━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2011年5月号 No.55                       2011年5月27日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  明るさを調節する ● プロフェッショナルコース   パソコンワンポイントの知恵 (10)   「msconig」プログラムの説明 ● 【コラム】 パソコンよもやま話  視覚障害者用ツール 墨字用手書きガイド [2] サポートお役立ちサイト  文部科学省の「教科書目録」のページ [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  全国身体障害者総合福祉センター 戸山サンライズ [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  デイジー再生ソフト続々、「BMビュア」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  入門講座「Windows基本操作」開催のお知らせ ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎明るさを調節する 最近、暗いところが多くなり、「すごく見えにくくなった」という弱視の方の 話しを聞きます。なかには、周囲が暗くなったことを意識しないで、「この頃 自分の視力が低下したのでは?」と、自分の視力の変化を疑ってしまうことも あります。 暗い駅の通路に、暗い色の洋服を着た人たちが歩いていると、「大変だ。 見づらくなっている」と痛感するわけです。 パソコンの画面の明るさを低くして、節電につなげようということも出てきて います。そんな機能を取り入れたソフトを、マイクロソフトが配布するよう です。 何度も書いていますが、コントラストのはっきりしているものが見やすいと いう弱視は結構います。 パソコンの機種によって違いますが、私のノートパソコンですと、[Fn]キーを 押しながら[F9]キーを押しますと、明るさが増します。ギラギラした感じに なるかも知れませんが、私にはこれが楽です。 やりすぎたら[Fn]キーを押しながら[F8]キーを押せば、暗い感じになります。 (もちろん、この操作もパソコンの機種によって違います。) このような設定変更も可能であることを知っておくことは大切かと思います。 極端にいえば、小さくて見えないものは、拡大のための補助具などを利用して 大きくすればよいんですが、コントラストのないものはどうにもなりません。 もちろん、コントラストが強すぎると、チカチカする人もいますので、調整が ポイントです。 今の時期、無駄をなくして節電は大切です。 でも、危険や見にくさにつながるものも、無駄として否定できるのか。 パソコンの活用にも、こんな問題が出ています。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎ パソコンワンポイントの知恵 (10)  「msconig」プログラムの説明 msconfig(エムエスコンフィグ)プログラムはパソコン起動時に働くプログラム の解除やサービスの選択をすることができます。 このプログラムは非常に多くの機能があります。今回はその一部の機能を説明します。 このmsconfigは、OSつまりXP、Vista、7などにより異なる部分があります。 今回はWindowsXP SP3での説明です。 起動時に必要な機能を無効にしてしまうと起動できなくなることがあるので、 無効にする処理は十分に確認してから実行してください。 変更後再起動が必要なので、ワープロなどのプログラムをすべて閉じます。 msconfigは下記の手順で起動できます。 [Windowsロゴ]+[R]を押してから『msconfig』と入力後、[Tab]キーで 「OK」ボタンに移動して[Enter]キーで実行すると「システム構成ユーティリ ティ」のダイアログボックスが表示されます。 このダイアログボックスには、いくつかのタブがあります。起動時は「全般」 のタブの画面が表示されます。今回は「スタートアップ」と「サービス」に ついて説明します。 [Ctrl]+[Tab]を何回か押して「スタートアップ」に切り替えます。 このリストは、先頭がチェックありの時に有効なチェックボックスです。 その次に「スタートアップ項目」「コマンド」「場所」で、一つの項目となる リストが多くあります。スタートメニューからたどることが出来る「スタート アップ」より通常多くの項目があります。 より早く起動するレジストリに登録された「起動時に実行されるプログラム」 があるからです。個人の例ですが、「msmsgs」のチェックをなしにして最近 使用しなくなったMSメッセンジャーを取り外しました。使いたい時は、この チェックを有効にして再起動すれば良いので、その様にしています。どれを 無効にするかは個人の責任で慎重に行ってください。 次は「サービス」です。項目を取り外す場合、スタートアップよりさらに慎重 に行ってください。 この画面にも、スタートアップ、つまり起動時に実行されるプログラムの名称 があります。 [Ctrl]+[Tab]を何回か押して「サービス」に切り替えます。 この画面には、サービスを実施している常駐プログラムとその名称がある チェックボックスが列挙されています。上下の方向キーで選ぶことが出来 ます。 各サービスごとに重要度と製造元および状態が説明されています。不要な サービスがあったら[Space]キーでチェックを外します。この作業は、慎重に 確認をして自己責任で行ってください。 「サービス」のタブの画面では、起動時に実行されるプログラムの一覧の チェックがあります。「スタートアップ項目」「コマンド」「場所」が記載 されています。 自分の例ですが、Bluetooth機能をしばらく使用しないので、「Bluetooth Manager」のチェックを外しています。[Tab]キーで「OK」ボタンまで移動して 実行します。 すると、タイトルが「システム構成」のメッセージボックスが表示されます。 「システム構成の変更を有効にするには再起動する必要があります。」と表示 されています。[Tab]キーを何回か押して、「再起動」のボタンまで移動 します。 [Enter]キーで再起動すると、「システム構成ユーティリティ」のメッセージ ボックスが表示されます。 「OK」ボタンが選ばれているので[Enter]キーで実行します。 すると、もう一度「システム構成ユーティリティ」のダイアログボックスが 表示されます。[ESC]キーで取り消せば大丈夫です。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎視覚障害者用ツール 墨字用手書きガイド あなたはボールペンや鉛筆などで上手に文字が書けますか? 中途失明者の場合、一通りの文字はかけるのが普通でしょう。整った綺麗な 文字が書ける人も居れば、みみづが張った様な文字しかかけない人もいます よね。 また、その方の見え方により、文字を構成する線や点が、適切な間隔で配置 される方もおられれば、重なってしまう方もおられるでしょう。 これは一つの文字についてのことですが、文書は文字の集まりから成って おり、この文字列を縦書きまたは、横書きで真っ直ぐに書いていくことが とても難しい場合があります。 これは、視力により見えづらいことや、視力はあったとしても、視野が狭いが 為に、1文字か、2文字程度しか同時に見られないことで、真っ直ぐに書くこと が難しいんです。 真っ直ぐに書くためには、最低でも記入済みの2文字と、今書いている文字が 視野内に入っている必要がありますね。 また、原稿用紙や、書類などで罫線が引いてあるものもありますが、これらの 罫線は淡い色で引いてあることが多く、罫線は見えない人もおられます。 同様に、ハガキや封筒などに宛先住所を真っ直ぐに書くことも難しいですね。 こういった、自分で文字を書くことはできるけれど、真っ直ぐに、また 決まった箇所に文字を書いていく事が困難な方のために、墨字手書きガイド があります。 次の様な種類が販売されています。 ・ハガキ宛名書きガイド   ハガキ表面:宛名住所2行/氏名1行         差出人住所1行/氏名1行   ハガキ裏面:文書用6行 ・封筒宛名書きガイド   封筒表面:宛名住所2行/氏名1行 ・レター用墨字ガイド   A4サイズ:14行横書き/9行縦書き   B5サイズ:11行横書き/7行縦書き ・サインガイド   サイズ:カードサイズ                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎文部科学省の「教科書目録」のページ 文部科学省のホームページです。教科書目録のページとなります。 弱視の子どもたちが、ルーペを使って必死に教科書を見るのは本当に大変な ことです。読むことが嫌いになるのも当然です。一般の教科書はカラフルに、 豪華になるのに、なぜ、拡大文字の教科書が国の責任で発行されないのか。 弱視の子どもたちにとって、拡大文字の教科書は長年の要望でしたが、 平成24年度に全面改訂される中学校用教科書のほぼすべてにおいて、拡大 教科書が発行されるということが発表されました。 小学校段階につきましては、今年度から全検定教科書全ての拡大教科書が発行 されています。 今後の課題の一つは、高校段階の教科書の発行です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/mokuroku/23/1305342.htm ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎全国身体障害者総合福祉センター 戸山サンライズ *事業内容 ・養成研修 情報提供・啓発 相談事業  障害者の健康づくりと社会参加支援を支援を目的とした研修会の開催及び  情報誌の発行、各種相談事業の実施。 ・教養文化・地域交流事業  障害者の書道・写真全国コンテスト、地域社会との交流を図るための行事の  開催。 ・スポーツ・レクリエーション  スポーツ教室の開催及び体育館の優先使用の便宜 ・社会参加するための施設提供事業  研修室・会議室の提供、研修会参加等への提供並びに体育館 *相談室 ・入所相談  障害のある方の施設への入所に関する相談に応じています。 ・生活相談  生活全般に関する相談に応じています。 ・職業・就職相談  就職に関する相談は、各関係機関へのご紹介を主に行っています。 ・レクリエーション・スポーツ相談   宿泊施設に関するご案内や、障害者スポーツ等に関する相談に応じて  います。 ・補装具・補助具相談  補装具・補助具は障害のある方の生活な不便なところを助けるものとして  大きな役割を果たしています。常駐の相談員のほか、義肢装具士の相談員  (週1回)が相談に応じています。 ・法律・年金相談  法律と年金に関する専門家が、月1回の専門相談日に明快にお答えして  います。 *研修会 ・障害者地域生活支援従事者研修会 ・『個別支援計画』作成および運用に関する研修会 ・障害者施設職員研修会 ・障害者福祉センター等職員研修会 ・障害者サービスコーディネーション研修会 ・障害者のためのレクレーション支援者養成研修会 *情報誌「戸山サンライズ」 障害者の社会参加の推進と自立の促進を図るとともに、福祉に携わる格関係者 等を対象に、身体障害者福祉センターをはじめとする全国各地の障害者関係 施設等を中心に発行しています。 戸山サンライズ主催研修会や相談日のお知らせ、全国各地のイベント等も 随時掲載いたします。 また、読者の方からの投稿も受け付けております。 *スポーツ教室 初心者大歓迎 見学無料 ・ヨガ教室 ・レディス・シェイプアップ教室 ・エアロビックス・トレーニング教室 ・エアロビックス・ダンス教室 *その他 宿泊施設 理容室 美容室 レストラン(定食400円) イベントの開催をはじめ、障害当事者や関係者がさまざまな形で利用できる 施設です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.normanet.ne.jp/~ww100006/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎デイジー再生ソフト続々、「BMビュア」  今回は、KGS株式会社から4月26日に発売されたデイジー再生ソフトウェア 「BMビュア(BM-VIEW)」をご紹介します。  BMビュアは、スクリーンリーダーとBMシリーズ点字ディスプレイを使って 操作ができるパソコン上のデイジー再生ソフトウェアです。  PCに保存されているデイジー図書やCD-ROMで配布されているデイジー図書を 再生できます。また、視覚障害者用情報ネットワークサピエからデイジー 図書をダウンロードして再生することができます。  特徴は以下の通り。 見出し一覧で見出しの階層を表示したり、キーワード検索することができます。 ブレイルメモシリーズ機器と一緒に使用することにより、操作がより簡単に なります。 スクリーンリーダーの音声と独立して音量調整ができます。 フレーズ・時間・ページ・グループ、1〜6までの各見出しレベルで移動可能。 ブックマーク機能があり、名前をつけてブックマークを管理できます。 ●再生データ環境 再生できるデータ: DAISY2.02 再生可能な音声フォーマット: MP3、WAVほか ●動作環境 WindowsXP SP2以上 WindowsVista/Windows7 32ビットまたは64ビット使用可能 ブレイルメモシリーズ: ブレイルメモポケット、ブレイルメモBM32、 ブレイルメモBM24、BM46、ブレイルメモBM16(Ver.1.4以降)、 ブレイルテンダーBT46 ●同梱品 USBメモリ: 1個(ソフトウェア、取扱説明書、ライセンス) 定価:7350円(税込) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.kgs-jpn.co.jp/b_bmviewer.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎入門講座「Windows基本操作」開催のお知らせ SPANでは6月12日(日)に、視覚障害者を対象とした入門講座を開催します。 *日時:2010年6月12日(日)10:00〜16:00 *会場:SPAN☆三田スカイプラザ *内容:Windows Vistaの基本操作を学びます。 主にスタートメニューの操作方法と、従来のバージョンとは異なったファイル の保存のためのウィンドウ操作についてです。 *募集定員:5名 *受講料:5000円(テキストは当日配布予定) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/activity/schedule.html#2011/06/12 ◎eye eye福祉機器展2011 視覚障害者のための生活用具展示会開催のお知らせ アイサポート仙台では、6月19日(日)に、目の見えない、見えにくい人の ための福祉機器展を開催します。 *日時:2010年6月19日(日)10:00〜16:00 *会場:仙台市福祉プラザ 1階 プラザホール *内容:ルーペや拡大読書器、パソコンソフト、音声読み上げ機能がついた  時計や電化製品、台所用品など生活の中での便利グッズなどのご紹介。  19の団体・企業が出展予定 *入場料:無料 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www15.plala.or.jp/isupport/eyeeyekikiten.html ◎視覚障害・就労支援者講習会開催のお知らせ 日本盲人職能開発センターでは、平成23年度視覚障害・就労支援者講習会を 開催します。 基礎編と応用編の2コースがあり、視覚障害者が事務系職種で就労するための 支援について理解を深める目的で開催されます。 *今後の開催日程(基礎編): (1)6月21日(火)から24日(金) (2)8月2日(火)から5日(金) (3)11月15日(火)から18日(金) (4)2012年1月24日(火)から27日(金) *内容:視覚障害者の理解とリハビリテーション、障害者雇用の実際と就労  支援制度、視覚障害者のパソコン活用の実際、日常生活訓練と歩行、  ロービジョンケア、視覚補償機器の紹介、視覚障害者の文字処理と点字に  ついて、就労体験など。 *日程(応用編) (1)6月11日・7月9日・8月13日・9月10日(いずれも土曜日) (2)7月28日(木)から31日(日) (3)9月27日(木)から30日(日) (4)11月12日・12月10日・2012年1月14日・2月11日(いずれも土曜日) (5)2012年2月21日(火)から24日(金) *内容:スクリーンリーダーを使ったパソコン活用、Excel2007・2010、  MicrosoftOffice2007の基礎など。 *定員:各講座10名 *受講料:無料 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.os.rim.or.jp/~moushoku/kosyukai/kosyukai.html ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見  など何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 東日本大震災から3か月近くが経ちましたが、まだ日常が取り戻せていない 視覚障害者、そして関係者のみなさんが多くいらっしゃることと思います。 そうした方々が一日も早く復興できるために、私たちに何ができるかを考えて いきましょう。そして、できることからやっていくことが大切だと思います。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は6月24日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク                        SPAN(スパン)                       メールマガジン編集部   発行責任者:北神アキラ http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━