━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2014年10月号 No.96                       2014年10月24日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  Excel基礎(23)   セルを結合して中央揃え  ● プロフェッショナルコース  長文作成(弱視者対応) その5 ● 【コラム】 パソコンよもやま話  パソコンの構成部品 その12 [2] サポートお役立ちサイト  全国拡大教材製作協議会 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  国立職業リハビリテーションセンター [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  気軽にどこでもパシャッと拡大、「パシャッとリーダー」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  視覚障害者職業スキルアップセミナーを開催 ほか [6] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎Excel基礎(23)  セルを結合して中央揃え 前回はセルの配置の変更について説明しました。今回はセルを結合して 中央揃えの操作を説明します。 エクセルでは文字列などが複数のセルにわたって表示される場合にはセルを 結合します。こうすることによって、結合したセル範囲内で文字列の配置を 調整します。 ここでは簡単な報告書を例にして「セルの結合」の操作を説明します。 では、3列の表をイメージしてください。1行目に「日付」、「項目」、 「突起事項」と記します。 「特記事項」の内容は2列、すなわち二つの隣接したセルにまたがって 表示するとしましょう。 その際、「特記事項」のセルは隣のセルと結合させて、ひとつのセルとして 表示させる方が体裁がよくなります。 仮にC列とD列にわたって内容を表示し、セルC1に「特記事項」と 表示するとすれば、セルC1とセルD1を結合して文字列を中央揃えにすると 体裁が整います。 なお、「セル結合」も配置の変更同様、セルの書式設定から行います。 セルの書式設定の表示方法は前回も記しましたが、今回も ショートカットキーで記載します。 1.セルC1からG1までを範囲選択します。 2.[Ctrl]キー + [1] キーを押して「セルの書式設定」のウィンドウを  開きます。 3.[Ctrl]キー + [Tab]キーを押して「配置」タブを選択します。 4.[Tab] キーを押して「セルを結合する」のチェックボックスに移動します。 5.[Space]キーを押してチェックをつけます。 6.[Tab]キーを押して「OK」ボタンに移動して[Enter]キーを押します。 範囲選択したセルが結合されます。 次に「特記事項」の文字列をセル内で中央揃えにします。 上記で結合したセルC1からD1までを範囲選択した状態で説明します。 1.[Ctrl]キー + [1]キーを押して再度「セルの書式設定」のウィンドウを  開きます。 2.「配置」タブを選択します。 3. 「配置」タブが選択されているのを確認して、[Tab]キーを押して  「横位置」のコンボボックスに移動します。 4.[下方向]キーを押してコンボボックスを開き、[上下方向]キーを押して  「中央揃え」を選択します。 5.[Tab]キーを押して「セルを結合する」のチェックボックスに移動します。 6.[Space]キーを押してチェックをつけます。 7.[Tab]キーを押して「OK」ボタンに移動して[Enter]キーを押します。 「特記事項」がセル内の中央に配置されます。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎長文作成(弱視者対応) その5 今回は番号1.1.を(1)に、1.1.1.を@に変更する作業について説明します。 サンプルファイルは下記のURLから取り出すことができます。 http://smuramura.web.fc2.com/2014-10.zip まず、上記のURLからサンプルファイルを自分のパソコンに保存してください。 「長文10月号サンプル1.docx」のWordファイルを開きます。 このファイルを保存する際は別名で保存することを推奨します。 ○1.1.を(1)にする編集 1.「1.1. 中分類」まで移動します。(先頭から3ページ目) 2.[Alt][H][M][D]キーで新しいアウトラインの定義を開きます。 3.[Alt]キー+[M]キーでオプション表示します。 4.[Tab]キーを2回押して「番号書式」まで移動します。  ここには「1.1.」があり、数字の1の背景に薄い色がついています。  色がついていることは、自動的に変わることを意味しています。 5.文字カーソルは先頭にあるので、「(」を入力します。 6.[Delete]キーを3回押してレベル1の情報を削除します。 7.[右方向]キーを一回押し残っている数字1の右側に移動して  「)」を入力します。 8.文字カーソルの後ろにある「.」は不要なので、[Delete]キーを押して  削除します。 9.「OK」ボタンに色がついていて標準のボタンになっているので、  [Enter]キーを押してダイアログボックスを閉じます。 すると、「1.1. 中分類」が「(1)中分類」になります。 他の「2.1.りんご」や「2.2.なし」も「(1)りんご」「(2)なし」に なっています。 ○1.1.1.を@にする方法 1.「1.1.1. 小分類」まで移動します。 2.[Alt][H][M][D]キーで新しいアウトラインの定義を開きます。 3.[Alt]キー+[M]キーでオプション表示します。 4.[Tab]キーを2回押して「番号書式」まで移動します。 5.[Delete]キーを6回押してレベル1と2の情報を削除します。 6.[右方向]キーを1回押して最後の「.」まで移動します。 7.不要なので、[Delete]キーを押して削除します。 8.[Tab]キーを2回押して「このレベルに使用する番号の種類」まで  移動します。 9.[下方向]キーを押してリストを開きます。 10.さらに、[下方向キー]を押して「@,A,B,…」まで移動します。 11.[Enter]キーで確定します。 12.「OK」ボタンに色がついていて標準のボタンになっているので、  [Enter]キーを押してダイアログボックスを閉じます。 すると、「1.1.1.小分類」が「@小分類」になります。 他の「2.1.1.紅玉」「2.1.2.王林」が「@紅玉」「A王林」になっています。 結果のファイルは、「長文10月号サンプル2.docx」として、上記のフォルダに 入っています。 備考 見出し兼アウトラインレベルの深さを変えるショートカット [Alt]キー+[Shift]キー+[右方向]キーと [Alt]キー+[Shift]キー+[左方向]キーは 拡大鏡を使用している場合、拡大鏡の調整に割り当てられるため、 深さを変えるショートカットとして利用できない場合があります。 次回は、セクションを利用したページ番号付加について説明する予定です。                          文責 村山慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎パソコンの構成部品 その12 先月号で紹介した多くのインターフェースがUSBに切り替わってきています。 そこで、これからUSBインターフェースについて説明します。 参考URL(URLを1行にしてからご覧ください。) ユニバーサル・シリアル・バス - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%90%E3%83%BC%E3% 82%B5%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB% E3%83%90%E3%82%B9 Universal Serial Bus、略称 USBは、コンピュータ等の情報機器に周辺機器を 接続するためのシリアルバス規格の1つです。 ユニバーサル(汎用)・シリアル・バスの名の示す通り、ホスト機器に さまざまな周辺機器を接続するためのバス規格であり、最初の規格となる USB1.0は1996年に登場しました。 現在のパーソナルコンピュータ周辺機器において、最も普及した 汎用インターフェース規格です。 レガシーポートとも呼ばれるようになった、従来からのRS-232Cや、 IEEE 1284パラレルポート、PS/2コネクタの置き換えを狙って開発されました。 USB規格では、1つのバスについて周辺機器は最大で127台接続可能です。 接続口が足りない場合には、ツリー状に拡張できるUSBハブの使用も 想定しています。 プラグアンドプレイにも対応しており、規格制定当時の一般的な 外部インターフェースでは不可能だったホットプラグも可能としています。 さらにUSB2.0の登場によって転送速度が大幅に向上し、従来はIDEやSCSI、 イーサネットなど高速転送規格が必要だったハードディスクドライブ等の 機器との接続にも用いられるようになりました。 ホストバスアダプタからの周辺機器への電源供給を規定しています。 そのため従来のコンピュータ周辺機器だけでなく、事務用品や携帯電話、 デジタルオーディオプレーヤーなど多様な機器へ電力を供給をする用途にも 使用されるようになりました。 この機能に特化してデータ通信を一切行わない安価な接続ケーブルも 販売されています。 つづく                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎全国拡大教材製作協議会 すべての弱視の児童・生徒に拡大教科書を!!! 拡大教科書をご存知ですか。 地道な活動が弱視の子供たちの勉強を支えています。 なぜ、拡大コピーではいけないのか。弱視者への理解にとってもこの活動を 知っていくことは大切です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.kakudai.org/index.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎国立職業リハビリテーションセンター 〜職業リハビリテーションサービスの先駆的実施機関として〜 国立職業リハビリテーションセンターは、障害者の雇用の促進等に関する 法律に基づく「中央広域障害者職業センター」と、 職業能力開発促進法に基づく「中央障害者職業能力開発校」の2つの側面を もっています。 厚生労働省により昭和54年に設置され、独立行政法人 高齢・障害・ 求職者雇用支援機構が運営しています。 隣接する国立障害者リハビリテーションセンターとの密接な連携のもとに、 障害のある方々の自立に必要な職業指導や職業訓練などを体系的に提供する 我が国における職業リハビリテーションの先駆的実施機関です。 *国立職業リハビリテーションセンターの特長 ■ 障害状況等に応じた職業訓練・職業指導の実施 1.年間合計12回の入所日を設けています。 2.障害の特性に合わせた訓練を行います。 3.個別の訓練カリキュラムを作成し、個々の状況に合わせた訓練を行い、  実務能力を身につけます。 4.訓練初期にIT基礎訓練を行い、パソコンの基本的操作(ワープロ、  表計算、インターネット)を身につけます。 5.職場実習を行うことで、実際の企業での業務を体験することができます。 6.就職が内定した場合、実際に担当する業務に合わせた訓練を行います。 7.技能訓練と並行して、訓練生が職業人として自立し、定着を図るための  指導・助言を行います。 ■ 事業主への支援 1.企業の障害者採用計画及び雇用管理等について、助言を行います。 2.職場実習を行うことで、実際に訓練生の状況をみていただくことが  できます。 3.国立職業リハビリテーションセンター内で、訓練生対象の会社説明会を  行うことができます。 4.採用日に合わせて訓練の修了日を早めることができます。 5.採用後も、地域障害者職業センター等と連携してフォローアップを  行います。 視覚障害者を支援する方、特に就労支援を行う方にとっては 必ず知っておく必要がある施設です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.nvrcd.ac.jp/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎気軽にどこでもパシャッと拡大、「パシャッとリーダー」  今回は、9月19日に株式会社高知システム開発より発売された タブレットPC専用の携帯型拡大読書ソフト「パシャッとリーダー」を ご紹介します。  パシャッとリーダーは、簡単なタッチ操作で写真の撮影や 原稿の拡大ができます。今話題のタブレットPCに対応、PC-Talkerと 組み合わせることで、音声ガイド付きの携帯型拡大読書器として ご利用いただけます。  高精度なOCRエンジンで撮影した原稿の文字を解析して、 音声で読み上げることが可能です。 また、撮影した写真ひとつひとつに音声を録音できる声メモ機能を装備。 写真の内容を記録したり、声メモを頼りに 写真を探したりすることができます。  気になった部分を指でなぞるだけで拡大できるルーペ機能を装備しました。 画面の一部分を虫眼鏡で調べるような感覚で操作できます。 また、ルーペの位置を固定して利用することもできます。  画面拡大や写真撮影など、すべてのタッチ操作を音声でガイドします。 さらに、ご利用中の画面の操作をガイドするクイックヘルプ機能も装備した 安心のシステムです。 *撮影した原稿の読み上げ機能は、タブレットPCに内蔵されたカメラの精度、 ピント、手ぶれ、周辺の明るさなど、撮影の品質によって認識率が 大きく異なります。原稿の認識精度につきましては、ご購入前に 体験版でご確認ください。 ●使用環境 OS:Windows 8.1 タブレットPC:背面カメラ8Mピクセル以上、解像度1920×1080ドット以上推奨 スクリーンリーダー:PC-Talker8(VDMW800)以上 ●製品価格 パシャッとリーダー:30,240円(税込) USBメモリタイプ:3,240円(税込) ※製品DVDの内容をUSBメモリに収録した別売オプションです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.aok-net.com/news/pashatnews.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎視覚障害者職業スキルアップセミナーを開催 NPO法人SPANでは「視覚障害者、昇進への道 〜管理職、専門職となるための 条件を探る〜」と題して、以下のセミナーを開催します。 *日時:11月22日(土) 13:20〜17:00 *会場:日本盲人職能開発センター *定員:30名 *参加費:1,000円 *内容:事例発表「管理職、専門職として働く」  講演「会社が管理職、専門職に求めるもの」  視覚障害者への就労支援事業の紹介 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/activity/schedule.html#20141122 ◎第9回 視覚障害者向け総合イベント「サイトワールド2010」開催 世界でも例を見ない視覚障害者のための総合イベントが今年も開催されます。 *日時:2014年11月1日(土)〜11月3日(月) 10:00〜17:00(最終日16時まで) *会場:すみだ産業会館 サンライズホール *内容:最先端の技術・機器、及び日常用品等の展示会、体験会の他、  イベント会場では、就労支援セミナー、支援機器関連についての講演、  地震に関するセミナー、点字関連の講演、展示等、その他各種講演会、  発表など。 *入場料:無料 *主催:社会福祉法人日本盲人福祉委員会(サイトワールド委員会) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.sight-world.com/ ◎第167回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 第167回仙台ロービジョン勉強会を開催します。 *日時:2014年11月12日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 10階 第2研修室 *内容:障害者の方への就労支援について話題提供  (1)宮城障害者職業能力開発校の紹介  今回は、宮城能開校が提供している訓練をとおして、どのような就労支援を  おこなっているのかについてのご紹介。  (2)「障害者雇用ワークショップ2014〜職業能力開発施設を活用した障害者の  雇用拡大〜」に参加して *参加費:300円 *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽にお寄せ  ください。 ───────────────────────────────── [6] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 今年もサイトワールドの季節がやってきました。 どんな内容か楽しみですが、それにしても最近の視覚障害者を支援する 技術の進歩の速さには目を見張るものがあります。 ただ、それらを使いこなすとなると、まだまだという感じがします。 技術の進歩とともに、それをどう活かすかという活動も大切でしょう。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は11月28日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━