━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2024年4月号 No.210                       2024年4月26日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  今さら聞けないExcel使い方あれこれ(25)   ROUND関数で消費税を計算する ● プロフェッショナルコース  見やすい説明図の作成 [2] サポートお役立ちサイト  障害のある医療系学生・医療者支援ネットワーク [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  NPO法人データベース NPOヒロバ [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  触ることで色がわかる靴下、「みちるシリーズ」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第275回 仙台ロービジョン勉強会のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎今さら聞けないExcel使い方あれこれ(25)  ROUND関数で消費税を計算する みなさんご承知の通り、2023年10月からインボイス制度がスタートしました。 登録業者となったNPO法人などは、インボイス(的確請求書)の発行が 義務付けられるほか、消費税の申告が必要となります。 その際に問題になるのが端数処理、つまり「切り上げ」「切り捨て」、 または「四捨五入」のどれを採用するかです。 そこで登場するのがROUNDUP・ROUNDDOWN、そして、 ROUND関数です。 今回は、これらのうちROUND関数、つまり四捨五入で用いる関数を ご紹介します。 使い方は以下の通りです。 1.セルA1に『1355』と入力します。 2.セルA2に『=a1*0.1』と入力します。  セルA2に「135.5」と表示されます。 3.セルA3に『=round(a2,0)』と入力します。  セルA3に「136」と表示されます。 【解説】 手順3で、引数に「0」と入力すると、小数点以下1桁目の 値により、整数の1の位を切り上げるか切り捨てるかを決めます。  この場合は、小数点以下1桁目の値が「5」なので、整数の1の位が 切りあがり 「6」となるわけです。  ちなみに、引数の「0」を「1にすると、小数点以下2桁目が 判断の対象となり、逆に「-1」とすると、整数の1の位が対象となります。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎見やすい説明図の作成 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/04zu/zu.pdf 1.はじめに WordやExcelなどのアプリを説明する場合、見やすい資料を作ることが 必要です。 フォントや文字の太さを調整することは、良く知られていますが、 図の見やすさへの配慮も必要です。 下記は、[Ctrl]キー+[Shift]キー+[P]キーで呼び出した 「フォント」のダイアログボックスを[Alt]キー+[PrintScreen]キーで コピーして[Ctrl]キー+[V]キーで貼り付け、大きさを調整した例です。 背景に色があり、前景色も濃い黒ではありません。 Wordの機能で調整する方法を紹介します。 図1 そのまま張り付けた例             https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/04zu/img010.png 図2 鮮明度を100%にした調整した例 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/04zu/img020.png 図3 コントラストを100にした例 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/04zu/img030.png 2.調整方法 手順1 図を選択状態にします。 手順2 右クリックまたは[アプリケーション]キー もしくは [Shift]キー+[F10]キーでコンテキストメニューを表示します。 手順3 一番下にある「図の書式設定」を選びます。 図4 コンテキストメニュー(図の書式設定が候補になっている) https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/04zu/img040.png 手順4 「図の書式設定」を選びます。 手順5 横並びアイコンの右端の「図」を選びます。 手順6 鮮明度を100にします。 手順7 コントラストを100にします。 これで、メリハリがある絵になりました。 図5 図の書式設定 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/04zu/img050.png 3.最後に Excelで標準的に作成したグラフの色は、カラーで見た場合に やさしく見える設定です。 黒ではなく、黒に近い灰色の場合があります。 そのため、グラフの色を調整する作業が必要になります。 この方法を使用すれば、個々の調整をする必要がなくなります。 白黒の原稿を作成する場合には、とても便利です。 図6 Excelで作成した図をそのまま張り付けた例 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/04zu/img060.png 図7 張り付けた図をあとで調整した例 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/04zu/img070.png                         文責 村山 慎二郎 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎障害のある医療系学生・医療者支援ネットワーク このサイトは、医療分野において障害のある人が修学・就労しやすい 社会を目指して立ち上げました。 障害のある医療系学生や医療者の方々、また障害のある医療系学生や 医療者を支援し共に学び働く方々が、何ができるのか、何をすべきなのかを 一緒に考えたり、ワンストップで合理的配慮に関する情報や海外事例など、 参考になる情報を得られることを目的としています。 「障害のある人と共に学ぶ・共に働くQ&A」のページに、 「大学が障害のある学生を受け入れるために参考になる資料はありますか?」 を追加しました。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://das-h.net/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎NPO法人データベース NPOヒロバ 今回は、NPOを対象としたデータベースのご紹介です。 このWebサイトは、特定非営利活動法人日本NPOセンターが運営し、 さまざまなキーワードでのNPO検索や、NPOに関わる種々の情報を 提供しています。 活動したいNPOを探したり、NPO運営に関するノウハウを得たいなど、 活用の範囲は広いと思います。 ぜひ、一度訪問してみてはいかがでしょうか? ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.npo-hiroba.or.jp/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎触ることで色がわかる靴下、「みちるシリーズ」 今回は、昨年6月16日に株式会社マリモから発売された、 触ることで色がわかる靴下「みちるシリーズ」をご紹介します。 みちるシリーズは、点字とアルファベットをデザインすることで、 色を識別できるようにした靴下です。 「左右の色合わせでもう悩まない!自分らしく楽しもう!」をコンセプトに 障害の有無にかぎらず、誰もが履きやすいよう設計しました。 靴下の側面には、触ってわかるよう、ブラックなら「BLK」、ホワイトなら 「WHT」のように英語の綴りを短縮したローマ字が点字でいれられています。 そのすぐ下には点字がわからない人でも識別できるよう、浮き出た文字が 配置されています。 点字と文字を「魅せるデザイン」として靴下の側面に配置することで、 左右を合わせやすい実用性とロゴデザインソックスとしてのファッション性の 両方を兼ね備えています。 「左右の色が合っているか心配」「間違えないように同一の色でそろえる」 といった精神的負担や洗濯時や保管時、さらには着用にかかる時間的負担の 軽減にもなります。 合わせやすいくるぶしよりも長めの丈で、カラーはホワイト(WHT)、 ライトグレー(LGY)、ダークグレー(DGY)、ネイビー(NVY)、ブラック(BLK)の 5種類。 サイズは約22cm〜24.5cmのレディースサイズと約24.5cm〜27cmのメンズサイズ (いずれもクルー丈)。メンズサイズには少し長めのミドル丈もあります。 価格はすべて税込1760円。素材はコットン、ポリエステル、ポリウレタンで、 古くから織物産地として発展してきた愛知県尾州で作られた日本製です。 病気で片目の視力を失ってしまった祖父に履いてほしいという想いから、 福祉施設や視覚障害の当事者、有資格者、国内工場の職人と 商品開発を行ったという社長の日比野ほのかさん。当事者や有資格者と一緒に 開発していくことで、結果的にあらゆる人が履きやすい インクルーシブデザインの靴下になったそうです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://shop.marimosocks.com/ ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第275回 仙台ロービジョン勉強会のご案内 仙台ロービジョン勉強会は、視覚障害児・者の支援について さまざまなテーマについて学ぶ定例の勉強会です。 *テーマ:リニューアルした宮城県視覚障害者情報センターのご紹介 *話題提供:小澤 聡さん   宮城県視覚障害者情報センター 所長  *日時:5月8日(水) 19:00〜20:30 *会場:宮城県視覚障害者情報センター *参加費:500円 *定員:会場 30名、オンライン 90名 *参加申し込み期限:5月1日(水) *お申し込み・お問い合わせ先  仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台  電話 022-341-1728  メール sisien@sky.plala.or.jp ◎中山視覚障がい者 iPad講座(音声使用)のご案内 神戸市にある中山視覚福祉財団が主催するiPad講座です。 視覚に障がいのある方をサポートする音声読み上げ機能や、生活に便利な さまざまなアプリを紹介・体験していただくコースです。 *日時:7月6日(土)・13日(土) 13:00〜16:00 全2回 *会場:中山記念会館 2階 *定員:5名 *参加費:2,000円(税込) *申込方法  神戸アイライト協会 078-531-6340 へお電話ください。  メールは下記アドレス宛にお願いします。  kobe2010@eyelight.sakura.ne.jp ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://eyelight.eek.jp/gyotei.html#r ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。 ★教室での訓練や講座、またジョブコーチによる支援を再開しています。  ただし、一部はオンラインによる実施となっています。  詳しくはお問合せください。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   ネット通話アプリZoomミーティングなどを利用して  行う講座で、   教室に来なくても学べます。   内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   東京都内に在勤、または在住の就労中の視覚障害者を対象とした   職業訓練で費用負担はありません。   現在、令和6年度上期の募集を行っています。  ・ジョブコーチ支援   訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援です。視覚障害者が   勤務する職場環境の整備や職業スキルの向上を図ります。   詳しくは、東京障害者職業センター、またはSPANに  お問い合わせください。  東京障害者職業センター   https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/tokyo/  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ ワンポイント講座   ワンポイント講座は、テーマを絞って2〜4時間で学ぶ講座です。   実施方法は、原則としてZoomによるオンラインです。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、5月3日と5日の講座の募集を行っています。  ・ インストラクター養成講座   視覚障害者に対するパソコンサポートをしていただく方のための講座で、   原則として奇数月の第2日曜日に開催します。  また、応用編も随時開催します。   → 現在、5月12日の第137回の募集を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/activity/#future20221211 *資格取得コース  視覚障害者が受験できる資格試験受験のための対策講座を行います。  現在、以下の資格取得コースの募集を行っています。  ・ 日商PC検定2級データ活用  2024年1月期  ・ 日商PC検定3級文書作成 2024年1月期  ・ 日商PC検定3級データ活用  2024年1月期 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が、活動を続けるために不可欠なものとなっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 大型連休が近づき、2024年も3分の1が過ぎようとしています。 新型コロナウイルスのニュースも少なくなり、やっと日常が戻ってきました。 視覚障害者に関係する活動も、対面とオンラインが共存するように なってきました。 ただ、視覚障害者のデジタルデバイド(情報格差)は、 むしろ広がっているのではという気がしています。 使いこなしている人は生成AIなどの最新ツールを駆使しているのに対し、 まだガラ携を使っている人も多くいます。 こうした格差にどう向き合うか。私たちに課されたテーマだと思います。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は5月24日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら https://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら https://span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━