━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2022年7月号 No.189                       2022年7月22日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  大きすぎて困ってしまう場面 ● プロフェッショナルコース  Windows11のペイント ● 【コラム】 ICT よもやま話  最新の機器、アプリなど [2] サポートお役立ちサイト  ブラインドITヘルパーの取り組みを開始 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  社会福祉法人 京都ライトハウス [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  今月末まで割引キャンペーンを実施中!、「イージータクティクス」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  視覚障害者就労支援機関情報交換会 鼎談のご案内 [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎大きすぎて困ってしまう場面 先日サポートをされている方が、「iPhoneの画面に表示されているものが 極端に大きくなって動かなくなり、大変な思いをした」ということを 話していました。 一つのアイコンが全画面いっぱいになってしまい、「拡大をやめてくれ」と 叫びたくなりますね。 「ズーム」機能のすごさも、邪魔になってしまいます。 VoiceOverがオフになっている場合でも、一本指では動かないのです。 「大きいまま、固まった」と考えてしまいますね。 このような時は、3本の指を付けて、滑らせると動きます。 動くと一安心しますね。固まってはいないのでした。 ここで、3本指でダブルタップしてそのまま話さずに下方向に滑らせると、 倍率が小さくなります。 これは、VoiceOverをオンにしている場合も同じ動作です。 「ズーム機能」がオンになっている場合は、3本指でダブルタップしても、 音声の停止にはなりません。 音声停止は、3本指で3回=トントントン、としてください。 ズームがオンの場合はVoiceOverの操作は一つ回数を増やしてください。 私のように、音声と拡大をいろいろと使い分けていると、この操作が わからなくなります。 実際に「ズームしていなくても、設定でズームがオンになっていると、 このようになるわけです。 気を付けて、ズーム機能を便利に使ってください。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎Windows11のペイント https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/07B/0718.pdf 今回は見える人よりの情報提供になりますが、今後のWindowsの動向を 示しているので掲載します。 Windows11 では、ペイントが新しいアプリケーションになりました。 伝統的な操作方法から、新しい操作方法になっています。 キーボードでの操作は、すこしむつかしくなりました。 私は晴眼者ですが、キー操作できていたいくつかの操作が できなくなったことは、残念です。 1行目はタイトル行で、以前と変わりがありません。 2行目はメニューバーで「ファイル」「表示」「保存(フロッピーディスクの マーク)」「元に戻す」「やり直し」で、右端にあるアイコンは 「フィードバック」で意見などを伝えるためのURLとなっています。 伝統的なデザインなら「ファイル(F)」のようになっていますが、 アクセスキーのFがありません。 [Alt]キーを押してもメニューバーにフォーカスが移動しません。 [Alt]キー+[F]キーを押してもファイルメニューは開きません。 その下には、リボンのようにアイコンが沢山並んでいます。 [Alt]キーを押した後、[Tab]キーを押すと右下にある縮小のボタンが アクティブになります。 さらに[Tab]キーを押すと、倍率のスライダー、拡大のボタンと移動したあと、 2行目のメニューバーに移動します。 ファイル、表示、保存、元に戻す、やり直し、フィードバックの順に 移動します。 さらに、[Tab]キーを押すと、リボンのボタンに移動します。 起動直後のペイント https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/07B/0718.pdf マウスでファイルをクリックした直後 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/07B/img020.png ここでも単に「開く」で以前のように「開く(O)」ではありません。 このメニューに用意されているショートカットは [Ctrl]キー+[N]キー、 [Ctrl]キー+[O]キー、 [Ctrl]キー+[S]キー、 [Ctrl]キー+[P]キー だけです。 メモ帳を起動して、操作し、[Ctrl]キー+[N]キーを押せば、 ファイルメニューが開きます。 ファイルメニューが開いた状態で、[右方向]キーを押すと、 右隣の表示メニューが開きます。 グリッドとルーラーを表示した例 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/07B/img100.png 画像のプロパティ https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2022/07B/img190.png 使用できるショートカット一覧 [Ctrl]キー+[N]キー 新規作製(New) [Ctrl]キー+[O]キー 画像ファイルを開く(Open) [Ctrl]キー+[S]キー 上書き保存(Save) 新規作製で保存してない場合は、 旧名前を付けて保存するダイアログボックスが開きます。 [Ctrl]キー+[P]キー 印刷(Print) 印刷のダイアログボックスが開きます。 [Ctrl]キー+[A]キー すべて選択(All) [Ctrl]キー+[E]キー 画像のプロパティ [Ctrl]キー+[R]キー ルーラー(ruler)を表示する、しないの切り替え [Ctrl]キー+[G]キー グリッド(Grid)を表示する、しないの切り替え [F11]キー 全画面表示 ※[F1]キーでヘルプが表示されることはありません。                          文責 村山慎二郎 ****************************************************************** ● 【コラム】 ICt よもやま話 ◎最新の機器、アプリなど 7月15日から、17日まで、名古屋国際会議場で、 第30回視覚障害リハビリテーション研究発表大会が開催され、 併設行事として機器展示も行われました。 その中から、最新の情報2つをお知らせします。 視覚障害リハビリテーション研究発表大会 https://www.jarvi.org/conf/ ○エンビジョングラス エンビジョングラスは視覚障害者支援アプリ「Envision AI」と 連携して使用する視覚障害者向けめがね型ディバイスです。 本体はGoogle Glass Enterprise Edition2を採用したメガネ型の機器です。 本体部分にはカメラと小型ディスプレイ、スピーカーが搭載されており、 エンビジョングラスを掛けた状態で、カメラに映る文字や物、人の名前を 読み上げたり説明したりすることが可能です。 メガネ型のため、スマートフォンでEnvision AIを使う時の様に 手で機器を持たずに使用できます。 本製品の販売価格は、通常 42万円(非課税)ですが、 7月1日〜8月31日までの期間に限り、198,000円(非課税)で販売されます。 (262) 第2回エンビジョングラスウェビナー - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=6O9ielIb94Q ○アイナビ iPhone用アプリで、カメラに写ったものなどを音声で説明します。 現在はテスト中で、覚え書きに、名前や内容を確認した書類の提出で アプリのインストールをしてもらえました。 年内には正式発表だそうで、現時点では 無料にする予定であるとのことでした。 こちらもYouTubeでの案内があるので紹介します。 視覚障がい者歩行支援アプリ Eye Navi アイナビ https://www.computer-science.co.jp/website/eyenavi/                           文責:園 順一 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎ブラインドITヘルパーの取り組みを開始 パソコンの初期設定は結構大変なことです。 パソコンの購入代金も問題ですが、以前のように使えるようになるまでの 労力は結構大変ですね。 こんな企業が出てきました。 「パソコンの初期設定が難しい」、「パソコンを一緒に設定してくれる人が 周りにいない」、「何を買えばよいか分からない」、「どんな設定がいいか わからない」 そんな視覚障害者のパソコンの困りごとの声を受け、この度、合同会社 フロッグワークス(ブラインドITヘルパー)は、買ってすぐに使える ノートパソコン『見やすい!音声パソコン』の取り扱いを始めました。 このパソコンには、あらかじめ音声読み上げソフト(NVDA)が インストールされており、電源をつけるだけで自動的に画面を読み上げはじめます。 画面表示では、あらかじめ大きな文字・アイコンや見やすい画面配色が 設定されており、弱視・ロービジョンの方にとっても、 すぐに使えるパソコンに仕上がっている。 また、視覚障害特化設定の一環として、電源設定の変更、不要なソフトの除去 通知の抑制、キーボード・タッチパッドのショートカットの調整等、 読み上げソフト機能の最適化など、計200項目以上の設定をすることで、 トラブルを最小限に抑える工夫をしています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://frog-pc.com/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎社会福祉法人 京都ライトハウス 今回は団体紹介です。 この団体は1961年に創立され、視覚障害者への各種サービス提供のほか、 老人ホームなどを併設した視覚障害者総合福祉施設です。 *事業所 ・情報ステーション ・情報製作センター ・視覚支援 あいあい教室 ・就労継続支援(A型)・就労継続支援(B型)事業所 FSトモニー ・生活介護事業所 らくらく ・京都市北部障害者地域生活支援センター ほくほく ・高齢者総合福祉センター ライトハウス朱雀(すざく) ・障害者支援施設 鳥居寮 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.kyoto-lighthouse.or.jp/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎今月末まで割引キャンペーンを実施中!、「イージータクティクス」 今回は、2018年にSINKA株式会社から発売された立体イメージプリンター 「EasyTactix(イージータクティクス)」をご紹介します。 本製品は既存の点字プリンターと異なり、デジタルデータをもとに精細な 立体イメージや点字・触図が作れる小型・静音・低価格な 立体イメージプリンターです。 ご家庭でも使えて、視覚障害者と晴眼者の情報共有を実現します。 高精細サーマルヘッド技術により、イラストや図などを立体でプリント。 熱によって印字するので、稼働中も静かです。 独自開発の専用ペーパーの裏面をサーマルヘッドが加熱、 ペーパーにコーディングされた微細熱発砲カプセルが膨らみ立体化し、 点字が形成されます。 WordやExcelに対応した点訳ソフトが付属しており、簡単に点字の入った 文書を作成でき、立体プリントができます。 インクやトナーは使わないため、クリーニングなどのメンテナンスは不要。 インクジェットプリンターを併用することで、カラー立体印刷も 作成できます。 音声ガイダンス機能がすべての操作をナビゲート。エラーが発生しても音声が 操作を教えてくれるので安心です。 ■仕様 本体寸法・重量:未使用時316×286×164mm、使用時316×637×340mm 4.9kg プリント速度:100〜150秒(点字22行印刷の場合) インターフェイス:USB2.0/Wi-Fi(無線LAN)/100BaseT/TX(有線LAN) 電気仕様:AC100-240V 50/60Hz/220W(印刷時) 対応OS:Windows10(32/64Bit) 騒音レベル:50dB以下(図書館や静かな事務所程度)(印刷時) ■価格(すべて税込) 本体:492,800円、日常生活用具給付等事業制度候補品 立体シート200枚パック:13,200円 立体シートIJ(インクジェットカラー印刷対応)200枚パック:26,400円 同梱物:クイックガイド、CD-Rom(取扱説明書PDF、プリンタードライバー、 Word・Excel用アドイン)、USBケーブル 保証期間:1年間 ※アイフレンズにて今月末まで割引キャンペーンを実施しています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://submitmail.jp/FrontBacknumbers/detail/1270/2366 ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎視覚障害者就労支援機関情報交換会 鼎談のご案内 *鼎談テーマ:視覚障害リハビリテーションと就労 *日時:2022年8月26日(金) 15:00〜16:30 *開催方式:Zoomによるオンライン鼎談 *募集人数:50名(先着順) *申込先:2022teidan@lighthouse.or.jp *申し込み締め切り:8月5日(金) ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。 ★教室での訓練や講座、またジョブコーチによる支援を再開しています。  ただし、一部はオンラインによる実施となっています。  詳しくはお問合せください。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   ネット通話アプリZoomミーティングなどを利用して  行う講座で、   教室に来なくても学べます。   内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   東京都内に在勤、または在住の就労中の視覚障害者を対象とした   職業訓練で費用負担はありません。   → 現在、令和4年上期の訓練の受付を行っています。  ・ジョブコーチ支援   訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援です。視覚障害者が   勤務する職場環境の整備や職業スキルの向上を図ります。   詳しくは、東京障害者職業センター、またはSPANに  お問い合わせください。  東京障害者職業センター   https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/tokyo/  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ 土曜講座、ワンポイント講座   原則として土曜日にテーマを決めて実施する講座です。   また、ワンポイント講座はテーマを絞って1〜4時間で学ぶ講座です。   いずれも遠隔で実施する場合があります。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、募集中の講座はありません。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。   → 現在、9月11日の講座の受付を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/offering/index.html *資格取得コース  視覚障害者が受験できる資格試験受験のための対策講座を行います。  現在、以下の資格取得コースの募集を行っています。  ・ 日商PC検定2級データ活用  2022年7月期  ・ 日商PC検定3級文書作成 2022年7月期  ・ 日商PC検定3級データ活用  2022年7月期 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が、活動を続けるために不可欠なものとなっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 収まりかけたコロナがまた広がっています。 ただ、視覚障害者関連のイベントなどはほぼ予定通り実施されているようで、 コロナとうまく付き合いながらの日々になっています。 そして、国民にデジタルを普及させるために設置されたデジタル庁の活動は、 視覚障害者に限って言えばイマイチ実態が見えてきません。 それでも、私たちは視覚障害者のデジタル利用を進める活動を 続けていかなくてはなりません。 道は平たんではありませんが、ご一緒に前に進みましょう!  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は8月26日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら https://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら https://span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━