━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2014年9月号 No.95                       2014年9月26日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  知らせていきたいiPadの機能  ● プロフェッショナルコース  長文作成(弱視者対応) その4 ● 【コラム】 パソコンよもやま話  パソコンの構成部品 その11 [2] サポートお役立ちサイト  地方公共団体の障害者職員採用試験 受験資格と合理的配慮の想定について [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  視覚障害の方のための支援サイト [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  インデックス社製点字プリンター、「ベーシックD V4」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  夜間講座「Excel 2010実務活用演習」(5日間コース)のご案内 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎知らせていきたいiPadの機能 iPadのカメラ機能を活用して、手元や遠方のものを見ることができます。 今までは博物館などで展示品を見る場合、単眼鏡を使っていましたが、 iPadは画面が広いこと、暗いところでも明るく映ること、目にぴったりと くっつけてなくても良いこと、画面を自由な位置に 持ってくることができること等の、優れた点があります。 これは画期的なことです。 今まで「展覧会」というと足が遠のきがちでしたが、展覧会などが 楽しみになりました。 ただ、展覧会ではカメラ撮影禁止という所が多いので、注意が必要です。 先日も、東京都美術館で、前もって2度も許可を得たのに注意されました。 後日、館長宛の文章を出して、今後認識を改めるという回答の文章を 頂きました。美術館側もiPadがそのように使えるとは知らないで、 写真を撮っていたものと誤解されたようでした。 新しい物の理解はこのように広まるのだと思いますが、 美術館側でiPadを用意して、見にくい方には貸し出しをして、 見やすく展示を見てもらうようにしてもらうのが理想的だなと思いました。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎長文作成(弱視者対応) その4 前回までの作業で、「1行目が見出し1」「2行目が見出し2」 「3行目が見出し3」になっています。 見出し行は、目次自動作成の対象となります。 目次は、目次用の2番目のセクション先頭に移動後、リボンのタブ 「参考資料」の左端にある「目次」を使用します。手順は下記のとおりです。 1.[Alt]キーを押してリボンにフォーカスを移動します。 2.[S]キーを押して、参考資料のタブに切り替えます。 3.[T]キーを押して、目次のプルダウンメニューを開きます。 4.[下方向]キーを1回押します。 5.[Enter]キーを押します。 すると、目次ができます。 各行の前には、四角の黒い点がついています。これは、次行との間で 改行を抑制する編集記号なので、印字されません。 備考 前回の操作で、ショートカットを一切使用しないと、見出し1、見出し2の 設定が無効になってしまうことがあります。その場合は、「見出し1」設定後 いったんダイアログを閉じます。「見出し2、3」についても、 毎回ダイアログを閉じれば、「見出し1」、「見出し2」が有効になります。 新しいアウトラインの定義のダイアログボックスの画像は下記のURLから 獲得できます。URLを1行にしてからご覧ください。 https://drive.google.com/folderview?id=0B1l056mh4devWE4yZ3pldGdOeVE& usp=sharing これで、ひな形ができました。「1行目」の行末に移動して改行すると、 1. 大分類 1.1. 中分類 1.1.1. 小分類 1.1.2 が 1. 大分類 2. 2.1. 中分類 2.1.1. 小分類 2.1.2. になります。 番号2が余計な場合は、[Ctrl]キー+[Shift]キー+[N]キーで 標準の行になります。 インデントを入れたい場合は、[Ctrl]キー+[M]キーでインデントを 付加できます。そのあとに、「説明」と入力します。 続ければ、深くなります。 インデントをつけすぎた場合は、[Ctrl]キー+[Shift]キー+[M]で 取り消すことができます。 このようなひな形を作製すれば、 [Ctrl]キー+[Alt]キー+[1] 見出し1 [Ctrl]キー+[Alt]キー+[2] 見出し2 [Ctrl]キー+[Alt]キー+[3] 見出し3 [Ctrl]キー+[Shift]キー+[N] 見出しを取り消して標準にする [Alt]キー+[Shift]キー+[右方向]キー 見出しレベルを深くする [Alt]キー+[Shift]キー+[左方向]キー 見出しレベルを浅くする を使用することができます。 次回は、番号1.1を(1)に、1.1.1を@にする編集について説明します。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎パソコンの構成部品 その11 ・他のパソコンや外部機器とのデータのやりとりをするための、インターフェース 2 ●PS/2(MiniDIN-6 Connector) キーボード、マウスを接続するためのコネクタ。 緑がマウス、紫がキーボード用です。 最近ではキーボードやマウスの接続はUSBに変わりつつあります。 ●RS-232c(Recommended Standard 232) シリアルポートのインターフェース規格です。 基本的にはホストコンピュータや端末など「データ端末装置」と、 モデムなどの「データ回線終端装置」を繋ぐものとして設計されました。 また、パソコン同士の直接接続や、あらゆる周辺機器の接続用に 広く使われました。 このコネクタも、現在ではUSBコネクタに変わってきています。 ●パラレルポート(セントロニクス) パラレルインタフェースには多くの種類がありますが、何の限定もせずに 「パラレルポート」というと、普通はIEEE 1284準拠の インタフェースを指します。 これは「セントロニクス型」としても知られていて、プリンターとの接続に よく使われていました。 これもまた、USBインタフェースの急速な普及に伴い、様々な分野で パラレルポートはUSBに置き換えられていきました。 ●RJ-11(Registered jack) いわゆる2線式の電話線によく用いられる、6ピンコネクタです。 モジュラジャックとも呼ばれています。なお、一般に市販されている モジュラジャック付きのモジュラケーブルは4線式のものが殆どですが、 2線式のRJ-11の上位互換のものであるために、そのまま利用できます。 モデム内蔵パソコンに付いています。 ●RJ-45 EthernetケーブルやISDN回線などで使われる、8芯のモジュラ式コネクタです。 電話回線で使われるRJ-11に形状が似ていますが、こちらのほうが 一回り大きいです。 ノイズ対策などにより複数の「カテゴリ」に分かれ、カテゴリが高いほど 品質が高く高価です。 通信できるスピードもカテゴリにより異なります。 つづく                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎地方公共団体の障害者職員採用試験 受験資格と合理的配慮の想定について 〜全都道府県・指定都市・中核市2013年度夏秋期試験の調査報告書〜  市民団体「障害者欠格条項をなくす会」はこのほど、障害者対象の 採用試験を実施している自治体の多くが「介助なしで職務遂行できる」 「自力で通勤できる」などの条件を受験資格にしているとの 調査結果をまとめました。 自治体の職員採用において、「活字文章の処理が可能な者」などということを 前提にして、点字試験を実施していない自治体があります。 そのような自治体できちんとした視覚障害者へのサービスが行われるとは 考えにくいですよね。 公平性にも問題ですし、障害者の働く意欲を押しつぶすようなものですね。 まだ、そのような自治体があるのです。 このような地道な調査結果をきちんと受け止めてほしいものです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。(pdf形式) http://www.dpi-japan.org/friend/restrict/shiryo/tihousiken2014.pdf ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎視覚障害の方のための支援サイト 視覚に障害をもつ方を対象とした支援や情報をまとめたホームページです。 このサイトは以下の4つに分類されています。 ・視機能活用支援  眼科での視機能評価の方法や、見やすくするための道具について ・動作支援  点字による読み書きや、パソコンの設定、歩行など、日常生活の  支援について ・社会活動支援  教育や就労の支援、福祉制度について ・その他の支援  その他の医療支援、心理カウンセリング、スポーツや娯楽支援について このうち動作支援には以下の項目があります。 ・パソコン(IT機器)活用 ・歩行訓練 ・日常生活訓練 ・点字 ・盲導犬 ・感覚訓練 ・動作支援の各種情報 ・介護動作 ・育児動作 さらに、パソコン(IT機器)活用は以下のように細分化されています。 ・お近くで相談のできる施設 ・標準機能でできる拡大 ・標準機能でできる白黒反転 ・拡大ソフト ・画面読み上げソフト ・活字読み取りソフト ・点字ピンディスプレイ ・パソコンボランティア ・視覚障害者がPC使用に必要な道具と費用 ・もっと知りたい(外部サイトへのリンク) このように系統だてて視覚障害について解説しているので、 支援活動を始めた方のスキルアップ、また関連情報の入手に 適していると思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.shikakuriha.net/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎インデックス社製点字プリンター、「ベーシックD V4」  今回は、9月1日に有限会社エクストラから発売された 連続用紙用点字プリンター「ベーシックD V4」をご紹介します。  ベーシックD V4は、インデックス社製両面同時印刷対応の 連続用紙用点字プリンターです。 インターライン(行と行の間に裏面の行を印刷する方法)と インターポイント(点と点の間に裏面の点字を印刷する方法)が選択可能。 音声案内による本体操作も可能です。 ベーシックD防音ボックス(オプション)は動作音を軽減し、 本体と用紙をすっきり収納できます。 ●仕様 インターフェース:USB、シリアル 印字方法:ハンマーソレノイドによるインパクト印字 用紙:連続用紙 8×10インチ、10×11インチ 印字速度:18行 表裏 約40秒 動作音量:約80dB、防音ボックス使用時約60dB 対応OS:Windows7、Vista、XP 電源:専用ACアダプター(入力AC100V〜240V 50/60Hz 出力2.0A) 消費電力:印刷時最大140W、電源ON時5W 外形寸法:本体(W)520×(D)260×(H)130mm      防音ボックス(W)600×(D)360×(H)620mm 重量:本体7.6kg、防音ボックス19.6kg ●価格(税込) ベーシックD パーソナル(個人限定特別価格):345,600円(1年保証) ベーシックD スタンダード:610,200円(3年保証、  点訳ソフトEXTRA for Windows付) ベーシックD 防音ボックス:162,000円 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.extra.co.jp/indexbrl/basicd_v4.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎夜間講座「Excel 2010実務活用演習」(5日間コース)のご案内 NPO法人SPANでは5日間にわたり、夜間講座「Excel 2010実務活用演習」を 開催します。 *開催日:2014年10月28日(火)、11月4日(火)・11日(火)・18日(火)・  25日(火) *時間:18:45〜20:45(全日程) *会場:SPAN☆三田スカイプラザ *内容:今回の講座では、一つの事務処理手順を例に、実務で  Excelをどう活用するかのヒントを、演習を通して学びます。  OSはWindows 7、Excelのバージョンは「2010」を使用します。  スクリーンリーダーはPC-Talker 7U、JAWS 11、  FocusTalk 3.04からお選びいただけます。 *受講料:22000円(5日間) *定員:4名 *お申し込み先: office@span.jp ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/activity/schedule.html ◎第166回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 第166回仙台ロービジョン勉強会を開催します。 *日時:2014年10月8日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 11階 第1研修室 *内容:宮城県内各市町村における視覚障害者を対象とした日常生活用具の  給付種目の実態について *参加費:300円 *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ◎中山視覚障害者パソコン応用講習会のご案内 視覚に障害のある方を対象とした、音声パソコンを操作して 読書の楽しみ方を学ぶ応用講習会を開催します。 *日時:2014年10月18日、25日、11月1日(いずれも土曜日) 13:00〜16:00 *会場:中山記念会館内 神戸ライトセンター *定員:5名 *受講料:2000円 *内容:パソコンを利用してサピエ図書館で本を読んだり、  映画を聞いたりする方法について *受講視覚:視覚に障害がある方で兵庫県在住の方(在勤、在学の方は  要相談) *主催:中山視覚障害者福祉財団 *お問合わせ・予約申込み:神戸アイライト協会 TEL:078-221-6019 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://eyelight.eek.jp/paso-o2601.html#readstart ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽にお寄せ  ください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 9月になり、各地でのイベントや講習会なども再び動き出しました。 確かに視覚障害者へのサポートの輪は広がってきていると思いますが、 まだまだその恩恵を受けていない人がたくさんいるのも事実です。 私たちは、一人でも多くの視覚障害者が情報通信技術を 使いこなせるようになるという目標に向かって一歩ずつでも前に進むことを 忘れないようにしたいものです。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は10月24日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━