━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2014年3月号 No.89                       2014年3月28日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  iPadの弱視者向けの導入講座を考える ● プロフェッショナルコース  Excelでの重複したデータの確認 ● 【コラム】 パソコンよもやま話  パソコンの構成部品 その5 [2] サポートお役立ちサイト  平成26年度障害者自立支援機器等開発促進事業の募集について [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  助成金ねっと [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  世界で最もスリムな40マス点字ディスプレイ、「ブレイルメモスマート40」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第160回仙台ロービジョン勉強会を開催 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎iPadの弱視者向けの導入講座を考える iPadを購入して、一般の講習会に何度も出たけど、いつも 「見学者」になってしまい、「やはり自分には無理ではないか、 できないのではないか」という声をよく聞きます。 弱視者には本当に「便利」という声ばかりが聞こえて、キチンと使えるように なるまでのサポートがないように思います。 こんな中で、SPANに弱視の方からサポートの依頼がありました。 3時間のサポートの間でできることは限られますが、触って、自分でも できることを納得してもらうことを第一にしました。 サポートを依頼した方は、ネットで情報を得たいと言う方で、パソコンは 一切触ったことがないとのことでした。 以下が私の考えた講座の内容ですが、今後のたたき台にしていきたいと思います。 弱視者むけiPad基本講座 3時間の講座です。 1.iPadの本体に触って、どんな者があるか確認をする  @ヘッドホン  Aマイク  Bスリープ/スリープ解除ボタン(長く押すと電源ボタンになります)  C消音ボタン  D音量ボタン  Eスピーカー(たくさんのブツブツの穴の集まり)  Fケーブル接続口(充電やパソコンとの接続の時に使う)  Gホームボタン  H画面  Iカメラ、後ろにもあります。後ろのカメラが性能が良いです。  ★上記を確認した後に充電を行ってみます。 2.スリープと、電源のオフとオンの操作方法  ・スリープ  スリープ/スリープ解除ボタンをポンと短く押します。画面が黒くなります。  ・スリープ解除  @スリープ/スリープ解除ボタンをポンと短く押します。  A→(右矢印)ボタンが出てくるので右にドラッグします。  ・電源のオン  @スリープ/スリープ解除ボタンを長く押します。   (リンゴマークが出てくるまで押します)  A→(右矢印)ボタンが手て来るまで待ち、右にドラッグします。  ・電源オフ  @スリープ/スリープ解除ボタンを長く押します。(上部に→マークが   出てくるまで押します)  A→(右矢印)ボタンを右の方にドラッグします。 3.指の操作の第一歩  @ホーム画面に出ているのがアプリのアイコンです。  A指を払うと次のページに行きます。指を逆に払えば前のページに   戻ります。ページを変えると小さなボタンが移動します。  B使いたいアプリをタップ(軽くぽんと叩く感じ)するとアプリが   起動します。  Cホームボタンを押してホーム画面に戻るとアプリが終了します。 4.ホームページにアクセスしてみる  @Safariの説明 インターネットでホームページを検索するアプリです。  ASafariをタップします。  B右上の端の「検索」をタッチします。  C下にキーボードが出てきます。  Dキーボードの簡単な説明を行います。  E日本語で入力します。  F検索結果の画面が出たら、その画面をタップします。  G何回かタップしネットサーフィンを体験します。 5.音声入力の練習  @入力が大変なので、それに変わる操作としてキーボードの   マイクのマークを説明します。  A右上の端の「検索」をタッチします。  Bキーボードのマイクのマークを触り、検索する言葉をゆっくりと   話します。  C話終わったらマイクをタップします。  D検索結果を見てみます。 6.弱視に便利な設定 ・「ホームをトリプルクリック」の設定をあらかじめ行っておき、それぞれの  機能を体験します。 ・「ホームをトリプルクリック」の設定方法  一般→アクセシビリティ→ショートカット→ホームボタンの  トリプルクリックで、設定したい項目をタッチしてチェックを入れます。  @VoiceOver  A色を反転  Bズーム機能 7.カメラ機能を使う  @カメラを起動します。  Aカメラかビデオで、カメラを選びます。  B音量ボタンかカメラボタンを押してシャッターを切ります。  C写真を開き、全体から一つ選びます。  Dピンチインとピンチアウトで大きさを調節します。  E名刺を写真に撮って拡大読書器的に使います。 8.ビデオの体験 ・ビデオでも、カメラと同じように上のことを行ってみます。 9.カメラで拡大読書器の機能を試す  @カメラを起動します。  Aピンチインで拡大読書機、単眼鏡としての使い方を体験します。 以上が私の考えた講座の内容です。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎Excelでの重複したデータの確認 複数のファイルを組み合わせて名簿などを作成する場合、 本来重複しないはずの個人番号などが複数あると問題になります。 しかし、そのようなことが起こらないようにEXCELの機能を使用して 確認することができます。 この機能を使用すると、重複しているデータが削除されるので、 対象のファイルをコピーしてから作業をします。 1.まず、調べたい範囲を選択します。 2.リボンにあるタブ「データ」を選びます。 3.「データ ツール」のグループの中の「重複の削除」を選びます。  すると、「重複の削除」のダイアログボックスが開きます。 4.[Tab]キーで「すべて選択解除」のボタンに移動し、[Space]キーを押して  解除を実行します。 5.[Tab]キーを3回押して、列のリストに移動し、[上下カーソル]キーで  重複を確認したい列名に移動し、[Space]キーでチェックを付けます。 6.[Tab]キーを何回か押して「OK」ボタンに移動し、[Enter]キーで  実行します。 重複があると、下記のようなメッセージボックスが表示されます。 「重複する4個の値が見つかり、削除しました。一意の値がXX個残っています。」                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎パソコンの構成部品 その5 ・マンマシンインターフェースとしての、入力/出力装置 今までは主に、デスクトップパソコンで云えば、本体ケースの中に入っている 部品などについての説明でした。 このケースの中でいろんな処理をしているのですが、これだけでは人には 何も分かりません。 また、パソコンに処理を指示することもできません。 そこで、データーを入力したり、指示をするための装置として キーボードがあります。 また、入力している状態や、結果を表示するための装置として ディスプレイがあります。 その他、指示装置としてのマウスや、結果を印刷するための プリンターもありますね。 キーボードにおいても、種類がいろいろとあります。 パソコン本体と接続するための方法として、PS/2や、USBを用いたもの。 テンキー(数字キー)が着いているものや、ないもの、キーの数も、 最も一般的な109個や、88個などの小型のものなどいろいろとあります。 キーのスイッチも機械的な接点や、静電容量無接点方式などがあります。 価格も1000円くらいから、2万円くらいと豊富です。 最もよく触れる装置でもあるので、十分に注意して購入することが大切です。 つづく                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎平成26年度障害者自立支援機器等開発促進事業の募集について 障害者の自立や社会参加を支援するためには、支援機器や技術開発の促進を 図ることが必要不可欠ですが、障害者の自立を支援する機器の開発 (実用的製品化(ソフトウェアを開発する場合を含む))が 進んでいない状況にあります。  こうしたことから、マーケットが小さく事業化が困難である、あるいは 技術開発は終了しているが経費的な問題からモニター評価(被験者による 評価試験)が行えないといった理由から、実用的製品化が 進まない機器について、障害当事者によるモニター評価等を義務付けた 実証実験等を行うことで、障害当事者にとって 使いやすく適切な価格で販売される機器を、企業が障害当事者と連携して 開発する取組みに対して助成を行う「障害者自立支援機器等開発促進事業」を 実施いたします。 分野は以下のようになっています。 1.肢体障害者の日常生活支援機器 2.聴覚障害者の日常生活支援機器 3.盲ろう者の日常生活支援機器 4.障害者のコミュニケーションを支援する機器 5. 障害者スポーツ用機器 6.障害児の生活を豊かにする支援機器 7.その他 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/cyousajigyou/02.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎助成金ねっと 〜助成金申請から受給まで、連戦連勝の助成金のプロが親切に アテンドいたします〜 助成金基礎知識 申請のコツ、活用ノウハウなどについて紹介します。 助成金とは ・雇用関係の助成金 ・研究開発型の助成金 ・助成金申請の流れ ・助成金に関するよくあるご質問 ・助成金以外の資金調達法 ・助成金の申請支援サービスご案内 *助成金とは? 助成金(補助金)とは、一般的に国や都道府県、省庁やその外郭団体等が、 一定の基準(研究開発や新規雇用など)を満たした中小企業等に対して 支給している融資と違って返済の必要がない資金です。中には民間の企業や 財団が公募しているものもあります。 *助成金は必ずもらえる? 助成金や補助金は申請すれば必ずもらえる、というものではありません。 ただし、各助成金の公募要領をしっかり理解し、求める要件を実施すれば もらえる可能性は高くなります。 *助成金は、返済しなくて良い? もちろん返済の必要はありません。しかしながら、創業や研究開発等の 経費を補助する助成金は、先に経費を使う必要があります。よって、 受給時期は申請してから半年後や1年以上先になることもあります。 また、申請不備や虚偽報告などがあると不正受給とみなされ、返還義務が 生じる場合がありますので、注意が必要です。 *助成金は何度も申請できる? 一般的には可能です。しかし、同一内容(テーマ)についての複数申請は 制限される助成金もあります。 *助成金申請は簡単ですか? 初めての申請は難しいかも知れません。 経験すればするほど簡単になるという訳ではありませんが、 コツを覚えてしまえば毎年のように助成金がもらえる団体に なれると思います。 *助成金は課税の対象になる? 営利企業の場合は、原則的には課税対象となります。 *個別の助成金について詳しく知りたい 個別の助成金については、助成金一覧から参照することが可能です。 また、弊社主催の説明会・セミナーにて、助成金について 詳しく説明させていただいておりますので、是非ご参加下さい。 自分に合った助成金を探したい・活用したい方向け→「申請スケジュール 診断」 助成金について極めたい方向け→「公募型助成金申請無料説明会」などなど 創業時の助成金活用法目次 ・創業時に活用できる助成金 ・創業融資について ・失敗しない創業の5箇条 ・創業に使える公的融資・助成金 企業が開設しているサイトですが、参考になる点も多いと思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.josei-kin.net/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎世界で最もスリムな40マス点字ディスプレイ、「ブレイルメモスマート40」 今回は3月17日にケージーエス株式会社から発売された次世代型 点字ディスプレイ「ブレイルメモスマート40(BMS40)」をご紹介します。  ブレイルメモスマート40は、40マスのタッチカーソル付き点字表示部と 各種入力キーを備え、点字編集機能が充実した小型軽量の 点字ディスプレイです。  40マスの点字ディスプレイでは業界初の30cmを切る大きさ!鞄にも入り、 持ち運びも簡単。点字校正作業にも便利です。 本機は点字だけでなくテキストのデータ作成/編集も可能。漢字仮名交じりの 文書も音声と点字による説明読みを確認しながら書くことができます。 また、現在の状態や操作内容を音声で確認できる音声読み上げ機能、 周囲の音声を録音できるボイスレコーダー機能、デイジー図書の 再生機能などを搭載しました。  外部メモリはUSBメモリ、SD/SDHCカードに対応。点字プリンタに接続して 点字での印刷、外部機器とUSBまたはBluetoothを利用した通信が可能です。 *市町村により日常生活給付用具の点字ディスプレイとして 給付される場合があります。 ●仕様 外形寸法・重量:W296mm×D118mm×H20.5mm  約900g インターフェイス:USB、Bluetooth、RS232C 外部メモリ:SD/SDHCカード、USBメモリ 音声出力:内蔵スピーカー(モノラル)、イヤフォンジャック(ステレオ) 音声入力:内蔵マイク(モノラル) 対応音声形式:MP3、WAV 対応DAISY形式:DAISY Ver2.0以降 映像出力:アナログRGB 対応OS:Windows XP(SP2以降)、Vista、7、8 電源:付属ACアダプターまたは着脱式バッテリーパック3個 付属品:本体キャリングケース、簡単スタートガイド(墨字・点字)、 付属ソフトウェアCD、ACアダプター、USBケーブル、SDカード、 RS232Cクロスケーブル 価格:399,000円(税込) ▼詳しくは下記のURLを1行にしてからご覧ください。 http://www.kgs-jpn.co.jp/index.php?%E8%A3%BD%E5%93%81%E8%A9%B3%E7%B4%B 0#l9f3c215 ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第160回仙台ロービジョン勉強会を開催 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、第160回 仙台ロービジョン勉強会を開催します。 テーマは2本立てで、障害者地域活動推進センターきりんで実践されている 運動プログラムについてと、ロービジョン学習支援アプリのご紹介です。 *日時:2014年4月16日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 10階 第2研修室 *内容:  1.きりんで行っているプログラムの中からサウンドテーブルテニス、  ウォーキングクラブ、軽運動教室に焦点を置き、どのようなプログラムを  行っているのかのご紹介  2.ロービジョンの児童・生徒を主な対象にした学習支援アプリの開発、  発表、意見交換等 *参加費:300円 *お申込み:準備の都合上、4月11日(金)までにお申込みください。 *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ◎中山視覚障害者パソコン初級講習会のご案内 音声によるパソコンの基本操作などを練習する、視覚に障害のある方対象の 初級コース講習会を開催します。 *日時:2014年5月10、17、31日、6月7、14、21(いずれも土曜日)  13:30〜16:00 *会場:中山記念会館内 神戸ライトセンター2階 多目的室 *定員:5名 *受講料:4000円 *内容:ウインドウズ・パソコンの基礎理解とキーボードの操作法など *受講視覚:視覚に障害がある方で兵庫県在住の方(在勤、在学の方は  要相談) *主催:中山視覚障害者福祉財団 *お問合わせ・予約申込み:神戸アイライト協会 TEL:078-221-6019 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://eyelight.eek.jp/pcsk1401.html#main ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽にお寄せ  ください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 長い冬もようやく終わり、桜の季節となってきましたね。 4月から新しい生活をスタートさせる方もいるのではないでしょうか。 そして、新しいICT環境の変化への対応で苦労している方も少なくないと 思います。 これからも、そうした方への支援を続けることが、サポートをする私たちに 求められていると感じています。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は4月25日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━