━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2024年5月号 No.211                       2024年5月24日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  サポートの難しさ   〜音声と見ること〜 ● プロフェッショナルコース  CUIの復習 [2] サポートお役立ちサイト  「第六回ロービジョン・ブラインド川柳コンクール」 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  香川県視覚障害者福祉センター [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  携帯型マルチプレーヤー、「センスプレーヤーライト」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第277回 仙台ロービジョン勉強会のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎サポートの難しさ  〜音声と見ること〜 昨秋、同年代の方のiPhoneのサポートを何回かやりました。 その方は、 「勉強会に参加してもみんなについていけない」 ということでした。 近くでもあり、同じ年でもあり、一対一なら自由なペースで できるだろうと思い、スタートしました。 少し見えるようですが、その見え方でいろいろ操作していくのは難しいと 判断して、指の操作はできるので、VoiceOverで基本をゆっくりやれば できるのではと思っていました。 LINEで知り合いとやり取りがしたいということで、ホーム画面からLINEを開き トークから私を選んで、音声入力で入力するやり方で、 何度も何度も同じことを繰り返しました。 対面でやっている時は、何とかできるのですが、別れるとLINEを送っても 反応がない。 後でわかったことですが、どうもVoiceOverは私と練習する時にしか 使っていないのです。 何とか見えているので、ガイドさんに教えてもらうためにも、 VoiceOverオフでないと使い物にならないようでした。 「見えづらくなっているので、VoiceOverを覚えないと」と言いながら、 やはり遠ざけてしまっているようです。 でも、私自身弱視ですので、VoiceOverも拡大も使いますので、 彼のやっていることもよく理解できるのです。 でも、このままでは、進展はないということは明らかです。 いま、対策としてやろうとしていることは、電話の操作がVoiceOverで できるようにすることです。これを徹底的にやり、やれる自信をつけて、 再度LINEの操作練習に戻ろうかな、ということです。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎CUIの復習 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/05bat/batfile.pdf 1.はじめに 1980年代のPCでは、MS-DOSなどのCUI (キャラクタユーザーインターフェース)が基本でした。 キーボードだけで、いろいろな操作をするインターフェースです。 現在でも、CUIを使用することができます。 今回は簡単なバッチプログラムの使用例を紹介します。 2.バッチファイル用のテキストファイルを作る 使用したい場所をエクスプローラーで開きます。 [Alt]キーで新規作成のボタンがアクティブになります。 [Enter]キーでそのメニューを開きます。 [下矢印]キーで、テキストドキュメントまで移動します。 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/05bat/img010.png [Enter]キーで名前を編集する状態で、テキストファイルが作成されます。 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/05bat/img020.png [Enter]キーでファイル名を確定します。 [Enter]キーを押すと、メモ帳が開いて編集状態になります。 3.フォルダ内ファイル一覧表を作るコマンドを入力する dir > wk.txt と入力します。 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/05bat/img030.png [Alt]キー,[F]キー,[A]キーの順にキーを押すと、名前を付けて保存の ダイアログボックスが開きます。 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/05bat/img040.png dirlist.bat と入力します。 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/05bat/img047.png [Enter]キーを押します。これでバッチファイルが完成しました。 4.バッチファイルの実行 dirlist.bat を選び実行します。 すると、画面に表示されるフォルダの内容が、テキストファイル wk.txt に作成されます。 5.実行結果を見る 作成されたwk.txt を実行すると、実行したファイルの内容を知ることが できます。 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/05bat/img060.png 6.その他の便利なコマンド ファイルを比較する FCコマンド、複数のテキストファイルを対象に キーワードを探すFINDコマンド、もちろんコピーコマンドもあります。 sort コマンドを使用すると、ファイル名順に並べなおすこともできます。 7.ヘルプ機能 この機能について知りたい人は  help >help.txt を実行すると、どんなコマンドがあるかを知ることが できます。 各コマンドの説明は FCなら FC /? >help_fc.txt を実行すると fc.txt に画面に表示されるはずだった説明のテキストファイルが 作成されます。 次回からは、私がよく使用するまた、した参考例を紹介します。                             村山慎二郎 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎「第六回ロービジョン・ブラインド川柳コンクール」 第六回ロービジョン・ブラインド川柳コンクール優秀作品および 入選作品です。 しみじみと味わってみるのもよいですね。 講評も面白いです。一つ紹介します。 店員と 世間話で 声見知り 講評 作者と店員との関係が、「声見知り」だけで読者に伝わります。 この句に登場するお二人は「世間話」をしています。 気楽な間柄で交わされるたわいもない話です。 コロナ禍を経て、生活の様々な場面が機械化、デジタル化され、 会話や触れ合いが減る昨今ですが、人との何でもないやり取りの大切さ、 温かさを思います。(八木 健) ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.paris-miki.co.jp/lv-senryu/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎香川県視覚障害者福祉センター 今回は施設紹介です。 この施設は香川県高松市にあり、1966年(昭和41年)7月に開館し、 視覚障害者への各種サービスを行っています。 設置は香川県で、運営は公益財団法人 香川県視覚障碍者福祉協会が 担当しています。 *事業内容 ・点字図書・録音図書の閲覧・貸出 ・点字図書・録音図書の製作 ・点訳・音訳のプライベートサービス ・点訳・音訳ボランティアの養成 ・パソコンボランティアの育成とパソコン技術支援 ・点字・メールによる新聞情報の提供 ・点字・録音による広報の発行 ・生業指導(あんま・針・灸) ・各種相談の受付 ・中途視覚障害者に対する社会リハビリテーション ・日常生活用具の展示・斡旋 ・スポーツ・文化活動の支援 視覚障害者に対する総合的なサービスを提供しており、 地域の視覚障害者にとってなくてはならない施設となっています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://shikaku.sakura.ne.jp/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎携帯型マルチプレーヤー、「センスプレーヤーライト」 今回は、5月20日に有限会社エクストラから発売された 携帯型マルチプレーヤー「センスプレーヤーライト」をご紹介します。 本機は、多彩な機能を備えた携帯型マルチプレーヤーです。視覚障害者の 快適な日常生活をサポートします。 昨年発売されたセンスプレーヤーからカメラが無くなりました。このため、 OCRなど、印刷物を写し、文字認識をして読み上げる機能などはありません。 DAISY図書の再生、DAISYオンラインを使ったDAISY図書の検索と ダウンロードが可能。 Wi-Fiに接続することで、DAISYオンライン、ポッドキャスト、 ウェブラジオ等を使用できます。 スマートフォンやタブレットのBluetoothキーボードとして タッチスクリーンデバイスを操作可能なスマートコネクト機能を搭載。 DAISY、ドキュメントファイル、音楽、ビデオ、オーディオブックファイル、 ポッドキャスト、ラジオなど、さまざまな種類のファイルを再生できます。 また、講義や授業、音楽などを、内蔵のステレオマイクや 外部ステレオマイクでクリアに録音できます。 その他、ファイル管理、メモ、電卓、アラーム、ストップウォッチ、 カウントダウン、スリープタイマーなどの機能も搭載。 ■製品仕様 サイズ・重さ:縦130mm、横64mm、厚さ14.5mm  140g メモリ:内蔵フラッシュメモリ64GB、microSDカード256GBまで対応 Wi-Fi:802.11ac デュアルバンド(2.4GHz/5GHz)、Bluetooth5.0 バッテリー:2300mAh 充電時間3時間、フル充電で約9時間の音楽再生可能 インターフェース:USB-C 2.0、イヤホンジャック、内蔵ステレオスピーカー、 内蔵ステレオコンデンサーマイク ●価格:85,000円(非課税)、日常生活用具給付等事業制度候補品 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.extra.co.jp/sense/senseplayerlite.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第277回 仙台ロービジョン勉強会のご案内 仙台ロービジョン勉強会は、視覚障害児・者の支援について さまざまなテーマについて学ぶ定例の勉強会です。 *テーマ:神戸アイライト協会の歩みと視覚専門相談 *話題提供:森 一成さん  認定NPO法人 神戸アイライト協会 理事長 *日時:6月12日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 11階 第1研修室 *参加費:500円 *定員:会場 30名、オンライン 90名 *参加申し込み期限:6月6日(木) *お申し込み・お問い合わせ先  仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台  電話 022-341-1728  メール sisien@sky.plala.or.jp ◎「ニポラジオ」5月23日から放送開始! 「ニポラジオ」は、社会福祉法人 日本ライトハウスが提供するウェブラジオ (ポッドキャスト)です。 開設のためのクラウドファンディングが目標を達成したため、 5月23日(木)から第1回目の配信を行うことになりました。 番組では、リスナーの方からのお便りを基に、目の見えない・見えにくい方の “知りたい”をお届けします。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.lighthouse.or.jp/iccb/informations/informations-415741/ ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。 ★教室での訓練や講座、またジョブコーチによる支援を再開しています。  ただし、一部はオンラインによる実施となっています。  詳しくはお問合せください。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   ネット通話アプリZoomミーティングなどを利用して  行う講座で、   教室に来なくても学べます。   内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   東京都内に在勤、または在住の就労中の視覚障害者を対象とした   職業訓練で費用負担はありません。   現在、令和6年度上期の募集を行っています。  ・ジョブコーチ支援   訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援です。視覚障害者が   勤務する職場環境の整備や職業スキルの向上を図ります。   詳しくは、東京障害者職業センター、またはSPANに  お問い合わせください。  東京障害者職業センター   https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/tokyo/  ・ 企業研修   視覚障害者が在籍する企業からの委託により実施する職業研修です。   内容や日程はご相談の上決めていきます。 上記の各講座や訓練は常にお申し込みを受け付けています。  ・ ワンポイント講座   ワンポイント講座は、テーマを絞って2〜4時間で学ぶ講座です。   実施方法は、原則としてZoomによるオンラインです。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、募集している口座はありません。  ・ サポーター養成講座   これまで「インストラクター養成講座」として開催してきましたが、   今後は「サポーター養成講座」という名称で開催します。   内容は、これまでのパソコンに加え、スマートフォンなどについても   取り上げていきます。   対象は、原則としてSPANで活動していただく方で、受講料は   無料とします。   現在、内容について検討中ですので、詳細が決まったらWebページで   お知らせします。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/activity/#future20221211 *資格取得コース  視覚障害者が受験できる資格試験受験のための対策講座を行います。  現在、以下の資格取得コースの募集を行っています。  ・ 日商PC検定2級データ活用  2024年7月期  ・ 日商PC検定3級文書作成 2024年7月期  ・ 日商PC検定3級データ活用  2024年7月期 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が、活動を続けるために不可欠なものとなっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5月24日(金)から26日(日)まで、第25回 日本ロービジョン学会 学術総会が東京で開催されます。 https://www.gressco.jp/lowvision2024/about.html 視覚障害者への支援では医療機関が重要な役割を果たしていると思います。 私たちがたずさわるICT支援も、医療機関と連携することで可能性が ふくらむと思います。 こうした連携をどう進めるか、関係者みんなの課題ではないでしょうか。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は6月28日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら https://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら https://span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━