━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2019年4月号 No.150                       2019年4月26日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  PowerPoint基礎(13)   文字書式の変更と図形の塗りつぶしの変更 ● プロフェッショナルコース  Wordの読み上げ機能 ● 【コラム】 ICT よもやま話  Google Chromecast Audio その3 [2] サポートお役立ちサイト  一般社団法人 音声ナビネット [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  2019年度 助成金申請ガイド(通常募集) 日本財団 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  歩行用障害物探知機、「レイ」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第219回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎PowerPoint基礎(13)  文字書式の変更と図形の塗りつぶしの変更 前回に引き続き図形関連の捜査の説明をします。 前回は3つの図形を体裁よくスライドに配置し、図形の中に文字列を 入力する手順を説明しました。 今回は、図形に入力した文字列の書式を変更して図形の色を変更します。 3つの図形のスライドを開いたところから手順を説明します。 3つの図形の挿入時の文字列の色は「白」です。ちなみに図形の背景色は 「青」になっています。 ここでは3つ目の図形を強調したいので、入力した文字列の文字色を 「緑色」にしてスタイルを太字にします。 1.[Tab]キーを押して3つ目の図形に移動して[Enter]キーを押します。  編集モードになります。 2.カーソルは文字列の右側にあるので[Shift]キー+[左方向]キーを押して  文字列全体を範囲選択します。  【注】 [Shift]キー+[Home]キーを押しても文字列全体を範囲選択することが  できます。 3.[Ctrl]キー+[Shift]キー+[F]キーを押します。  「フォント」のダイアログボックスが開きます。 4.[Tab]キーを押して[スタイル]のコンボボックスに移動し、  [下方向]キーを押してコンボボックスを開き、[上下方向]キーを押して  [太字]に移動します。 5.[Tab]キーを押して[フォントの色]のドロップダウンボタンに移動して  [Enter]キーを押します。「フォントの色」のリストが開きます。 6.[上方向]キーを押して[緑 RGB(0 176 80)]に移動して  [Enter]キーを押します。 7.[Tab]キーを押して[OK]のボタンに移動して[Enter]キーを押します。  文字列の書式が変更されます。 次に図形の色を変更する手順を説明します。 3つ目の図形をより強調するため、図形の背景色を「オレンジ」にします。 1.[Tab]キーを押して3つ目の図形に移動します。 2.[Alt]キーを押してから[Ctrl]キー+[Tab]キーを押して、[図の書式設定]の  作業ウィンドウを表示します。 3.[塗りつぶし]のウィンドウに移動します。 4.[Tab]キーを押して[塗りつぶし(単色)]に移動します。 5.再び[Tab]キーを押して[塗りつぶしの色]のドロップダウンボタンに移動して  [Enter]キーを押します。「塗りつぶしの色」のリストが開きます。 7.[上方向]キーを押して[緑 RGB(0 176 80)]に移動してから  [右方向]キーを押して[オレンジRGB(255 192 0)]に移動して  [Enter]キーを押します。 8.[Esc]キーを押して[図の書式設定]の作業ウィンドウから抜けます。 そうすると図形の塗りつぶしの色が変更されます。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎Wordの読み上げ機能 この資料のPDF版のURLは下記です。 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201904A/word_read.pdf 1.はじめに 最新版の Word2019と365では、校閲に読み上げのアイコンが加わりました。 [Alt]キー+[Ctrl]キー+[Space]キーで機能します。読み上げ中に各単語を 強調します。 図1 Office365 校閲のタブ http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201904A/img365.png 単なる読み上げ機能は、Word2013や2016の場合、機能を追加することで 可能です。 2.設定 [Alt]キー[F]キー[T]キーの順にキーを押すと「Wordのオプション」が 開きます。 [下方向]キーを何回か押して「クイック アクセス ツールバー」まで 移動します。 [Tab]キーを押して、「コマンドの選択」に移動します。 [下方向]キーを何回か押して「リボンにないコマンド」まで移動します。 図2 Wordのオプション http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201904A/img01.png [Enter]キーを押して、確定します。 [Tab]キーを押して、左側のリストに移動します。 「読み上げ」に到達するまでしばらく方向キーを押します。 選択肢が非常に多く、下部にあるので、[End]キーを押してから、 [上方向]キーを使用するとより少ない操作で移動できます。 図3 「読み上げ」に移動した様子 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201904A/img02.png [Tab]キーを何回か押して、「追加」のボタンに移動します。 [Enter]キーを押すと、クイックアクセスツールバーの右端に追加されます。 [Tab]キーを何回か押して、「OK」ボタンに移動します。 [Enter]キーを押して閉じます。 初期状態では3個で下記の例では4個目です。 図4 クイックアクセスツールバーに追加された読み上げのアイコン http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201904A/img03.png 3.読み上げの実行 読み上げたい部分を選択して反転状態にします。 [Alt]キーを押した後、4を押すと読み上げが始まります。 読みあげを停止したい場合はもう一度[Alt]キーを押した後、4を押します。 図5 クイックアクセスツールバーに読み上げのアイコンが追加された様子 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201904A/img04.png 4.Excel Excelも読み上げ機能を追加することができます。 「セルの読み上げ」「読み上げ停止」「Enterキーを押したときに セルを読み上げ」「セルを1行ずつ読み上げ」などがあります。 次回説明します。 図6 Excelで読み上げ機能を追加中の様子 http://smuramura.web.fc2.com/SPAN/201904A/img05.png                          文責 村山慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 ICt よもやま話 ◎Google Chromecast Audio その3 今回の紹介はスマートスピーカーとの連携についてです。 1月号、2月号では主にGoogle Chromecast Audioについて紹介しました。 今回は、Google Chromecast Audioとスマートスピーカー GoogleHomeとの連携についてです。 Google Chromecast AudioとGoogle Homeを連携させる前に、 再度、それぞれの機能と守備範囲を確認しておきましょう。 Chromecast Audioは、手持ちのスピーカーに接続することで、スピーカーを Wi-Fi対応にすることができます。 スピーカーを持っていない状態で、Chromecast Audioだけ購入しても 何も出来ないので注意してください。 Google Homeは、Googleアシスタント内蔵のスマートスピーカーです。 「OK,Google.〇〇をかけて。」と音声で話しかけるだけで、音楽を 再生してくれます。 スマートスピーカーに触れることなく、音楽の再生、スキップ、停止、 曲の変更などができます。 ただ、スピーカーとして本格的なスピーカーと比較すれば音質がおとる事や、 細かな選曲がしづらい場合があります。 では、実際にChromecast AudioとGoogle Homeを連携させてみましょう。 従来、オーディオでは、機器を連携させる場合、ケーブルによる接続が 必要でした。慣れていないと、どのケーブルで、どの端子と端子を 繋いでよいのか困った人もおられたのではと思います。 Chromecast AudioとGoogle Home、そして、セットアップするスマホが 同じWi-Fi環境内にあることが必要です。 デバイス名は自分が分かりやすい名前に設定可能です。Google Home アプリで 設定、確認ができます。 例えば、Chromecast Audioを「クロームオーディオ」に、Google Homeを 「リビング」という名前に設定できます。 それでは、Google Homeへの話かけで、Chromecast Audioのスピーカーから 音楽を再生してみましょう。 「OK Google,クロームオーディオで、ポールモーリアをかけて。」 と話しかければ、Chromecast Audioのスピーカーから、音楽が再生されます。 ちなみに、「OK Google,ポールモーリアをかけて。」と話しかければ、 Google Homeのスピーカーから、音楽が再生されます。 毎回、デバイス名を指定するのは面倒ですから、Google Homeアプリの デバイス設定のデフォルトスピーカーを「クロームオーディオ」にすれば、 デバイス名の指定は不要になります。 この様に設定しておけば、音楽などのストリーミングは Chromecast Audioの接続したスピーカーから流れます。 「OK Google,ポールモーリアをかけて。」と話しかけるだけで、 Chromecast Audioの接続されたスピーカーから音楽を聞くことができます。 時刻や、天気などはGoogle Homeのスピーカーから音声が出ます。 再度、1月号、2月号のコラム記事を読み直してくださいね。                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎一般社団法人 音声ナビネット 視覚障害者が一人で外出できることは大変重要なことです。 視覚障害者がiPhoneを使うことがおおくなり、またGPSの能力が上がる中で 地図を作るボランティアと結びつけば、大変意味のあることです。 こんな中で、一般社団法人 音声ナビネットが作られました。 音声ガイド地図の全国展開により、障害者の移動の不自由や不便さを 軽減・解消することを目的に2019年4月に設立されました。 障害者の外出環境向上による社会参加及び交流促進を目的として、 次の事業を行います。 1.音声ナビアプリ「ナビレコ」で活用する音声ガイド地図の作成と 利用に関する講習会の全国各地での実施 2.音声ガイド地図作成請負 3.障害者の外出環境改善に関する社会への啓発活動 4.その他、障害者の移動の不自由や不便さを軽減・解消する一切の業務 多くの力がこの団体に寄せられ、たくさんの音声案内ができて、 視覚障害者の外出が少しでも改善されるようになればと思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.vnavinet.org/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎2019年度 助成金申請ガイド(通常募集) 日本財団 日本財団の助成金情報です。 同財団のWebサイとでは、実施する助成金について、以下のように 案内しています。 日本財団は、ボートレースの売上を主な財源に活動している民間の 助成財団です。社会が複雑化し、様々な課題に直面するなか、 行政による施策や公的サービスだけでは支援の手が行き届かない問題が たくさんあります。 わたしたちは、このような問題を解決するため、いろいろな組織を巻き込んで 新しい仕組みを生み出し、「みんながみんなを支える社会」を目指して、 助成事業に取り組んでいます。 *対象となる団体 一般財団法人、一般社団法人、公益財団法人、公益社団法人、社会福祉法人、 NPO 法人(特定非営利活動法人)、ボランティア団体(任意団体)など 非営利活動・公益事業を行う団体 *対象となる事業 1.海や船に関する事業 2.社会福祉、教育、文化などの事業 視覚障害関係では、2.が該当すると思います。 なかなか審査の厳しいところですが、逆に、ここで認められれば、 事業が社会で評価されていることの証ともなります。 ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.nippon-foundation.or.jp/grant_application/programs/common ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎歩行用障害物探知機、「レイ」 今回は、株式会社ラビットから発売された歩行用障害物探知機 「Ray(レイ)」をご紹介します。 レイは、超音波を利用して前方の障害物までの距離感を確認できる 歩行用障害物探知機です。 「超音波」で「障害物」を感知し、本体が「振動」します。振動の間隔で、 障害物までの距離感を手元で確認できます。 軽くてコンパクトなポケットサイズなので持ち運びが便利。光源検知機能も ついているので、光源の位置や明るさを電子音と振動で判別可能です。  電池をセットすると自動的に電源がオン。節電のために1分以上 検知されない時は、自動的に電源がオフになります。 再度電源オンにする場合は、【2つあるボタン】を同時に長押し。 手動で電源をオフにする場合は【ボタン1(遠い方のボタン)】を長押し。 【ボタン1】を押して、振動か電子音のどちらかを選択します。 【ボタン2(近い方のボタン)】を押して、物体認識モードを通常モードと エスケープモードから選択します。本体の電源をオンにした時には、 自動的に通常モードに設定されます。 通常モードは最長約2.5mの距離まで超音波が届き、この間にある物体や 障害物を検知します。エスケープモードは超音波の届く距離が約1.7mに減少、 センサーは至近距離にある物体や障害物に反応します。 開かれた戸口や通路を通る時などに便利です。 【ボタン2】を押したまま、本体をさまざまな方向に向けて動かすと、光源を 検知して振動または電子音でお知らせします。 ■仕様 大きさ・重量:縦120mm×横29mm×高さ19mm  約50g(電池を含む) 同梱物:本体、単4型乾電池2本、取扱説明書(墨字)、 実演ガイドCD(デイジー版) 保証期間:1年間 ■価格 定価:53,000円(非課税) 製造元:Care Tec Ltd. ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://rabbit-tokyo.co.jp/caretec ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第219回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 第219回仙台ロービジョン勉強会を開催します。 *日時:2019年5月8日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 11階 第1研修室 *内容:「お互いの業務や最近の取り組みなどを情報交換しよう〜  仙台・宮城版スマートサイトのコーディネート窓口(4か所)からの  情報提供を中心に〜」というテーマでの開催 *参加費:300円 *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   無料のネット通話Skypeなどを利用して行う講座で、教室に来なくても   学べます。内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   就労中の視覚障害者を対象とした職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、平成31年度(令和元年)の訓練の受付を行っています。  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座、ワンポイント講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って半日で学ぶ講座です。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、募集している講座はありません。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 現在、5月12日(日)の募集をしています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/offering/index.html *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が大切な活動資金になっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 間もなく平成の時代が終わり、元号「令和」がスタートします。 ICT(情報通信技術)の分野で平成の30年間がどんな時代だったかといえば、 パソコンの急速な進化、携帯電話の爆発的な普及、また、インターネットが 私たちの生活で欠くことのできない存在になったという点が 挙げられるのではないでしょうか。 そして、今やAI(人工知能)が新しい文化を作りつつあります。 来るべき令和がどんな時代になるか、注目していきたいと思います。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は5月24日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら http://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら http://www.span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━