━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2024年8月号 No.214                       2024年8月23日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  今さら聞けないExcel使い方あれこれ(27)   複数のセルの内容を1つにまとめる2つの方法 ● プロフェッショナルコース  WindowsPCのキーボード [2] サポートお役立ちサイト  ロービジョンケアハブ [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  令和6年度 日本盲人福祉委員会福祉助成金 [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  Windows画面拡大表示ソフト、「ZoomText 2024 日本語版」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第280回 仙台ロービジョン勉強会のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎今さら聞けないExcel使い方あれこれ(27)  複数のセルの内容を1つにまとめる2つの方法 例えば、セルA1に「北神」、B1に「あきら」と入力されていたとします。 これをセルC1に「北神あきら」と1つにして表示させることができます。 方法は以下の2つです。 (1)CONCATENATE関数を利用する CONCATENATE関数は、複数のセルの内容を1つにまとめます。 上記の場合、セルC1に以下のように記述します。  =CONCATENATE(A1,B1) すると、セルC1に「北神あきら」と表示されます。 (2)&(アンパサンド)演算子を利用する &演算子を利用することでも複数のセルの内容を1つにまとめることが できます。 上記の例では、セルC1に以下のように入力します。  =A1 & B1 すると、セルC1に「北神あきら」と表示されます。 【参考】 どちらの方法も、セル番地だけでなく、文字列なども含めることが できます。 例えば、上記の例でセルC1に「北神 あきら」と、姓と名の間にスペースを 入れることもできます。 その場合の記述方法は以下の通りです。  =CONCATENATE(A1," ",B1)  =A1 & " " & B1 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎WindowsPCのキーボード https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/08kb/keyboad.pdf 1.はじめに WindowsPCを指導する場合、ノートパソコンを使用することが多いと思います。 ノートパソコンは、フルキーボードより小さいので、1つのキーで 複数の機能を割り当てている場合があります。 2.キーボードの写真を用意する しかし、その方法は、メーカーや機種ごとに統一されていません。 晴眼者が指導する場合、相手のPCのキーボードの写真を用意しておくことを 推奨します。晴眼者同士がZOOMで指導を受ける場合も便利です。 また、Fnキーを使用した説明の作製も有効と思います。 3.Fnキーによる拡張 多くの場合、一番上にあるファンクションキーなどにいろいろな機能を 割り当てます。図1の場合、F5は本来の機能ですが、[Fn]キー+[F5]キーの場合 音量を小さくするになります。 ところが、F5は音量で、[Fn]キー+[F5]キーが本来の機能になっている場合も あります。 また、[Alt]キー+[Shift]キー+[PrintScreen]が [Alt]キー+[Shift]キー+[Fn]キー+[PrintScreen]キーになり、4個のキーを 押すことになります。注意が必要です。 4.Fnキーの役目の切り替え メーカーによっては、キー操作でFnキーを押した場合と押さない場合で どちらが有効か、を切り替えることができる場合があります。 またBIOSで切り替えることができる場合があります。 下記に、いくつかのキーボードの例の画像を用意しました。 機種ごとにFnキーの割り当てが異なることが分かると思います。 ある研究会で、USBメモリに発表用のパワーポイントを入れ、借りてきたPCで 発表する人が、割り当てが異なり、発表開始が遅れた例を見たことが あります。 5.注意してほしい内容 講習会などで、ノートパソコンを使用する場合、事前に 1.キーボードの写真 2.Fnキーの割り当て を伝えると良いと思います。 また、標準的な外付けキーボードの用意も有効です。 その場合でも、キーボードの絵や写真を用意することが必要です。 標準キーボードの場合、ファンクションキーは4個ごとにより広い間が ありますが、ノートPCの場合にはありません。 触って分かる位置にシールを貼ると、便利です。 6.キーボードの例 図1 Fnキー用の説明 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/08kb/ image1.jpeg 図2 マウスコンピュータの例 緑枠はFnキー 黄色枠内はアプリケーションキー https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/08kb/ image2.jpeg 図3 NECの例 アプリケーションキーあり https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/08kb/ image3.jpeg 図4 Lenovo の例 アプリケーションキー無し https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/08kb/ image4.jpeg [Fn]キー+[Esc]キーでFnキーの役割(Fnロック)を切り替えることが できます。                          文責 村山 慎二郎 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎ロービジョンケアハブ 多くの方が目の異常に気が付くと最初に行くのが病院の眼科だと思います。 眼科での新しい試みがスタートしました。 この度、7月1日に、慶應義塾大学病院眼科学教室(新宿区信濃町)と 公益財団法人日本盲導犬協会の共同研究の一つの試みとして、 大学病院内に視覚障害に関連した機器体験や日常生活用具類の紹介や相談、 全国地域の施設のご紹介等を行う「ロービジョンケア・ハブ」を 常設いたしました。 7月中は慶應病院の患者様を中心にご活用いただき、眼科の先生や 新しいスタッフと準備を進めてスタートすることができました。 8月からは、広く皆さまにお立ち寄りいただきたくご案内させていただきます。 詳細は、ロービジョンケアハブHPをご覧ください。 https://eye-keio.jp/lowvisioncare-hub/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎令和6年度 日本盲人福祉委員会福祉助成金 社会福祉法人 日本盲人福祉委員会が実施する助成金です。 同委員会のWebサイトでは以下のように紹介されています。 *募集要項 ・対象事業 (1)視覚障害者の福祉の向上を目的とする事業 (2)視覚障害者の自立や社会参加を促進するための事業 (3)視覚障害に関する啓発・広報事業 これらの事業を行う団体・グループを対象とします。 ・実施期間 令和7年1月1日より12月31日までの期間内に実施・完了する事業 ・助成金額 1件 10万円以内 同一団体からの応募は1件に限ります。 ・申込方法 助成金申請書にご記入の上事務局宛にお申込みください。 ・受付期間 令和6年7月25日(木)から9月30日(月)まで(必着) ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://ncwbj.or.jp/jyoseiyoko.html ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎Windows画面拡大表示ソフト、「ZoomText 2024 日本語版」 今回は、6月26日に有限会社エクストラから発売された Windows画面拡大表示ソフト「ZoomText 2024 日本語版」をご紹介します。 ZoomTextはWindowsの表示画面を拡大し、見やすくするために開発された ロービジョンの方向けのソフトウェアです。 拡大機能のみのZoomText2024と読み上げ機能も備えた ZoomText2024+リーダーをお選びいただけます。 新機能と改良点は以下の通り。 @拡大画面の表示範囲外にある関連アクティビティを拡大画面内に 表示します。 現在Windowsスタートメニューの検索ボックス、Excelの数式バー、 Wordのコメントに対応しています。 A15段階のポインタサイズから選択できるようになりました(従来は3段階)。 B拡大エンジンの再構築により、起動パフォーマンスが最適化され、メモリや プロセッサの消費量が最小限になりました。 CZoomTextメニュー項目が再編成され、簡略化されました。 DZoomText2024のインストール時にZoomText2023の設定が自動的に移行される 仕様になりました。 Eユーザーフィードバックに基づき、クイックアクセスバーの動作が 変更されました。 ZoomText+リーダーの読み上げ機能は画面拡大機能を使いながら 音声読み上げを行います。拡大画面を確認しつつ音声で ユーザをフォローすることに特化した機能です。 コントロール情報読み上げ、APP Reader機能によるアプリケーション内の テキスト読み上げなどが可能です。 ●動作条件 OS:Windows11、Windows10の64ビット版の各エディション +リーダーの読み上げ機能はJAWS以外のスクリーンリーダーと併用できません。 ●価格(税込) ZoomText 2024 新規:107800円、日常生活用具給付等事業制度候補品 2023からのバージョンアップ:33000円 ZoomText 2024+リーダー 日本語版 新規:143000円 ※バージョンアップ版のご購入には、ユーザー登録が必要です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 http://www.extra.co.jp/zoomtext/index.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第280回 仙台ロービジョン勉強会のご案内 仙台ロービジョン勉強会は、視覚障害児・者の支援について さまざまなテーマについて学ぶ定例の勉強会です。 *テーマ:同行援護・居宅介護事業について *話題提供:千葉 康彦さん 認定NPO法人ビートスイッチ *日時:9月11日(水) 19:00〜20:30 *会場:仙台市福祉プラザ 10階 第2研修室 *参加費:500円 *定員:会場 30名、オンライン 90名 *参加申し込み期限:9月6日(金) *お申し込み・お問い合わせ先  仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台  電話 022-341-1728  メール sisien@sky.plala.or.jp ◎令和6年度視覚障害・就労支援者講習会(第2回)のご案内 社会福祉法人 日本視覚障害者職能開発センターが実施する視覚障害者の 就労をテーマとした講習会です。 *開催日:10月24日(木)・25日(金) *会場:NPO法人札幌チャレンジド *内容 ・視覚障害者の理解とリハビリテーション ・日常生活訓練と歩行 ・障害者雇用の実際と就労支援制度 ・視覚障害者のパソコン活用の実際 ・ロービジョンケア(視覚補償機器の紹介) ・視覚障害者の文字処理と点字について ・就労体験(企業より/当事者より) ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.jvdcb.jp/seminar/supporter/supporter_seminar2024/basic/ ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。 ★教室での訓練や講座、またジョブコーチによる支援を再開しています。  ただし、一部はオンラインによる実施となっています。  詳しくはお問合せください。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   ネット通話アプリZoomミーティングなどを利用して  行う講座で、   教室に来なくても学べます。   内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   東京都内に在勤、または在住の就労中の視覚障害者を対象とした   職業訓練で費用負担はありません。   令和6年度上期の募集は終了しました。  ・ジョブコーチ支援   訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援です。視覚障害者が   勤務する職場環境の整備や職業スキルの向上を図ります。   詳しくは、東京障害者職業センター、またはSPANに  お問い合わせください。  東京障害者職業センター   https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/tokyo/  ・ 就労支援をお考えの企業・団体の方  SPANでは、企業や行政機関、学校、団体などで就労する視覚障害者の方、 また、ともに働く同僚のみなさんを対象とした就労支援を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/lesson/jobsupport.html 上記の各講座や訓練、支援は常にお申し込みを受け付けています。  ・ ワンポイント講座   ワンポイント講座は、テーマを絞って2〜4時間で学ぶ講座です。   実施方法は、原則としてZoomによるオンラインです。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、募集している口座はありません。  ・ サポーター養成講座   これまで「インストラクター養成講座」として開催してきましたが、   今後は「サポーター養成講座」という名称で開催します。   内容は、これまでのパソコンに加え、スマートフォンなどについても   取り上げていきます。   対象は、原則としてSPANで活動していただく方で、受講料は   無料とします。   現在、内容について検討中ですので、詳細が決まったらWebページで   お知らせします。 *資格取得コース  視覚障害者が受験できる資格試験受験のための対策講座を行います。  現在、以下の資格取得コースの募集を行っています。  ・ 日商PC検定2級データ活用  2025年1月期  ・ 日商PC検定3級文書作成 2024年10月期  ・ 日商PC検定3級データ活用  2024年10月期 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が、活動を続けるために不可欠なものとなっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 高校野球も終わり、猛暑の夏も秋へと歩みを進めているようです。 そして、8月28日からはパリでのパラリンピックが始まりますが、認知度は 以前と比較してかなり上がってきており、人々の関心も高まっています。 この流れがICTや就労にもより深く根付いてくれることを切に願っています。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は9月27日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら https://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら https://span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━