━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2022年6月号 No.188                       2022年6月24日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  今さら聞けないExcel使い方あれこれ(14) ● プロフェッショナルコース  メモ帳でWindowsの基本操作を体験とWindows11 ● 【コラム】 ICT よもやま話  windowsショートカットキー [2] サポートお役立ちサイト  白杖についての豆知識、誘導の話 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  社会福祉法人石川県視覚障害者協会 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  最新の音声点字携帯情報端末、「ブレイルセンスシックスミニ日本語版」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第254回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎今さら聞けないExcel使い方あれこれ(14) 今回もExcelの基本の続きです。 内容は、シート名の変更です エクセルのワークシートの名前は変更することができます。 「Sheet1」という名前を「テスト」に変更します。 1.「Sheet1」を選択します。 2.[Alt]キーを押してリボンに移動します      。 3.[左右矢印]キーで、「ホーム」タブを選択します。 4.[Tab]キーで、「書式」を選択し[Enter]キーを押します。 5.[下矢印]キーで、「シート名の変更」を選択し  [Enter]キーを押します。  * アクセスキー: Alt H O R キーを順番に押します。 6.「シート名の変更」のエディットボックスが表示されます。 7.『テスト』と入力して[Enter]キーを押します。 「Sheet1」が「テスト」という名前に変更されます。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎メモ帳でWindowsの基本操作を体験とWindows11 Windows本来の操作を学習するには、メモ帳が最適と話してきました。 しかし、Windows11からメモ帳は全く新たな概念を持ったアプリになりました。 1.Windows10までの伝統的なメモ帳 伝統的なWindowsのアプリは、一番上がタイトル行、その下がメニューバーに なります。 メニューバーにはファイル(F)、編集(E)、書式(O)、表示(V)、ヘルプ(H)と 書いてあります。 例えば、表示(V)は、[Alt]キー+[V]キーで表示メニューが開くことを 意味しています。 [Alt]キーを押すと、タイトル行の左端にある、ファイル(F)が アクティブになります。 [右方向]キーを押すと、その右にある項目に移動します。 ファイル(F)、編集(E)、書式(O)、表示(V)、ヘルプ(H)の順に移動します。 さらに、[右方向]キーを押すと、タイトル行の左端にある 「コントロールアイコン」に移動します。もう一回右方法キーを押すと、 元のファイル(F)に戻ります。 つまり、[Alt]キーを押して離した後、[右方向]キーを押していけば、 大体どんな機能があるかが音声化ソフトによる読み上げでわかるわけです。 また「表示(V)」が有効な時に、[下方向]キーを押せば、そのメニューが 開きます。 その中のズームの右端には > があるので、[右方向]キーを押すと サブメニューが開きます。視覚的に理解しやすいです。 図1 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/06A/memo10_040.png 表示メニューの項目「ズーム」で右方向を押してサブメニューが開いた様子 2.Windows11の新型メモ帳 デザインとメニュー構造が大きく変更されました。 メニューバーの項目は3個(ファイル、編集、表示)と設定のマークに 整理されました。 ファイルの後には(F)はありません。しかし、従来と同様に [Alt]キー+[F]キーでメニューを開くことはできます。 [Alt]キーを押すと、アクセスキーが表示されます。 図2 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/06A/memo11_020.png Windows11のメモ帳で、アクセスキーが表示された様子 方向キーを押すと 移動できるのは ファイル、編集、表示だけです。 右端にある 設定や、コントロールアイコンには移動できません。 図3 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/06A/memo11_060.png メニューバーの「編集」がアクティブになっている様子 サブメニューへの移動ですが、[右方向]キーではできなくなりました。 [Enter]キーなら可能です。 図4 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/06A/memo11_030.png サブメニューが表示された様子 従来は[F1]キーでアプリに用意されたヘルプ情報が表示されましたが、 Windows11ではインターネット検索になります。 もちろん、ネットワークに接続していない場合は、機能しません。 保存しないで終了する場合、保存するかを問い合わせる画面が表示されます。 この画面も大きく変わりました。 従来は、保存する(S) 保存しない(N) キャンセル と表示されましたが Windows11では 保存、保存しない、キャンセル とだけ表示されます。 アルファベットキーで 機能を選ぶことはできません。 図5 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/06A/memo10_020.png 保存の有無問い合わせWindows10 図6 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/06A/memo11_050.png Windows11 保存有無問い合わせ 次回も、Windows11で変更されたデザインについて報告します。                         文責 村山 慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 ICt よもやま話 ◎windowsショートカットキー 久しぶりにwindows関係について紹介します。 windowsを使用した後は、当然ながら、windowsの終了、すなわち 電源を切らなければなりません。 みなさんはどのようにして電源を切っていますか? ほとんどの方が、スタートメニューから「シャットダウン」を 選択されているのではと思います。 スクリーンリーダー使用者で、何かのトラブルで音声が出なくなった場合は どうされますか? *実際にこのような相談を受けることがあります。 その様な場合にも役立つショートカットキーです。 [windowsロゴ]キーを押しながら、[X]キーを押すと、 メニューが表示されるので、一旦キーを話します。 引き続き[U]キーを2回押せば、終了します。 1回目の[U]キーのつぎに、[R]キーを押せば再起動します。 [U]キーを押さずに、上下カーソルキーを押せば、メニューの内容を 確認することができます。 ついでに、[windowsロゴ]キーを押しながら、[B]キーを押せば、 タスクトレイの内容を確認することができます。 確認したい内容のところで、[アプリケーション]キーを押してみてください。 [アプリケーション]キーは標準キーボードであれば、[エンター]キーの2つ下が [Ctrl]キーなので、その左側です。                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎白杖についての豆知識、誘導の話 視覚障がい者に歩行訓練をしてくださる歩行訓練士のお話を なかなか聞く機会はないと思います。 白杖のこといろいろ知ることができます。 また誘導の仕方など、易しく実例で紹介しています。 「馬場村塾」のBABAスタ6月配信のユーチューブです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://youtu.be/yPS7rzMksHU ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎社会福祉法人石川県視覚障害者協会 今回は団体紹介です。 石川県の視覚障害者団体で、石川県視覚障害者情報文化センターの運営に 当たっています。 *事業案内 ・点字図書・録音図書の貸し出し ・会報・図書案内の発行 ・点字出版印刷 ・公共施設等点字サイン・音声案内の監修 ・ロービジョン(弱視者)支援 ・ITサポートセンター ・相談・生活訓練 ・歩行訓練/コミュニケーション訓練(点字、パソコン、スマホ等)/ 日常生活訓練など ・視覚障害者用用具の紹介 ・イベント・教室の主催 ・ボランティアの養成・研修 ・視覚障害者支援ネットワーク「ビジョンケアネット石川」の運営 ・理解啓発活動 ・障害者スポーツ活動 多種多様なサービスを提供して地域の視覚障害者を支援しています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://ishishikyo.jp/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎最新の音声点字携帯情報端末、「ブレイルセンスシックスミニ日本語版」 今回は、5月23日に有限会社エクストラから発売された 20マス点字ディスプレイ搭載の音声点字情報端末 「ブレイルセンスシックスミニ」をご紹介します。 本製品はAndroid10を搭載したブレイルセンスシックスの小型版です。 ブレイルセンスシリーズの基本機能を継承し、点字と音声で快適な モバイル環境を実現します。 Octa-coreと6GBのRAM、128GBのUFS2.1を搭載しています。 SDカードやUSBホストポートによりストレージの拡張も可能。また、USB3.0の マイクロUSBポートを使って超高速のデータ転送や充電を可能にしています。 電卓機能、辞書機能、点字やテキストのデータの読み込みや作成が可能な 高機能ワードプロセッサを搭載。DAISY再生やFMラジオ、メディアプレーヤー、 電子メールといった基本機能に加え、モバイルスクリーンリーダーを 使うことでAndroidアプリの利用が可能になります。 開発元の作成したアプリのみ使用可能な従来のブレイルセンスと比べ、 より自由に、多くのアプリケーションを活用することができます。 ただし、シックスは、Androidアプリすべてが正常に動作することを 保証していません。 モバイルスクリーンリーダーでアプリを使用するため、 一般的なAndroid端末に比べて操作が困難な場合があります。 ■仕様 サイズ・重さ:横185mm、奥行103mm、高さ23mm  430g キーボード:パーキンス式点字キーボード Bluetooth:Bluetooth5.1 カメラ:13MP内蔵オートフォーカスカメラ、USB接続で外部カメラ使用可 バッテリー:容量3350mAh  約3時間でフル充電可能、連続使用時間12時間 基本アプリ:ファイル管理、ワードプロセッサ、ノートパッド、電子メール、 メディアプレーヤー、FMラジオ、ポッドキャスト、DAISYプレーヤー、 文書リーダ、DAISYオンライン、アドレス帳、予定帳、データベース管理、 ウェブブラウザ、Google検索、ウィキ検索、エクセルビューア、センス辞書、 カラーリーダー、電卓、時計、コンパス、アラーム、ストップウォッチ ■価格:398,000円(非課税)、日常生活用具給付等事業制度候補品 保証期間:1年間 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.extra.co.jp/sense/bs6mini.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第254回仙台ロービジョン勉強会開催のご案内 アイサポート仙台(仙台市中途視覚障害者支援センター)では、 第254回仙台ロービジョン勉強会を開催します。 *日時:2022年7月13日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 11階 第1研修室 *内容:ブラインドメイクについて *参加費:500円  (お釣りのないように) *定員:30名 *事前申込期限:7月7日(木)  (オンライン参加も可能) *お申し込み・お問い合わせ先:アイサポート仙台 仙台市中途視覚障害者  支援センター  Tel:022−212−1131  E-Mail:sisien@sky.plala.or.jp 詳しくは上記お電話かメールにてお問い合わせください。 ◎2022全国ロービジョンセミナーのご案内 日本視覚障害者職能開発センターでは2022全国ロービジョン(低視覚) セミナーを開催いたします。 *開催日時:2022年7月30日(土) 10:00〜16:00 *開催方法:会場参加とオンライン参加(Zoom)を組み合わせた  ハイブリッド型での開催 *会場:戸山サンライズ(東京都新宿区戸山1-22-1) *定員:会場参加が100名、オンライン参加が250名(いずれも申込先着順) *参加費:無料 *申し込み期限:7月22日(金) *申し込み方法:原則、以下の申込ページからお願いします。 https://www.jvdcb.jp/seminar/lowvision/apply ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.jvdcb.jp/seminar/lowvision/lowvision2022/ ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。 ★教室での訓練や講座、またジョブコーチによる支援を再開しています。  ただし、一部はオンラインによる実施となっています。  詳しくはお問合せください。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   ネット通話アプリZoomミーティングなどを利用して  行う講座で、   教室に来なくても学べます。   内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   東京都内に在勤、または在住の就労中の視覚障害者を対象とした   職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、令和4年上期の訓練の受付を行っています。  ・ジョブコーチ支援   訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援です。視覚障害者が   勤務する職場環境の整備や職業スキルの向上を図ります。   詳しくは、東京障害者職業センター、またはSPANに  お問い合わせください。  東京障害者職業センター   https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/tokyo/  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、夜間講座、ワンポイント講座   土曜日やウイークデーの夜間にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って1〜4時間で学ぶ講座です。   いずれも遠隔で実施する場合があります。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、募集中の講座はありません。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 現在、7月10日の講座の受付を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/offering/index.html *資格取得コース  視覚障害者が受験できる資格試験受験のための対策講座を行います。  現在、以下の資格取得コースの募集を行っています。  ・ 日商PC検定2級データ活用  2022年7月期  ・ 日商PC検定3級文書作成 2022年7月期  ・ 日商PC検定3級データ活用  2022年7月期 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が、活動を続けるために不可欠なものとなっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2022年も半分が過ぎようとしています。 コロナの終息が見えない中、日常生活が少しずつ戻ってきています。 視覚障害者関連の活動もオンラインだけでなく、対面でのイベントなども 増えてきました。 まさに、手探りしながらの「withコロナ」だと感じています。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は7月22日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら https://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら https://span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━