━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2008年6月号 No.20                        2008年6月27日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  どう教える?キーボード(9)   半角全角キー、Tabキー、Shiftキーの位置説明 ● プロフェッショナルコース  晴眼者にも大人気、Wordのショートカット(1) ● 【コラム】 パソコンよもやま話  パソコンでよく使われる単位について その3 [2] サポートお役立ちサイト  ユニバーサルデザインとバリアフリーの情報ページ、   毎日新聞「ユニバーサロン」 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  北海道内の障害者を幅広く支援   特定非営利活動法人 札幌チャレンジド [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  ラジオが好きな子よっといでぇ!、「MMネットラジオ ver.1.00」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  洲本市でパソコン体験講習と相談会を開催 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎どう教える?キーボード(9)  半角全角キー、Tabキー、Shiftキーの位置説明  キーボードの中の機能キーの位置説明の方法についてお話していますが、 今回は、半角全角キー、Tabキー、Shiftキーの3つです。 尚、前回もお話しましたが、説明は「日本語109キーボード」を基準に しています。  今回説明するキーは、アプリケーションの中で文字入力をしたり、 項目の選択をしたりする際に使うことも多いので、スタートメニューの 操作にある程度慣れて、メモ帳やワードパッドなどで文字入力の練習を するようになってから教えるのがいいでしょう。  ですからこれらのキーは、パソコンの電源を入れて、アプリケーションを 起動した状態で指導するのがいいと思います。 (1)半角全角キー.  このキーは、キーボードをいくつかのグループに分けた中で、一番 大きなグループである、文字キーなどを含んだ部分の一番左奥にあります。  説明するときは、キーボードの一番手前に指をもっていってもらい、 一番左手前角の左Ctrlキーを確認してから、そのままの状態で指を 奥にズラして、グループの端までいきます。 そして、音声の反応を聞いて、日本語入力の「ON/OFF」を耳で感じ取って もらうと印象に残ります。 (2)Tabキー.  このキーは、半角全角キーの1つ手前にあることを説明するのが最も 分かりやすいでしょう。そして、多少横長だというキーの特徴を伝えるのも いいと思います。  このキーも、アプリケーションの中で「ファイルを開く」などで必要が 生じてから教えるのがいいでしょう。  また、このキーは人差し指ではなく、初めから薬指などで打つことを 教えておくと後でタッチタイピングを指導する際に役立ちます。 (3)Shiftキー.  このキーもよく使うので2つあります。説明する際には、左右のCtrlキーの 1つ奥にあり、横長のキーだという特徴を教えるといいでしょう。  また、このキーを指導する際には、小指で打つようにしてください。 タッチタイピングの際の大文字と小文字の切り換えなどでは必ず小指を 使うので、最初からその習慣をつけておいたほうがいいからです。  次回は、BackSpaceキー、Deleteキー、Insertキーについてお話しします。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎晴眼者にも大人気、Wordのショートカット(1)  今回は、少し気分を変えて、Word2002で便利なショートカットをいくつか お知らせします。メニューを使ったショートカットも紹介します。実際の 作業に沿って説明します。晴眼者の方にもおすすめです。  文章のはじめは、日付です。日付は右寄せで書きます。 Alt+Iで挿入つまり「Insert」のメニューを開きます。 次にT、つまり「Time」を押して、日付と時刻のダイアログボックスを 開きます。 全角文字の右側に文字カレットがある場合は、言語の種類が「日本語」に なっています。 半角文字の右側に文字カレットがある場合、言語の種類は「英語」に なります。 表示された時は、表示形式のリストがフォーカスを持っています。そこで、 いくつかの表示形式を選ぶことができます。たとえば「平成20年6月1日」 や「平成二十年六月一日」などです。上下方向キーで形式を選びます。 Tabキーを何回か押して「OKボタン」までフォーカスを移動し、Enterキーを 押して日付の挿入を実施します。 このダイアログでは、さらに、言語の種類が日本語の場合、和暦と西暦も 選ぶことができます。「自動的に更新する」のチェックを入れると、印刷 した時の日付になります。さらに、カレンダーの種類は「和暦」と「西暦」 を選ぶことができます。言語の選択では、英語と日本語を切り替えることが できます。英語の場合、時分秒まで表示できます。  次に、Ctrl+Rを押して日付を右寄せします。Rは「Right」のRです。  Enterキーを押してから、題名を記入します。 題名を入力したら、Enterを押す前に、Ctrl+Eで中心に配置します。Eは 「Center」の2文字目のEです。Enterを押した後、氏名を入力してから Ctrl+Rで右寄せにします。 Enterキーを押し、Ctrl+Lを押して、左詰にします。Lは「Left」のLです。 ここからは通常の文章を入力します。  最後に題名の文字の大きさを変えます。 上向き方向キーを何回か押して、題名まで移動します。 Homeキーで行の先頭に移動します。Shiftキーを押し下げたまま、Endキーを 押すと題名の行全体が選択されます。ここで、Ctrl+Shift+Pを押すと、 ツールバーの文字の大きさつまりフォントサイズに移動します。Pは大きさ の単位であるPointのPです。もしもツールバーにフォントサイズがない 場合は、フォントのダイアログが起動して、そのフォントサイズが入力対象 になります。上下方向キーで文字の大きさを選びます。  晴眼者の場合は、Ctrl+[、またはCtrl+]、もしくはCtrl+Alt+>、または Ctrl+Shift+<を使用することでその場で文字の大きさを変えることが できます。  ここで大切なことは、選択範囲の解除です。Enterを押すと選択範囲が 消えてしまいます。間違えてEnterを押した場合は、Ctrl+Zで元に戻します。 左右方向キーを押すと、選択範囲が解除されます。左矢印の場合、選択範囲 の左端に文字カレットが移動します。右矢印の場合、選択範囲の右側に文字 カレットが移動します。 文書の最後に戻り、文書作成を継続する場合は、Ctrl+Endを押してください。  次回もショートカット自習編を継続します。 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎パソコンでよく使われる単位について その3  先月号では、具体的にハードディスクの容量と、その容量は実際に どれほどの情報量を保存できるのかについて考えてみました。 今回は保存するためのコストについてです。  パソコンを使い始めると、大切なデータが徐々に増えてきます。 住所録や、メールアドレス、自分で作成した文書、デジカメで撮った写真 など、 そしてこれらは世界に1つしかないものが多く含まれています。 すなわち、ハードディスクが壊れてしまえば、みんなパーになってしまい ますね。 いくらお金を出しても同じものはどこにもないのです。  その為に必要なことが、バックアップです。 みなさん!バックアップを定期的にしていますか? バックアップはしているよ、と云っている方の中には、内蔵のD:ドライブにしているかたがおられます。  最近のハードディスクは容量が大きくなったので、物理的には一台の ハードディスクを、パーテションを切って、論理的に二台のハードディスク として設定されているものが多いですね。 この設定であれば、C:ドライブが壊れた場合、windowsが起動できなくなると D:ドライブの内容を見ることが出来なくなりますし、場合によっては物理的 には一台なのでD:ドライブもダメになっていることがあります。 (これ以上専門的なことは省略します。)  以上のことから、バックアップは外付けのハードディスクにすることを お勧めします。  データ保管用としてUSBインターフェースのハードディスクが安くて購入 できます。 500GBで15000円程度ではないでしょうか。 安くなったものです  よもやま話から、むかし話になりますが、私が初めてハードディスクを 購入したのは今から約20年くらい前になるでしょうか。 その頃はフロッピーディスクも5インチが主流でした。 メディア1枚が1000円程度でした。ドライブではなくて、メディアですよ。  購入したハードディスクは40MB、40GBの間違いではないです。 そして、価格は約○○万円。 さて、いくらだったと思います? ・・・ ・・・ ここで、丁度指定の文字数になりました。 つづきは次号で・・・。                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎ユニバーサルデザインとバリアフリーの情報ページ、  毎日新聞「ユニバーサロン」  ユニバーサルデザインとは、利用者が障害があるか無いか、高齢であるか 若いかなどに関わらず、全ての人に、安全で判りやすく、使いやすい デザインを考えてゆこうとするものです。  このサイトは、毎日新聞がユニバーサルデザインとバリアフリーに関する 情報を発信しているものです。 メーカー側からか、ユーザー側からかを問わず、多くの情報が集められて いて、視覚障害者のサポートをする立場からも役に立つ情報が多いと 思われます。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.mainichi.co.jp/universalon/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎北海道内の障害者を幅広く支援  特定非営利活動法人 札幌チャレンジド  今回は視覚障害者のパソコン指導だけでなく、テレビ番組などの ユニバーサルデザイン字幕の製作といった幅広い活動をしている、 特定非営利活動法人 札幌チャレンジドをご紹介します。 この会の特徴は、色々な障害やレベルに合わせて、ほぼ毎日のように パソコンの講習会をしていることと、「視覚プロジェクト」という視覚 障害者専門のチームが活動しているところです。  また、パソコンの講習会やサポートだけでなく、様々な企業と共同で 積極的に企業の社会貢献活動を呼びかけています。  さらに、障害者の働く場を広げるための「在宅就業障害者支援」の活動も 行っています。  他にもこの会は以下の活動をしています。 (1)重度の病気の人に対するパソコンを使ってのコミュニケーション  を図るためのサポート (2)訪問講習 (3)ユニコミ(ユニバーサル コミュニケーション)の運営  ユニコミは、障害の有無に関わらず、みんなが気軽にコミュニケーション し、人と人の心が交流することを目指しています。  具体的には、  *みんなの喜怒哀楽ワールド・・・色々な人が投稿しています。  *チャレンジコラムワールド・・・チャレンジドたちが「障害をもつこと   とは?」をキーワードに、それぞれの経験、想い、考えを語ります。 (4)「札チャレブログ」の運営  こうしたアクティブな活動を通じて、広い北海道内の障害者の自立と 社会参加を目指しています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.s-challenged.jp/index.html ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎ラジオが好きな子よっといでぇ!、「MMネットラジオ ver.1.00」  視覚障害者の中には、ラジオをテレビよりも身近に感じている人も多いと 思います。最近では、各ラジオ局が放送した内容の一部をネットでも配信して くれるようになってきたので、聴き逃してしまったり、もう一度聴きたい ときなど、とても助かります。  そして、いまやネットでしか聴けない番組も多くなってきました。 ラジオとの関わりの深い私たちとしては、ぜひとも自分の好きなネット番組を 見つけて、日々の生活をさらに充実させたいところ。  そんな願いをかなえてくれるソフトが今月よりネット上で配布されています。 作ったのは「MMMail」などで有名な宮崎嘉明さん。ということで今回は、 ネットラジオ受信ソフト「MMネットラジオ」をご紹介します。  「MMネットラジオ」は、ホームページ上のネットラジオ配信サイトの ネット放送を聴くためのソフトです。 お好きなジャンルの番組をメニューから選択して聴くことができます。  現在、メニューに追加されているネットラジオなどの項目数は、日本の ネットラジオ約150個、ポッドキャスト63個、世界のネットラジオ 約370個。ジャンルも音楽、ニュース、野球中継、株式、お笑い・落語、 テレビ・映画、英会話、文学、健康など幅広く網羅。広大なネットラジオの 世界を存分に堪能できることでしょう。 ただし、相手ホームページが変更・削除された場合は、そのメニュー項目も 影響を受けることがあります。詳しくはユーザーサポート用のMLにて 随時報告されていますので、そちらを確認してください。  シンプルで使いやすい操作や音声案内なども充実していて安心です。  本ソフトは有料ソフトです。無料期間30日を越えて継続使用する場合は、 ユーザー登録が必要です。 ●動作OS:Windows95, 98, ME, 2000, XP, Vista ●音声ソフト:MM-Talker、95/98Reader、PC-Talker系に対応 ●ユーザー登録のライセンス購入(1ユーザー) ・新規購入:9,700円(税込) ・MMソフトユーザー:8,700円(税込)  ただし、MMソフトユーザー価格では、ユーザーIDの提示が必要です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.am-corp2.com/mm-netr/index.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎洲本市でパソコン体験講習と相談会を開催  目が見えない、見えにくい方でも、音声でパソコンを操作することで、 より豊かな生活を送ることができます。このイベントでは、パソコン体験会 や相談会、便利グッズの紹介などを行います。 *日時:2008年7月5日(土) 12:00〜15:00 *会場:洲本市立中央公民館 *内容:音声パソコン体験(入門講習)、視覚障害に関する相談、 便利グッズの紹介など *参加費:無料 但し、入門講習は事前予約制 *主宰:特定非営利活動法人 神戸アイライト協会 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://eyelight.eek.jp/Main/indexpage.htm ◎「2008全国ロービジョン(低視覚)セミナー」を開催  〜多面的に考える、網膜色素変性症の就労への影響と対処法〜  このセミナーでは、視覚障害の疾患の中で大きな割合を占めている網膜 色素変性症を取り上げ、就労への影響と対処法を多面的に考えていきます。 *日時:2008年7月26日(土) 9:45〜16:00 *会場:戸山サンライズ(全国身体障害者総合福祉センター) *内容:講演、パネルディスカッション、職場環境デモ、展示会など *参加費:無料 但し、昼食を申し込まれた方は1,000円 *申込み期限:7月16日(水) *主宰:社会福祉法人 日本盲人職能開発センター ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.os.rim.or.jp/~moushoku ◎「第2回アドバンスおかやま」を開催 −ここが”がんばり”のスタート地点!−  このイベントは、旧「岡山パソコン関連福祉機器展」として開催されて いたもので、障害者および高齢者の方のためのIT機器紹介展示会です。 *日時:2008年7月26日(土) 10:00〜17:00 *会場:岡山県総合福祉ボランティア・NPO会館3階大会議室 *内容:IT機器紹介展示会、福祉情報機器入手相談、パソコン一般相談、     講演会など *参加費:無料 ただし講演会は事前申込みが必要 *主宰:パソコンハウス ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www1.harenet.ne.jp/~k1k1/fukusikikiten_h20.html ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見  など何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  今回はイベントの情報が多かったですが、7月は各地で多くの行事が 予定されているようです。  今後もこうした視覚障害者のパソコンサポートに関するイベント情報を お届けしていきたいと思っています。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。  次号は7月25日配信を予定しています。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク                        SPAN(スパン)                       メールマガジン編集部   発行責任者:北神アキラ http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━