━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2018年11月号 No.145                       2018年11月23日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 SPANでは、2019年1月から3月にかけて3回にわたり神戸市で 職業講習を実施しますが、その資金確保のため、12月17日まで クラウドファンディングを行っています。 この講習を多くの視覚障害者が待ち望んでいるので、ぜひ多くの方の ご支援をいただけるとうれしいです。 11月22日現在で、329,000円、目標額70万円の47%のご支援を いただいています。 12月17日の締切まであと26日です! ご支援は以下からお願いします。 https://camp-fire.jp/projects/view/96777 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  Siriを活用する ● プロフェッショナルコース  マウスを使用しないでグラフを書く その2 ● 【コラム】 ICT よもやま話  スマートスピーカーでヤマト運輸の配達確認 [2] サポートお役立ちサイト  国家公務員 障害者選考試験 受験案内 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  NPO運営のコツ 会計・税務 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  人工知能を使用した視覚支援デバイス、「オーカムマイアイ 2」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  「第29回アメディアフェア」開催のお知らせ ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎Siriを活用する IOSのSiriの機能が最近よくなってきたことを実感することが多いと思います。 10月になると来年の予定を決めることがあります。 手帳をまだ購入していないので、Siriで来年の曜日を聞くことがあります。 飲んだ後の割り勘などもSiriは便利です。 これをベースにメモのアプリの活用を試してみましょう。  メモに登録、とSiriに話しかけると、メモの内容はどうしますか?、と 聞いてきます。 明日の朝山田さんに電話する、と話しかけると、 明日の朝山田さんに電話する、というメモを作成しました、と答えてきます。 あとでメモアプリを開くと、その内容がメモされています。 ここで、あらかじめ文字の大きさや、太さなどを自分の見やすいように 設定しておけば、メモも見やすい形で表示されます。  手書きメモがなかなかできない視覚障害者にとって便利な機能だと 思います。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎マウスを使用しないでグラフを書く その2 今回の資料は http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201811K/gf4.pdf です。 前回までの説明は http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201810K/gf3.pdf をご覧ください。 縦棒の種類の説明から再開します。 領域を選択してから、[Alt]キー[N]キーでリボンの「挿入」を選びます。 「グラフ」グループの右下にある[K]で「グラフの挿入」が表示されます。 右の方向キーでタブを「おすすめグラフ」から「すべてのグラフ」に 切り替えます。 ここで[Tab]キーを押すと、画面の左にある項目リストの先頭にある「縦棒」に 移動します。 ここで[上下方向]キーはグラフの種類選択になります。 図1 グラフの挿入のダイアログボックス(すべてのグラフのタブ)  http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201811K/image001.jpg ここで[Tab]キーを押すと方向キーで「縦棒」の種類を選択できます。 実際には使用しないとおもいますが、下記について身長と体重で説明します。 G1 「集合縦棒」は身長の棒と身長の棒が横に並びます。 図2 G1 集合縦棒 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201811K/image002.png G2 「積み上げ縦棒」は身長の上に体重が乗ったグラフになります。 図3 G2 積み上げ縦棒 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201811K/image003.png G3 「100%積み上げ縦棒」はすべての棒の高さが同じになります。 身長と体重の割合で分かれます。 図4 G3 100%積み上げ縦棒 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201811K/image004.png G4 「3D集合縦棒」 図5 G4 3D集合縦棒 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201811K/image005.png 身長と体重の四角柱が横に並んだ様子を見たグラフになります。 G5 「3D積み上げ縦棒」 図6 G5 3D積み上げ縦棒 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201811K/image006.png 同じ高さの四角柱が並びます。身長と体重の比に分かれます。 G6 「3D100%積み上げ縦棒」 同じ高さの四角柱が横にならびます。身長と割合のところで分かれます。 図7 G6 3D 100%積み上げ縦棒 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201811K/image007.png G7 「3D縦棒」 右方向に 1人目、二人目と並びます。手前が身長で、その奥が体重の 四角柱が並びます。 図8 G7 3D縦棒 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201811K/image008.png 次回は作成した図の調整を説明します。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 ICT よもやま話 ◎スマートスピーカーでヤマト運輸の配達確認 私は目が不自由になりはじめてから、ネットで購入する機会が 増えてきました。 時期的に、ネット販売が盛んになってきたこともあります。 理由は出かけなくてよいこともありますが、外出時にはできるだけ 両手を空けておくようにするためです。 片手は常に白杖を持つことにもなりますのでね。 そして、注文時には在宅時に宅急便が届くように調整しています。 主な宅急便会社にはユーザ登録をしているので、多くの場合、事前に 配達メールが届きます。 そんなとき、ヤマト運輸がスマートスピーカーのGoogleHomeで配達確認や 配達日時の変更ができるサービスを始めました。 これは、とても便利になると感じました。 ※宅急便会社にとっては、不在時配達になることをさけるためでしょう。 手続きをする場合、注意するところは、以下です。 “ヤマト運輸につないで”とGoogle Homeに話しかけると、 スマホのアプリ画面でヤマト運輸へのリンク画面が出るので「リンク」を タップ とあるのですが、このリンクの場所の説明がありませんでした。 調べたところ、スマートフォンのGoogle Homeアプリの下部メニューの 左から2番目「使い方・ヒント」の中にヤマト運輸から届いたリンクが 追加されている事が分かりました。 届いているリンクをタップすると、ヤマト運輸の 「クロネコID・パスワード」の入力欄が表示されるので、後は指示に従えば 登録はできます。 以下が私に届いたヤマト運輸からのメールの一部です。  クロネコメンバーズ×Google Home  話しかけるだけで荷物を確認。  受け取り日時の変更も  詳細はこちら⇒  ※URLが長いため、途中で改行しています。  http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/campaign/renkei/  iot?cid=ghome_renkei_mail_1811 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 平素よりヤマト運輸をご利用いただきまして誠にありがとうございます。 11月13日より、クロネコメンバーズとスマートスピーカー「Google Home」の 連携を開始しました。 「OK Google, ヤマト運輸につないで」とGoogle Homeに話しかけてください。 ◆本日お届けするお荷物の個数とお届け予定時間をお知らせします。 ◆ご都合がよいお届け予定日時に音声で変更することができます。 ・朝食の準備をしながら ・朝、身支度をしながら 外出前に、話しかけるだけ簡単に荷物の確認・日時変更ができるので、 荷物を気にすることなく外出できます。 今後も便利な機能で増やしていきますので、是非ご利用ください。 Google アシスタントをインストールしたスマートフォンからも ご利用いただけますので、ぜひ新しい受け取りをご体験ください。 参考ページURL Google Homeでヤマト宅急便のお届け時間を変更する方法 https://yutalog.net/googlehome-yamato-henkou/                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎国家公務員 障害者選考試験 受験案内 中央省庁での障害者雇用の水増し問題が大きく報道されました。 その反省にたって、ということか、障害者採用試験が行われます。 募集要項のうちの視覚障害者への受験配慮は以下のようになっています。 当事者からのたくさんの聞き取りがさらに必要かと思います。 5 受験上の配慮 (1)視覚障害(又は読字障害)のある方については、その障害の程度により、 以下の方法による受験ができます。 ア 点字による試験(パソコンによる音声読み上げを補助として 併用できます。ただし、パソコンは、原則として持参していただきますが、 使用できるパソコンに条件があります。) 点字による試験は、基礎能力試験の解答時間が2時間15分 (通常の1.5倍)となりますが、作文試験の解答時間は、通常と同じ50分です。 イ 試験時間の延長(拡大文字による試験を併せることができます。) 良い方の眼の矯正視力が0.15以下の方及び視野狭窄等でこれに相当すると 医学的観点から認められる方が対象となります。対象となるかどうかを 受験申込後に診断書等で確認します。 基礎能力試験の解答時間は1時間55分(通常の1.25倍)となりますが、 作文試験の解答時間は、通常と同じ50分です。 ウ 拡大文字による試験 拡大文字による試験において使用する試験問題集には、拡大率の異なる2種類 (面積比で2倍と2.7倍)があります。通常の試験問題集の文字の大きさは 10ポイントですが、拡大率が2倍の場合は、文字の大きさが14ポイント相当、 2.7倍の場合は、文字の大きさが17ポイント相当となります。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/senkou/senkou_annai_1T.txt ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎NPO運営のコツ 会計・税務 NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会では、NPOを運営するための さまざまな情報を提供しています。 このうち、NPO法人の税務・会計について、団体のWebサイトでは、 以下の内容を掲載しています。 1.NPO法人の会計 2.NPO法人の会計報告 3.特定非営利活動事業とその他事業の区分 4.事業費と管理費の区分 5.「寄付金」の会計 6.「特定資産」の活用 NPOにとって、こうした事務作業はそれなりに負担がかかります。 それらを少しでも減らすため、こうしたサイトを活用しては いかがでしょうか。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.c-s.or.jp/tohoku/kotsu/#accounting ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎人工知能を使用した視覚支援デバイス、「オーカムマイアイ 2」 今回は、9月25日に株式会社システムギアビジョンから発売された AI視覚支援デバイス「Orcam My Eye 2(オーカムマイアイツー)」を ご紹介します。 旧社名は株式会社タイムズコーポレーションでしたが、10月1日からは社名を 株式会社システムギアビジョンと改称しました。 オーカムマイアイは、イスラエルのOrcam社が開発し、小型カメラと 小型スピーカーを搭載したAI視覚支援デバイスです。  本体は、長さ76mm、幅14.9mm、高さ21mmで、重量は約22.5gと 100円ライター程度の大きさです。使用中のメガネのツルにマグネットで簡単に 装着できます。 内蔵バッテリーの連続使用時間は約1.5時間で、約40分で充電できます。 待機モードからは約10秒で起動します。  見たいものを指さすか、本体に指で触れるとカメラが起動し、文字や人の顔 紙幣、色などを耳元のスピーカーから音声で知らせます。 また、腕時計をしていなくても、腕時計を見るしぐさをすると、 日時を知らせします。 本体に指でタッチすることで撮影することも可能。音量調整は本体を指で なぞるだけ。 顔や物の認識は音声で登録できます。電源を入れた時点から音声やビープ音で ユーザー自身が動作状態を簡単に把握できます。 落下防止用のネックストラップ付き。 ●主な仕様 カメラ:13メガピクセルカメラ 出力音声(初期設定):日本語1種類(男性)、英語1種類(女性) 撮影範囲:約75度 顔認識:100名まで登録可能 物認識:150個まで登録可能 本体価格:648,000円(税込) 保証期間:2年間(本体のみ)、ユーザー登録が必要 ※落下、水濡れ、誤使用、火災、天災などによる故障や付属品は 保証の対象外。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.sgv.co.jp/visual/aivisualsupportdevice/orcammyeye/ ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎「第29回アメディアフェア」開催のお知らせ アメディアフェアは、株式会社アメディアが毎年行っている視覚障害者の 祭典です。 *日時:2018年12月23日(祝・日) 10:30〜16:30 *会場:練馬区立区民・産業プラザCoconeriホール *内容:視覚障害者向け最新機器の展示会及び講演、商品抽選会等 *入場料:無料 *主催:株式会社アメディア ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.amedia.co.jp/event/amediafair/index.html ◎「2018年度第3回視覚リハ体験会」のご案内 *日時:2018年12月15日(土) 9:00〜12:20 *会場:神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢自立支援ホーム *内容:施設の概要説明・見学、視覚障害者の誘導法、  歩行・点字・パソコン・日常生活など、ご希望の訓練体験 *お問い合わせ・お申込み:七沢自立支援ホーム 電話 046−249−2337 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   無料のネット通話Skypeなどを利用して行う講座で、教室に来なくても   学べます。内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   就労中の視覚障害者を対象とした職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、平成30年度下半期の訓練の受付を行っています。  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座、ワンポイント講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って半日で学ぶ講座です。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、募集している講座はありません。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 現在、1月13日(日)の募集をしています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/offering/index.html *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が大切な活動資金になっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2018年も残すところ1ヶ月余りとなりました。 今年の視覚障害者をめぐるICT関連の話題としては、AIスピーカーと スマートグラスといったツールが挙げられるかもしれませんね。 写真まで認識して誰が写っているのかを教えてくれるというのは、 以前は考えられなかっただけに、技術の進歩に驚嘆するばかりです。 一方で、さまざまな理由でこうした恩恵が受けられない人も多いことを、 私たちは忘れてはならないと思います。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は12月28日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら http://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━