━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2016年5月号 No.115                       2016年5月27日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  カメラアプリでズーム機能を活用 ● プロフェッショナルコース  スタイルの変更(調整) ● 【コラム】 パソコンよもやま話  Bluetooth ワイヤレスヘッドセット その3 [2] サポートお役立ちサイト  研修会報告「災害時に専門家ができること、すべきこと」  (公開終了日:2016年9月30日) [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協) [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  音声で長さを測れる音声メジャー、「テープキング」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  「第1回 神戸ライトサロン開催のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎カメラアプリでズーム機能を活用 iPadのズーム機能の応用です。 カメラアプリでカメラモードにしてテレビ画面などを見ることは よく知られています。 ピンチアウトで拡大するだけでかなりよく見えるようになります。 ここで、ズーム機能のウインドウズームを使います。画面の下の方に ウインドウズームのレンズを横長に作成します。 これは、レンズサイズの変更で行います。 一つの画面に、拡大倍率の違う二つの画面ができるわけです。 たとえば、映画で字幕が出ている場合に、字幕はこのレンズ部分で 拡大してみます。 その他は普通の大きさ、あるいはピンチ会うと出大きくした画面で見ます。 絵画などを見るときに、これを使うと、絵画の下に書かれている題名を このウインドウズームで見て、絵画自体はカメラでピンチアウトして 拡大して見ることができます。 ルーペで何とか遠くのものを見ようとしたことがあります。 当然これは無理な話ですが、iPadならそれができるわけです。 いろいろとこのような機能を活用してみると面白いと思います。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎スタイルの変更(調整) 今回のPDF版は http://smuramura.web.fc2.com/span/201605H/201605H.pdf をご覧ください。 1.例1の確認 例1は「アウトライン」と「スタイル」を使用してとりあえず作成した 文章です。 図1 例1 http://smuramura.web.fc2.com/span/201605H/zu1.png 例1 http://smuramura.web.fc2.com/span/201605H/SPAN201605_rei01.docx を開きます。 [Alt]キー+[Shift]キー+[Ctrl]キー+[S]キーを押して 「スタイル」の作業用ウインドウを開きます。 画面に余裕があれば、[Alt]キー[W]キーでリボンを表示のタブで開き [K]キーでナビゲーションウインドウを開くとさらにわかりやすくなります。 [Alt]キー[H]キーでリボンをホームにすれば、リボン右側にある 「スタイル」のギャラリーが見えます。 [Alt]キーを押して文書作成モードに戻します。文字カレットを一番上から 動かしていくと、右側のスタイルの作業ウインドウが「標準」「表題」 「見出し1」「見出し2」と変化します。 ナビゲーションウインドウには、目次の対象となる「見出し1」「見出し2」が 表示されています。 図2 ナビゲーションとスタイルを表示した様子 http://smuramura.web.fc2.com/span/201605H/zu2.png 2.段落書式の確認 「見出し2」の段落書式を確認してみましょう。 文字カーソルを移動させて「見出し2」と表示する場所で止めます。 アプリケーションキーを押して、表示されたメニュー中の「段落(P)…」を 実行します。 図3 見出し2のコンテキストメニュー http://smuramura.web.fc2.com/span/201605H/zu3.png 図4 段落のダイアログボックスの部分 http://smuramura.web.fc2.com/span/201605H/zu4.png 「左インデントが7.5mm」と「字下げが7.5mm」になっているので、 字下げを解除して見やすくします。 [Esc]キーでダイアログを閉じます。 3.インデントの修正 [Ctrl]キー+[Shift]キー+[M]キーを押すと、左インデントが0mmになりますが、 インデントが0.0mmになったのはこの段落だけです。 [Alt]キー[H]キーでリボンをホームのタブで開きます。 次に[L]キーを押すと「見出し2」がフォーカスを持った状態で スタイルのギャラリーが開きます。 [アプリケーション]キーを押すと、リストが開きます。 [下方向]キーを押して「選択個所と一致するように見出し2を更新する。」を 実行します。 図5 スタイルギャラリーで見出し2のコンテストメニュー http://smuramura.web.fc2.com/span/201605H/zu5.png すると、他の2か所の「見出し2」もすべて字下げがなくなります。 図6 修正後の文書(例2) http://smuramura.web.fc2.com/span/201605H/zu6.png 修正後の文書(例2) http://smuramura.web.fc2.com/span/201605H/SPAN201605_rei02.docx 4.スタイル標準を字下げすると? ところが、同じ方法で見出しでない標準のスタイルを字下げすると、 全体が乱れます。これは、スタイルの見出しが「標準」の段落書式を 参照しているためです。 次回はその対応策について説明します。 図7 例3 標準を字下げにして乱れた例 http://smuramura.web.fc2.com/span/201605H/zu7.png 乱れた文書 例3 http://smuramura.web.fc2.com/span/201605H/SPAN201605_rei03.docx                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎Bluetooth ワイヤレスヘッドセット その3 日本語の音声コマンド機能について 耳に付けたまま、Voyager Edgeに話しかけると、操作や、返事があります。 ※音声コマンドを指示する際は、ヘッドセットの音声ボタンを押して 「コマンドをどうぞ」と聞こえた後に、ヘッドセットに声で指示をします。 指示内容がわからない場合「何と言えばよいですか?」と問いかければ、 音声コマンドを教えてくれます。 音声コマンドの一覧は以下です。 ・ペアリングしたい場合   コマンド「モードを組み合わせる」   返答「ペアリングを行います。」 ・接続状態を知りたい場合   コマンド「接続していますか?」   返答「携帯電話1(2)が接続されました。」 ・連続通話時間を知りたい場合   コマンド「バッテリーチェック」   返答「連続通話時間○時間」 ・リダイヤルしたい場合   コマンド「かけ直す」   最後に使用した電話番号がない場合   返答「使用できる番号がありません。」   最後に使用した電話番号がある場合   返答「最後の電話番号にリダイヤルしています。」 ・音声認識をキャンセルしたい場合   コマンド「キャンセル」   返答「音声認識がキャンセルされました。」 ・かかってきた電話に出る場合   コマンド「応答」   スマホと接続した状態で、「Voyager Edge」を耳に装着していると、   「着信応答、着信拒否」というアナウンスが流れます。   それに対して「応答」と答えるだけでスマホやヘッドセットを   触ることなく、電話に出られます。   これは非常に便利です。 ※コマンドを指示する際は、ヘッドセットの音声ボタンを押して 「コマンドをどうぞ」と聞こえた後に、ヘッドセットに声で 指示してください。  耳に付けた状態で、コマンドは認識されます。 ※「かけ直す」、「応答」箇所については筆者は通話契約はしていないので、 未確認ですが、webサイトで読んだ利用者の感想からのものです。 つづく                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎研修会報告「災害時に専門家ができること、すべきこと」  (公開終了日:2016年9月30日) 「視覚リハ協会主催の研修会の報告」です。 実際に阪神・淡路大震災以後、長い支援活動の体験から 貴重な話しが出てきます。 防災関係のいろいろなコメントはありますが、この報告は大変に 興味深いと思います。 以下の2点をきちんと考えたいです。 1.視覚障害者自身が災害への備えとして歩行訓練など リハビリテーション訓練を受けていることが非常に重要であることが 話されました。 2.減災への取り組みとして、当事者自身が最も意識すべきことは、 日頃の近所付き合いであるということでした。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.jarvi.org/guests/info/info20160426.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協) 〜目が見えない人、見えにくい人への豊かな情報・文化の提供と 相互理解を進める全視情協〜 目が見えない、あるいは見えにくいために、日常の生活や就学・就労の場で 情報とコミュニケーションに不自由を感じておられませんか? そのことで困っておられるお知り合いがおられませんか? それとも、何かお手伝いができないかを考えてくださっていますか? *全視情協とは (目的)  (1)保健、医療又は福祉の増進を図る活動  (2)社会教育の推進を図る活動  (3)学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動  (4)子どもの健全育成を図る活動  (5)情報化社会の発展を図る活動  (6)前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、  助言又は援助の活動 (事業)  (1)特定非営利活動に係る事業  (2)視覚障害者情報ネットワークの構築及び情報とコミュニケーションに  関する事業  (3)施設並びに団体の相互連携及び協力に関する事業  (4)情報の収集整理、閲覧及び提供についての調査研究に関する事業  (5)点訳、音訳、拡大文字及び電子データの扱いについての  調査研究に関する事業  (6)職員、奉仕者及び利用者の研修並びに資格の認定に関する事業  (7)視覚障害者福祉の啓発に関する事業  (8)点訳、音訳、拡大文字及び電子データの扱い等についての  専門的図書並びに資料の編集及び刊行に関する事業  (9)視覚障害者の利用に供するための点訳データの製作に関する事業  (10)視覚障害者等の利用に供するための、音声デイジーデータ、  テキストデイジーデータ等の製作に関する事業  (11)その他、この法人の目的達成のために必要な事業 全国にある点字図書館や情報センターを含めて、視覚障害者の情報入手に 関わる施設が参加している団体です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.naiiv.net/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎音声で長さを測れる音声メジャー、「テープキング」 今回は、4月12日に株式会社ラビットから発売された音声メジャー、傾斜計、 水平器「テープキング」をご紹介します。 本製品は、トーキングメジャー「VOXテープ」の後継機種です。 テープキングは、長さと角度を音声で読み上げる音声メジャーです。 音声ガイドが付いているので安心してお使いいただけます。 ケース本体からテープメジャーを引き出した長さを計測し読み上げます。 最短1mmから最長5mまで計測可能。メモリー機能で計測した数値を保存し、 最長100mまで加算して計測できます。 1234mmを測った場合は、「1メートル23センチ4ミリ」と読み上げます。 ケース本体の幅(103mm)を含めた計測もできるので、戸棚やドア枠の内側などを 計る際も、メジャーを折り曲げることなく測れます。  単位の読み上げは、メートルとフィートが選べます。フィートの読み上げは、 英語ではなく、「1.1フィート」と日本語で読み上げます。 測定値は10回分まで記憶可能です。 ものの傾きなど、角度を測る傾斜計も搭載しており、測定範囲は 0度〜180度です。また、水平かどうか、傾き加減をビープ音で 知ることができます。 電池残量をパーセンテージでお知らせします。 ●仕様 本体寸法:幅103×奥行75×厚さ33mm 重さ:295g(乾電池含む) 計測単位:メートル/フィート・インチ 計測誤差:1mm 計測最大距離:5m 電源:単4形乾電池2本 保証期間:1年間 付属品:本体、単4形電池2個、ポーチ、取扱説明書(墨字、デイジーCD) 価格:29160円(税込) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://rabbit-tokyo.co.jp/caretec ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎「第1回 神戸ライトサロン開催のご案内 *日時:2016年6月25日(土) 13:30〜16:30 *会場:中山記念会館 2階 *内容:ミニ講座、交流会、拡大読書器やルーペの体験等。 *参加費:無料 *主催:特定非営利活動法人 神戸アイライト協会 *お問合わせ:特定非営利活動法人 神戸アイライト協会  電話:078−252−1912  Email:kela2009eyelight@ac.auone-net.jp ◎「第10回 神戸ライトセンター(KLC)まつり」  〜視覚障害者のトータルサポートを目指して〜開催のご案内 *日時:2016年6月5日(日) 13:30〜16:00 *会場:中山記念会館内 神戸ライトセンター *内容:ミニコンサート、朗読劇、各団体紹介、音声パソコン体験、  伴歩体験会等。  その他各種ロービジョン、点字、パソコン関連の機器ご紹介、  各種相談コーナー。 *参加費:無料 *主催:神戸ライトセンター(KLC)運営協議会 *お問合わせ:神戸ライトセンター(KLC)運営協議会  電話:080−4024−6664  Email:kobe_lc2009@yahoo.co.jp ◎ワンポイント講座「マイブックでサピエを活用しよう!!!」のご案内 この講座は、「マイブックを利用してサピエで本を読もう」をテーマに 開催します。 *開催日:6月25日(土) *時間:13:00〜17:00 *内容:マイブックを利用してサピエ図書館の閲覧、検索、保存などといった  基本的な操作方法の学習 *場所:SPAN☆三田スカイプラザ *募集定員:4名(お申込みが2名以上の場合に開催します。) *講師:堤 由起子 *受講料:7500円 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.span.jp/activity/index.html#future20160625 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   無料のネット通話Skypeなどを利用して行う講座で、教室に来なくても   学べます。内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   就労中の視覚障害者を対象とした職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、平成28年度上半期の訓練の受付を行っています。  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座、ワンポイント講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って半日で学ぶ講座です。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、6月25日のワンポイント講座「マイブックでサピエを     活用しよう!!!」の募集を行っています。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 現在、7月10日(日)の募集を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/offering/index.html *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が大切な活動資金になっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。  また、以下のサイトの中の「応援する」ボタンを毎日押していただくことで SPANを寄付でご支援いただけます。ぜひご協力ください。 http://gooddo.jp/gd/group/span/?from=fbn0 ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 熊本、大分を中心とする九州での地震はまだ終息していないようです。 被災地のみなさんが一日も早く元の日常に戻れることを願うばかりです。 また、現地の視覚障害者の中には情報の入手が困難な方もいると思います。 関係団体も支援に動いていますが、こうした方のことも忘れてはいけないと 感じています。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は6月24日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら http://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━