━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2016年3月号 No.113                       2016年3月25日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  難しい操作は無理をしない ● プロフェッショナルコース  Excelでグラフや画像などのオブジェクトをマウスなしで選択する方法 ● 【コラム】 パソコンよもやま話  Bluetooth ワイヤレスヘッドセット その1 [2] サポートお役立ちサイト  公益社団法人 NEXT VISION [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  非営利団体法人への支援 マイクロソフトの企業市民活動 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  ワイドFM対応、音声ガイド付ICレコーダー、「RR-XS460」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第184回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎難しい操作は無理をしない 文字を拡大して画面を見ることのできる弱視者であれば、iPadの活用が お勧めです。 拡大機能をオンにしておけば、3本指でダブルタップすれば拡大され、 再び3本指でダブルタップすれば元に戻ります。 ただ、この「3本指でダブルタップ」という操作が なかなかスムーズにいかない場合があります。 日常生活ではなかなかしない動作です。 さらに拡大倍率の変更は3本指でダブルタップしてから指を離さずに ドラッグします。 こうなるとさらに操作がうまくいかないケースが出てきます。 「3本指で」と、いうのがなかなか問題なわけですね。 このような場合は、ズーム機能のなかの「コントローラを表示に チェックを入れます。 そうすると、画面に5円玉の穴の上下左右に三角印がついたものが 出てきます。 これを指で触れば、拡大、縮小、ウインドウズーム、フルスクリーンズーム、 レンズサイズを変更、倍率変更のためのスライダー等が現れます。 これで、指一本で拡大機能に関する操作ができます。 先日、勉強会で3本指の操作を懸命に練習してもらいましたが、 無理せずにこのような機能を活用したいものです。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎Excelでグラフや画像などのオブジェクトをマウスなしで選択する方法 今回のPDF版は http://smuramura.web.fc2.com/201603G/Object_3.pdf をご覧ください。 Excelで画像やグラフなどのオブジェクトを主にマウスなしで 選択する方法について説明します。 フォーカスを持っている状態でアプリケーションキーを押すと グラフや画像の調整をすることができます。 1.グラフ(オブジェクト)の選択 手順1.[Alt]キー[H]キー[F]キー[D]キーで「検索と選択」リストが 開きます。(Home , Find & Select ) 図1 「検索と選択」のリスト(Excel2013) http://smuramura.web.fc2.com/201603G/image001.png 手順2.[P]キーを押して、リスト中の「オブジェクト選択と表示(P)」を 実行します。(Selection Pane) 「オブジェクトの選択と表示」のペイン(作業用ウインドウ)が 表示されます。 図2 オブジェクトの選択と表示のペイン(作業ウインドウ) http://smuramura.web.fc2.com/201603G/image002.png すでにペインが表示されている場合なら[F6]キーでペインにフォーカスを 移動することができます。 注意:一部のスクリーンリーダでは[F6]キーが拡大になります。 [Alt]キーでリボンにフォーカスを移動後、[Ctrl]キー+[Tab]キーで 代用操作をしてください。 手順3.ここで[Tab]キーを押すと 「すべて表示」「すべて非表示」 「上向き▲」「下向き▼」「ブジェクトを選ぶ「リスト」の順番に フォーカスが移動します。 手順4.オブジェクトを選ぶ「リスト」にフォーカスが移動したところで 方向キーを押して、[Enter]キーを押すと、選んだグラフが選択されます。 フォーカスを持ったグラフの四隅には○が表示されます。 図3 グラフ2がフォーカスを持っている様子 http://smuramura.web.fc2.com/201603G/image003.png 2.ペイン(作業用ウインドウ)を閉じる方法1 マウスを使用していない場合、下記の操作でペインを閉じることが できる場合があります。 手順1.[Ctrl]キー+[Space]キーでペインを閉じるメニューが開きます。 手順2.[下向き方向]キーで「閉じる」まで移動します。 手順3.[Enter]キーでペインを閉じます。 すると、Excel本体ではオブジェクトを[Tab]キーで選択する 「オブジェクト選択モード」になっています。 図4 ペインを閉じるメニューが表示された例 http://smuramura.web.fc2.com/201603G/image004.png 3.ペイン(作業用ウインドウ)を閉じる方法2 ペインを表示する手順で操作すると、ペインを閉じることができます。 4. オブジェクト選択モード 手順1.[Tab]キーを押すと、次のオブジェクトにフォーカスが移動します。 手順2.[Enter]キーを押すと、オブジェクト内の部品をフォーカスが 移動するモードになります。[上][下][左][右]の方向キーを押すと、 グラフ内の各部品にフォーカスが移動します。 [Tab]キーを押すと、他のオブジェクトにフォーカスが移動します。 図5 グラフ内の部品がフォーカスを持っている例1 http://smuramura.web.fc2.com/201603G/image005.png 図6 グラフ内の部品がフォーカスを持っている例2 http://smuramura.web.fc2.com/201603G/image006.png [Esc]キーを押すと、「オブジェクト選択モード」が終了します。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎Bluetooth ワイヤレスヘッドセット その1 今回はアプリの紹介はお休みにして、関連商品の紹介をします。 iPhoneなどをVoiceOverで使用する場合、特に家以外で使用する場合は、 音声を他人に聞かれる場合があります。 また、周囲の人にとっても迷惑なことでしょう。 そのために、イヤフォンなどを使用されている方も多いことでしょう。 有線式のイヤフォンや、ヘッドホンを使用されておられるのでしょうかね。 最近のIT機器にはBluetoothの機能がついているものも多いですね。 iPhone、iPadにもBluetooth機能はついているので、それに対応した Bluetoothイヤフォンを使用すれば、線に拘束されることもなく、 快適にVoiceOverを聞いたり、電話で話すことも可能です。 そして、数多くのBluetoothイヤフォンが販売されています。 その中でも、今回紹介するのは、 【国内正規品】 PLANTRONICS Bluetooth ワイヤレスヘッドセット (モノラルイヤホンタイプ) Voyager Edge Black VOYAGEREDGE-B です。 この機種の一番の特徴は、2つのBluetooth機器と同時に 接続できることではないでしょうか。 例えば、iPhoneとappleWatchの2つの音を、切り替えるなど意識することなく、 いつでもどちらの音も聞くことができます。 これは実際に使ってみると、とても便利です。 この機種のことを知るまでは、その都度切り替えていたので、 実用的ではありませんでした。 もちろん、iPhoneと、ノートパソコンの組み合わせでも大丈夫でしょう。 つづく                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎公益社団法人 NEXT VISION 視覚障害をめぐる新しい動きが始まっていることに 注目していきたいと思います。 どんなことを行おうとしているか見てみてください。 目的 この法人は、視覚障害者の日常生活・就労など社会参加活動等に対する 様々な支援、視機能の向上・回復のためのリハビリテーション および 必要となる技術開発と支援、眼科領域における調査・研究・ 検査を行うことにより、 すべての視覚障害者の福祉向上と科学技術の 発達に寄与することを目的とする。 事業内容 1.この法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。 (1)視覚障害者の社会参加活動に対する支援事業 (2)視覚障害者のリハビリテーションに対する支援・技術開発事業 (3)眼科領域における調査・研究・検査事業 (4)視覚障害を有する者および眼科領域における教育を必要とする者への 奨学金等の給付・貸付事業 (5)視覚障害を有するスポーツ・芸術その他の活動を行う者への活動支援事業 (6) 視覚障害および福祉に関する指導・教育活動 (7) 視覚障害者の支援に必要となるボランティアの募集・教育・派遣事業 (8) 視覚障害者支援団体に対する施設等の貸与事業 (9) 視覚障害者支援団体の活動に対する助成事業 (10) その他この法人の目的を達成するために必要な事業 2.前項の事業は、日本全国において行うものとする。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.nextvision.or.jp/menu04_symposium.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎非営利団体法人への支援 マイクロソフトの企業市民活動 〜未来の日本社会への貢献 > 地域社会への貢献 > 非営利団体法人への支援〜 視覚障害者のICT利用で関わりの深いマイクロソフトは、NPOを支援する さまざまな活動をしています。 主な活動は以下の通りです。 1.人材育成 ・NPOのIT利活用促進を目的としたUpgrade Your World NPO Connectionイベントの開催。 ・NPOを支援する方々のITスキルの向上のための教材の開発や セミナー開催を行う「NPOITキャパシティ ビルディング プログラム」。 2.IT 基盤整備 ・非営利団体法人向け Windows 10 のご案内 ・Office 365 Nonprofit(Office 365 非営利団体向けプログラム) ・Refurbisher プログラム(中古 PC 寄贈支援プログラム) ・Microsoft Registered Refurbisher プログラム公式サイト ● NPO + SOFTWARE(ソフトウェア寄贈プログラム) 3.その他の情報提供 ・東日本大震災被災地支援 ・協働事業 ・NPO サポート動画集 意外と知られていないマイクロソフトのこうした活動、 一度利用してみてはいかがでしょうか? ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.microsoft.com/ja-jp/citizenship/challenge/npo/default.aspx ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎ワイドFM対応、音声ガイド付ICレコーダー、「RR-XS460」  今回は、昨年10月15日にパナソニック株式会社から発売された 録りたい音をしっかり強調できるワイドFM対応ICレコーダー「RR-XS460」を ご紹介します。  前方正面の音を強調し、セミナーや講義の録音に便利な 「ズーム録音」機能を搭載。ワンタッチで、広い範囲の録音に適した ステレオ録音モードにも切り替えられます。また、シーンごとに用意された 録音設定が利用できる「録音シーンセレクト」を搭載。 選べるシーンは「語学学習」「カラオケ」「楽器演奏」「会話」「会議」 「講義」と、ユーザー設定を保存できる「お気に入り」の7種類。  AMラジオ番組がFM放送で聴けるワイドFM(FM補完放送)対応。 都市部の電気雑音によりAM放送が入りづらい場所でも受信しやすい FM放送の周波数でAMラジオをクリアな音質で楽しめます。  マイクで集音した音を強調、調整して、インサイドホン(別売)で リアルタイムに聴くことができる「集音機能」搭載。集音機として使えるので 周りの音が聴こえにくい場合などに便利です。  その他、語学学習やおけいこなどに役立つ「かんたんシャドーイング再生」 聴きたい方向の音声を強調する「フォーカス再生」、風切音を軽減する 「風音キャンセル再生」、現在時刻や録音日時、設定内容などを 音声で読み上げる「音声ガイド」、ファイル検索/再生機能や 再生速度調整機能など各種機能、ダイレクトにパソコンと接続でき、 充電も可能なUSB端子搭載。MP3ミュージックプレーヤーも備え、 WMA再生にも対応。内蔵メモリは4GBで、microSDHCカードも利用可能。 ●仕様 色柄名称:-K ブラック、-W ホワイト、-S シルバー、-R レッド 録音形式:リニアPCM、MP3 本体寸法・質量:幅40.2mm×高さ105mm×奥行14.8mm  約55g(電池含む) ●動作環境 対応OS:Windows Vista, 7, 8/8.1、Mac OS X10.5−10.10 付属品:単4形ニッケル水素充電式電池、電池保管袋 希望小売価格:オープン ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://panasonic.jp/icrec/p-db/RR-XS460.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第184回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 第184回仙台ロービジョン勉強会を開催します。 *日時:2016年4月13日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 11階 第1研修室 *内容:基礎から学ぶ福祉制度(身体障害者手帳について)の講演。 *参加費:300円 *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ◎土曜講座VBAで広がるExcelの世界!(4日間コース)のご案内 この講座は、「VBAで広がるExcelの世界!」をテーマに開催します。 *開催日:5月14日(土)・21日(土)・28日(土)、6月4日(土) (4日間コース) *時間:13:00〜17:00 *場所:SPAN☆三田スカイプラザ *募集定員:4名(お申込みが2名以上の場合に開催します。) *講師 亀山 渉 *受講料:30,000円(4日間、テキストを含む) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/activity/index.html#future20160514-0604 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   無料のネット通話Skypeなどを利用して行う講座で、教室に来なくても   学べます。内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   就労中の視覚障害者を対象とした職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、平成28年度上半期の訓練の受付を行っています。  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座、ワンポイント講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って半日で学ぶ講座です。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、5月14日からの土曜講座「VBAで広がる世界!」の   募集を行っています。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。 → 現在、5月8日(日)の募集を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/offering/index.html *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が大切な活動資金になっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/support/#con03  また、以下のサイトの中の「応援する」ボタンを毎日押していただくことで SPANを寄付でご支援いただけます。ぜひご協力ください。 http://gooddo.jp/gd/group/span/?from=fbn0 ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 3月は巣立ちの季節、新しい生活を始める方もいるのではないでしょうか。 最近はパソコンを学ぶために職業訓練施設に入学する視覚障害者も 増えてきているようですが、全国的にはまだまだといった感じです。 全国どこでも視覚障害者が職業訓練を受けられるようになればと 心から願っています。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は4月22日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら http://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp 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