━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2011年9月号 No.59                       2011年9月23日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  「メモ帳」でメモをとるコツ ● プロフェッショナルコース  「英語モード」に切り替わってしまう ● 【コラム】 パソコンよもやま話  視覚障害者用ツール ロービジョンスケール [2] サポートお役立ちサイト  第38回 国際福祉機器展 H.C.R.2011 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  jfra 日本ファンドレイシング協会 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  こんなはかりがほしかった!、「音声キッチンスケール ハイジ・ビビアン」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  日商PC検定3級「文書作成(Word)・データ活用(Excel)」のご案内 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎「メモ帳」でメモをとるコツ 弱視者は自分の書いたメモが「わからない」ということがよくあります。 この「わからない」は「見えない」とイコールではないんです。要するに、 何を書いたかがわからなくなるわけです。指は動いているので、書くことは できるけれど、どう書けているのかはよく見えないわけです。 メモをしても、読めなくては意味がありません。 会社では「メモしたけどよくわからない」では困ります。 「メモ帳」を使ってパソコンでメモをすれば、こんなことなくなりますね。 でも、いつ電話を受けたかわからないのも困ります。 せっかくきちんと入力したのに、一日何件もメモしていればわからなく なります。 [F5]キーを忘れずに入力すれば、「19:49 2011/09/14」のように入力 されます。 ただ、一生懸命に電話を取りながら入力していると忘れてしまいます。 こんなことを忘れてもよい方法があります。 「メモ帳」を開いて、1行目に「.LOG」と半角大文字で書き込むだけで、 メモした文章を書いたら、保存します。再び「メモ帳」を開くと、書いた メモの後に自動的に日時が挿入されます。あとは、すぐ出せるように、 デスクトップにでも、置いておきます。 日記のように、日付のついたメモが書けるわけです。 ただ正しく入力することに集中できるわけです。 もちろん、「メモ帳」は、その人に合った文字の大きさの設定、全画面の設定 をしておいてください。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎「英語モード」に切り替わってしまう 今回も、キーを押したときに意図しない文字が入力される現象の説明です。 WindowsXPで説明します。 [左Alt]+[Shift]は、言語を切り替えるショートカットです。 要するに「日本語モード」と「英語モード」を切り替えます。「英語モード」 では、日本語変換機能が無効になります。したがって、日本語変換モードが 有効にならない場合、「英語モード」になっている可能性があります。 「英語モード」の場合、キーボードが「英語101キーボード」として認識 されます。日本語キーボードと英語キーボードでは、記号の配置が多少違う ことを利用して、どちらのモードかを確認できます。 「日本語キーボード」では、[Shift]キーを押しながら[;](セミコロン)のキー を押すと「+(プラス)」が表示されます。「英語キーボード」では、 「:(コロン)」が表示されます。 この場合、もう一度[左Alt]+[Shift]で元に戻ります。 この機能の解除方法 「コントロールパネル」→「地域と言語のオプション」→「言語のタブ」 →「詳細のボタン」で表示される「テキストサービス」と入力言語で 「キーの設定」のボタンを実行します。 表示される「詳細なキー設定」ダイアログボックスにある「入力言語の ホットキー」のリストの「入力言語を切り替える」の項目に「左Alt+Shift」 とあります。 このダイアログにある「キーシーケンスの変更」のボタンを実行し、表示 される「キーシーケンスの変更」ダイアログにある「入力言語の切り替え」の チェックボックスのチェックをはずせば、「入力言語の切り替え」が無効になります。 「OK」ボタンを押して次々にダイアログを閉じると設定が有効になります。 [Ctrl]+[Shift]は、「英字」と「かな」を切り替える機能です。これは、 IMEと無関係の機能です。 私の経験でも突然このモードになってしまうことが何回かありました。 「ABC」を押しても「ちこみ」となってしまいます。 しかし、[Ctrl]+[Shift]を押しても元に戻らないことがあります。 理由はまだわかっていません。 [Ctrl]+[A]は、[Ctrl]を押し下げたまま[A]をたたく操作ですが、 [Ctrl]+[Shift]は、素早く押すと有効になることがあります。 [Ctrl]+[Shift]で元に戻らない場合は、しかたがないのですが、パソコンを 再起動すれば元に戻ります。 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎視覚障害者用ツール ロービジョンスケール 長さを測ったり、紙などに真っ直ぐに線を引く場合などには、いわゆる 物差し(スケール)を使用しますね。 また、角度を測ったり、平行に線を引く場合などには、分度器や三角定規を 使います。 ところが、一般に市販されているスケールは、透明であったり、白っぽい ものが多いです。 今までにも何度も紹介していますが、ロービジョンの方の場合、紙などの 対象物とのコントラストが低く、見分けづらいことが多いのです。 また、スケールの目盛りも非常に見にくいものです。 そこで、黒いプラスチック材に白色で目盛りや数字が書いてあることで測る ことができる人がいるのです。 また、白い紙に線を引く場合もはっきりとわかります。 伝票など、枠で囲まれたところに文字を書く場合においても、枠の色が細い、 薄いなどで分かりづらい時も、黒いスケールを置くことで、基準となり、枠に 合せて文字を書くことができるものなんです。 ロービジョン者になっても、この様な商品の存在を知り、ちょっとした アイデアで、いままでできなかったことができるようになることもあります。 当事者はもちろんのこと、そうでない方も、これらのことを情報として蓄えて おき、必要になった時、必要な人を見かけたら教えてあげてください。                           文責 園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎第38回 国際福祉機器展 H.C.R.2011 とにかく出典の数が多い展示会です。 *期日: 2011年10月5日(水)〜10月7日(金) 10:00〜17:00 *会場: 東京ビッグサイト東展示ホール(有明) *入場料: 無料・登録制(一部プログラムは有料) 世界の福祉機器を総合展示 ハンドメイドの自助具から、最先端技術を活用した福祉車両まで、 世界の福祉機器を一堂に集めた国際展示会です。 保健医療・福祉・介護の各分野の制度改革や事業活動を紹介する 国際シンポジウム、セミナー情報など、国際福祉機器展H.C.R.に関する情報を 掲載しています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.hcr.or.jp/exhibition/index.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎jfra 日本ファンドレイシング協会 〜日本社会の伝統文化を踏まえた日本社会らしい寄付文化を育み、 次世代の子供たちに誇りに思える社会を残していきたいと考えています〜 jfraは、2020年に、こうした社会を実現します。 2020年、日本社会の善意の資金(個人や企業の寄付などの、社会を良くする チャレンジを応援する資金)総額が年間10兆円となる時代を実現します。 その社会は、 ・子どもたちが他人に役立つことを最大の誇りに思う社会。 ・誰もが自分が起こす社会変化の可能性を信じて、やりたいことに思い切り  チャレンジできる社会。 ・誰も、ひとりにならず、助け合える仲間がいて、分かち合えるコミュニティ  を持っている社会。 ・NPOと社会を繋ぐファンドレイザーのおかげで、活動するNPO等の夢が実現  し、社会が明るくなる社会 です。 *活動内容 政策の革新、寄付市場の環境整備、ファンドレイジングのスキル向上に 三位一体で取り組みます。 これらに取り組むことで、寄付者や支援する組織にとっても、 ファンドレイジング担当者にとっても役立つサービスを提供します。 推進にあたっては、大学、学会、シンクタンク、中間支援組織、関連NPO、 各種研修実施機関など、これまで各方面で努力されてきた皆様方との協働・ 連携していきます。 【ファンドレイジング高度化事業】 日本の民間非営利団体におけるファンドレイジング担当者の情報共有、 ファンドレイジングのスキル向上や成功体験の共有を図るため、 ファンドレイジング大会の開催、ファンドレイジング・ジャーナルの発行、 定期的な研究会の実施、表彰などを実施するとともに、民間非営利団体の 資金調達や組織基盤強化を支援する企業、団体等と民間非営利団体とともに 新たな市場づくりのための機会を創り出していきます。 【普及啓蒙事業】 寄付税制の改革や資金循環を起こす施策提言や、新たな市場形成のために、 寄付者を増やすためのフィランソロピー教育モデルの実践、寄付者権利憲章・ 倫理規定の創設などを実施します。 【調査研究事業】 寄付市場への関心を高めるために、Giving Japanの制作・発行をはじめ、 日本の寄付市場に関する調査研究活動を行います。 【認定ファンドレイザー資格認定事業】 安心して寄付を任せられる人材として信頼性を向上するために、高いスキルと 倫理観を有する人材を認定ファンドレイザーとして認定し、将来的には登録 された認定ファンドレイザーの斡旋等も行います。 NPOなどが安定した活動資金を得るためにも、この団体の活動に期待したい ところです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://jfra.jp/dream/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎こんなはかりがほしかった!、「音声キッチンスケール ハイジ・ビビアン」  今回は、株式会社ラビットから発売された音声キッチンスケール 「ハイジ」「ビビアン」をご紹介します。  本製品は1gから5kgまでの計量結果を音声で読み上げてくれる キッチンスケールです。通常の計量機能のみのHeidi(ハイジ)と ほかに多彩な機能を搭載したVivienne(ビビアン)の2種類があります。  通常の計量に加えて、その次の計量を加算することができます。 風袋引き計算(容器の重さを引いた計量)もできます。  ビビアンのみの機能としては、目標重量を入力して、その重量に近づくと 音声で知らせてくれる機能やキッチンタイマー機能などがあります。 ●仕様 大きさ:220×145×26.8mm 重量:588g(636g、電池含む) 電源:単4形電池4個 同梱品:ハイジまたはビビアン本体、単4形乾電池4個、取扱説明書 保証期間:2年間 標準小売価格(税込):ハイジ 25,200円、ビビアン 29,400円 製造元:Care Tec Ltd 輸入販売元:株式会社ラビット ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.eyefriends.jp/archives/644 ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎日商PC検定3級「文書作成(Word)・データ活用(Excel)」のご案内 2006年12月より、日商PC検定3級を実施していますが、この度、従来の 文書作成(Word)に加えて、データ活用(Excel)での受験も可能になりました。 この検定の特徴は、試験問題がインターネットを通して試験センターから出題 され、採点もネットを通して行われるので、結果が即座に分かることです。 *試験実施要領 (1)試験科目: 日商PC検定3級(文書作成・データ活用) (2)試験時間: 知識科目 23分、実技科目 60分 (3)合格基準: 知識科目、実技科目とも70点以上 尚、本検定受験前の腕試しのための「模擬検定システム」をダウンロードすることもできます。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.os.rim.or.jp/~moushoku/kentei/pckentei.html ◎TEPIA Word・Excel指導者養成講座のご案内 視覚障害者へのWord・Excelのパソコン指導を学んでいただく講座が東京で開催 されます。講座の模様は、Skypeにより札幌、鹿児島会場に実況中継します。 *開催日:2011年11月12日(土)・13日(日) (2日間コース) *時間:10:00〜17:00(両日) *会場:東京会場 財団法人 機械産業記念事業財団 TEPIA ITセミナリオ *定員:10名 *受講料:無料 *内容: Word:リボンの伝え方と操作、ファイルの保存と呼び出しでの留意点、 フォント設定・段落などのダイアログボックスの操作、表操作における留意点 Excel:数式・関数入力時の指導上の留意点、セルの書式設定の操作、 並べ替え・オートフィルターのウィンドウ操作 など ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/tepia/info_111112-13word-excel.html ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽にお寄せ  ください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− スマートホンやタブレットPCの普及が進み、OSもWindows8の話題が出るように なるなど、相変わらず技術はどんどん進んでいきますが、これはユーザーに とってはもちろんですが、サポートをする側にとっても大きな負担となって いると思います。 しかし、私たちも止まっていることはできません。多くの視覚障害ユーザーの ためにも、常に学ぶ姿勢を大切にしていきたいものです。 今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は10月28日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp 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