━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2022年1月号 No.183                       2022年1月28日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  iOS15の「拡大鏡」 ● プロフェッショナルコース  Microsoft Edgeブラウザについて ● 【コラム】 ICT よもやま話  iPadで画面分割 [2] サポートお役立ちサイト  ICTを活用した視覚障害者の読書はどのようにされているか [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  岩手県立視聴覚障がい者情報センター [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  最新の点字音声携帯情報端末、「ブレイルセンスシックス日本語版」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第249回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎iOS15の「拡大鏡」 iOS15では「拡大鏡」が「アクセシビリティ」から消えて、 標準アプリになりました。 今までは、「設定」⇒「アクセシビリティ」と進むと、VoiceOverの下に 「ズーム」、その下に「拡大鏡」がありました。 そして「拡大鏡」をオンにすると使うことができました。 iOS15では、「アクセシビリティ」からなくなり、最初からOSに入っている 独立のアプリとなりました。 つまり「アクセシビリティ」の一つの機能から「標準アプリ」に なったわけです。 それはともかく、使い方の基本などは全く同じです。 小さくて見えない時に、拡大して見たいことがある方もいると思います。 iPhoneを取り出して、サッと「拡大鏡」を起動させたいものです。 でも「拡大鏡」のアイコンを探すようでは面倒です。 この場合は、ショートカットを使ってください。 VoiceOverを常時使っている方も、拡大すればわかる方もいると思います。 「設定」⇒「アクセシビリティ」と進み、最後に「ショートカット」が あります。それを開いて「拡大鏡」にチェックを入れてください。 ホームボタンのある機器ならホームボタンを3回、トントントンとすれば 「拡大鏡」が起動します。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎Microsoft Edgeブラウザについて 下記はPDF版のURLです。 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/01B/202201A.pdf マイクロソフトEdgeの初期設定では、いろいろな情報が表示されますが、 シンプルな画面が好きなのでシンプルなレイアウトに設定しています。 図1 起動後の画面 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/01B/img/eg01.png 今回は、PDFの取り扱いについて紹介します。 作成者が禁止していなければ、読み上げや書き込みができます。 読み上げですが、現在のWordは文節の先頭が英字の場合、以後の日本語が 読み飛ばされます。試したところ、ブラウザでは飛ばされないで 読んでいます。 2022/01/19現在 Windows11 21H2 OSビルド 22000.434 PDFファイルを選び、右クリックまたは、[アプリケーション]キーや [Shift]キー+[F10]キーでメニューを開きます。 その中の「Microsoft Edge」を実行します。 図2 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/01B/img/erabu.jpg (ア)文章をはじめから読み上げる。 タイトルの下の行にある「音声で読み上げる」をクリックします。 キー操作の場合、[Tab]キーを何回か押して「音声で読み上げる」まで移動して [Enter]キーです。 読み上げが開始すると、読み上げている部分以外が薄くマスクされます。 図3 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/01B/img/clk.jpg 図4 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/01B/img/read_ing.jpg (イ)読み上げ機能2 範囲を選択して読み上げ 読み上げたい部分を選択状態にしてから、右クリックまたは [アプリケーション]キー、または[Shift]キー+[F10]キーで 表示されるメニュー中の「選択部分を音声で読み上げる(U)」で 読み上げが開始します。 図5 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/01B/img/bubun.jpg (ウ)読み上げ速度の調整 音声オプションを選ぶとスピードや、音声の選択ができるようです。 図6 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/01B/img/option.jpg                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 ICt よもやま話 ◎iPadで画面分割 貴方はiPadで画面分割ができることをご存知でしたか? これができれば、画面上に表示しているアプリ間で ドラッグ&ドロップすることで、画像やファイルを移動することが 可能になりますよね。 パソコンでは日常的にしている操作です。 なお、すべてのアプリを同時に表示・操作できるわけではなく、 アプリが各マルチタスキング機能に対応している必要があります。 * iPad Pro、iPad Air 2以降、iPad(第5世代)以降、iPad mini 4以降で 利用できます。 iPadで画面分割する方法にはいくつかあります。 今回は アプリ画面で2つ目のアプリを起動して表示・操作できる 「Slide Over」について紹介します。 iPadでの「Slide Over(スライドオーバー)」機能の使い方 | iPad Wave https://www.ipodwave.com/ipad/howto/multitasking_slide_over.html より、一部引用します。 「Slide Over(スライドオーバー)」は、起動しているアプリ上に 2つ目のアプリを表示・操作することができる機能です。 同時に表示しているアプリ間でドラッグ&ドロップによる画像や ファイルの移動することが可能となっており、写真アプリから画像を ドラッグ&ドロップでメールに添付することなども可能です。 2つ目のアプリは右端または左端に表示して操作可能で、 2つ目のアプリを表示中も、1つ目のアプリを操作することができます。 ●iPadでのSlide Over機能の操作方法 1.iPadの「Slide Over」機能で、アプリ起動中に他の(2つ目の)  アプリを開くには、画面下からスワイプしてDock(ドック)を表示します。 2.表示したDockから起動したいアプリをドラッグして、画面上に  ドロップします。  すでに起動しているアプリを開いたまま、2つ目のアプリを起動して  表示・操作できます。 2つ目のアプリ画面は上部のバーをスライドすることで、右端・左端に 画面を移動することが可能です。 iPadの画面上に同時に表示している2つのアプリ間で ドラッグ&ドロップすることで、画像やファイルを移動することができます。 *iPadでのドラッグ&ドロップの使い方については次回に紹介予定です。 iPadのSlide Over機能で開いたアプリを画面外に一時的に隠す iPadの「Slide Over」機能で開いた2つ目のアプリは、画面上部の「―」を 右端にドラッグすることで、画面の外に一時的に隠すことができます。 なお、画面右端から左にスワイプすることで、隠している2つ目のアプリを 画面上に再表示することができます。 ●VoiceOverがOnの場合の操作方法は以下です。 1.予め、画面下部のDockに、分割したい二つのあぷりを準備しておきます。  Dockにアプリを無理に追加しなくても、右下の候補一覧でも大丈夫です。 2.まず、一つ目のアプリを開きます。 3.画面下から1本指で上にスライドして、中ほどまで移動してから、  下に戻します。 4.Dock画面に、アプリが表示されるので、起動したいアプリを選び、  上下にスワイプすることで、左右の表示位置を選ぶことができます。 いろいろと、試して楽しんでください。 つづく                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎ICTを活用した視覚障害者の読書はどのようにされているか 視覚障害といっても、様々な程度や、特徴があります。 また、読むものや、利用の仕方でいろいろな読書の仕方があります。 多用な読書サポートを知る良い情報があります。 それが、今回ご紹介する読書バリアフリーオンライン講座です。 「映像で知る!多様な読書方法 〜ICTを活用した読書サポート入門編〜」を YouTubeで公開中! 視覚障害者など、読書に困難のある人たちにも読みやすい 「アクセシブルな書籍」とは?これからの時代の読書サポートとは? 多様な読書方法、特にICT(情報通信技術)を活用した 読書支援ツールやサービスの数々が、盛りだくさんの実例映像とともに 紹介されています。 少し長いですが、大変わかりやすいものになっています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=mvdk-Tgxx0Y&feature=emb_title ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎岩手県立視聴覚障がい者情報センター 岩手県が設置・運用している、視覚障害者、聴覚障害者のための情報提供や プライベートサービスなどを行っている施設です。 *主な事業(視覚障害者対象) ・点字図書館 ・ボランティアの養成 ・プライベートサービス(録音・点字図書) ・対面朗読 ・点字指導 ・パソコン講習 ・情報機器の貸出 ・JBニュースの提供 地域の視覚障害者にとってはなくてはならない施設です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.aiina.jp/site/sityoukaku/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎最新の点字音声携帯情報端末、「ブレイルセンスシックス日本語版」 今回は、昨年9月24日に有限会社エクストラから発売された 点字音声携帯情報端末「ブレイルセンスシックス日本語版」をご紹介します。 本製品はAndroid10を搭載した最先端の点字音声情報端末です。 ブレイルセンスシリーズの基本機能を継承し、点字と音声で快適な モバイル環境を実現します。 Octa-coreと6GBのRAM、128GBのUFS2.1を搭載しています。 SDカードやUSBホストポートによりストレージの拡張も可能。また、USB3.0の マイクロUSBポートを使って超高速のデータ転送や充電を可能にしています。 フル充電の状態から18時間連続使用が可能です。 電卓機能、辞書機能、点字やテキストのデータの読み込みや作成が可能な 高機能ワードプロセッサを搭載。DAISY再生やFMラジオ、メディアプレーヤー、 電子メールといった基本機能に加え、モバイルスクリーンリーダーを 使うことでAndroidアプリの利用が可能になります。 開発元の作成したアプリのみ使用可能な従来のブレイルセンスと比べ、 より自由に、多くのアプリケーションを活用することができます。 ただし、シックスは、Androidアプリすべてが正常に動作することを 保証していません。モバイルスクリーンリーダーでアプリを使用するため、 一般的なAndroid端末に比べて操作が困難な場合があります。 ■仕様 サイズ・重さ:横245mm、奥行144mm、高さ22mm  705g 点字ディスプレイ:32セル キーボード:パーキンス式点字キーボード Bluetooth:Bluetooth5.1 基本アプリ:ファイル管理、ワードプロセッサ、ノートパッド、電子メール、 メディアプレーヤー、FMラジオ、ポッドキャスト、DAISYプレーヤー、 文書リーダ、DAISYオンライン、アドレス帳、予定帳、データベース管理、 ウェブブラウザ、ウィキ検索、エクセルビューア、センス辞書、 カラーリーダー、電卓、時計、コンパス、アラーム、ストップウォッチ 保証期間:1年間 ■価格(すべて税込) ブレイルセンスシックス:658,900円、日常生活用具給付等事業制度候補品 キャンペーン価格:625,900円(2022年3月末まで) ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.extra.co.jp/sense/bs6.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第249回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 第249回仙台ロービジョン勉強会を開催します。 *日時:2022年2月9日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 10階 第2研修室 *内容:Windows画面拡大ソフト「ZoomText2021」のご紹介 *参加費:500円  (お釣りのないように) *定員:30名 *事前申込期限:2月3日(水)  (オンライン参加も可能) *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ◎第1回神戸ライトサロン開催の ご案内 *日時:2022年2月19日(土)13:30〜15:00 *場所:中山記念会館 2階 多目的室 *定員:20名 *内容:中山記念会館ミニ見学、サロン(小グループに分かれての交流会 *参加費:無料 *お申込み・問合せ先:神戸アイライト協会  Tel:078-531-6340(火曜から土曜 10時から16時)  E-Mail:kela2009eyelight@ac.auone-net.jp  URL:https://eyelight.eek.jp/ ◎SPANからのお知らせ 第128回インストラクター養成講座(3月13日)のご案内 https://span.jp/activity/#future20220313 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。 ★教室での訓練や講座、またジョブコーチによる支援を再開しています。  ただし、一部はオンラインによる実施となっています。  詳しくはお問合せください。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   ネット通話アプリZoomミーティングなどを利用して  行う講座で、   教室に来なくても学べます。   内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   東京都内に在勤、または在住の就労中の視覚障害者を対象とした   職業訓練で費用負担はありません。   → 令和4年上期の訓練の受付は3月から開始する予定です。  ・ジョブコーチ支援   訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援です。視覚障害者が   勤務する職場環境の整備や職業スキルの向上を図ります。   詳しくは、東京障害者職業センター、またはSPANに  お問い合わせください。  東京障害者職業センター   https://www.jeed.or.jp/location/chiiki/tokyo/index.html  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座、ワンポイント講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って1〜4時間で学ぶ講座です。   いずれも遠隔で実施する場合があります。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、募集している講座はありません。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 現在、3月13日の講座の受付を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/offering/index.html *資格取得コース  視覚障害者が受験できる資格試験受験のための対策講座を行います。  現在、以下の資格取得コースの募集を行っています。  ・ 日商PC検定2級(データ活用)  2022年1月期  ・ 日商PC検定3級(文書作成) 2022年1月期  ・ 日商PC検定3級(データ活用)  2022年1月期 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が、活動を続けるために不可欠なものとなっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2022年がスタートしました。 今年もコロナとの付き合いが続くと思いますが、視覚障害者のICT環境は、 デジタル庁の活動が本格化することから、大きな変化が予想されます。 私たちの活動も「誰一人取り残さない」という気持ちで 進めていきたいと思っています。 皆様にとって実のある年になりますように。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は2月25日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら https://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら https://span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━