━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2015年3月号 No.101                       2015年3月27日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  まずは自分に合った設定を  ● プロフェッショナルコース  スタート画面の説明 その2 ● 【コラム】 パソコンよもやま話  パソコンの構成部品 その17 [2] サポートお役立ちサイト  ニュースをわかりやすく読む [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  マイクロソフトの企業市民活動 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  ダウンロード版視覚障がい者用メールソフト、「VPメール」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第172・173・174回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎まずは自分に合った設定を 見やすくなる設定 その1 iPadの画面が見にくくてといっている人の声をよく聞きます。 見にくいものだと諦めている人もいます。弱視だとズーム機能の設定を まず練習する場合が多いです。 もちろんズーム機能を知ることは大切なことだと思います。 でもその前に、ズーム機能を使わないで、いくつかの機能を 体験してみてください。 設定の中の、一般、アクセシビリティの項目です。 「より大きな文字」という項目の設定をオンにします。 そしてスライダーをドラッグして大きさを設定します。 右にスライドさせると大きくなります。最大にすると、 メールの本文の大きさなどがかなり大きくなります。 ズーム機能を使わなくても十分な大きさだと感じる弱視もいるかと思います。 ズーム機能は画面が思わぬ移動をしたり、飛んだりします。 何が何だか分からなくなる場合があるのです。 知らないともったいない機能があります。 次回は、文字の太さと画面の明るさについて調べます。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎スタート画面の説明 その2 1.初めに 今回は、アプリ画面の説明です。前回の説明を読んでいない方は、 http://smuramura.web.fc2.com/201502a/win8-start_menu.pdf をまず読んでください。 注:アプリとは「アプリケーションプログラム」のことです。OS本体でない ワープロや表計算など利用できるプログラムのことと理解して良いでしょう。 2.アプリ画面の役目 今回説明する操作については、アプリ画面を使用しない方法もあります。 タイルやタスクバーに登録済のアプリは、そこから起動したほうが便利です。 また、アプリの名前がわかっていれば、検索して実行するほうが便利です。 さて、アプリ画面には「名前順」「インストール日順」「使用頻度順」 「カテゴリ順」の4種類があります。したがってアプリ画面は、 「タイルやタスクバーに登録されていない」「名前がわからない」 「パソコンにどんなソフトがインストールされているか調べたい」 「パソコンに登録されているアプリケーションの利用頻度を 知りたい」等の場合に利用することを推奨します。 3.アプリ画面の起動と切り替え [Windowsロゴ]キーを押してスタート画面を表示したあと [Tab]キーを押してから[Enter]キーを押すとアプリ画面が表示されます。 通常最後に利用したアプリ画面が表示されます。他のアプリ画面に 切り替えたい場合は[Tab]キーを2回押してから、[Space]キーを押すと アプリ画面を切り替えるメニューが表示されます。 [上または下矢印]キーで選び[Enter]キーで確定します。 4. 名前順のアプリ画面 ABCの順、あいうえお順、グループ名順にアプリケーションのアイコンが 並んだ画面です。 グループ名の例は「Hp」「Java」 「FFFTP」などです。 通常のスタート画面は、一番下の項目で[下方向]キーを押すと、 その場でとどまりますが「アプリ画面」および 「縮小表示(以後見出し画面)」では右の列の先頭に移動します。 他のアプリ画面も同様です。 ここでは、見出し画面から「アラーム」を例として説明します。 [Ctrl]キー+[-]キーを 押すと「見出し画面」になります。 見出し画面で[下方向]キーを押して「あ」まで移動し、 [Enter]キーを押します。 すると、「あ」の先頭のアプリにフォーカスが移動した状態で アプリ画面が開きます。 方向キーで「アラーム」にいどうし、[Enter]キーを押せば、そのアプリが 起動します。 [Space]キー または「アプリケーション」キーを押すと、 スタート画面やタスクバーに「ピン止めする」または 「ピン止めを外す」などを選ぶことができる画面になります。 5.インストール日順のアプリ画面 「今日」「昨日」「先週」「今月の初め」「先月」「今年の初め」「2014」 「より古い」などの分類で表示されます。[Ctrl]キー+[-]キーの見出し表示も 可能です。 「最近インストールしたアプリの名前を忘れた」 「最近インストールしたつもりのないアプリ」などを調べるなどの場合に 便利です。 6.使用頻度順のアプリ画面 「最も多い」「かなり多い」「最も少ない」「使っていない」などの分類で 表示されます。ディスク容量を増やしたい場合に、削除対象のアプリを 探すときなどに便利です。 7.カテゴリ順のアプリ画面 非常に多くの見出し項目があります。Windows8以後に登場したストアアプリの 「ゲーム」「ショッピング」「スポーツ」「ソーシャル」「ニュース&天気」 「ヘルスケア&フィットネス」 「ユーティリティ」「音楽&動画」 「仕事効率化」「写真」「書籍」「旅行」に加え、従来の 「デスクトップ」アプリ関連の例では「intel」「HP」「Java」 「Microsoft Office」などがあります。 次回は、「拡大鏡」と「ハイコントラスト」について、 Windows7と8との違いや、スタート画面との相性についてを予定しています。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎パソコンの構成部品 その17 今回も、引き続き、USBインターフェースについて説明します。 ○デバイス・クラス USBでは、周辺機器の機能によってグループ分けされた デバイス・クラスと呼ばれる仕様群が定義されています。 それぞれのクラス仕様(クラス仕様によってはサブクラスの仕様)に従って 作成されたデバイスには統一した制御インターフェースが用意され、 クラス仕様に準拠した機器類は、クラス・ドライバーと呼ばれる共通の デバイスドライバ・ソフトウェアによって動作させることができるため、 同一クラスであれば製品ごとに個別のドライバ・ソフトウェアを作る必要が なくなっています。 例えば、多くのUSBメモリはマスストレージ・クラスというクラスに属しており OS側がマスストレージ・クラス対応のクラス・ドライバを用意していれば、 USBメモリがクラス仕様に準拠する限り、新たにドライバを インストールする必要がなく、初めて接続してもすぐに動作します。 ただし、実際にはデバイス側の仕様違反、特定ホストの動作に依存した デバイスの実装、仕様上の曖昧さによるぶれなどにより、 共通のクラス・ドライバでは動作しない、ドライバ内に不具合回避処理が 盛り込まれる、専用ドライバが提供される、という場合もあります。 USB.orgによって定義されているデバイス・クラスについては 参考URLをご覧ください。 更に、詳細な規格が提議されていますが、利用者として USB機器を使用する上では必要ないかと思われるので、更に詳しく知りたい方は 参考URLをご覧ください。 参考URL(URLを1行にしてからご覧ください。) ユニバーサル・シリアル・バス - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%90%E3%83%BC%E3% 82%B5%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB% E3%83%90%E3%82%B9                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎ニュースをわかりやすく読む WEBで外国人向けに日本のニュースをやさしい言葉で聞くことができます。 ニュースに出てくる言葉でたまにわからない言葉などがあります。 きちんと理解していくためにも、日本人でも活用してみる価値は あると思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www3.nhk.or.jp/news/easy/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎マイクロソフトの企業市民活動 〜世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を、 最大限に引き出すために支援をすること〜 さまざまな活動を行っていますが、特にNPOに関係するものとしては 以下のような活動があります。 *未来の日本社会への貢献 ・教育 日本の将来を担う世代の国際競争力の底上げと、進学・就労・起業をめざし、 包括的に支援しています。 ・働き方 最新技術の利活用を促進し、時間や場所を超えた革新的な働き方を 提案しています。 ・地域活性化 地域産業の活性化をめざし、各地域や時代のニーズに即した ICTによる支援活動をしています。 ・情報セキュリティ 誰もが安心して使えるインターネット環境の実現をめざし、 セキュリティに関する啓発に取り組んでいます。 ・地域社会への貢献 自治体や地域のコミュニティと連携し、地域社会に根差したさまざまな 社会貢献活動を行っています。 ・アクセシビリティ 障碍 (しょうがい) のある方やシニアの方を含めたすべての方が、 テクノロジを使って自己の可能性を最大限に引き出せるように、 支援を行っていきます。 ・環境 ソフトウェアやテクノロジが持つ可能性を最大限に活用し、 「IT機器の省エネ」と「ITによる生産性向上とエネルギー効率向上」によって 環境保全に積極的に貢献していきます。 ・被災地支援 クラウド サービスを活用した復興再生支援活動に取り組んできました。 引き続き、復興再生支援に努めていくととともに、東日本大震災からの 学びをいかし、災害に強い社会づくりを目指した活動に取り組みます。 詳しくは下記をご覧ください。 http://www.microsoft.com/ja-jp/citizenship/default.aspx ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎ダウンロード版視覚障がい者用メールソフト、「VPメール」  今回は、こつこつソフト工房が開発した視覚障がい者用 メール送受信ソフトウェア「VPメール Ver.1.22」をご紹介します。  VPメールは、視覚障がい者が使用することを前提として開発された メールソフトです。 vpMailXXX.exeを実行してインストールプログラムが起動したら、 Enterキーを数回押すだけで簡単にVPメールを インストールすることができます。 すべての作業が音声ガイドされ、キーボードから操作できます。  本格的専用エディタ(VP EDITOR)でメールの参照/編集が行えますので、 長文のメールでも快適に読むことができます。 複数のメールアカウントを無制限に作成でき、それをワンタッチで 素早く切り換えることができます。また、簡単なキー操作でcc/bcc送信が 可能です。 アドレス帳はCSV形式のテキストデータですので、VP EDITORで編集できます。  新しくフォルダーを作成したり、そのフォルダーに メールを振り分けるなどの作業をしなくても、ユーザーの設定に応じて、 数字キーを押すだけで簡単にメールを分類表示することができます。 分類表示は、既読フォルダー/送信済みフォルダー/保存フォルダー/ごみ箱の メールリスト上で、それぞれ個別に設定することができますが、 それ以外のフォルダーのメールリストでは分類表示はできません。  本ソフトはシェアウェアです。 30日間の無料体験試用期間を設けていますので、是非お試し下さい。 ●動作環境 OS:Windows7 スクリーンリーダー:PC-Talker7 ※本ソフトが正しく動作する為には Microsoft .NET Framework 4がインストールされていることが必須です。 ●価格(税込) 個人:4320円 団体:8640円 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www11.plala.or.jp/ezure/kotukotu.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第172・173・174回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 「ロービジョンケアの基礎知識」をテーマに3回連続講座を開催します。 *日時:【第172回】2015年4月8日(水)     【第173回】2015年5月13日(水)     【第174回】2015年6月11日(水)     各講座とも19:00〜20:30 *内容:テーマ(1)目のしくみ〜視力・視野〜     テーマ(2)見えにくさはどこから?     テーマ(3)ロービジョン者にとってのメガネの役割 *会場:仙台市福祉プラザ 11階 第1研修室 *参加費:各回とも300円 *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ◎「アイフェスタ2015in豊岡」開催のご案内 第12回視覚障害者のための総合福祉機器展を日本網膜色素変性症協会 JRPS兵庫県支部主催で豊岡にて開催 *日時:2015年3月29日(日) *会場:豊岡市民プラザ 市民活動室 *内容:各種視覚障害者向け機器展示、体験コーナー、各種福祉関係の  相談コーナー(要予約あり) *参加費:無料 *お問合わせ・予約申込み:日本網膜色素変性症協会(JRPS)兵庫県支部  Eメール:jrpshyogo@gmail.com ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.jrps.org/hyogo/local/ ◎夜間講座「日商PC検定3級(文書作成)受験対策」(6日間コース)のご案内 *開催日:2015年4月21日(火)・28日(火)、5月12日(火)・19日(火)・  26日(火)、6月2日(火) (6日間コース) *時間:19:00〜21:00 *場所:SPAN☆三田スカイプラザ *内容:日商PC検定3級(文書作成)の受験対策 *募集定員:4名(お申込みが2名以上の場合に開催します。) *受講料:26,400円(6日間(12時間) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/activity/index.html#future20150421-0602 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   無料のネット通話Skypeなどを利用して行う講座で、教室に来なくても   学べます。内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   就労中の視覚障害者を対象とした職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、平成27年度上半期の訓練の受付を行っています。  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、4月21日(火)からの夜間講座と5月9日(土)からの土曜講座の     ご案内をしています。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 次回は5月10日(日)に開催予定です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/lesson/ *4月25日(土)にパソコン・タブレットPC無料体験会を開催します。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/activity/index.html#future20150425 *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が大切な活動資金になっています。 また、SPANは認定NPOの認証取得を目指しており、そのためには 3,000円以上の寄付を年間100名以上から受けていることが 必須条件となっています。どうぞこの趣旨をご理解いただき、 みなさんのお力をぜひいただければ幸いです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/support/#con03 ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 私たちのメルマガも100号のマイルストーンを通過し、次のステップへと 歩み始めました。 メルマガがスタートした2006年と比較して、視覚障害者へのICTの普及は 確実に進んでいると思います。 しかし、まだこの恩恵を受けていない視覚障害者も多くいて、 サポートをする方に与えられた役割は大きいといえます。 今後もより有益な情報提供のための努力を続けていかなくてはと 気を引き締めています。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は4月24日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━