━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2018年1月号 No.135                       2018年1月26日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  文字は見えなくても「見やすさ」は大切 ● プロフェッショナルコース  セルの書式設定 ● 【コラム】 パソコンよもやま話  iPhone、iPad関連の参考資料 [2] サポートお役立ちサイト  東京でのロービジョンネットワークの活動がスタート [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  日本財団が提供する公益事業コミュニティサイト - CANPAN [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  JAWS18との連携強化!、「ZoomText Ver.11 Magnifier日本語版」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第204回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎文字は見えなくても「見やすさ」は大切 先日のiPadの勉強会でのこと。強度の弱視の方が VoiceOverで操作していました。 その方は、画面のアイコンはなんとなくわかりますが、細かな形や文字は 読めないようでした。 ただ、どの辺にアイコンがあるのかがわかっていれば、 操作をするのに便利だと感じました。 iPadの場合は画面が広いために、どの辺にあるのかだけでもわかれば 操作をするのに便利です。 ご本人の画面の明るさは私の設定に比べてかなり暗い感じとなっています。 私のは最高に明るくしてあるので、見てもらったら私の方が 見やすいようです。 そこで、設定アイコンで画面表示と明るさを選び、明るさのスライダーで 右方向にタッチしていきます。この操作の時、VoiceOverでは上に指をはらうと 明るさが増し、下にはらえばその反対となります。 以前は50パーセントの明るさだったものを80パーセントに明るくしましたが、 やはり見やすいとのことでした。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎セルの書式設定 今回のPDF版は http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201801A/cell_format.pdf をご覧ください。 図1 セルの書式設定のダイアログボックス http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201801A/image001.png 1.[Ctrl]キー+[1]キーで起動して使用する セルの書式設定を起動するショートカットキーは[Ctrl]キー+[1]キーです。 前回使用していたタブが有効になった状態で表示されます。 ここには6個のタブがあります。今回はその中の「表示形式」を例として 説明します。 画面の左側には分類を選ぶリストがあります。 「標準」「数値」「通貨」「会計」「日付」「パーセンテージ」「分数」 「指数」「文字列」「その他」に加え「ユーザー定義」があります。 数値を選ぶと画面は数値に関係する設定の画面に代わります。 図2 数値(セルの書式設定) http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201801A/image002.png 「小数点以下の桁数」設定するスピンボックス([Alt]キー+[C]キーで開く) [桁区切り(、)を使用する]のチェックボックス([Alt]キー+[U]キーで OnOff切り替え) があります。 その下には「負の数の表示形式」を選ぶリストがあります。 音声で利用する場合注意が必要です。リストの中には、「文字を赤にする」 「マイナスの代わりに三角形をつける」や「かっこをつける」などの例が 表示されています。 画面の下には「数値の表示形式を設定します。小数点位置をそろえる場合は, [会計]を選択してください。」の文字列が表示されています。 2.リボンから使用する リボンホームのタブにある「数値」のグループはセルの書式設定の簡易版が あります。下記の手順で行います。 [Alt]キー[H]キー[F]キー[M]キーは、「数値」のタブが選択された状態で セルの書式設定のダイアログボックスが表示されます。 [Alt]キー[H]キー[N]キーにつづいて「下方向キー」を押すと、 「分類のリスト」が表示されます。 図3 表示形式のリスト(リボン) http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201801A/image003.jpg 図4 リボン数値 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201801A/image004.png 図5 通貨記号のリスト http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201801A/image005.png [Alt]キー[H]キー[P]キーはパーセンテージの指定 [Alt]キー[H]キー[K]キーは3桁ごとのカンマのOnOffを変更 [Alt]キー[H]キー[0]キーを押すと小数点以下の桁数1増加 [Alt]キー[H]キー[9]キーを押すと小数点以下の桁数1減少 [Alt]キー[H]キー[A]キー[N]キーは通貨記号を選ぶリストを表示 の機能があります。 3.ショートカットを使用する ショートカットのみで指定する場合 セルの書式をパーセンテージにするには[Ctrl]キー+[Shift]キー+[%] 図6 パーセントスタイルの指定(リボン)Ctrl+Shift+5 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201801A/image006.png 図7 リボン数値の右下のボタン http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201801A/image007.jpg 4.まとめ セルの書式設定で「数値」を操作するには「ダイアログを起動する方法」 「リボンを使用する方法」「ショートカットを使用する方法」があることが わかりました。 リボンの数値のグループには、機能の一部が用意されています。 したがって、どんな機能があるかを知るためには、 ダイアログボックスの内容を知る必要があることがわかりました。 次回はいろいろな表示形式と内部表現について説明します。                          文責 村山慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 パソコンよもやま話 ◎iPhone、iPad関連の参考資料 今までに、iPhone、iPadについて、多くの案内をしてきました。 今回は既に活用されている方も多いかとは思いますが、それらの一部を まとめてみました。 iPhone - Apple サポート 公式サイト https://support.apple.com/ja-jp/iphone 情報機器関連資料 - 日本ライトハウス情報文化センター ※URLが長いため、途中で改行しています。 http://www.lighthouse.or.jp/iccb/publications/index_publications/ jyohokiki/ 視覚障害者のiPad操作 http://ivdss.org/usefulinfo/ipad.html Voice Of i -- 見えなくても使えるiPhone http://voicei-gestures.seesaa.net/ また、サピエに登録されている、daisy書籍のタイトルを下記に示します。 iOSの古いバージョンの物が多いですが、参考になるかと思います。 iPhone買っちゃった!? : けど、使いこなせてないあなたへ iPhone最強の英語学習術 iPhoneなんでも解決大事典 : 基本から使いこなしまで、この1冊にお任せ! iPhone 5s完全ガイド iPhone5お得技ベストセレクション : バッテリー節約術から有料アプリの  入手までほぼ無料でできる裏ワザ大全集! iPhone 5基本&便利技 iPhone5の「わからない」をすべて解決! : トリセツ決定版 あなたの声で操作できるiPhone Siriかんたんガイド いちばんやさしい60代からのiPhone 7/7 Plus スマホの「困った」解決大事典 できるiPhone 6困った!&便利技パーフェクトブック 見えなくても使えるiPhone iCloud & iTunes完璧使いこなしブック : iOS9のiPhone・iPadが  激変します! ※サピエのdaisyの検索ページで、タイトル「iPhone」で検索した結果です。                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎東京でのロービジョンネットワークの活動がスタート 東京眼科医会を中心として「東京ロービジョンネットワーク」作りが スタートしているようです。 東京都眼科医会は、ロービジョン者・視覚障害者に 対する専門的なケアの 円滑 かつ 確実な提供を推進するため、 「東京都ロービジョンケアネットワーク」を策定しました。 このプログラムでは、日常の診療のなかで、ロービジョンあるいは 視覚障害の患者を診て専門的なケアが望まれると判断された場合、 すべての眼科医が、確実に専門施設への連携をとることができるように なっています。 以下の二つの情報があります。 1.ロービジョンケア拠点眼科医療施設 (WEBでの検索・紹介) 2.ロービジョンケアを行っている福祉施設 (WEB・リーフレットでの検索・ 紹介) 以下の項目で代表的な団体や会社が紹介されています。 生活訓練・支援 教育機関 就労支援 視覚障害者団体 用具の販売 図書の貸出 眼鏡製作 販売 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.tougan.org/care/care_index.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎日本財団が提供する公益事業コミュニティサイト - CANPAN 「CANPAN」について、同団体のWebサイトでは以下のように紹介されています。 CANPANプロジェクトは、日本財団および特定非営利活動法人 CANPANセンターによる、市民、NPO、企業などの活動を支援し、 連携を促進することで、民間主体のより豊かな社会づくりに 貢献することを目指すソーシャルプロジェクトです。 CANPANは、"Can(できる)"と"Panacea(万能薬)"を組み合わせた造語です。 CANPANプロジェクトが様々な効能を発揮し、 日本をもっと元気にしたいとの思いを込めて名付けました。 CANPANでは、NPOなどの非営利団体を、さまざまな情報提供や 助成制度、またセミナーの開催などを通して支援しています。 国内では最大規模の非営利団体支援組織ですので、ぜひ一度Webサイトを チェックしてみてはいかがですか。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://fields.canpan.info/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎JAWS18との連携強化!、「ZoomText Ver.11 Magnifier日本語版」  今回は、昨年9月22日に有限会社エクストラから発売された Windows画面拡大表示ソフト「ZoomText Ver.11 Magnifier日本語版」を ご紹介します。  ZoomTextの開発元である米国のAi Squared社がFreedom Scientific社と同じ VFOグループに加入した事により、ZoomText Ver.11から日本語版ローカライズ および輸入・販売を有限会社エクストラにて行うこととなりました。  今回のM&AによりFreedom Scientific社の画面読み上げソフトJAWS for Windows Ver.18とZoomText Ver.11の連携が非常に強化されております。  ZoomTextはWindowsの表示画面を拡大し、見やすくするために開発された ロービジョンの方向けのソフトウェアです。  新ツールバーを採用し、使いやすくすっきりとしたレイアウトに 改良しました。また、覚えやすいホットキーを搭載。旧バージョンのような 競合の問題を改善しました。  拡大率を変更せずに、拡大と標準を切り替え可能になったほか、 従来のxFont拡大機能では難しかったテキストの端の部分も なめらかに表示するようになりました。 IE11の画像を自然な色で表示するスマート反転機能搭載。JAWS18と同時に 読み上げと拡大を使用可能になりました。 ●動作条件 OS:Windows10, 8.1, 7 SP1以降 日本語版の各エディション タッチスクリーン:5点マルチタッチディスプレイが必要 ●価格(税込) ZoomText Ver.11 新規:85,320円(日常生活用具給付等事業制度対象品) Ver.10.1からのバージョンアップ:25,920円 Ver.10からのバージョンアップ:52,920円 Ver.9.1以前からのバージョンアップ:78,840円 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.extra.co.jp/zoomtext/index.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第204回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 第204回仙台ロービジョン勉強会を開催します。 *日時:2018年2月14日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 10階 第2研修室 *内容:障害者地域活動推進センターきりんが果たしてきた役割について *参加費:500円 *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ◎第3回神戸ライトサロン開催のご案内 特定非営利活動法人神戸アイライト協会主催で 第3回神戸ライトサロンを開催 *日時:2018年2月3日(土)13:30〜16:30 *会場:中山記念会館 2階 多目的室 *内容:講演「緑内障を理解しよう」を開催、その後小グループに分かれての  交流会  その他拡大読書器など弱視者向け便利機器体験 *参加費:無料 *お申し込み・お問い合わせ  特定非営利活動法人 神戸アイライト協会  電話:078−252−1912  ファックス:078−221−6029  メール:kela2009eyelight@ac.auone-net.jp ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   無料のネット通話Skypeなどを利用して行う講座で、教室に来なくても   学べます。内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   就労中の視覚障害者を対象とした職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、平成29年度下半期の訓練の受付を行っています。  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座、ワンポイント講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って半日で学ぶ講座です。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在募集している講座はありません。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 現在、3月11日(日)の募集をしています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/offering/index.html *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が大切な活動資金になっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。  また、以下のサイトの中の「応援する」ボタンを毎日押していただくことで SPANを寄付でご支援いただけます。ぜひご協力ください。 http://gooddo.jp/gd/group/span/?from=fbn0 ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2018年がスタートしました。 今年も視覚障害者のICT環境をめぐってはさまざまな新技術が 登場してくると思います。 そうした新しい風を的確にとらえつつ、常にサポートの基本を忘れずに、 読者の皆様に役立つ情報をお届けしていくよう努めてまいります。 本年もどうぞよろしくお願いします。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は2月23日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら http://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━