━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCの恵みを伝えるために 〜           2013年3月号 No.77                       2013年3月22日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  微妙な照明に影響される ● プロフェッショナルコース  Windows8の自己流取り組み ● 【コラム】 パソコンよもやま話  iPad 触れてみましたか? その3 [2] サポートお役立ちサイト  日本ライトハウス情報文化センター − 情報機器関係資料 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  日本郵便 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  カナダ製Windows画面拡大表示ソフト、「iZoom」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第148回仙台ロービジョン勉強会を開催 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎微妙な照明に影響される iPadをルーペや単眼鏡や拡大読書器の「補助」として使えないかといろいろ 試しています。 「補助」という意味が大切で、それらと「勝負」する気はないし、私の iPadが入ったカバンには、相変わらずルーペ、単眼鏡、携帯用の電子ルーペが 入っています。 ただ、以前デジカメが普及し出した時、ズームもできるので、もう少し画面が 大きければ弱視には便利なんだが、という声が良く聞かれたことを考えると、 そのレベルのことはiPadはできているかと思います。 今の課題は、書く時にどう使えるかです。 まず問題になるのは、あたかも宙に浮いているようにしたいということです。 これには、「Zライト」のように手元がすっきりで、空間でiPadをどこの 位置でも固定させることができることが大切です。 どうしても書きにくさは残るのですが、可能ではあります。 白黒反転させて書くこともできます。ただ、十分な明るさが必要です。 iPadの影ができて、少し薄暗いと黒の画面は濃さが弱く見えにくくなります。 携帯用のLED照明などを付属品として活用するのが必要かと思います。 電子ルーペよりは書くことができると思います。 ただ、カメラの位置が右上なので、鉛筆の先を探すのが一苦労になります。 これは仕方ないことですが、慣れるとかなり違うのではと思います。 とにかく、照明一つで見やすくなります。あまり気短に結論付けないで 工夫してみたいものです。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎Windows8の自己流取り組み 今回は予定を変更して、Windows8の自己流取り組みについて紹介します。 「Word」や「Excel」を使いたいと思った瞬間に、[Windowsロゴ]キーを 押してしまいます。そこで、いくつかのカスタマイズをしました。 まず、タスクバーに「Word」「Exel」「ペイント」をピン止めしました。 「ピン止め」とは、メモ用紙をコルクボードに貼ることのような意味です。 以前の言葉では、「ショートカットを貼り付ける」と置き換えて 理解しています。 今後は、この機能についても説明する予定です。 左から、タスクバーには「メディアプレーヤー」「Word」「Excel」 「Internet Explorer」「エクスプローラ(コンピュータ)」に調整しました。 これで、[Windowsロゴ]キー+数字の2で「Word」、[Windowsロゴ]キー+3で 「Excel」が起動します。 スタート画面の右端の近くで、隠れている部分にあった、「Word」「Excel」 「コンピュータ」を左端に移動しました。これで、[Windowsロゴ]キーを 押してから、上下矢印で「Word」「Excel」「コンピュータ」を起動できます。 要するに、スタート画面はやっぱりスタートメニューとして利用しやすい 形式に調整することで、やっとWindows8が快適になり始めました。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎iPad 触れてみましたか? その3 3ヶ月ぶりとなりましたが、iPadについて紹介します。 前回は購入時に考慮、注意すべき事について説明しました。 今回は使い方の基本的なことについて説明しましょう。 ●主要な各部の名称と役割 多くの操作は液晶パネルにタッチして行いますが、物理的なボタンなどが 4つあります。 ○ホームボタン ○音量ボタン ○本体横のスイッチ ○スリープ解除/電源ボタン それぞれの位置の確認と、役割を理解しておく必要があります。 ○ホームボタン ・ロック状態の解除+スライダーボタンのドラッグ ・ホーム画面に戻る ・ショートカットの設定で、VoiceOverのOn/Offなど ・その他 ○音量ボタン ・VoiceOverや、音楽再生の音量を変更する ・カメラのシャッターボタン ○本体横のスイッチ ・音声のミュート/画面回転のロックのOn/Off 設定で機能を割り当てる  ○スリープ解除/電源ボタン ・スリープ状態の時、短く押すと、ホームボタンと同じ ・起動状態の時、短く押すとスリープ状態になる ・スリープ、または起動状態の時、長く押すと電源が切れる +スライダーボタンのドラッグ  ・電源が切れている時、長く押すとロック解除画面になる ※iPadは通常使用していない時はスリープ状態なので、直ぐに使えるように なりますが、暫く使用しない場合は電源を切っておくとよいでしょう。 ●基本的な設定方法 iPadには標準でアクセシビリティ機能が組み込まれています。 その設定方法の概略を説明します。 1.ホーム画面の1ページ目にある「設定」をタップすると、設定画面に変わり、  左側にカテゴリー、右側に項目が表示されます。 2.左側の「一般」をタップすると、右側に一般の項目が表示され、1本指で上に  ドラッグすると、「アクセシビリティ」が現れるのでタップします。 3.アクセシビリティの内容が表示され、必要な項目をタップすると説明などが  あるので、必要な項目を有効にして、自分にとって必要かどうかを  確かめます。 視覚サポート機能としてはつぎのものがあります。 ・VoiceOver ・ズーム機能 ・テキストを大きな文字で表示 ・色を反転 ・選択項目の読み上げ ・自動テキスト読み上げ つづく                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎日本ライトハウス情報文化センター 情報機器関係資料 このサイトの中に「見えなくても使えるiPhone? ボイスオーバーでの 操作解説」があります。これは「品川博之さんからご提供いただいた 資料です。」とのことです。 HTML版 http://info.iccb.jp/voiceover/ PDF版 http://www.iccb.jp/uploads/iphone_voiceover_manual1.pdf かなり細かく、ボイスオーバーのジェスチャ、使い方、利用シーンなどを テーマに説明しています。 これまでにも、いろいろな資料は出ているのかもしれませんが、 音声での活用についてはなかなかありません。貴重なものだと思います。 iPhone 5を用いてボイスオーバーをオンにした状態での操作説明を しています。使用しているiOSのバージョンは6.1で、2013年1月末現在で 最新となります。 他のiOSデバイスであるiPadやiPod touchでもほとんど同じ操作で 使用できます。是非活用してみてください。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.iccb.jp/salon/ref/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎日本郵便 〜あたらしい ふつうをつくる〜 年賀寄附金による社会貢献事業助成 皆様の年賀寄附金が優しい社会を作ります ●年賀寄付金配分事業 日本郵便株式会社では国民の福祉の増進を図ることを目的として昭和24年 (1949年)12月に初めて「寄附金付お年玉付郵便はがき」を、そして平成3年 (1991年)からは「寄附金付お年玉付郵便切手」を発行してまいりました。 この事業は「お年玉付郵便葉書等に関する法律」に基づいて行われています。 ●年賀寄附金の意義 現在、年賀寄附金は年間約5億円弱の規模であり、日本でも有数の 社会貢献助成資金です。 しかもその寄附者は寄附金付年賀はがきあるいは寄附金付年賀切手を 購入された方々であり、年賀寄附金は多くの人々がその意志を持って 社会貢献の寄附活動に参加するという裾野の広がりを持つ、日本の誇るべき 助成資金です。 ●助成申請のできる団体 社会福祉法人 更生保護法人 特例民法法人 公益社団法人、公益財団法人 特定非営利活動法人(NPO法人) 法人格を持たない団体、上記以外の法人の団体は申請できません。 ●助成申請事業 助成申請は以下の事業に対して行うことができます。 ・活動(一般プログラムあるいはチャレンジプログラム) ・施設改修 ・機器購入 ・車両購入 一般活動は申請額50〜500万円の活動です。 25年度の募集は終了していますが、来年度に向けて検討しては いかがでしょうか? ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.post.japanpost.jp/kifu/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎カナダ製Windows画面拡大表示ソフト 「iZoom」  今回は、1月12日に株式会社ラビットから発売された Windows画面拡大表示ソフト「iZoom(アイズーム)」をご紹介します。  iZoomは、Windows画面を最大36倍まで拡大できる画面拡大表示ソフトです。 多彩な拡大表示機能や簡易読み上げ機能を持ち、拡大しても比較的 なめらかなフォントで表示します。  主な機能は以下のとおりです。 1.拡大表示は36倍まで可能。3倍までは0.25倍ずつ、3倍以上は1倍ずつ 拡大率を調整できます。 2.拡大モードを8つ搭載。全画面、レンズ、固定レンズ、上下左右分割など。 3.画面表示色を見やすく変更。色の反転、黒白反転、グレイスケールなど。 4.ズームスクロールバー機能。拡大画面中の現在位置をスクロールバーで 確認。 5.マウスポインタ、テキストカーソルの強調表示、自動追従機能。 6.イメージやフォントを滑らかに表示。 7.ナレーション機能。マウス位置からの連続読み上げ。 8.スマートアライン機能。グラフィック画面をテキスト画面に替えて 読み上げ。 9.フリーズウィンドウ機能。選択した画面領域の一部を常に固定表示。 10.デュアルモニター機能。1つにオリジナル画面、もう1つに拡大画面を表示。  利用スタイルに合わせてCDバージョンとUSBバージョンを用意しています。 USBバージョンはインストール不要、持ち運びOK、USBメモリによる ライセンス認証を採用。複数台のPCをご利用の方にお勧め! CDバージョンは、初回のみインターネット接続によるオンライン認証が 必要です。 *本製品は日常生活用具対象製品です。 ●動作環境 対象OS:WindowsXP SP2以上、Vista(32bit/64bit)、7(32bit/64bit) *Windows8対応版がリリース語、インターネットより無償ダウンロード予定。 ●希望小売価格(税込) CDバージョン:54,900円 USBバージョン:59,900円 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://izoom.rabbit-tokyo.co.jp/ ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第148回仙台ロービジョン勉強会を開催 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、第140回 仙台ロービジョン勉強会を開催します。 テーマは、視覚に障害がある人が安全に交差点を横断できるために 〜LED付き音響装置つき信号の開発・設置に関する取り組みの紹介〜を ご紹介します。 *日時:2013年4月10日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 10階 第2研修室 *内容:見えない・見えにくい人が横断歩道を渡る際、信号機が見えにくく、  横断が難しい場合があります。そんな課題に着目し、少しでも安全に  横断できる装置の開発と設置に取り組んでいる篠原電機株式会社  (大阪市)の方にお話を伺います。 *参加費:200円 *お申込み:準備の都合上、4月5日(金)までにお申込みください。 *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp ▼詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ◎夜間講座「日商PC検定3級(文書作成)受験対策」  (4月9日から6日間コース)のご案内 NPO法人SPANでは6日間にわたり「日商PC検定3級(文書作成)受験対策」講座を 開催します。 *開催日:2013年4月9日(火)・16日(火)・23日(火)・30日(火)、  5月7日(火)・14日(火)の6日間コース *時間:18:45〜20:45(全日程) *会場:SPAN☆三田スカイプラザ *内容:日商PC検定3級(文書作成)の受験対策に必要なテクニックを学びます。  知識問題(コンピューター関連やビジネス・関連法規、敬語を中心とした  ビジネスマナー)、実技問題(Wordでのビジネス文書作成のスキルを  問うもの)のとき方を中心に、模擬問題、模擬検定システムの利用など  対策講座。 *受講料:24,000円(6日間) *定員:4名 *お申し込み先: office@span.jp ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/activity/schedule.html#20130409-0514 ◎TEPIA視覚障害者に対するパソコン指導者入門講座(東京)のご案内 視覚障害者へのパソコン指導の基本を学んでいただく講座が東京で 開催されます。 *開催日:2013年5月25日(土)・26日(日) (2日間コース) *時間:10:00〜16:00 *会場:一般財団法人 高度技術社会推進協会 TEPIA ITセミナリオ *定員:10名 *受講料:無料 *内容:視覚障害者の基礎知識、視覚障害者用ソフトウエアについて、  キーボードの指導法、視覚障害者が使いやすいパソコンの設定、  キーと音声によるWindows操作と文字入力、音声によるメールの送受信、  音声によるWebの閲覧、アイマスクをつけての操作と指導体験 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/tepia/info_130525-26tokyo.html ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽にお寄せ  ください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 視覚障害者の間でもスマートフォンやタブレット端末の話がごく普通に 聞かれるようになりました。 ただ、まだまだそういった最先端のICT利用からとり残された人が たくさんいることも忘れてはならないと思います。 最新技術に対して関心を持ちながら、常にユーザーの立場を大切にする姿勢が 私たちには求められているような気がしています。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は4月26日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、またご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク                        SPAN(スパン)                       メールマガジン編集部   発行責任者:北神アキラ http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━