━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2019年11月号 No.157                       2019年11月22日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ■ 立体コピー機購入のためのご寄付のお願い 多くの方から、PCの画面のレイアウトが知りたいとのご希望を いただいていることから、SPANでは、それらを触覚で確認できる 立体コピー機を、みなさんからのご寄付で購入したいと計画しています。 つきましては、みなさんのお力をいただければうれしいです。 ★ 目標額:30万円 達成額:206,000円(11月20日現在) ご寄付は、以下のSPANの振替口座宛お願いします。 郵便振替口座 : 00110−4−183315   スパン寄付金口 また、銀行などから振り込まれる場合は以下あてお願いします。 銀行名 : ゆうちょ銀行 金融機関コード : 9900 店番 : 019 店名 : 〇一九 店(ゼロイチキユウ店) 預金種目 : 当座 口座番号 : 0183315 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  ズーム機能を使う ● プロフェッショナルコース  QRコードを作る ● 【コラム】 ICT よもやま話  iOS iPhoneで録音 [2] サポートお役立ちサイト  災害時における支援活動に従事して [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  NPO法人障害者自立支援センターオアシス [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  Windows画面拡大表示ソフト、「ZoomText 2019 Magnifier 日本語版」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第226回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎ズーム機能を使う 弱視の方は画面の大きいiPadを活用すると便利ですね。 ところでiPadの講習会で、結構知られていないのが、 カメラアプリでズーム機能を使うことです。 カメラアプリを開いて写真を撮れる状態で物を見るのですが、 2本の指を画面につけたままで指の間の距離を長くする(ピンチアウト)と、 拡大がされます。 VoiceOverで使用する場合は写真のところで上から下へスワイプすると 0.1倍づつ増えます。 このようにして5倍まで上げることができます。 ところが、ここでさらにズーム機能をオンの状態で、3本指でダブルタップして そのままの状態で上にスライドさせると、さらに拡大が増加されます。 この拡大はすごいものです。これは結構知られていません。 小さなものを見るときなどはぜひおすすめです。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎QRコードを作る この資料のPDF版は下記のURL です。 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201911U/QR_CODE3.pdf 1.はじめに  書類にQRコードを付ければ、URLやドキュメントを簡単に開いてもらうことが できます。 QRコードを作成するフリーソフトもありますが、OfficeのAccessがあれば、 WordやExcelでQRコードを作成できる場合があります。  相手に渡す場合、Wordの文書形式で渡すと、 バーコードが印刷できない場合があります。PDFにして渡すことで 対応できる場合があります。 WEBから作成する場合は https://www.cman.jp/QRcode/ などがありますが、権利などを確認して使用してください。 2.開発のタブをリボンに追加  WordやExcelでQRコードを作成するには、リボンに 「開発」を追加する必要があります。 [Alt]キー,[F]キー,[T]キーで「Wordのオプション」を開きます。 リボンのユーザー設定を選び、開発のチェックボックスに チェックを入れます。 OKボタンを実行して閉じます。 図1 Wordのオプション http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201911U/kaihatsu.png 3.バーコードの作り方 Wordの新規文書を開きます。 [Alt]キー,[L]キーで開発のタブを開きます。 図2 開発のリボン http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201911U/rbn1.png コントロールの右下にあるアイコンを[N]キーで実行します。 図3 Active-Xのコントロールがあるリストを開いた様子 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201911U/rbn2.png [M]キーを押して、「コントロールの選択」を開きます。 さらに[M]キーを何回か押して「Microsoft BarCode Control 以下省略」に  移動します。 注 この資料では Microsoft BarCode Control 15.0 ですが、 現在は新しい番号 16.0 などになっています。 図4 コントロールの選択 最新の場合15.0より大きいバージョンになります。 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201911U/rbn3.png [Enter]キーを押すと画面にバーコードの絵が表示されます。 図5 表示されたバーコードオブジェクトのプロパティ http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201911U/bc01.png アプリケーションキー(または[Shift]キー+[F10]キー)を押して  メニューを開きます。 [下方向]キーを押して「Microsoft BarCode Control (中略)  オブジェクト」まで移動します。 [右方向]キーを押します。 図6 Microsoft BarCode Control (中略)のプロパティ http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201911U/bc02.png スタイルがQRでないので、[下方向]キーを何回か押して QRコードにします。 図7 QRコードに変更 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201911U/bc03.png QRコードにしたら、[Enter]キーを押してリストを閉じます。 その後もう1回[Enter]キーを押して閉じます。 すると、Word文書にはサンプルのQRコードが表示されます。 図8 サンプルの内容でQRコードが表示された様子 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201911U/bc04.png [アプリケーションキー(または[Shift]キー+[F10]キー)を押して  メニューを開きます。 [下方向]キーを押して、プロパティに移動します。 Enterキーで開きます。 図9 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201911U/bc05.png プロパティのダイアログボックスが開きます。例として http://www.span.jp を入力します。 図10 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201911U/bc06.png ×ボタンをクリックすると、QRコードが完成します。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 ICt よもやま話 ◎iOS iPhoneで録音 目が不自由になることにより、簡単にメモ書きができなくなってくる方も 多いことでしょう。 また、加齢とともに、記憶力も落ちてくる方もおられることでしょう。 これは、筆者自身のことでもあるのですが(笑)。 そんな方達にも役立つ録音アプリを紹介します。 ○「RecUp - Record to the Cloud」をApp Storeで https://apps.apple.com/jp/app/recup-record-to-the-cloud/id416288287 Dropboxと組み合わせて使うアプリです。 アプリ画面にはRecord(録音)とSettings(設定)の2つのボタンしかなく、 録音開始後はRecord(録音)のボタンがStop(停止)に変わるだけなので 操作が簡単です。 録音された音声データはすぐにDropboxにアップロードされるため、 パソコンにDropboxのソフトウエアをインストールしてあれば、 パソコンとの連携も可能です。 録音形式がmp3なので編集等も容易です。 ○「Just Press Record」をApp Storeで https://apps.apple.com/jp/app/just-press-record/id1033342465 上記URLより一部抜粋 Just Press Recordは究極のモバイルオーディオ録音ツールで、 ワンタップの録音機能の他、音声転写および、iCloudを使った あらゆるデバイスの同期を提供します。 オーディオや音声転写を アプリ内で編集することができる他、Siri を使って完全にハンズフリーで 新しい録音を開始することもできます! 録音内容を検索可能な文字に変換します。 Just Press RecordにはApple Watch向けのアプリが含まれており、 iPhoneが手元にない時でもどこでも録音ができる自由さをお届けします。 つぎのURLにJust Press Record Ver.3.3.3の詳しい操作方法などの説明が 書いてあります。 http://voicei.seesaa.net/article/456050483.html                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎災害時における支援活動に従事して 日視連ホームページ「声のひろば」11月号で 『災害時における支援活動に従事して』(12分45秒)(日本盲人福祉委員会 加藤俊和 評議員)の講演の録音が聞けます。 中途視覚障害者の支援が大変難しいこと、トイレのことが一番困ること。 わかっているようで再確認できる課題は大きいです。 今年はたくさんの災害がありました。災害は日常的です。 普段から災害について考えたいですね。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://nichimou.org/magazine-tape/voice/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎NPO法人障害者自立支援センターオアシス 新潟市にある視覚障害者を支援する団体です。 活動開始は1989年と、30年の実績を持っています。 同団体のWebサイトでは、以下のように紹介されています。 NPO法人障害者自立支援センターオアシスは、目の不自由な方のリハビリ、 自立生活のためのサポートをしています。 ・私たちのビジョン 障害者、高齢者、若い人、子どもたちが、いろんな状況の中で、 共に理解し助け合い、手と手を結びあい地域で自立し、生きがいを持ちながら 暮らせる社会の形成。 *活動内容 視覚障害目のリハビリテーション外来 歩行講習会・転倒予防教室 グループセラピー 調理講習会 朗読『あすなろ』 パソコン教室 視覚障害者の誘導法 誘導歩行の訪問指導 転倒・骨折・寝たきり予防教室 視覚障害者用機器使い方教室 弱視者のための拡大読書器教室 目の不自由な人のための「メイクアップ(化粧)講座」 地域の視覚障害者にとって、この団体の活動はなくてはならないものだと 思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://userweb.www.fsinet.or.jp/aisuisin/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎Windows画面拡大表示ソフト、「ZoomText 2019 Magnifier 日本語版」  今回は、8月23日に有限会社エクストラから発売された Windows画面拡大表示ソフト「ZoomText 2019 Magnifier 日本語版」を ご紹介します。  ZoomTextはWindowsの表示画面を拡大し、見やすくするために開発された ロービジョンの方向けのソフトウェアです。  指定した倍率のみを、拡大倍率の選択肢に表示可能になりました。 自分の使用したい倍率への切り替えがより容易になります。 Microsoft Office2016、Office365、Adobe Reader DC、Chrome、 Firefox使用時の動作を改善しました。  これまでの基本機能は以下の通り。 ・xFont拡大機能により、拡大しても文字をなめらかに表示 ・8種類のズームウィンドウで拡大画面を見やすく表示 ・カラーモードを変更して見やすい色で画面を表示可能 ・ポインタやカーソル、フォーカスを見やすいように強調表示可能 ・Windowsログイン画面でも拡大機能を使用可能 ・ファインダ機能を使って実行中のドキュメントなどから文字列を検索可能 ・拡大率を変更せずに、拡大と標準の切り替えが可能 ・アプリケーション毎に拡大設定可能 ・スマート反転機能を使ってChrome使用時の画像を自然な色で表示可能 ・マルチモニタ、タッチスクリーンデバイスに対応 ・JAWSのバージョン18以降(特にJAWS2019)との連携強化 ・USBカメラ(HD)を接続するとカメラで撮影した画像を拡大表示可能 ●動作条件 OS:Windows10、8.1、7 SP1以降 タッチスクリーン:5点マルチタッチディスプレイが必要。 USBカメラ(HD)を接続する場合:USB2.0ポートが必要。 ●価格(税込) ZoomText 2019 Magnifier 新規:86900円(日常生活用具給付等事業制度対象) 2018からのバージョンアップ:26400円 Ver.11からのバージョンアップ:53900円 Ver.10.1以前からのバージョンアップ:80300円 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.extra.co.jp/zoomtext/index.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第226回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 第226回仙台ロービジョン勉強会を開催します。 *日時:2019年12月11日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 9階 大広間(1)(2) *内容:福祉サービス等の利用と計画相談支援についてというテーマでの開催 *参加費:300円 *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   無料のネット通話Skypeなどを利用して行う講座で、教室に来なくても   学べます。内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   就労中の視覚障害者を対象とした職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、令和元年 下期の訓練の受付を行っています。  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座、ワンポイント講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って半日で学ぶ講座です。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、募集している講座はありません。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 現在、1月12日(日)の募集をしています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/offering/index.html *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が大切な活動資金になっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 今年もあと1カ月余りとなりました。 11月2日、2年ぶりにサイトワールドに行きましたが、以前に来たときよりも すいていたという印象でした。関係者に聞いたところ、各地で同様の 展示会などが開催されるようになったのが原因ではとのことでした。 身近な場所で最新の技術が見られるようになったのは すばらしいと思うとともに、サイトワールドが果たした役割についての思いを 新たにしました。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は12月27日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら http://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━