━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2024年7月号 No.213                       2024年7月26日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  「ズーム」機能について ● プロフェッショナルコース  バッチコマンドの注意事項 [2] サポートお役立ちサイト  ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  日本財団の助成事業 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  世界最強スクリーンリーダー、「JAWS 2024 日本語版」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第279回 仙台ロービジョン勉強会のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎「ズーム」機能について iPhoneの「ズーム」機能について見てみます。 指の操作は以下の3つです。 もちろん、アクセシビリティの「ズーム」をオンにしておきます。 ・拡大するには3本指でダブルタップ ・画面内で移動するには3本指でドラッグ ・拡大倍率を変更するには3本指でダブルタップしてドラッグ 最大ズームレベルは、1,2倍から15倍です。 これがすべてなのですが、3本指でドラッグというのが画面に引っ掛かり、 指の腹がいたくなる感じです。 私は、画面と指の角度を少し大きくして(指を立てる感じ)、 指先でツメに触る程度のところで、滑らせるのが良いと思います。 接触する面を狭くするわけです。 これから何回か、「ズーム」を掘り下げていきたいと思います。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎バッチコマンドの注意事項 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/07fc/fc.pdf 1.バッチコマンドと文字コード 前回まで2回にわたり、バッチプログラムについて紹介しました。 テキストファイルの比較や検索を使用する場合、文字コードを従来のコードで 使用することを推奨します。文字コードがUTF-8の場合 文字化けが発生することがあります。 Windowsが当初UTF-8ではなかったことが原因です。 type テキストファイル名とすると、その内容を表示しますが、 UTF8およびUTF8BOM付の場合全角の文字は文字化けが発生することがあります。 半角英数文字の文字化けはしません。 標準の文字コードを変えるコマンドもあります。 またファイルを比較するFCコマンドでは/U を付けるとuncodeに対応すると ありますが、私の環境ではUTF-8形式のファイルでは文字化けが発生します。 バッチプログラム自体はUTF8でも使用できますが、 念のためテキストファイルを処理するバッチコマンドを使う場合は、 対象のファイルを従来の文字コードにすることを推奨します。 2.FC コマンド(テキストファイルを扱う例) 二つのテキストファイルなどの違いがあればその内容を表示します。 /Nオプションを付けておけば、違いがある行の前後3行が表示されます。 各行の先頭には、行番号が表示されます。 便利な機能ですが、テキストファイルの文字コードは従来の Shift-JIS (ANSI)のファイルで行ってください。 3.使用例 fc /N text01.txt text02.txt > wk.txt fc /N text01.txt text03.txt >> wk.txt type wk.txt pause 4.実行結果 text01.txtとtext02.txt は同じ内容です。 text03.txt は違いがあります。 -- 以下はバッチプログラム go.bat -- fc /N text01.txt text02.txt > wk.txt fc /N text01.txt text03.txt >> wk.txt type wk.txt pause -- 以下は実行結果 -- ファイル text01.txt と TEXT02.TXT を比較しています FC: 相違点は検出されませんでした ファイル text01.txt と TEXT03.TXT を比較しています ***** text01.txt 1: ビデオを使うと、伝えたい内容 2: を明確に表現できます。 3: [オンライン ビデオ] をクリックすると、 ***** TEXT03.TXT 1: ビデオを使うと、伝えたい内容 2: を確実に表現できます。 3: [オンライン ビデオ] をクリックすると、 ***** 5.サンプルデータダウンロード 使用したファイルをまとめたZIPファイルをダウンロードできます。 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/07fc/fc.zip                         文責 村山 慎二郎 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業 国連アジア太平洋社会経済委員会が決議した「アジア太平洋障害者の10年」の 中間点にあたる1999年、財団ではその要請に応えて アジア太平洋地域の障がい者福祉を向上させるために、 「ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業」を開始しました。 この事業は、アジア太平洋地域の障がいある若者を日本に招へいし、 約10ヶ月間、日本の障がい者福祉や日本文化を体験し、 帰国後はそれぞれの国と地域のリーダーとして活躍していただこうという 人材育成事業です。 先日研修を終えて帰国した、第23期研修生の中に視覚障害の方もいます。 ハルシャニさんスリランカ、視覚(弱視:黄斑ジストロフィー)は、 以下の2点を研究テーマとして勉強しました。 障害者のツーリズムについて 特別支援教育について 日本とのつながりを持った若い視覚障害者がその国のリーダーになって 活躍することは楽しみです。 SPANの活動などもぜひ勉強してもらう機会ができると良いですね。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.ainowa.jp/activities/introduce/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎日本財団の助成事業 日本財団はNPO法人や社会福祉法人などの公益活動団体に対し、 さまざまな助成プログラムを提供しています。 財団のWebサイトを見ていただき、ご自身の団体の活動に合うものがあれば 活用してみてはいかがでしょうか? ただ、助成申請の前には、必ず財団に事前相談をすることをお勧めします。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.nippon-foundation.or.jp/grant_application ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎世界最強スクリーンリーダー、「JAWS 2024 日本語版」 今回は、6月26日に有限会社エクストラから発売された画面読み上げソフト 「JAWS 2024 日本語版」をご紹介します。 JAWSは、画面に表示された情報や入力した文字を読み上げる スクリーンリーダーです。 主要な各ブラウザーや各種主要ソフトウェアに対応している他、 強力なスクリプティング機能により、多くのアプリケーションの読み上げを 実現しています。 主な新機能と改良点は以下のとおりです。 ・ビデオ通話に参加する前に、設定が正しく、カメラの焦点が 合っていることを確認できるフェイスインビューを搭載 ・異なる場所のコンテンツを点字ディスプレイの1行に表示できる  点字分割機能を実装 ・開発中の新しい製品機能や更新された製品機能をプレビューできる  初期採用プログラムを実装 ・通話を管理する新しいコマンドを登載 ・シームレスなスクリプトの更新を実現 ・チャットアプリケーションのDiscordをサポート ・読み上げ・点訳辞書を更新 その他、FireFox、Google Chrome、Microsoft Edge、Microsoft 365、 Office 2016以降の主要製品、Zoom、Skype(デスクトップ版)、 Windows Media Player、iTunesなども快適に使用可能。 ほとんどの点字ディスプレイ、点字PDAに対応、Windowsタブレットの タッチスクリーンに対応、EXTRAエンジンのかな訳機能を用いた 正確な日本語読み上げ機能、EXTRA自動点訳エンジンを搭載、 UEB点字表示をサポート、JAWSを使いながら音声で解説、 DAISY形式のオーディオガイダンスCD添付など。 ●動作条件 OS:Windows11、Windows10の64ビット版の各エディション ●価格(税込) JAWS 2024 日本語版 新規:207900円、日常生活用具給付等事業制度候補品 JAWS 2023からのバージョンアップ(1バージョンアップ):63800円 ※バージョンアップ版のご購入には、ユーザー登録が必要です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.extra.co.jp/jaws/index.html#newprice ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第279回 仙台ロービジョン勉強会のご案内 仙台ロービジョン勉強会は、視覚障害児・者の支援について さまざまなテーマについて学ぶ定例の勉強会です。 *テーマ:エコーロケーション(反射音・反響音定位)で世界をみる *話題提供:松川 恵理子さん 株式会社ステージライン 英語講師 *日時:8月21日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 11階 第1研修室 *参加費:500円 *定員:会場 30名、オンライン 90名 *参加申し込み期限:8月16日(金) *お申し込み・お問い合わせ先  仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台  電話 022-341-1728  メール sisien@sky.plala.or.jp ◎目が見えない人が言葉と指先で見えない初心者に教えるスマホ教室 特定非営利活動法人 アイサイトさいたまでは、以下の通り初心者のための スマートフォン教室を開催します。 ※第1回は満席になりましたので、第2回以降のご案内です。 <第2回> 9月26日、10月10日、24日 <第3回> 11月14日、28日、12月12日 <第4回> 12月26日、1月9日、23日 ※各回 3日開催の教室です *時間:13:30〜15:30 *会場:埼玉県障害者交流センター *受講費:3,000円(各日1,000円 3日間の講習費) *対象者:初めてiPhoneを使用する方(原則として埼玉県内に  居住している視覚障碍者) *定員:各回 3名 *ご予約問合せ:特定非営利活動法人 アイサイトさいたま  TEL:090-7808-1456  メール:office@eyesite.jp ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。 ★教室での訓練や講座、またジョブコーチによる支援を再開しています。  ただし、一部はオンラインによる実施となっています。  詳しくはお問合せください。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   ネット通話アプリZoomミーティングなどを利用して  行う講座で、   教室に来なくても学べます。   内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   東京都内に在勤、または在住の就労中の視覚障害者を対象とした   職業訓練で費用負担はありません。   令和6年度上期の募集は終了しました。  ・ジョブコーチ支援   訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援です。視覚障害者が   勤務する職場環境の整備や職業スキルの向上を図ります。   詳しくは、東京障害者職業センター、またはSPANに  お問い合わせください。  東京障害者職業センター   https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/tokyo/  ・ 就労支援をお考えの企業・団体の方  SPANでは、企業や行政機関、学校、団体などで就労する視覚障害者の方、 また、ともに働く同僚のみなさんを対象とした就労支援を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/lesson/jobsupport.html 上記の各講座や訓練、支援は常にお申し込みを受け付けています。  ・ ワンポイント講座   ワンポイント講座は、テーマを絞って2〜4時間で学ぶ講座です。   実施方法は、原則としてZoomによるオンラインです。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、募集している口座はありません。  ・ サポーター養成講座   これまで「インストラクター養成講座」として開催してきましたが、   今後は「サポーター養成講座」という名称で開催します。   内容は、これまでのパソコンに加え、スマートフォンなどについても   取り上げていきます。   対象は、原則としてSPANで活動していただく方で、受講料は   無料とします。   現在、内容について検討中ですので、詳細が決まったらWebページで   お知らせします。 *資格取得コース  視覚障害者が受験できる資格試験受験のための対策講座を行います。  現在、以下の資格取得コースの募集を行っています。  ・ 日商PC検定2級データ活用  2025年1月期  ・ 日商PC検定3級文書作成 2024年10月期  ・ 日商PC検定3級データ活用  2024年10月期 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が、活動を続けるために不可欠なものとなっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 最近、またコロナ感染の話が聞かれるようになりました。 第何波になるかは分かりませんが、ニュースでも あまり取り上げられなくなり、私たちの気持ちが緩んでいることも 影響しているかもしれませんね。 コロナ感染が広がると、同行援護など視覚障害者に関わるサービスにも 影響する可能性があるので、早く収束することを願っています。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は8月23日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら https://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら https://span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━