━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2016年11月号 No.121                       2016年11月25日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  ズームフィルタの活用 ● プロフェッショナルコース  [Alt]キー+[Windowsロゴ]キーによるタスクの切り替え ● 【コラム】 パソコンよもやま話  iOS10で拡大鏡 その2 [2] サポートお役立ちサイト  地域活動・多文化共生 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  公益社団法人 nextvision [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  データベース機能を強化した新製品、「MyAccess(アドボイス7)」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  視覚障碍者のためのWindows 10体験セミナー (完全予約制)のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎ズームフィルタの活用 iPad・iPhoneのズーム機能のズーム領域については、フルスクリーンズームと ウインドウズームがあります。 ウインドウズームは、四角いルーペで覗いているような感じです。 ウインドウズームの時、ルーペの枠がわかりにくく、どこからがレンズなのか よくわかりません。 もしかして、フルスクリーンズームではないかと見間違えることがあります。 こんな時に便利なのが、ズーム領域の下にある、ズームフィルタです。 これをオンにすると、なし、反転、グレイスケール、グレイスケール反転、 低照度等が出てきます。 反転かグレイスケール反転を選ぶとルーペのレンズ部分が反転色になり、 ルーペであることがはっきりわかります。 移動するときも境目がわかりやすいので大変やりやすいです。 グレイスケール反転は、色が消えるので、私は普通の反転が わかりやすいです。 フルスクリーンズームは画面上の移動がやりにくいので、 上記のズームフィルタの機能を使ってウインドウズームを うまく活用してください。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎[Alt]キー+[Windowsロゴ]キーによるタスクの切り替え 今回のPDF版は http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201611G/win_tab.pdf をご覧ください。 ○はじめに タスクつまりアプリを切り替えるショートカットキーとして[Alt]キー+ [Tab]キーがあります。 [Alt]キーを押し下げたままにして、[Tab]キーを叩くと、 切り替え先の候補がどんどん変わります。自分が使用したいアプリになったら [Alt]キーを話します。 Windows10ではさらに仮想デスクトップ関連の機能が追加された [Windowsロゴ]キー+[Tab]キーのショートカットが追加されました。 Windows10ではお薦めです。 ○使用法 手順1.[Windowsロゴ]キー+[Tab]キーを押して離します。 すると、画面の上部には切り替え可能なタスクが表示されます。 手順2.[左または右方向]キーで切り替えたいタスクを選びます。 手順3.[Enter]キーを押すと、そのアプリに切り替わります。 ○仮想デスクトップを追加する [Windowsロゴ]キー+[Tab]キーを押して離したあと、もう一度 [Tab]キーを押すと、新しいデスクトップに移動します。 ここで[Enter]キーを押すと、新たなデスクトップが起動します。 もう一つのパソコンが起動したと思ってください。同じディスプレイに 二台のパソコンが接続されている状態のようになります。 図1 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201611G/change.png ○仮想デスクトップの切り替え 手順1.[Windowsロゴ]キー+[Tab]キーを押して離します。 すると、画面の上部には切り替え可能なタスクが表示されます。下部には 「デスクトップ1」「デスクトップ2」と「新しいデスクトップ」が あります。 手順2.[左または右方向]キーで移動し、[Enter]キーで実行します。 図2 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201611G/kaso_desk1.png 図3 拡大図 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201611G/kaso_desk2.png 例えば、この機能を使用すると、「Word」と「Excel」を別のデスクトップに 割り当てることができます。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎iOS10で拡大鏡 その2 ●拡大鏡の画面構成  拡大鏡は、背面カメラで移した映像を表示する上部エリアと、 設定を行う下部エリアとに分かれます。 ○映像表示エリア ・voiceOver Onの時 1本指上下フリックで拡大/縮小、 1本指ダブルタップで、焦点固定、  1本指トリプルタップでオートフォーカスの切り替えができます。 ・voiceOver Offの時 ピンチイン・ピンチアウトで拡大・縮小、 1本指シングルタップで焦点固定、 1本指ダブルタップでオートフォーカスの切り替えができます。 ○設定エリア 1本指右フリックをしていくと、「ズームレベル」、「フラッシュライト」、 「焦点ロック」、「フリーズフレーム」、「フィルタ」と切り替わります。 (1)ズームレベルは拡大倍率の調整です。 倍率は、最低1倍から、最大15倍まで調整ができます。 (2)フラッシュライトは、周囲が暗いときにオンにすると、対象物を照らして 移すことができます。 机の上で書類を読むときは、フラッシュライトをオンにし、 パソコン画面など、それ自体が発行しているものを映すときにはオフにすると 見やすくなります。 (3)焦点ロックは、有効にした位置で焦点を固定します。 Offにするとオートフォーカスが有効になり、iOS機器の高さや角度を 変えたときに、自動的に焦点を修正します。 ただし、オートフォーカスが有効の時は、常に焦点を合わせようとするので、 場合によっては画面のブレがひどくなる場合もあります。 また、実際に焦点が合うまでに少し時間がかかります。 (4)フリーズフレームは、ボタンを押した時点で映像を一時停止します。 もう一度、フリーズフレームのボタンを押すと、元の状態に戻ります。 1時停止中は、倍率の変更とフィルタの変更が可能です。 実際に撮影して保存しているわけではないので、画像データは残りません。 つづく                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎地域活動・多文化共生 東京都生活文化局のHPです。 地域活動では、市民活動支援や社会貢献活動団体との協働の取り組みおよび 市民活動に関する調査などがあります。 多文化共生の推進の項では、外国人おもてなし語学ボランティア、 外国人支援のための防災訓練などがあります。 自治体でもこのような問題意識を持っています。これをどう発展させるか 考えることも必要かと思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/chiiki_tabunka/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎公益社団法人 nextvision 〜支えられる側の人たちを、支える側の人たちに〜 *私たちのビジョン 支えられる側の人たちを、支える側の人たちに。 これは勤労人口減少に苦しむ日本の大きな国家テーマであり、 我々NEXT VISIONが担う使命であります。 医療の進化によって、昔なら亡くなっていたはずの方々が命を取り留める、 といった例が急増しています。今後は再生医療を筆頭とするいわば 医療革命によって、さらに人類は病気に打ち克っていくことが できるでしょう。 しかし同時に、これは障害者の急増をも意味します。100%完璧な 治癒ではなく、何らかの障害を抱えながら生きていく、という方も どんどん増えていくからです。 医療費や社会保障費の増大に歯止めをかけることが国民全体の 喫緊の課題である中、障害者それぞれに最適な形での職場復帰、 社会復帰を提供しなければいけません。 それは彼らをも含む国民全体の喜びであると我々は信じています。 その第一歩が「視覚障害者」です。 視覚障害者の中で全盲の方は1割程度に過ぎず、ほとんどの方々のハンデは 見え方の一部であって、適切な治療と根気よいロービジョンケアによって、 社会の中で十分に活躍できるポテンシャルを秘めています。 たとえ全盲であっても、たとえば同時通訳などで健常者より高いスキルを 発揮される方も多くいらっしゃいます。 ところが残念なことに社会の誤った認識によって、視覚障害者という 「レッテル」を貼られたとたん、できるはずの職を失うばかりか、 路上で詐病と罵倒される、意地悪をされるといった、迫害に近い扱いを 受けているのが実態です。 NEXT VISIONは、研究・治療・ロービジョンケア・リハビリ・ 社会復帰を一気通貫で解決することによって、視覚障害者の社会復帰を 進めてまいります。 *事業内容 ロービジョンのつどい、ロービジョンケアフロアの運営 isee!(アイシー)運動 ロービジョンの方を支えるネットワークは、患者団体、NPO、医療・福祉機関、 教育機関、行政と幅広く広がりつつあります。 視覚障害者の支援に当たる方にはこうした新しい形の支援団体があることを ぜひ知っていただければと思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://nextvision.or.jp/vision ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎データベース機能を強化した新製品、「MyAccess(アドボイス7)」  今回は、11月11日に株式会社高知システム開発から発売された データベース機能を強化した視覚障碍者向け住所録ソフト 「MyAccess(アドボイス7)」をご紹介します。  本ソフトははがきや封筒の宛名書きを簡単に行えるPC-Talker対応の 住所録ソフト・アドボイスの後継ソフトとして、データベース機能を強化して 生まれ変わりました。 住所録の全項目を見直して、入力できる文字を増やしたほか、 住所録の閲覧画面から、矢印キーで住所録の追加・編集などのコマンドが 実行できるようになりました。ファンクションキーのないパソコンや タブレットでもお使いいただけます。また、アドボイスの機能と操作性を 継承しています。  自由にテキストを編集できるノート機能や領収書の印刷など、 治療院に便利なカルテ管理機能、名刺やはがきの裏書きを編集したり、 写真やイラストを組み込んで印刷することもできるミニワープロ、 メールで名簿を送りたいときなどに便利なテキスト出力機能などを 新たに装備。iPhoneやOutlookのアドレス帳を取り込んで編集可能な vCard形式に対応しました。  上級者には、データベース作成機能を使って、Microsoft Access互換の カード型データベースや印刷フォームを作成することが可能です。 初心者の練習用として、電話帳データベースを用意しました。 本ソフトをお買い上げの方には、年賀状の印刷に便利な年賀状セット(Web版)を 2017年1月31日までの期間限定で進呈いたします。 ●動作環境 対応OS:Windows10, 8.1, 7 ※PC-TalkerまたはVDMWシリーズが動作する環境が必要です。 ●製品価格(税込) MyAccess(アドボイス7):41040円 アドボイス5ユーザー優待価格:DVD版 19440円、Web版 17280円 アドボイス3ユーザー優待価格:DVD版 30240円、Web版 28080円 ※Web版は、PC-Talker10, 8V, 7Xユーザー向けの商品です。 ※2016年9月以降にアドボイス5を購入された方には、MyAccess (アドボイス7)Web版を無償でご利用いただけるように対応します。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.aok-net.com/news/myacnews.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎視覚障碍者のためのWindows 10体験セミナー (完全予約制)のご案内 話題のSurfaceで、Windows 10+Office 2016を体験します。 *日時:2017年1月9日(祝・月)  午前の部:10:00〜12:00(9:45受付開始)  午後の部:14:00〜16:00(13:45受付開始)※午前の部と同じ内容です。 *会場:ココネリ(練馬区複合施設)3階 *内容:Windows10の概要、アプリの起動⇒シャットダウンの方法、  エクスプローラーの操作等 *主催:一般社団法人 セルフサポートマネージメント  (スタッフ協力:SPAN) *定員:各回先着10名程度(完全予約制) *参加費:2000円 *お問い合わせ:電話:080-8743-1138 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/activity/index.html#future20170109 ◎第191回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 第191回仙台ロービジョン勉強会を開催します。 *日時:2016年12月14日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 11階 第1研修室 *内容:未就学視覚障害児の支援の現状 *参加費:300円 *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ◎「第27回アメディアフェア」開催のお知らせ アメディアフェアは、株式会社アメディアが毎年行っている視覚障害者の 祭典です。 *日時:2016年12月23日(祝・金) 10:30〜16:30 *会場:東商センター3階 *内容:視覚障害者向け最新機器の展示会及び講演、商品抽選会等 *入場料:無料 *主催:株式会社アメディア ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.amedia.co.jp/event/amediafair/ ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   無料のネット通話Skypeなどを利用して行う講座で、教室に来なくても   学べます。内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   就労中の視覚障害者を対象とした職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、平成28年度下半期の訓練の受付を行っています。  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座、ワンポイント講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って半日で学ぶ講座です。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、募集している講座はありません。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 現在、1月8日(日)の募集を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/offering/index.html *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が大切な活動資金になっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。  また、以下のサイトの中の「応援する」ボタンを毎日押していただくことで SPANを寄付でご支援いただけます。ぜひご協力ください。 http://gooddo.jp/gd/group/span/?from=fbn0 ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2016年もあと1ヶ月余りとなりました。 今年もさまざまなイベントや会合に参加しましたが、そこで目についたのは スマートホンやタブレットを使いこなす視覚障害者の姿でした。 その一方で、そうしたツールから取り残された多くの人も見てきました。 こうしたデジタルデバイドをどう解消していくか、新しい年に向けて私たちに 課せられた役割だと思います。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は12月23日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら http://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━