━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2015年4月号 No.102                       2015年4月24日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  Excel基礎(26)   罫線の設定(2)  ● プロフェッショナルコース  拡大鏡とハイコントラスト その1 ● 【コラム】 パソコンよもやま話  SIMフリー その1 [2] サポートお役立ちサイト  ムツボシくんの点字の部屋 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  有限会社 アットイーズ [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  視覚障害者に求められるOCR機能を1つに凝縮、「とうくん Ver2.0」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第24回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎Excel基礎(26)  罫線の設定(2) 前回は「罫線の引き方」について説明しました。 今回も前回同様「罫線の設定」について説明します。その中でも 罫線の変更を行ってみましょう。 罫線の変更を行う場合も、配置やフォントの設定と同様、 「セルの書式設定」のウインドウから行います。 今回も前回で説明するのに利用した報告書をイメージしてください。 報告書は3列の表で、1行目A列から順に「日付」、「項目」、 「突起事項」と表示し、2行目から3行目にかけて項目がそれぞれ 入力されています。 前回は、表全体に罫線を引く方法を説明しました。 今回は、項目の入力されている行の下の実線を二重線に変更し、 同じく項目の入力された内枠の実線を太線に変更します。 まず、「セルの書式設定」のウインドウを開き、 罫線を変更したいセルの範囲を選択します。 ここでは、「日付」、「項目」、「突起事項」の項目のセルの下の実線を 二重線に変更するので、セルA1からセルC1までを範囲選択します。 1.セルA1からセルC1までを範囲選択します。 2.[Ctrl]キー + [1] キーを押して「セルの書式設定」のウィンドウを  開きます。 3.[Ctrl]キー + [Tab]キーを押して「罫線」タブを選択します。  なお、セルの書式設定のウインドウは6つのタブシートで構成されています。 4.[Tab]キーを押して「線の種類」に移動し、[上下方向]キーを押して  「二重線」を選択します。 5.[Tab]キーを押して「下」の切り替えのチェックボックスに移動し、  [Space]キーを押してチェックをつけます。 6.[Tab]キーを押して「OK」ボタンに移動して[Enter]キーを押します。  選択範囲の下に二重線が引かれます。 次に、1行目のそれぞれの項目の右横の実線を太線に変更します。 選択範囲を一度解除して、まずセルA1を選択します。 7.[Ctrl]キー + [1] キーを押して「セルの書式設定」のウィンドウを  開きます。 8.[Ctrl]キー + [Tab]キーを押して「罫線」タブを選択します。 9.[Tab]キーを押して「線の種類」に移動し、[上下方向]キーを押して  「太線の選択」を選択します。 10.[Tab]キーを押して「右」の切り替えのチェック ボックスに移動し、   [Space]キーを押してチェックをつけます。 11.[Tab]キーを押して「OK」ボタンに移動して[Enter]キーを押します。   選択範囲のセルの右側に太線が引かれます。 12.次にセルB1を選択します。上記操作を繰り返し行います。   セルB1の右横が太線に変更されます。 なお、PC-TalkerでExcelを利用している場合は[shift]キー + [alt]キー + [K]キーを押すと、指定した罫線が正しく引けているか確認できます。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎拡大鏡とハイコントラスト その1 今回は、拡大鏡とハイコントラストの1回目です。 1.ハイコントラスト画面とは ハイコントラスト画面は[左Alt]キー + [左Shift]キー + [PrintScreen]キーを押して表示されるダイアログボックスで [Enter]キーを押すと表示されます。 2.ハイコントラストの仕組み ハイコントラスト画面は、配色や文字の大きさなどの組み合わせを変えて、 弱視者の視認性を改善する機能です。Windowsは、ダイアログボックスの色、 文字の色、メニュー項目がフォーカスを待つ場合および持たない場合の 色などについて、個々に色を設定することができます。 3.拡大鏡とハイコントラストの違い 拡大鏡は、モニタに表示する画像を「拡大」や「反転」して 表示する機能です。 したがって、もともとコントラストが低い場合、「反転」しても コントラストの改善は期待できません。 4.Windows7とWindows8の違い その1 Windows7の場合、ハイコントラストにすると、自動的にAERO画面が 解除されます。ところが拡大鏡の「レンズ」と「全画面」機能は AERO画面のみ動作します。 したがって、Windows7では、ハイコントラストと拡大鏡を同時に使用する場合 「レンズ」と「全画面」が使用できません。 一方、Windows8はこの制限はありません。 また、Windows8ではWordなどと拡大鏡の親和性も改善されています。 今回の内容に関する画像は、下記のURLで見ることができます。 http://smuramura.web.fc2.com/201504F/HIGHTCONT-1.png http://smuramura.web.fc2.com/201504F/HIGHTCONT-2.png http://smuramura.web.fc2.com/201504F/HIGHTCONT-BLACK.png http://smuramura.web.fc2.com/201504F/HIGHTCONT-WHITE.png                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎SIMフリー その1 最近「SIMフリー端末」って、よく聞くようになりましたね。 あなたは何のことかご存じですか? また、使うことができれば、どんなメリットがあるのでしょう。 携帯電話や、スマートフォンの通信機能を使えるようにする「SIMカード」は ご存じですか? そのSIMカードのキャリアや機種ごとの制限が解除されている端末のことを SIMフリー端末と呼びます。 そもそもSIMとは? SIMカードは、Subscriber Identity Module Cardの略です。 電話番号などの固有の識別情報が記録されたICカードのことを指します。 SIMカードをスマートフォンや、携帯電話、タブレット端末などの モバイル端末のSIMカードスロットにさし込むことで、音声通話や データ通信などの通信機能が使えるようになります。 SIMフリーなら、SIMカード1枚で、いろんな端末を使える 魅力的な仕組みなんです! つづく                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎ムツボシくんの点字の部屋 宮城教育大学 特別支援教育講座(視覚障害教育コース担当)、 長尾 博先生のページです。 点字というのはどんなものか、しっかり考えることができます。 国の施設での話ですが、点字標記で間違っているのがあるといわれています。 展示されていた触地図内の点字に間違いがあったということです。 一つではありません。あちこちに点字表記の間違いがあったのです。 ここはどこでしょう。点訳を習った学生が、試作した地図を展示している どこかの高校の文化祭会場ではないのです。国土地理院なのです。 しかも、正式に「触地図」コーナーと銘打って国民に来館をよびかけている 国の科学館なのです。 国民には「この間違った点字を広く見てほしかった」とでも いうのでしょうか。  私たちも、ぜひ点字について考えてみたいですね。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://nagao.miyakyo-u.ac.jp/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎有限会社 アットイーズ 〜もっと気軽にデジタルコミュニケーション〜 視覚障害者・ロービジョンのみなさまの 情報コミュニケーション環境創造支援企業 ●取扱商品 見えないこと、見えづらいことを補うための各種ハードウェアやソフトウェア 購入のご相談・購入前の体験 購入後のサポート 商品の購入相談 各種助成金の申請相談。 ●サポート業務 ・サポートサービス パソコンや各種ハードウェア、ソフトウェアの設定やセットアップの サポート。 ・電話サポート アットイーズで購入した商品に関して、購入日から3ヶ月間、無料で 電話サポートが受けられます。 ・電子メールサポート ・リモートサポート インターネットを介して、お客様のパソコンを閲覧、遠隔操作する サービスです。 ●レッスン業務 パソコンをはじめ様々なデジタル機器の使い方を、個別レッスンにより実施 ●出張サービス業務 ・出張サポート・出張個別レッスン パソコン教室講師派遣 ●情報配信サービス業務 ・インターネット情報配信 ホームページや電子メールを利用して、視覚障害者やロービジョンに有用な 情報や、お楽しみコンテンツを提供 ・各種メールマガジンの発行 おきがるライフ(毎月5日発行) おきがるだより(毎月10日発行) おきがるデジタル講座(毎月15日発行) エクセル自由自在(毎月20日発行) ●各種助成金の申請相談 ●無料ロービジョンカウンセリング 当事者やその家族のための無料ロービジョンカウンセリング ●視覚障害者就労継続支援 視覚障害者の業務遂行に関するノウハウの提供や就労継続支援 視覚障害者を雇用する企業・団体への支援 ●ロービジョンクリニック運営支援 ロービジョンケアを実践している医療機関、ロービジョンケアをこれから 取り組もうと考えている医療機関への支援 さまざまなサービスを提供しているので視覚障害者の支援に関わる方には ぜひ知っておいていただきたい企業です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.kigaruni-net.com ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎視覚障害者に求められるOCR機能を1つに凝縮、「とうくん Ver2.0」  今回は、4月末に株式会社アイフレンズから発売される 活字や手書き、点字など多彩な文書に対応した視覚情報支援〜 文書読み取りソフトウェア「とうくん Ver2.0」をご紹介します。  「とうくん」は「活字文書を読む」「手書き文書を読む」 「点字文書を読む」「紙幣判別」「テキスト編集」「拡大読書」 「点訳」という7役の動作を誰でも簡単に行えるように工夫した視覚情報支援〜 文書読み取りソフトウェアです。  操作は簡単!パソコンに接続したスキャナに活字文書や紙幣などを乗せて ボタンを押すだけで、その内容を滑らかな音声で読み上げます。 最新のOCRエンジンを搭載し、手書き文書なども読み取れるようになりました。 活字・手書きなど文書の種類や、QRコードが印刷されているかを 知らせてくれる文書情報取得機能、レシート専用フォーマットや 名刺ファイリング機能も搭載。QRコードも読み取れます。 高性能の英文OCRエンジンを搭載していますので、英文も正しく読み上げます。 読み取った英文を日本語に翻訳して読み上げることもできます。  音声は標準搭載のドキュメントトーカに加え、 PC-Talker(一部機能制限あり)に対応。画像ファイルからテキストを抽出して 読み上げたり、漢字かな交じり文書を点字ファイルに保存できる 自動点訳機能を搭載しています。点字文書の両面を同時に読み取りながら 自動的に点字コードに変換して、ファイルに保存する機能を 搭載していますので、紙に書かれた点字文書を電子化できます。 拡大読書機能を強化、webカメラを接続すれば、手元の画像を拡大表示可能。 また、操作ガイダンスや読み上げた内容を点字ディスプレイに表示できます。 ●動作環境 対応OS:WindowsXP SP3、 7(32/64bit版)、 8(32/64bit版) ●製品価格(すべて税込、日常生活用具候補品) 「とうくん」Ver2.0 新規:64800円 「とうくん」Ver1.1のユーザー:無料(お申し込み不要) 「とうくん」Ver1.0のユーザー:21600円 「よみとも」のユーザー:32400円 ご提供媒体:プログラムCD1枚、操作マニュアルCD1枚 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.eyefriends.jp/archives/1975 ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第24回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 2日間にわたり、福島にて「第24回視覚障害リハビリテーション研究 発表大会」が開催されます。 *日時:2015年6月27日(土)〜28日(日) 09:00〜17:30 *会場:コラッセふくしま *内容:リハビリテーション関連の各種講演、口頭発表、シンポジウム、  各団体の活動発表、福祉機器展示等 *主催:特定非営利活動法人 にじの会 ▼詳しくはこちらをご覧ください。 http://nponiji.com/taikai/ ◎ソフトバンクでは障害者用サイトを解説 ソフトバンクモバイルは、障がいのある方やシニア向けサービスや 端末のサポート設定などを紹介する「ソフトバンクの ハートフルアシスト」ページを開設しました。 このページでは、障がいのある方や高齢者の方がより快適に情報端末を 活用できるよう、それぞれの障がいや困難に合わせたサービス、 便利な設定などを分野別に分かりやすくまとめています。 ▼ハートフルアシストページ http://www.softbank.jp/corp/special/heartful/ ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   無料のネット通話Skypeなどを利用して行う講座で、教室に来なくても   学べます。内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   就労中の視覚障害者を対象とした職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、平成27年度上半期の訓練の受付を行っています。  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、6月6日(土)からの土曜講座のご案内をしています。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 5月10日は定員に達しました。次回は7月12日(日)に開催予定です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/lesson/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が大切な活動資金になっています。 また、SPANは認定NPOの認証取得を目指しており、そのためには 3,000円以上の寄付を年間100名以上から受けていることが 必須条件となっています。どうぞこの趣旨をご理解いただき、 みなさんのお力をぜひいただければ幸いです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/support/#con03 ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 最近、スマートホンやタブレットPCを使う視覚障害者が増えてきたように 感じます。やはり時代の流れでしょうか。 最初、使いにくいと思われていたタッチディスプレイも今ではわりと楽に 操作している人が多くいます。 もしかすると近い将来、個人ユーザーの多くがパソコンではなく こうしたツールで情報の入手や発信をしていくようになるのかもしれません。 サポートをする側も今後はこうしたニーズに応えられるようにしていく必要が あるでしょう。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は5月22日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━