━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2024年9月号 No.215                       2024年9月27日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  「ズーム」機能のスマートタイプ入力とは ● プロフェッショナルコース  文書閲覧方法(リフローの活用) [2] サポートお役立ちサイト  2024年夏から始まっている白杖マラソン [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  NPO支援コレクション(通称:N コレ) [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  タッチ式ボイスレコーダー、「タッチスピーク」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  令和6年度視覚障害・就労支援者講習会(札幌)のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎「ズーム」機能のスマートタイプ入力とは ズームには、全体がズームされるフルスクリーンズームと部分がズームされる ウインドウズームがあります。 初期設定では画面全体がズームされるフルスクリーンズームに 設定されています。確かにこの方が多くの人が活用していると思います。 しかし、この設定で文字入力しようとするとソフトウェアキーボードが 出てこなくなります。消えたのではなく、ズームしたために表示領域が 狭くなり、その外に表示されているわけです。 キーボード部分を除いて、ウインドウズームにすればよいのですが それは面倒です。しかし、スマートタイプ入力をオンにしておけば自動的に 入力する際にこの機能がオンになります。 つまりキーボード部分はそのままの大きさで、それ以外の部分が 拡大されるわけです。 ですから、ズームの設定のスマートタイプ入力を オンにしておくようにします。なかなか優れた機能だと思います。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎文書閲覧方法(リフローの活用) https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/09rf/ref.pdf 1.はじめに 当初視覚障碍者向けとして開発が開始されたDAISYは、弱視者はもちろん、 学習障害者への有効性が認められ、小中学校の全教科書にDAISY教科書が 用意される時代になりました。 「障害者が便利なものは、健常者にも便利である。」の良い例と言えます。 また、今年から、日本語を母国語としていない生徒に対しても DAISY教科書の使用が認められるなど、「情報の獲得」に対するバリアが 軽減されつつあります。 MicroSoftや Google のブラウザにも読み上げ機能が追加され、 読み上げる機能を選択できる時代になりました。 2.統合された規格 数年前までは、晴眼者を対象とした電子図書とDAISYは別の規格でしたが、 現在はEPUBに統合されました。 3.高等教育 DAISY教科書の提供は、義務教育の範囲です。 これからは、高等学校や、大学受験、大学での講義などについての 研究開発が行われています。 特に、鍼灸師など視覚障碍者が多く希望する職種の資料についても、 発展中と思われます。 4.リフロー 単に、画面を拡大すると、文字が画面からはみ出します。 リフローは、文字の大きさを変えても、文字がはみ出さない表示方法です。 ブラウザは通常リフローに対応しています。 拡大縮小は、[Ctrl]キー+マウスホイールです。 Wordも同様ですが、設定によってははみ出します。 バージョンによっては[Ctrl]キー+[+]キー(コントロールとプラス)で拡大 [Ctrl]キー+[-]キー(コントロールとマイナス)で縮小が使用できます。 5.Wordの リフロー 図1 表示のタブ https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/09rf/image1.png (1)Webレイアウト 文書を表示し、[Alt]キー,[W]キー,[L]キー[1]キー を 入力すると、Webレイアウトになります。 [Ctrl]キー+マウスホイールで拡大縮小ができます。 図2 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/09rf/image2.png 最大500%まで拡大できます。視野が狭い場合、 ウインドの大きさを変更しても良いでしょう。 また縮小もできるので、レイアウトの認識も可能です。 [Alt]キー,[W]キー,[P]キーで初期の印刷レイアウトに戻ります。 図3 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/09rf/image3.png (2)閲覧モード 文書を表示し、[Alt]キー,[W]キー,[F]キーを入力すると 閲覧モードになります。 リフローとして使用するには、さらに[Alt]キー,[W]キー,[L]キー,[C]キーを 入力し段組みレイアウトにすることが必要です。 文字の大きさにより適切な段組みになります。 倍率は 100から300%です。[Esc]キーで印刷レイアウトに戻ります。 図4 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/09rf/image4.png 6.レイアウトの認識 図5 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2024/09rf/image5.png [Alt]キー,[W]キー,[H]キーの 並べて表示が便利です。                         文責 村山 慎二郎 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎2024年夏から始まっている白杖マラソン 視覚障がい者ライフサポート機構」“viwa”というところで、 興味あるインタビューがありました。 「私たちは、視覚障がいのある人やその家族、視覚障がい関係の仕事に 従事されている人々の「ちょっとした困ったな〜」を解決するため、 「情報発信」「情報やノウハウの蓄積」「人や情報をつなぐ」ことを目的に 活動しています。 私たちは、『かゆいところに手が届く活動』 をモットーにしています。」 ◆気ままにviwa talk vol.45 白杖マラソン トークテーマは「白杖マラソン」ということで、子供用の白杖を 全国の盲学校に手渡しに出かけていくプロジェクトのようです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.viwa.jp/2024/09/viwa-talk-vol45.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎NPO支援コレクション(通称:N コレ) 今回はNPOを支援するサービスのご紹介です。 このサービスについて、Webサイトでは以下のように紹介されています。 NPO支援コレクション(通称:N コレ!)とは、「事業戦略」、「広報」、 「資金調達」、「組織・人材」、「総務・会計」でNPO を支援する サービスを集めた紹介サイトです。 要するに、NPOの運営上の困りごとに対するさまざまなサービスの情報を 提供しているWebサイトです。 閲覧は無料なので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか? ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://npo-sc.org/ncolle/about/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎タッチ式ボイスレコーダー、「タッチスピーク」 今回は、8月27日に株式会社システムギアビジョンから発売された、 タッチ式ボイスレコーダー「タッチスピーク」をご紹介します。 タッチスピークは、お好きなメッセージをシールと関連付けて簡単に 録音できるペン型の録音再生機です。 わかりやすいボタン配置と音声ガイダンス機能が付き、 以前の「タッチボイス」より操作しやすくなりました。 使用方法は、 1.知りたいものに専用シールを貼ります。 2.録音ボタンを押してシールにタッチしたら、必要な情報を登録します。 3.シールにタッチすると、登録した声が再生されます。 付属のシールには何度でも上書きが可能です。 タッチスピークは工夫次第でいろんな使い方ができます。 ・CDのタイトルやアーティスト名の録音 ・お薬の瓶に名前や用法・容量の録音 ・調味料などの消耗品にはシールをタグに貼りつければ何度でも再利用可能 ・洗濯用防水チップは衣服に縫い付けて、衣服のデザインや柄などの判別に 突起付小片丸型シール(1024枚)、百円玉型ドットシール(280枚)、 衣類などに縫い付けて使う防水チップ(80枚)、シール貼り付け用タグとして 小片長方形タグ(15枚)と小片正方形タグ(20枚)が付属します。 電源のオンオフや録音データの有無などを音声でお知らせします。 ■主な仕様 大きさ・重さ:全長162mm×幅25mm×高さ25mm  約65g(電池含む) バッテリー:単4アルカリ電池2個 記録媒体:MicroSDカード(8GB) ■価格:39,900円(税込)、日常生活用具給付等事業制度候補品 ■保証:5年間 ※シール・タグなどが増量された「タッチスピーク・プラス」もあります。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.sgv.co.jp/prd/voice/touch_speak.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎令和6年度視覚障害・就労支援者講習会(札幌)のご案内 社会福祉法人 日本視覚障害者職能開発センターでは、以下の通り 視覚障害者の支援をする方向けの講習会を開催します。 *実施回:第2回 *日時:2024年10月24日(木)〜25日(金) *実施方法:会場での対面とZoomでのオンライン *会場:NPO法人 札幌チャレンジド *受講料:無料 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.jvdcb.jp/seminar/supporter/supporter_seminar2024/basic/ ◎2つの遠隔ワンポイント講座のご案内 SPANでは、以下の2つの遠隔ワンポイント講座を開催します。 (1)遠隔ワンポイント講座「Outlook(メール・連絡先)の基本操作」 *開催日時:10月26日(土) 13:00〜17:00 *開催方法:Zoomによる遠隔 *受講料:8,800円 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/activity/#future20241026 (2)遠隔ワンポイント講座「Wordの表が苦手な方のために」 *開催日時:11月30日(土) 13:00〜17:00 *開催方法:Zoomによる遠隔 *受講料:8,800円 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/activity/#future20241130 ◎遠隔講座「使ってみよう!Googleスプレットシート」(大阪)  (11月16日)のご案内 SPANでは、社会福祉法人 日本ライトハウス 情報文化センターと共催で 遠隔講座を開催します。 これは、SPANと日本ライトハウス情報文化センターをZoomで結び、 SPANからの映像と音声を情報文化センターに集まったみなさんに 共有しながら実施するものです。 *日時:11月16日(土) 13:30〜16:30 *場所:社会福祉法人 日本ライトハウス 情報文化センター *実施方法:Zoomミーティングの通信機能を利用 *募集定員:5名(日本ライトハウス 情報文化センターで受講) *受講料:6,000円(当日現金でお支払いください) ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/activity/#20241116 ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。 ★教室での訓練や講座、またジョブコーチによる支援を再開しています。  ただし、一部はオンラインによる実施となっています。  詳しくはお問合せください。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   ネット通話アプリZoomミーティングなどを利用して  行う講座で、   教室に来なくても学べます。   内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   東京都内に在勤、または在住の就労中の視覚障害者を対象とした   職業訓練で費用負担はありません。   令和6年度上期の募集は終了しました。  ・ジョブコーチ支援   訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援です。視覚障害者が   勤務する職場環境の整備や職業スキルの向上を図ります。   詳しくは、東京障害者職業センター、またはSPANに  お問い合わせください。  東京障害者職業センター   https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/tokyo/  ・ 就労支援をお考えの企業・団体の方  SPANでは、企業や行政機関、学校、団体などで就労する視覚障害者の方、 また、ともに働く同僚のみなさんを対象とした就労支援を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/lesson/jobsupport.html 上記の各講座や訓練、支援は常にお申し込みを受け付けています。  ・ ワンポイント講座   ワンポイント講座は、テーマを絞って2〜4時間で学ぶ講座です。   実施方法は、原則としてZoomによるオンラインです。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、10月26日と11月30日の講座の募集を行っています。  ・ サポーター養成講座   これまで「インストラクター養成講座」として開催してきましたが、   今後は「サポーター養成講座」という名称で開催します。   内容は、これまでのパソコンに加え、スマートフォンなどについても   取り上げていきます。   対象は、原則としてSPANで活動していただく方で、受講料は   無料とします。   現在、内容について検討中ですので、詳細が決まったらWebページで   お知らせします。 *資格取得コース  視覚障害者が受験できる資格試験受験のための対策講座を行います。  現在、以下の資格取得コースの募集を行っています。  ・ 日商PC検定2級データ活用  2025年1月期  ・ 日商PC検定3級文書作成 2024年10月期  ・ 日商PC検定3級データ活用  2024年10月期 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が、活動を続けるために不可欠なものとなっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 猛暑の夏もようやく退散し、本格的な秋がやってきました。 そして、11月1日からは恒例のサイトワールドが開催されます。 10月号で案内を「ひろば」に掲載します。 それにしても、技術の進歩は目覚ましく、AI(人工知能)を利用した 製品やアプリが続々登場しています。 しかし、そうした恩恵をなかなか受けられない視覚障害者が少なくないことを 私たちは忘れてはならないと思います。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は10月25日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら https://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:北神 あきら https://span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━