視覚障害者に対するパソコン指導者養成講座(盛岡)開催の報告
更新:2010年10月26日 22:00
- 講座開催の記録
- 講座の内容
- 受講者のみなさんの感想
アイーナ(いわて県民情報交流センター)において、「視覚障害者に対するパソコン指導者養成講座」が開催され、SPANは受託事業として活動しました。
会場のアイーナ(いわて県民情報交流センター)は駅から徒歩3分の地上9階・
地下1階建ての総合ビルで、全ての県民が世代や地域、職域を超えて集うこ
とのできる福祉・行政関係の拠点施設です。
講習会場の8階研修室810は約80uの環境に恵まれた室内で、使いやすく整備
された良い場所でした。
設営はスタッフ協同作業で行いました。
今回から採用する新規携帯方式のUQ-Wimax無線LANルータや、札幌チャレンジドとSkype活用の遠隔聴講の
確認を行い、この準備も含め17時には終えることが出来ました。
初日は9時15分にスタッフ集合し直前準備を開始。一部マシンの無線LANのトラブルを対策し、9時50分過ぎには受講者を迎える体制が整いました。
定刻の10時には参加者全員がそろい講座開始。
参加者は地元のボランティア登録サポーター、大学生、PC操作のサポートが必要な方、そして年齢も様々でした。盛岡地域の方がほとんどでしたが、中には福島県から参加された方もいました。
2日間の講座カリキュラムはかなりハードでしたが、みなさん本当に熱心に学んでいただき、特に受講された皆さんの情熱が伝わってきたのが印象的でした。
講座名 | 視覚障害者に対するパソコン指導者養成講座(盛岡) |
開催日 | 2010年10月23日(土)・24日(日) |
時間 | 28日=10:00〜17:00 29日=10:00〜16:00 |
会場 | アイーナ(いわて県民情報交流センター) 研修室810 |
受講者・見学者 Skype聴講者 | 13名(23日)・11名(24日) 5名 |
スタッフ | 主催者:1名 岩手県立視聴覚障がい者情報センター 3名 SPAN:4名 |
講座は下記の内容で進められました。
第1日目
10:00〜10:20 | 挨拶・オリエンテーション |
10:20〜11:20 | 視覚障害者の基礎知識 |
11:30〜12:30 | 視覚障害者用ソフトウエアについて |
12:30〜13:30 | 昼食・休憩 |
13:30〜14:30 | キーボードの指導法 |
14:40〜15:40 | 視覚障害者が使いやすいパソコンの設定 |
15:50〜16:50 | Skypeを利用した遠隔パソコン指導 |
16:50〜17:00 | 質疑・意見交換 |
*講座終了後、交流と情報交換のための懇親会(自由参加)を行いました。
第2日目
10:00〜11:10 | キーと音声によるWindows操作と文字入力 |
11:20〜12:30 | 音声によるメールの送受信 |
12:30〜13:30 | 昼食・休憩 |
13:30〜14:40 | 音声によるWebの閲覧 |
14:50〜15:30 | アイマスクをつけての操作と指導体験 |
15:30〜16:00 | 意見交換・アンケート記入 |
講座を受講したみなさんからは以下のような感想が寄せられました。
いただいた貴重なご意見を今後の講座に活かしていきたいと思います。
- 二ヶ月前からパソコン講習会に参加するのを楽しみにしていたのですが、数日前に舌を噛むというアクシデントがあり、話すことや食べることにも支障をきたす状態です。もっと皆様とお話し、交流したかったのですが出来なくて残念でした。(視覚障害者の方)
- とても貴重な体験をすることができました。スクリーンリーダーやソフトウェアが沢山あることは知っていたのですが、各々の特徴や具体的な操作法を知ることができて、とても勉強になりました。
- Skypeを利用した遠隔パソコン指導が概略程度で、実際のサポートを見たかったです。アイマスクをつけてのSkypeの練習は初めての者には非常に難しいと思いますので、経験者の方に見せていただきたかったです。また次回にでも。
- 私は晴眼者なので盲目の方の不自由というものが具体的にどのように大変なのか?というのが身体を通して分かりませんでしたが、講師の先生方が詳細に講義をしてくださったので今後に心に留める点として深く拝聴しました。その立場でなければ中々分からないことが先生方を中心として皆さんが目線を合わせて講義なさったので、2日間飽きるどころかとても楽しく学べました。ありがとうございました。このような学べる機会をまた頂けたら嬉しいです。
- 視覚障害者の方へのサポートはむずかしく行動には進まないと思われる技術ですが、今回の講習はとても良かったです。ありがとうございました。
- テキストや説明がわかりやすく、とても良かったと思います。アイマスクを使用しての体験は思ったより大変でした。
- 今まで数回パソコンサポートをしていましたが、今回参加してみて新たな発見を得ることができました。指導体験は言葉で上手に伝えることがむずかしかったです。
- 別の講座を企画しているが、少ない時間でポイントよくまとまっている。ぜひ企画している講座に取入れたい。パクリもあるかも知れないがお許し願いたい。
- ほんとに分からないことばかりでしたが、少しづつ勉強して私なりに出来る支援を共に学びながら続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
現地スタッフの方の感想
- 2月から情報センターのサポート開始、8月から視覚障害の方もサポートしている。この講座で障害の方が何故適切なサポートを受けたいのかが、痛いほど良く分かりました。
- スタッフとしては力及ばず自分も勉強になった。大学生で時間がとれない中で現地サポーターやっているが、時間を掛ければ分かってもらえることが限られた中で行うことに困難さがあった。今回、限られた環境の中で、体系化された効率的な講習運営されていることに参考になった。体験を活かしていきたい。
- 楽しく分かりやすい講習で、受講者が抵抗なく取っ掛かり易く感じた。自分が講師を担当する場合の参考になりました。
Skype活用した遠隔聴講に参加された、「札幌チャレンジド」の方の感想
- 緊張していたが楽しい会話に肩もほぐれました。受講者にとって必要な技と操作が大事なこと学びました。サポート時、活かしていきます。
- モニターの電源を切って聞きましたが、自分が今何処に居るのか分からなくなることを実感した。教える場合、これらを頭に入れながら実施していきたい。
- 教えるには10倍の知識を持たないとダメの言葉。2日間に学んだことを復習し、教える側に立てたら良いな。
- Skypeでビデオ画面含めた講習を聴講し、一緒に勉強している感じ。このような方法でも盛岡地区のメンバーと協同して活動していきたい。
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