━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2021年6月号 No.176                       2021年6月25日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  今さら聞けないExcel使い方あれこれ(8)   COUNT関数、COUNTA関数の使い方 ● プロフェッショナルコース  段落番号を使う ● 【コラム】 ICT よもやま話  iOSアプリ iWalkStraight [2] サポートお役立ちサイト  リーフレット『誰もが読書をできる社会を目指して〜読書のカタチを選べる [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  北九州市立介護実習・普及センター 福祉用具プラザ北九州 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  点字文書をデジタル化できる、「てんとも」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第242回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎今さら聞けないExcel使い方あれこれ(8)  COUNT関数、COUNTA関数の使い方 前回は、ROUND関数(ラウンド)、ROUNDUP関数(ラウンドアップ)の使い方を 説明しました。 今回は、COUNT(カウント)関数とCOUNTA(カウントエイ)関数の違いを 説明します。 COUNT関数とCOUNTA関数の違いは両方ともセルの個数を数える関数なのですが 例をあげて説明します。 COUNT関数は、数値が入っているセルの個数を数える関数になります。 関数の書き方は =COUNT(数を数えたい範囲) 仮に受験者名簿をエクセルで作成するとします。 A列に氏名、B列に点数が入っているとします。 A2からA6に氏名、B2からB6に点数が入力されています。 受験者数を求めたい場合の数式は セルB1に =COUNT(B2:B6) と入力します。 上記の数式では、B2からB6までの数値の個数を数えます。 セルB1は「5」になります。 ではその点数が入っているB列の数値のところ全部に「〇」という文字を 入力します。 セルB1には「5」という数字が表示されていましたが、今度は 0になってしまい、上手く数えてくれません。 これは「〇」が数字ではなく文字なので数えてくれなかった為になります。 では今回のように「〇」という文字を数えたい場合は どうすればよいかというと、COUNTA関数(Aがついているので カウントエー関数)を使用すれば数えることができます。 COUNTA関数の書き方は、COUNT関数とほぼ同じで、COUNTをCOUNTAにすれば 使うことができます。 さきほどの例でいくと =COUNTA(B2:B6) になります。 上記をまとめると以下のようになります。 COUNT関数は数値が入っているセルの個数を数える関数になります。 COUNTA関数は空白以外(文字など)のセルの個数を数える関数になります。 【注意】COUNTA関数は、スペースも文字として数えてしまうので 注意しましょう。 いかがだったでしょうか。また再来月! ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎段落番号を使う 1.はじめに 前回は「1.はじめに」というように入力して[Enter]キーを押すと、 段落番号が自動的に発生することと、自動発生を抑制する方法を 説明しました。 今回は自動発生を抑制した状態で活用する方法について説明します。 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2021/06u/danrakubango01.pdf 2.段落番号を選ぶ 段落番号は、リボンの「ホーム」のタブで「段落」のグループにあります。 図1 段落番号のアイコンにマウスカーソルを近づけた様子 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2021/06u/img020.png [Alt]キー [H]キー [N]キー または、マウスでクリックすると、 段落番号の種類を選択するリストが表示されます。 図2 段落番号を選択するリスト https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2021/06u/img030.png 「1.2.3.」「@ A B」「I. II. III.」 「A) B) C)」 「(ア)(イ)(ウ)」「イ)ロ)ハ)」「i. ii. ii.」などが 初期設定されています。私の場合「手順1.」を追加しています。 前回紹介した手段で無効にしても、このリボンから選べば、 段落番号を使用することができます。 例として 「A) B) C)」を選び 「A) あいうえお」[Enter]キーで 「B) 」が表示されます。 [Back Space]キーで解除し「内容」[Enter]キー「説明」を入力します。 図3 入力例 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2021/06u/img052.png 3.段落番号の再開 ここで段落番号を復活したいのでもう一度[Alt]キー [H]キー [N]キーで リストを表示し、「A) B) C)」を選ぶと C)ではなくA)が表示されます。 図4 段落番号でA)が表示された様子 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2021/06u/img060.png [アプリケーション]キーを押して、メニューを表示します。 図5 メニューが表示された様子 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2021/06u/img070.png その中の「自動的に番号を振る(C)」を選ぶと、C)が表示されます。 図6 C)が表示された様子 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2021/06u/img080.png 4.段落番号のレベル(深さ)変更 ここで、[Alt]キー+[Shift]キー+[右方向]キーを押すと、 下のレベルが表示され(ア)が表示されます。 ([Alt]キー+[Shift]キー+[左方向]キーで、レベルを上げることが できます。) 図7 レベル2の段落番号になった様子、と変更の準備 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2021/06u/img090.png (ア)を変更して別の番号などにしたい場合、[Alt]キー [H]キー [N]キーで 開くリストから選びます。 リストにない形式を選びたい場合は、リスト中の 「新しい番号書式の定義(D)」を選びます。 表示されたダイアログボックスの「番号の種類」のリストから選ぶことが できます。 図8 番号の種類のリストを開いたところ https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2021/06u/img100.png                            村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 ICt よもやま話 ◎iOSアプリ iWalkStraight 目が不自由になり、光が確認できる程度までであれば、方向を見極めることも できる場合があります。 しかし、光も分からなくなると、当然のことながら、視覚を活用することが できなく、視覚による方向確認はできなくなります。 歩道などを歩いている場合は、壁や縁石、誘導ブロック、また、反響音などの 活用により、それなりに真っすぐと歩くこともできます。 しかし、横断歩道を渡る場合、道幅が広いと、横断歩道から外れることなく、 歩道にたどり着くまではとても心配です。 これらを防ぐ手段として、エスコートゾーンや、音響信号の場合は 鳴き交わし方式が設置されている場合があります。 まちでさがしてみよう「エスコートゾーン」 http://www.bfed.jp/teach/town/town_dDes.html 「異種鳴き交わし方式」による視覚障がい者用付加装置の運用について/ 長野県警察 https://www.pref.nagano.lg.jp/police/anshin/kisei/nakikawashi.html これらが設置していない場合、まず、方向が間違っていないのかの確認が 必要です。 警告ブロック、縁石や壁などを確認して方向を定めなければなりません。 また、横断歩道から外れないためには、真っすぐと歩くための訓練が 必要です。 ゼブラゾーンの塗装を白杖先で確認している人もいます。 これらの不安をサポートしてくれるアプリです。 「iWalkStraight」をApp Storeで https://apps.apple.com/jp/app/iwalkstraight/id1137994131 説明(翻訳ソフトで和訳) iWalkStraightは、視覚障害者のためのアプリケーションです。 iWalkStraightは、基準点がない場合(例えば、公園を歩いているとき)に、 音声による指示でまっすぐ歩くことをサポートします。 このアプリケーションは、デバイスを手に持ったままでも、 ポケットに入れたままでも使用することができますが、詳細は ウェブサイトの説明をご覧ください。 室内でちょっと使った感想です。 右や、左に曲がってしまった場合に、「左」、「右」、まっすぐだと「OK」と 英語音声でガイドしてくれます。                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎リーフレット『誰もが読書をできる社会を目指して〜読書のカタチを選べる  「読書バリアフリー法」〜』 読書バリアフリーが具体的にどう進められるのか注目したいです。 令和2年7月に公表した読書バリアフリー基本計画では、 インターネットを活用した広報・情報提供体制の充実及び 障害者サービスの充実を図る取組を促進するとされていることから、 文部科学省と厚生労働省が連携し、障害者の方やその御家族の方に 公立図書館や点字図書館等でどのようなサービスが行われているのか、 またどのような本があるのかを知ってもらうためのリーフレット 『誰もが読書をできる社会を目指して〜読書のカタチを選べる 「読書バリアフリー法」〜』 を作成したとのことです。 テキストデータ版も掲載されていますので、内容を見てください。 文部科学省 https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/mext_01304.html 厚生労働省 ※下記URLが長いため、途中で改行しています。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/ shougaishahukushi/sanka/bunka_00003.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎北九州市立介護実習・普及センター 福祉用具プラザ北九州  中途視覚障害者緊急生活訓練 今回は北九州市の施設紹介です。 この施設では、高齢者や障碍者に対してさまざまなサービスを 実施していますが、視覚障害者に関する事業にも力を入れています。 それが「中途視覚障害者緊急生活訓練」です。 これは、北九州市から委託を受けた中途視覚障害者に対する支援で、 以下のような訓練を専門スタッフが行っています。 ・歩行訓練 ・コミュニケーション訓練 ・日常生活動作訓練 ・社会参加訓練 この中の「コミュニケーション訓練」で、パソコンやスマートフォンなどの 操作方法についての指導を行っています。 こうした支援は、地域に住む視覚障害者にとって貴重なものになっていると 思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.kati.gr.jp/# ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎点字文書をデジタル化できる、「てんとも」 今回は、2019年11月5日に株式会社アイフレンズから発売された 点字文書読み取りソフト「てんとも」をご紹介します。 てんともは「点字文書を読み上げる、点字ファイルに保存する」を、 誰でも簡単に行えるように工夫した点字文書読み取りソフトです。 「よみとも10」の点字文書読取機能を単独のソフトウェアとして 製品化しました。 高精度の点字画像認識技術により、点字文書の両面を同時に読み取り、 その内容をテキスト変換してなめらかな音声で読み上げます。 6点点字で書かれた日本語、外国語、楽譜、化学式、数式などの点字文書を スキャナにセットして読み取れば点字データ化、拡大表示、音声読み上げ、 ファイル保存、点字ディスプレイ表示が可能です。 操作は簡単!パソコンに接続したスキャナに点字文書を載せて ボタンを押すだけで、読み取った点字を「ひらがな」または 「漢字かな交じり文」に変換しテキスト表示して読み上げますので、 点字を知らない方でも点字文書の内容を容易に理解できます。 読み上げながら次の原稿の読み取りもできます。 読み取った点字文書をそのままBSE形式の点字ファイルに保存することが できますので、点字固有の記号も削除されずに原文のまま復元できます。 標準搭載の音声の他にもPC-Talkerなどの好みの音声に切り替えることも できます。 【主な仕様・動作環境】 ・推奨OS:Windows10(32/64bit日本語版) ・メモリ:2GB以上(64bit版は4GB以上)を推奨 ・HDD:20GB以上 ・スキャナ:A4サイズのエプソン製GTシリーズ(GT-S650推奨) ・点字ディスプレイ:ブレイルメモ、ブレイルセンス、清華など ・付属品:プログラムDVD、マニュアルCD(音声デイジー・活字データ収録)、 ユーザー認証用USBキー ●価格:44,000円(税込) *日常生活用具対象品 ●協力:クリナップソリューション株式会社 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://kilali.net/shop/online/goodsprev.cgi?gno=aif0004 ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第242回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 第242回仙台ロービジョン勉強会を開催します。 *日時:2021年7月14日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 11階 第1研修室 *内容:「『希望の星』のこれまで・現在・これから」 *参加費:500円  (お釣りのないように) *定員:30名 *事前申込期限:7月8日(木)  (オンライン参加も可能) *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。 ★教室での訓練や講座、またジョブコーチによる支援を再開しています。  ただし、一部はオンラインによる実施となっています。  詳しくはお問合せください。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   ネット通話アプリZoomミーティングやSkypeなどを利用して   行う講座で、教室に来なくても学べます。   内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   東京都内に在勤、または在住の就労中の視覚障害者を対象とした   職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、令和3年 上期の訓練の受付を行っています。  ・ジョブコーチ支援   訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援です。視覚障害者が   勤務する職場環境の整備や職業スキルの向上を図ります。   詳しくは、東京障害者職業センター、またはSPANに  お問い合わせください。  東京障害者職業センター   https://www.jeed.or.jp/location/chiiki/tokyo/index.html  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座、ワンポイント講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って1〜4時間で学ぶ講座です。   いずれも遠隔で実施する場合があります。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、7月3日の遠隔ワンポイント講座の募集を行っています。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 現在、新型コロナウイルスの影響により休止しています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/offering/index.html *資格取得コース  視覚障害者が受験できる資格試験受験のための対策講座を行います。  現在、以下の資格取得コースの募集を行っています。  ・ 日商PC検定2級(データ活用)  2021年9月期  ・ 日商PC検定3級(文書作成) 2021年7月期  ・ 日商PC検定3級(データ活用)  2021年7月期 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が、活動を続けるために不可欠なものとなっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 全国でコロナのワクチン接種が進んでいますが、その予約で苦労している 視覚障害者の声を多く耳にしています。 電話がかかりにくいが、ネットでの予約ができない。ネット予約の操作が うまくできない。などさまざまですが、仕組みそのものが視覚障害者にとって 利用しやすいか、検証の必要があると感じています。 「誰一人取り残さない」という国の基本方針、私たちに何ができるかを 考えさせられました。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は7月23日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら https://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら https://span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━