━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2008年8月号 No.22                        2008年8月22日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  どう教える?キーボード(10)   BackSpaceキー、Deleteキー、Insertキーの位置説明 ● プロフェッショナルコース  晴眼者にも大人気、Wordのショートカット(3) ● 【コラム】 パソコンよもやま話  PDFファイルの読み方 その1 [2] サポートお役立ちサイト  楽天デリバリー [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  NPOを資金面で支える   NPO法人助成金・融資情報ドットコム [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  更新したら知らせに来るよ!、「MMRSS Ver1.00」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  アイフェスタin横浜2008開催 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎どう教える?キーボード(10)  BackSpaceキー、Deleteキー、Insertキーの位置説明  キーボードの中の機能キーの位置説明の方法についてお話していますが、 今回は、その仕上げとしてBackSpaceキー、Deleteキー、Insertキーを取り 上げます。 尚、毎回お話していますが、説明は「日本語109キーボード」を基準に しています。  今回説明するキーは、アプリケーションの中で文字入力をする際によく 使われますので、これらもパソコンの電源を入れた状態で、メモ帳などの アプリケーションを起動させて教えると効果的だと思います。 (1)BackSpaceキー.  このキーは、キーボードをいくつかのグループに分けた中で、一番 大きなグループである、文字キーなどを含んだ部分の右奥端にあります。  説明するときは、キーボードの一番手前に指をもっていってもらい、 一番右手前角の右Ctrlキーを確認してから、そのままの状態で指を 奥にズラして、グループの右奥端までいきます。その際、Enterキーを通過 するので、Enterキーの奥にあることも併せて確認してもらうと理解が 深まると思います。また、このキーもできれば小指で打てるようにしておく ことをお勧めします。 (2)Deleteキー.  このキーは、矢印キーの奥にある横に3つ、縦に2行あるキーのグループ の中の、一番手前の左端にあります。  説明するときは、まず矢印キーを確認してから、指を奥にずらし、3つ 並んだキーの左端だということを伝えるとよいでしょう。  そして、このキーは人差し指で打つことも忘れずに教えてください。 (3)Insertキー.  このキーは、矢印キーの奥にある横に3つ、縦に2行あるキーのグループ の中の、手前から2行目の左端にあります。  説明するときは、まず矢印キーを確認してから、指を奥にずらし、3つ 並んだキーの2行目の左端だということを伝えるとよいでしょう。 また、Deleteキーの1つ奥だということも伝えると理解を助けます。  そして、このキーも人差し指で打つことを忘れずに教えてください。  これまで10回にわたってキーボードをどう説明するかについてお話して きました。その要点は以下の通りです。 1.キーボード選びが大切。 2.キーボードをグループに分けて教える。 3.個々のキーの位置を言葉で説明する。 4.キーは実際に打ってもらって感触をつかんでもらう。 5.気長に、根気よく、達成感を持ってもらえるような指導をする。  とにかく、キーボードをマスターすることがパソコンを学ぶ上で大きな ハードルになっていますので、これをいかにスムーズに、そして楽しく できるかがこれから長いパソコンとの付き合いの中で重要なポイントに なることを、指導する方はぜひ心に留めておくことが大切だと思います。  次回からは新しい切り口でパソコン指導の基本について学んでいきます。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎晴眼者にも大人気、Wordのショートカット(3)  今回は自動連番機能についてお話します。 この自動連番機能は、音声に対応していないため、視覚障害者には、推奨 できない機能と説明する場合があります。この考え方では、自動連番機能を OFFにします。Wordは嫌いと話す何人かは、この機能が意志に反するためと 考えています。その場合は、下記の手順でOFFにします。 1.Alt+Tでツールメニューを開きます。 2.上方向キーを何回か押して、オートコレクトのダイアログボックスを 開きます。このダイアログボックスには5個のタブがあります。開いた ときは「オートコレクト」のタブとなっています。 3.Ctrl+Tabで「入力オートフォーマット」に切り替えます。 この中の「箇条書き(行頭文字)」「箇条書き(段落番号)」のチェックを OFFにします。 備考 オートコレクト機能は、1/2と入力すると自動的に分数文字にしてくれるなど 操作の自動化を目指した機能ですが、音声に対応していないので、他のタブ も含めてすべて取り外すことを推奨する場合もあります。以後特に断りの ない限りこのダイアログのすべてのチェックを無効にした状態でお話をします。 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 PDFファイルの読み方 その1  最近は情報提供の手段として、webサイトにおいてもpdfファイルが増えて きています。 そこで、音声で読む方法をいくつかお知らせしましょう。 但し、文書データそのものが、スキャナで読み込んだ画像のものや、 改変防止などのために暗号化されたものは正確には読むことが出来ません。 また、当然のことながら、画像や写真などについても読む(見る)ことは無理 ですね。 画像などを多用して説明する場合、赤枠で囲まれた個所、などと説明するの ではなく、具体的な対象文字列などを含めて説明することが大切です。 また、pdfファイルを表示するためにアドビリーダを使用しますが、 Ver.9(現行バージョン)よりも、Ver.7の方がよいように感じています。 それぞれのスクリーンリーダでも、pdfファイルを読むための機能があり ますが、今回はアドビリーダが持っている機能の紹介です。 ●手っ取り早い方法はpdfファイルをテキスト保存して、メモ帳などで読む 方法です。 1.ファイルメニューの、「テキストとして保存」を実行します。 2.保存したテキストファイルをメモ帳など、テキストエディタで読みます。 ●アドビリーダが備えている機能を設定して、音声で読み上げる。 1.編集メニューの中の、一番下の「環境設定」を実行します。 2.開いたダイアログボックスの左にあるメニューから、下の方にある、 「読み上げ」を選びます。 3.各項目を設定し、OKボタンでダイアログを閉じます。  (スクリーンリーダによっては、この部分は正しく音声発生しない部分が あります。) 4.表示メニューの一番下の「読み上げ」から必要項目を選びます。 これで、音声読み上げがはじまります。 但し、sapiに対応した音声エンジンが必要です。 protalkerなどが対応しています。 上記 2.で、一覧が表示されるので選択します。 マイクロソフトのHPから対応の音声エンジンをダウンロードすることができます。 日本語読み上げエンジンの追加インストール方法 詳しい内容はつぎのURLをご覧ください。 http://support.adobe.co.jp/faq/faq/qadoc.sv?224228+002 次回につづく                           文責 園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎楽天デリバリー  宅配ピザ・宅配弁当・出前寿司・ケータリング・酒ドリンクなどの 宅配サービスをネットで注文できる出前宅配の総合サイト これも視覚障害者、特にグルメの方が、パソコンができるとこんなことも 便利です、の一例です。 視覚障害者の場合、近くの出前屋さんからメニューをもらっていても、 メニューを読むことはできません。そして、いつもと違ったお店からも 頼んでみたいこともあるものです。 このサイトでは、こちらの電話番号などを入れておけば、出前をして もらえるお店を自由に選ぶことができます。 そして何より、ちゃんとどんなメニューがあるかも読み上げてくれますし、 ホームページから注文した場合、何分ぐらいで届くかも判ります。 きっと、パソコンを習いはじめの視覚障害者の方に紹介すると、喜ばれる サイトではないかと思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://delivery.rakuten.co.jp/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎NPOを資金面で支える  NPO法人助成金・融資情報ドットコム  団体運営の大きな悩みが「資金問題」ですね。 このメルマガでもいろいろな助成金の情報などをお届けしてきましたが、 今回はそうした情報を総合的に提供しているサイトをご紹介します。  このサイトは、NPO法人向けの助成金情報や、NPO法人向けの 融資情報を掲載しています。  また「NPO設立支援室」を設けて、NPO法人の作り方について 分かりやすく解説しています。  助成金情報は、月別や種類別などに分類されていて、目的に合った検索が できます。  そして、NPO法人が利用できる融資情報も掲載されていて、NPOが 抱える資金問題を解決するのに大変有益なサイトだと思います。 ぜひ一度見てみてはいかがでしょうか。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.npo-joseikin.com/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎更新したら知らせに来るよ!、「MMRSS Ver.1.00」  インターネットは、私たちにさまざまな恩恵をもたらしてくれます。 しかし、ネットの進化のあまりの早さに追いつけず、新しい技術が 導入されても、しばらく私たちには手が出せないなんてこともあります。  先月、RSSという比較的新しい技術を利用したソフトが、ネット上で 公開されました。  RSSは、ニュースやブログなど定期的に更新されるサイトの更新情報を 簡単にまとめた文書のことです。  今までは新しい記事が更新されたかどうか自分で確認しに行かないと わかりませんでした。もし、メールを受信するように、ニュースやブログの 更新状況がチェックできたら、ネットによる情報収集はどんなに快適なものに なるでしょう。それを可能にするのが、RSSリーダーというソフト。  今回は、「MMMail」などで有名な宮崎嘉明さんが作ったRSSリーダー、 「MMRSS」をご紹介します。  MMRSSは、ネット上で更新されたRSSデータを受信して閲覧する ためのソフトです。  現在、ネット上ではニュースやブログのほか、テレビ・ラジオの番組情報、 各種企業のプレスリリースや新製品情報、ポッドキャスティングが配信する 音声データなど、多くのメディアでRSSが導入されています。 そのようなデータをあらかじめ登録し、日々更新される情報を受信して 効率よく見ることができます。  シンプルで使いやすい操作や音声案内なども充実していて安心です。  本ソフトは試用版で、随時機能改良中です。使用期間には制限があります。 詳しくはユーザーサポート用のMLにて確認してください。 また、将来は有料化される可能性が極めて高いです。 ●動作OS:Windows98, ME, 2000, XP, Vista ●音声ソフト:MM-Talker、95/98Reader、PC-Talker系に対応 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.am-corp2.com/mm-rss/index.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎アイフェスタin横浜2008開催 視・聴覚障害者のための総合福祉機器展及び総合相談会が開催されます。 *日時:2008年9月7日(日) 10:00〜16:00 *会場:かながわ県民センター *内容:(1)機器展示会:ユニバーサルデザイン製品、視覚・聴覚関連便利       グッズを 展示。 (2)総合相談会:目の難病医療相談会(予約制)、子供相談、就労相談       パソコン相談、日常生活相談、聴力測定・相談、患者交流会。 *参加費:無料  *主催:日本網膜色素変性症協会(JRPS)神奈川支部 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.rp-k.com ◎視覚障害者に対するパソコン指導者養成講座(福島)開催 この講習会は、視覚障害者のパソコン指導者を養成するために開催します。 *日時:9月27日(土)・28日(日) 10:00〜16:00(両日) *会場:福島テルサ 4F 研修室(すりかみ) *内容:視覚障害者が使いやすいパソコンの設定やキーボードの指導法など     の学習及びキーと音声によるWindows操作と文字入力など音声に     よるパソコン操作方法を習得。 *参加費:無料 *主催:財団法人 機械産業記念事業財団 TEPIAデジタルプラザ ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/tepia/info_fukushima080927-28.html#information ◎NTTドコモ、「らくらくホンV」を8月1日に発売! NTTドコモグループでは、音声読み上げ機能付き携帯電話の新機種 「らくらく ホンV(F884iES)」を8月1日(金)から発売しました。 *主な機能: 操作画面、メール内容、発着信履歴、iモード、電卓、   現在時刻、充電完了メッセージ、文字入力時の漢字の説明、電話着信時   の発信者名、メール受信時の送信者名等を読み上げ可能。   また、これまでの歩数計機能に加え、指でカメラに触れるだけで脈拍が   測定できる機能のほか、タニタ社の体組成計・血圧計で測定した体重・   体脂肪率・内臓脂肪レベル・血圧などのデータを赤外線通信で取り込む   ことも可能です。   さらに、声でメールの作成が可能な「音声入力メール」に対応するなど   さまざまな新機能が導入されています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/080728_01.html ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見  など何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  キーボードの指導法が今回で一区切りを迎えました。こうしてみると、 視覚障害者のパソコンサポートは本当に奥が深いと感じました。 編集部一同、これからもよりよい情報をお届けするようレベルアップを 図ってまいります。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。  次号は9月26日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク                        SPAN(スパン)                       メールマガジン編集部   発行責任者:北神アキラ http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━