━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2018年9月号 No.143                       2018年9月28日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  ズーム機能の詳細   コントローラの二つの活用方法 ● プロフェッショナルコース  ホームページの登録 ● 【コラム】 ICt よもやま話  スマートリモコン [2] サポートお役立ちサイト  官公庁における障害者雇用率水増し問題 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  日本点字図書館販売サイト わくわく用具ショップ [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  世界最強スクリーンリーダー、「JAWS 2018」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第212回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎ズーム機能の詳細  コントローラの二つの活用方法 iPhone、iPadでズーム機能は多くの弱視者にとって大変便利な機能です。 3本指でダブルタップしてから指を離さずにドラッグする。 上方向は拡大され、下方向は縮小される。(ズーム機能オン時のみ) ただ、このような作業は結構難しいので、このような場合は、 ズーム機能の中の「コントローラを表示」のボタンをオンにします。 そうすると、5円玉の穴の上下左右に三角印がついたようなものが 表示されます。これがコントローラです。 これをタップすると、拡大(縮小)、ウインドウズーム (フルスクリーンズーム)、レンズサイズを変更、倍率変更のための スライダー等が表示されます。 これで、指一本で拡大機能に関する操作ができます。 これを基本として皆さんに説明していましたが、じつは、この5円玉のような コントローラがまぎれ混んで見えなくなってしまうのです。 さらに、色々なものに重なって邪魔になります。 そうすると、「コントローラの活用」がうまくできなくなります。 これは困ったことです。 それを回避する方法があります。 さらに指の操作がややこしくなりますが、3本指でトリプルタップすると、 コントローラーを表示できます。 これもぜひ参考にしてください。 ただし、VoiceOver使用時のとき、この3本指でトリプルタップすると、 読み上げがオフということになりますので注意してください。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎ホームページの登録 PDF版のURLは下記です。 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201809S/url.pdf 今回は、定期的に閲覧したいホームページの登録について説明します。 1.Edgeの場合 まずEdgeを起動します。 すると、URLを入力できるモードになっているはずです。 www.span.jp と入力して[Enter]キーを押します。 ここで、[Alt]キー+[X]キーを押すとメニューが表示されます。 [下方向]キーを押して、「タスクバーにこの項目をピン留めする」まで移動し [Enter]キーを押します。 図1 Edgeのメニューが表示された様子 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201809S/image01.png 確認するダイアログボックスが表示されたら、「はい」が 候補になっているのでそのまま[Enter]キーを押すと タスクバーに表示中のURLが登録されます。(登録されない場合もあります。) スタートにピン止めしたい場合は、このメニューの中の 「このページをスタートにピン留めする」を選びます。 場合によって、確認するためのメッセージボックスが表示されることがあります。 [Enter]キーで実行できます。(メニュー中には、音声で読み上げもあります) 図2 スタートにピン留めを確認するメッセージボックス http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201809S/image02.png 図3 スタートのタイルにピン留めされた様子 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201809S/image03.png タスクバーにピン留めを選ぶとタスクバーに登録されます。 図4 タスクバーに登録されたアイコンを右クリックした様子 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201809S/image04.png 2.Google Chromeの場合 [Alt]キー+[F]キーを押します。 [下方向]キーを押して「その他のツール」まで移動します。 [右方向]キーを押してサブメニューを開きます。 [下方向]キーを押して「ショートカットを作成」まで移動します。 図5 Google Chromeのメニューが表示された様子 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201809S/image05.png [Enter]キーを押すと、「ショートカットを作成しますか?」の ダイアログボックスが表示されます。 図6 確認のダイアログボックスが表示された様子 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201809S/image06.png [Enter]キーを押すと、デスクトップにアイコンができます。 そのアイコンを選び、右クリックまたは[アプリケーション]キーを押して 開くメニューの中に、「スタートにピン留めする」や 「タスクバーにピン留めする」があるので、実行すれば、登録できます。 図7 デスクトップのアイコンを右クリックまたはアプリケーションキー http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201809S/image07.png                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 ICt よもやま話 ◎スマートリモコン スマートスピーカーを使い始めると、音声で問いかけたりするだけでなく、 まわりの家電などのコントロールなどもしたくなってきませんか? その一つの方法が、スマートリモコンを利用する方法です。 あなたの家をスマートホームにしませんか。 また、目が不自由だと、リモコンを探したり、押すボタンを探すのも 大変ですよね。 スマートリモコンを利用することで、照明、エアコン、テレビなどの電源の On/Offや、温度調整、チャンネル切り替えなどもスマートスピーカーで できるようになってきます。 赤外線リモコンで操作していた機器であれば、スマートリモコンでも 操作ができるようになります。 まずは、iPhoneや、iPadなど、スマホやタブレットで無料の専用アプリで、 スマートリモコンの初期設定を行なうことで、スマホやタブレットが リモコンの代わりとなることができます。 スマホの画面で専用アプリのボタンを押すことで、スマートリモコンから 赤外線が発光され、家電などのスイッチを入れたり、切ったりすることが できます。 そのボタンの役割を、GoogleHomeや、AmazonEchoに登録することで、 音声で操作ができるようになります。 「OK Google、照明をつけて。」 「OK Google、照明を消して。」 などです。 スマートリモコンには、予め、各メーカーのテレビなどの赤外線情報が 登録されている物が多いですが、登録されていない機器のリモコンであっても 簡単に学習させることができるので、気にすることはありません。 スマートリモコンは数社からいくつもの種類が発売されています。 「スマートリモコン」で検索してください。 スマートリモコンでは、タイマー機能や、マクロを組むことができるものも あります。 毎日決まった時間に、テレビや、照明のOn/Offを設定することができます。 決まった順番で、電源を入れていくこともできます。 どのスマートリモコンで、何ができるのかを調べることも 楽しくなってきますよ。 そして、あなたの家を、スマートハウスに!!!                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎官公庁における障害者雇用率水増し問題 最近のニュースでは「官公庁の障害者雇用率水増し問題」が 大きく取り上げられています。 怒りを通り過ぎて、「あきれてものが言えない」と言う方が多いと思います。 しかし、これからどうするかが一番大切です。 一番良くないのは、とにかく雇用率、ということで、働く環境や 受け入れ態勢を一切問題にせずに、雇用すればよいと言うことです。 この点を重視した声明が日本盲人会連合から出されています。 この問題について、少し冷静に考える、一つのきっかけにしてみては いかがでしょうか。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://nichimou.org/notice/180912-jim/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎日本点字図書館販売サイト わくわく用具ショップ わくわく用具ショップでは、見えない、見えにくい人が生活を便利に、 そして豊かにするための用具1000点以上を販売しています。 購入は、ネットや電話のほか、日本点字図書館1階にあるショップに来れば、 実際に商品を手に取ってみることもできます。 販売している用具は以下の通りです。 1.点字機器類 2.用紙関係 3.ノート・リング類 4.白杖・歩行関連 5.音響機器 6.スポーツ用品 7.おもちゃ・ゲーム 8.時計 9.計測器 10.文書読み上げ装置 11.クッキング 12.日用品 13.防災用品 14.ロービジョン 15.書籍 視覚障害者の支援をする方は、ぜひ一度ショップに来ていただくか、 カタログを見ていただき、どんな用具があるかチェックしていただければと 思います。 思いがけない発見があるかもしれません。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://yougu.nittento.or.jp/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎世界最強スクリーンリーダー、「JAWS 2018」  今回は、7月31日に有限会社エクストラから発売された画面読み上げソフト 「JAWS 2018 日本語版」をご紹介します。  JAWSは、画面に表示された情報や入力した文字を読み上げる スクリーンリーダーです。 IEやMicrosoft Officeなどの各種主要ソフトウェアに対応している他、 強力なスクリプティング機能により、そのままではうまく読めない アプリケーションも適切なJAWSスクリプトを書くことで 読めるようになります。  主な新機能と改良点は以下のとおりです。 ・高音質な音声エンジンVocalizer Expressive 2.2の日本語音声をサポート ・Windows10から搭載されたWebブラウザのMicrosoft Edgeをサポート ・JAWSの読み上げを必要に応じて制限可能(オンデマンド読み上げ機能) ・仮想カーソルのガイダンスレベルを設定可能に ・Windows10のMicrosoft Mobile音声(日本語では三つの音声)をサポート ・インストールを簡素化 ・画面を黒くするスクリーンシェード機能により、プライバシーを強化 ・その他、各主要なアプリケーションにおける問題を改善 ・読み上げ辞書・点訳辞書を更新  その他、FireFox、Google Chrome、Skype、Windows Media Player、 iTunesも快適に使用可能、Windowsタブレットのタッチスクリーンに対応、 EXTRAエンジンのかな訳機能を用いた正確な日本語読み上げ機能の提供など。 ●動作条件 OS:Windows10, 8, 8.1, 7 日本語版の各エディション ●価格(税込) JAWS 2018 新規:153360円、日常生活用具給付制度候補品 Ver18(JAWS 2018への無償バージョンアップ付)からのバージョンアップ:無償 Ver18、Ver17(Ver18への無償バージョンアップ付)からのバージョンアップ (1バージョンアップ):34560円 Ver17、Ver16(Ver17への無償バージョンアップ付)からのバージョンアップ (2バージョンアップ):56160円 Ver16〜6.2からのバージョンアップ(3バージョンアップ以上):77760円 ※バージョンアップ版のご購入には、ユーザー登録が必要です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.extra.co.jp/jaws/index.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第212回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 第212回仙台ロービジョン勉強会を開催します。 *日時:2018年10月12日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 10階 第2研修室 *内容:じっくり体験!! 視覚障害者向け便利グッズのいろいろ *参加費:500円 *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ◎アイライトフェア2018 開催のご案内 特定非営利活動法人神戸アイライト協会主催で アイライトフェア2018を開催 *日時:2018年11月3日(土・祝)13:30〜16:30 *会場:神戸市立葺合 (ふきあい) 文化センター 大ホール *内容:『 トータルサポート事業(ロービジョン・視覚障害専門相談事業)の  10年』をテーマに開催 *参加費:無料 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://eyelight.eek.jp/ ◎土曜講座「実務に役立つ労務・税務マスター研修U」  (11月3日から4日間コース)のご案内 この講座は「実務に役立つ労務・税務マスター研修U」をテーマに 開催します。 *開催日:11月3日(土)・10日(土)・17日(土)、12月1日(土) *時間:13:00〜17:00 *場所:SPAN☆三田スカイプラザ *募集定員:4名(お申込みが2名以上の場合に開催します。) *講師:大森 浩 *受講料:32000円(4日間、テキストを含む) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/activity/#future20181103-1201 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   無料のネット通話Skypeなどを利用して行う講座で、教室に来なくても   学べます。内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   就労中の視覚障害者を対象とした職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、平成30年度上半期の訓練の受付を行っています。  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座、ワンポイント講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って半日で学ぶ講座です。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、11月3日からの土曜講座の募集をしています。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 現在、11月11日(日)の募集をしています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/offering/index.html *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が大切な活動資金になっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 9月14日から16日まで、神戸市で 第27回視覚障害リハビリテーション研究発表大会が開催され、 3日間で延べ2500名以上が参加しました。 そして、SPANは資格取得をテーマにポスター発表を行いました。 「視覚障害リハビリテーション」(視覚リハ)というと、 まだ十分に認知されていない面もあるかもしれませんが、 視覚障害者が豊かな人生を送るために大きな役割を果たしています。 もちろん、パソコンなどの利用を進める活動も視覚リハの言ったんです。 これからも、折に触れて視覚リハについて発信していければと思います。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は10月26日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら http://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━