━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2018年8月号 No.142                       2018年8月24日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  PowerPoint基礎(9)   グラフのサイズの変更とインデントレベルの変更 ● プロフェッショナルコース  いろいろの色 その2 ● 【コラム】 パソコンよもやま話  スマートスピーカー alexaスキルの追加 [2] サポートお役立ちサイト  国際交流基金と財団法人日本国際教育支援協会が運営する  日本語能力試験・公式サイト [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  NPOの「労務管理」に係る支援事業 中央労働金庫 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  iPhone用 Bluetoothキーボード、「Rivo2」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第211回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎PowerPoint基礎(9)  グラフのサイズの変更とインデントレベルの変更 前回の続きからです。 挿入したExcelのグラフのサイズは変更することができます。 ここでは高さを「10cm」にします。また、縦横比は固定しない状態に しておきます。 縦横比を固定しないことで、高さを変更しても幅は変更されません。 1.[Tab]キーを押して前回グラフを貼り付けたコンテンツのプレイスホルダに  移動します。 2.[アプリケーション]キーを押してコンテキスト メニューを開きます。 3.[上下方向]キーを押してグラフエリアの書式設定に移動して[Enter]キーを  押します。グラフエリアの書式設定のダイアログ ボックスが開きます。 4.[Shift]キーを押しながら[Tab]キーを押して[塗りつぶしと線]の項目に  移動します。 5.[右方向]キーを押して、サイズとプロパティーのタブシートに移動します。 6.[Tab]キーを押して[高さ]のエディット ボックスに移動します。 7. 『10』と入力します。 8. [Enter]キーを押して、高さを決定し、スライドに戻ります。  ⇒高さが「10cm」になります。幅は変更されません。 なお、PowerPoint 2013では、PowerPoint 2013の画面内に作業ウィンドウが 開きます。 作業ウィンドウは、1度開くと固定表示になりますが、表示内容は、 選択されているオブジェクトに合わせて変化することに注意します。 ここでは、グラフの書式設定に関連する作業ウィンドウが開きます。 次に、おさらいになりますが、インデントレベルの変更についても 説明します。 文章を段落ごとに目立たせるためにインデントレベルを調整します。 特定のコンテンツのプレースホルダーに文章が入力されているとします。 たとえば1行目と5行目を箇条書きにするとします。 そのさい、それぞれの下の行のインデントレベルを1段階下げます。 インデントレベルを下げることで左からの字下げが増えるとともに 行頭文字が変わります。 1.[Tab]キーを押してインデントレベルを変更するコンテンツの  プレース ホルダーに移動します。 2.[Enter]キーを押して編集モードにします。 3.[上下方向]キーを押して2行目に移動します。 4.[Tab]キーを押します。インデントレベルが1段階下がるとともに  行頭文字が変わります。 5.[下方向]キーを押して4行目に移動します。 6.[Tab]キーを押します。インデントレベルが1段階下がるとともに  行頭文字が変わります。 7.[下方向]キーを押して7行目に移動します。 8.[Tab]キーを押します。インデントレベルが1段階下がるとともに  行頭文字が変わります。 9.[Esc]キーを2回押します。編集モードが終了するとともに  スライドのリストに移動します。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎いろいろの色 その2 PDF版のURLは下記です。 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/iro3.pdf 使用方法1 音声で聞くには、「詳細設定」で「音声」のタブの画面設定が必要です。 Microsoft Speech API を有効にし、音声を指定します。 図1 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201807H/onsei.jpg  使用方法2 いろいろの色で検出した色をエクセルに設定する方法について説明します。 エクセルではセルに色を付ける場合[Ctrl]キー+[1]キーで表示される 「セルの書式設定」のダイアログボックスで「塗りつぶし」のタブを 選びます。 「その他の色(M)」ボタンを実行します。 「色の設定」のダイアログボックスが表示されます。 「ユーザー設定」のタブに切り替えると色を数値で設定できます。 図2 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201807H/excel.jpg カラーモデルは「RGB」と「HSL」形式を選べます。いずれも10進数で 指定します。 いろいろの色では「詳細設定」を選びタブ「クリックボード」を 有効にします。 ホットキーは初期状態ではありません。例えばホットキーをクリックして [Ctrl]キー+[5]キーを設定します。 次にデータ形式を「10進形式RGB」にします。 OKボタンを押して有効にします。 図3 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201807H/clip.jpg [Ctrl]キー+[5]キーを押すと、RGB値がクリップボードに登録されるとともに 画面に表示されます。 [Ctrl]キー+[V]キーでメモ帳にRGB値が表示されます。その値をエクセルで 使用します。 図4 デスクトップに表示されたRGB値 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201807H/desktop.jpg 図5 メモ帳に張り付けたRGB値 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201807H/memo.jpg                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎スマートスピーカー alexaスキルの追加 みなさんはスマートスピーカーを活用していますか? 活用を始めると、もう、手放せなくなります。 今回はAmazonが販売している「Echo」について機能を追加するための 「スキル」について紹介します。 スマートフォンでいうと、アプリに相当するAmazon Echo (音声アシスタントAlexa)の「スキル」は、販売が始まったときは 265個しかありませんでしたが、この6月には1000個を突破するなど 数を爆発的に増やしています。 「スキル」はスマホやタブレットなどの設定アプリか、パソコンからも 登録ができます。 Amazon Alexa https://alexa.amazon.co.jp/spa/index.html#cards 今回は多くのスキルの中から、「年号変換」スキルを紹介します。 年号変換 ※URLが長いため、途中で改行しています。 https://alexa.amazon.co.jp/spa/index.html#skills/dp/B07942R5LD/ ?ref=skill_dsk_pnps_dp_0 より、一部引用 上記URLのページで「スキルを有効にする」をクリックすることで 利用できるようになります。 ○話しかけ方の例 「アレクサ、年号変換で今日は何年?」 「アレクサ、年号変換で1981年は?」 「アレクサ、年号変換で昭和56年」 ○このスキルについて ■年号の変換と聞くことで年号と西暦を変換します。 ○スキルの詳細 呼び出し名:年号変換 昭和生まれの私にとって、昭和と、西暦の変換は容易でしたが、 平成になってからは、もっぱら、西暦で考えるようになりました。 そんなときにこのスキルを見つけることができ、和暦変換が いつでもできるようになりました。                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎国際交流基金と財団法人日本国際教育支援協会が運営する  日本語能力試験・公式サイト 皆さんあまりご存知ではないですが、最近海外に住んでいる外国人の中に 日本語学習熱が高まっています。 それは、視覚障害者も例外ではないのです。 そんな状況に対応するために、海外で点字で日本語を学ぶ学習者のために、 日本語能力試験のテキストの点字データがダウンロードできるように なっています。 日本語能力試験は、日本国内および海外において、 日本語を母語としない人を対象として日本語の能力を測定し、 認定することを目的として行う試験です。 いわゆる試験対策のための勉強です。これが点字でもできるように なっているわけです。 そのための視覚障害者向けの点字データを掲載しています。 点字ファイル(BASE形式のファイル)をダウンロードできます。 『日本語能力試験公式問題集』 以下は、N1という最高のレベルのテキストです。 N1 言語知識(文字・語彙・文法)・読解問題 聴解問題、正答表、聴解スクリプト (全147ページ/BSE/52KB) koshiki2012_N1.BSE ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.jlpt.jp/tenji.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎NPOの「労務管理」に係る支援事業 中央労働金庫 中央労働金庫(中央ろうきん)では、さまざまな社会貢献活動を 実施していますが、NPOでの労務管理を支援する活動も行っています。 <中央ろうきん>のWebサイトでは、その活動を以下のように 紹介しています。 NPOの「労務管理」に係る支援事業 <中央ろうきん>では、融資制度や助成事業などの「資金調達」に係る 支援と併せて、“働く場”としてのNPOに注目し、多様な方が自発的に 活動するNPOの「労務管理」に係る支援を行っています。 ・労務管理セミナーの開催 中央ろうきんエリア内の各地域で、NPOの組織基盤強化に向けた 「労務管理セミナー」を開催しています。 このセミナーでは、雇用保険や就業規則などの労務に関する 実務知識のほか、有償ボランティアや障害を持つ方など、多様な方が安心して 活動するためのルールづくりなどを、労働法や労働保険制度・ 社会保険制度に則した内容で解説しています。 開催にあたっては、東京都社会保険労務士会NPO研究会の協力のほか、 助成事業等で協力関係にある地域のNPO支援組織との協働により、 企画・運営を行っています。 ・ブックレットの作成 はたらきやすいNPOを目指して 東京都社会保険労務士会NPO研究会の協力のもと、<中央ろうきん>の 労務管理セミナーのテキストとして、労務管理ブックレット 「はたらきやすいNPOを目指して」を制作しました。 (発行:中央ろうきん社会貢献基金) <中央ろうきん>では、NPOの労務管理に係る支援を通じて、 はたらきやすいNPOの実現と、NPOで働く方たちの暮らしを支える取り組みを 実施していきます。 NPOを「はたらく場」として支援するこうした取り組みは、NPOにとって 貴重なものだと思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 ※URLが長いため、途中で改行しています。 http://chuo.rokin.com/about/csr/assistance/other_project/ labor_management.html ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎iPhone用 Bluetoothキーボード、「Rivo2」  今回は、4月16日に株式会社ラビットから発売された iPhone用Bluetoothキーボード「Rivo2(リボツー)」をご紹介します。  Rivo2は、視覚障害者がスマートフォンをより迅速かつ正確に 操作できるよう設計されたBlueToothキーボードです。 スクリーンキーボードを使わずとも、ガラ携のようにボタンで文字入力、 電話、iPhoneの画面操作などが可能です。  Rivo2は縦4個、横5個のキーで構成された携帯型のテンキーボードです。 iPhoneの音声をRivo2本体で聞くことができるので、iPhoneをポケットや鞄に 入れたまま、Rivo2だけを持って操作することが可能です。  iPhoneのVoiceOverコマンドを使用し、画面にタッチせず操作可能 (クイックナビゲーションモード)。文字入力では日本語、アルファベット、 数字、記号などに対応。漢字変換、カーソル移動、範囲選択、 コピー・貼り付けなどの編集操作が行えます。 電話の際、通話相手の声はRivo2本体の内蔵スピーカーもしくはイヤホンから 聞くことができます。 留守番電話や応答メッセージなどのトーン信号(プッシュボタン回線)にも 対応しています。 また、音楽の再生やトラック移動、ボリュームコントロール、 Siriの操作なども可能です。 ■仕様 対応iOS:iPhone6以降。iPhoneXでは一部機能が使えない場合があります。 本体配色:ブラック 寸法・重量:縦94mm、横52mm、厚さ12mm  55g 本体インターフェイス:5pin micro-B USBジャック、 3.5mmステレオミニジャック 付属品:USB2.0ケーブル1m(A to micro-B)、取扱説明書墨字版・ CD版(テキストデータ、音声デイジー版) 製造元:Mobience Inc. 標準小売価格:43,200円(税込) 保証期間:1年間 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://rabbit-tokyo.co.jp/rivo2 ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第211回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 第211回仙台ロービジョン勉強会を開催します。 *日時:2018年9月12日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 11階 第1研修室 *内容:「点字で学ぶ子どもたち」をテーマに開催 *参加費:500円 *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ◎第2回神戸ライトサロン開催のご案内 特定非営利活動法人神戸アイライト協会主催で 2018年神戸ライトサロンを開催 *日時:2018年10月6日(土)13:30〜16:30 *会場:中山記念会館2階 多目的室 *内容:ミニ講座、交流会 *定員:30名(定員になり次第締め切ります。) *参加費:無料 *お問い合わせ:メール kela2009eyelight@ac.auone-net.jp ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://eyelight.eek.jp/ ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   無料のネット通話Skypeなどを利用して行う講座で、教室に来なくても   学べます。内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   就労中の視覚障害者を対象とした職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、平成30年度上半期の訓練の受付を行っています。  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座、ワンポイント講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って半日で学ぶ講座です。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、9月1日からの土曜講座の募集をしています。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 現在、9月9日(日)の募集をしています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/offering/index.html *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が大切な活動資金になっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 今年は各地で豪雨や猛暑に見舞われ、大変厳しい夏となりました。 そして、どんなに科学技術が進んでも、自然の力に対して 人間がいかに無力かということを思い知らされました。 それでも、私たちは人間の生活を豊かにするための努力を続けていくんだと 思います。未来を信じながら。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は9月28日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら http://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━