成方法について [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  NPOWEB   〜NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会〜 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  各種割引制度も充実の新携帯情報端末、「ブレイルセンスU2」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  「新潟ロービジョン研究会2012」のご案内 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎スクリーンリーダーをどの程度使っていますか?(1) スクリーンリーダをどの程度使っているのか? これは、弱視者の中で、どのくらいスクリーンリーダを使っているのかの 比率の意味ではありません。 私自身が、どの程度使っているのかです。 そして、自分自身をふり返る中で、「弱視者のスクリーンリーダの有効的な 活用方法」を考えていきたいということです。 私の周りの弱視者は、スクリーンリーダに対して、「食わず嫌い」が多いと 思います。 「感覚的な拒否」とも言えるのかもしれません。 これは、いままでの視覚障害者に対するパソコン活用の方向が、 「視覚障害者=スクリーンリーダ」、という機械的な図式で進められてきた ことが大きな要因としてあるのだと思います。 「マウスも使うがショートカットキーも使う。 音声も使うが、文字の拡大もして使う。」 こんなのがあってもよいのではと思います。 どんなふうにスクリーンリーダを使っているのか。 自分を振り返る作業をしてみたいと思います。 1. スタートメニューからプログラムを開く この操作においては、見るということは一切していません。毎回のことなので 見て確認するようなことはありません。いわば作業の前段階の「通り道」の ようなもの。ここはすんなりと「聞き流して」いきたいものです。 次回は、文字入力からです。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎Windows7のコントロールパネル 第2回 今回は、パソコンを以前の状態に戻すために必要な復元ポイントの作成です。 WindowsXPで「アクセサリ」にある「復元ポイントの作成」ですが、 Windows7ではそこにはありません。初めてWindows7を操作した時に困惑した 人もいるかと思います。 これはコントロールパネルから起動できます。今回はその操作を説明します。 まず「コントロールパネル」を起動します。 「システムのプロパティ」のダイアログを開きます。 ・カテゴリ表示の場合 1. [Tab]キーを何回か押して「システムとセキュリティ」まで移動して  [Enter]キーを押します。 2. [Tab]キーを何回か押して「システム」まで移動します。 3. [Enter]キーを押して実行します。 4. [Tab]キーを何回か押して「システムの詳細設定」まで移動します。 5. [Enter]キーを押して「システムのプロパティ」のダイアログボックスを  開きます。 ・「大きいアイコン」または「小さいアイコン」で表示している場合 1. [Tab]キーを何回か押して「システム」まで移動します。 2. [Enter]キーを押して実行します。 3. [Tab]キーを何回か押して「システムの詳細設定」まで移動します。 4. [Enter]キーを押して「システムのプロパティ」のダイアログボックスを  開きます。 「システムのプロパティ」のダイアログボックスを開いた後の操作は 共通です。 1. [Ctrl]+[Tab]を何回か押して「システムの保護」にタブを切り替えます。 2. [Enter]キーを押してタブを切り替えます。 3. [Tab]キーを何回か押して「システムの保護が有効になっているドライブの  復元ポイントを今すぐ作成します」と説明されているボタン「作成」まで移動します。 4. すると、新たなダイアログボックス「システムの保護」が起動します。 5. 「復元ポイントを識別するのに役立つ説明を入力してください。現在の  日時が自動的に追加されます。」と説明されているエディットに説明を  入力します。  今回は「練習のための復元ポイント」と入力します。 6. [Tab]キーを押して、「作成」まで移動します。 7. [Enter]キーを押して実行します。 8. 作業中から「システムの保護」のメッセージボックスが開きます。 9. 終了すると、クライアント領域に「復元ポイントは正常に作成されました」  となっている「閉じる」のボタンだけの「メッセージボックス」が表示  されると同時に通知音が鳴ります。 10. 「閉じる」のボタンがフォーカスを持っているので[Enter]キーを押して  メッセージボックスを閉じます。 11. [Tab]キーを押して「Ok」ボタンまで移動します。 12. [Enter]キーを押すと、「システムのプロパティ」のダイアログが閉じます。 13. コントロールパネルはまだ開いています。このウィンドウには「Ok」  ボタンはありません。 14. [Alt]+[Space]でシステムメニューを開きます。 15. [上方向]キーを押して「閉じる」に移動します。 16. [Enter]キーを押すとコントロールパネルが閉じます。 【ワンポイント】 「システムのプロパティ」ダイアログボックスを開くショートカットは [Windowsロゴ]+[Pause]です。これはWindowsXP・7とも共通です。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎データのバックアップ その2 リモート・バックアップ 先月号では、パソコン本体にUSBやeSATAなどのインターフェースで接続した 外付けハードディスク(HDD)に対してのデータバックアップについて説明しました。 すなわちローカル/バックアップについてです。 ところが、この方法でも心配なことがあります。 それは、何でしょうか? バックアップされたHDDは通常自宅や事務所に置かれています。ところが、 自宅やオフィスが火事、また震災などで使用できなくなってしまう恐れが あります。 そのための対策としては、自宅やオフィスから離れた場所に保管しておく ことが安全です。 そのためのサービスとしてリモート/バックアップがあります。 これは、インターネットを通じてサービスを提供しているデーターセンターの ストレージにバックアップを取っておく方法です。 最近よく言われているCloudServiceの一種です。 そのserviceの一つとして、今回はDropboxを紹介します。 まずはつぎのURLからDropboxのアカウントを取得します。 http://db.tt/MJvN7EYu 通常は2GBの容量を無料で使用することができますが、上記URLからだと、 私からの紹介となり+500MBが追加されます。 この登録を多くの方がしてくださることは、皆さんが興味をお持ちなので、 更に説明を進めることとします。 Dropboxは最初に設定をしてしまうと、その後は特に気にすることなく、 インターネットに接続されていれば、自動的にバックアップが行われます。 例えば、ノートPCと、デスクトップPC、それぞれで登録しておけば、対象に 設定したフォルダ内のファイルは常に同期が取られることになります。 すなわち、デスクトップPCで作成した文書を、ノートPCにわざわざコピーを しなくとも、ノートPCをインターネットに接続さえすれば、自動的に デスクトップPCで作成した内容がノートPCのフォルダ内のファイルにも反映 されています。 つづく Cloud Service http://www.sophia-it.com/content/cloud+service http://e-words.jp/w/E382AFE383A9E382A6E38389E382B5E383BCE38393E382B9.html                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎拡大教科書の効率的な作成方法について  文部科学省委託事業 標準規格の拡大教科書等の作成支援のための調査研究 弱視の子どもたちのための「拡大教科書」をご存知でしょうか。 愛知県立芸術大学の先生の研究発表です。 最後の部分に、IPadなどを利用した教科書についての問題意識に基づいた研究があります。 難しい内容ですが、興味のある方には面白い内容だと思います。 以下、同ページからの引用です。 「情報を構造化した教科書DTPデータは、拡大教科書データへの展開だけで なく、テキスト・図・写真等の抽出、電子書籍データへの展開を行うことが 可能であり、原本教科書のコンテンツを正確に利用することができることを 確認した。障害のある児童及び生徒のために必要な教科用特定図書等として、 標準規格の拡大教科書以外にもオーダーメイドの拡大教科書や点字教科書、 マルチメディアDAISY教科書等も注目されている中、今後このようなデータの 利用に期待ができる。しかし、従来印刷物の製作を目的に開発されたDTPソフト では、情報構造化作業が効率的に行いにくいという課題がある。また、 電子書籍のフォーマットやビューアの仕様により、その表現に制限や不具合が あることも課題として挙げられる。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://md.aichi-fam-u.ac.jp/~siba3/kyoukasho2/index.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎NPOWEB  〜NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会〜 市民活動を支える制度をつくる、それより人々の社会を変える力を強くする。 これまでシーズが実現してきたこと ■NPO法制定/認定NPO法制定 市民・議員立法にて、市民活動に法人格や税制控除が付与されることを実現 しました。 ■情報公開制度制定 事業報告書/会計報告書の一般閲覧を可能にしました。 ■NPOWEB 開設 ニュース/助成金情報/なんでも質問箱等のコンテンツがあります。 ■NPO会計基準策定 全国のNPOや専門家が協力して、民間で会計ルールを策定しました。 NPOの課題とシーズの提供する解決策 ■制度活用不足 最新の制度情報の発信/活用方法を解説しています。 ■活動資金不足 寄付を集めやすい制度の制定 / ファンドレイジング技術の普及を図って います。 ■信頼性不足 法人格制度の整備 / 会計基準による 市民への活動・経営透明性の向上に 努めています。 NPOの運営を支えるさまざまな活動をしています。 ぜひ知っておきたい団体です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.npoweb.jp/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎各種割引制度も充実の新携帯情報端末、「ブレイルセンスU2」  今回は、5月10日に有限会社エクストラから発売された新しいブレイルセンス 「ブレイルセンスU2」をご紹介します。  本製品は、ブレイルセンスプラスの後継機で、32セルの点字ディスプレイが ついた音声点字PDAです。  Webアクセス、電子メールの送受信、DAISY図書や音楽の再生などのほか、 ファイルマネージャー、ワープロ、歩行ナビゲーションシステム「GPSナビ」、 予定帳、アドレス帳、電卓、コンパスなどの豊富なアプリケーションを搭載。  そのほか、アマゾンブックランキング、バーコードトーカー、らじるらじる、 クイックブラウザー、簡易スケジューラー、サピエ検索、DAISY変換、 電子辞書、ウィキペディア検索、RSSリーダー、テレビ番組表、乗り換え検索 などの機能拡張プログラムも搭載。今後追加されるプログラムも別途 ダウンロードして利用できます。  この製品は、日常生活用具給付対象商品です。 詳しくはお住まいの自治体の福祉課窓口へお問い合わせください。 ●技術仕様 サイズ:250×128×39mm 重量:924g キーボード:パーキンス式点字キーボード インターフェース:3 USB host, 1 USB mini, SDカードスロット ネットワーク機能:無線LAN、有線LAN、Bluetooth ナビゲーション:内蔵GPSレシーバー・内蔵電子コンパス バッテリー:17時間使用可能 / 5時間充電 *外付けキーボードには対応していません。 価格:580,000円(税込) アーリーバード割引価格:522,000円(税込) *2012年4月12日から6月10日までのご購入が対象です。 ブレイルセンスプラス下取割引価格:480,000円(税込) *ブレイルセンスプラス本体およびACアダプターを有限会社エクストラ宛に お送りください。 点字端末、点字ディスプレイ下取割引価格:530,000円(税込) *すべての点字端末、点字ディスプレイが対象です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.extra.co.jp/sense/bsu2_pre.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎「新潟ロービジョン研究会2012」のご案内 *日時:6月9日(土) 13:30〜18:50 *会場:済生会新潟第2病院 10階会議室 *内容:ロービジョン関連のシンポジウムや講演など *参加費:無料(事前登録が必要です) *主催:新潟ロービジョン研究会 *連絡先:済生会新潟第二病院眼科 e-mail: gankando@sweet.ocn.ne.jp  (参加の場合は、ホームページよりお申し込みください) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.ngt.saiseikai.or.jp/02/ganka/index5.html ◎土曜講座「VBAでExcelを便利に使いこなそう!」を開催 SPANでは5日間にわたり「VBAでExcelを便利に使いこなそう!」の講座を 開催します。 *開催日:(5日間コース)  6月30日(土)、7月7日(土)・14日(土)・21日(土)、8月4日(土) *時間:13:00〜17:00(全日程) *会場:SPAN☆三田スカイプラザ *内容:VBAを利用して、実際の仕事の場面でExcelをより便利に使いこなす  ためのテクニックを学びます。 *受講料:35,000円(5日間) *定員:4名 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/activity/schedule.html ◎視覚障害者向けWebプログラミング講習会のご案内 日本ライトハウスでは4日間にわたり、視覚障害者向けのWebプログラミング 講習会を開催します。 *開催日:(全4日間コース)  7月7日(土)・14日(土)・21日(土)、8月4日(土) *時間:10:00〜17:00(全日程) *会場:日本ライトハウス 視覚障害リハビリテーションセンター *内容:Webサーバ上でのPHPというCGI言語を使ったプログラミング技術の  入門講座です。 *受講料:8,000円(4日分) *参加資格  ・ HTMLを知っていて、Webプログラミングに興味を持っている視覚障害者 ・ 画面拡大ソフトやスクリーンリーダの使用者で、4回続けて参加できる方  お申し込み後簡単なテストをメールで行います。 *定員:5名程度 *申し込み・問い合わせ:下記メールアドレスまでお願いします。  E-mail: kentei@lighthouse.or.jp ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽にお寄せ  ください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− iPhoneやiPadなどといった新しいツールの話題が出ない日がないほど、 視覚障害者の情報機器をとりまく情勢は変化しているようです。 また、Windows8の姿もだんだんと見えてきており、来年にかけてパソコンの 世界も新たな局面を迎えそうです。 その一方で、WindowsXPのユーザーもまだ多く、利用形態の多様化が鮮明に なってきています。 サポートをする側には、こうした状況に対応する力が求められており、 さらなる勉強が必要だと実感しています。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は6月22日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク                        SPAN(スパン)                       メールマガジン編集部   発行責任者:北神アキラ http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━