━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2025年6月号 No.224                       2025年6月27日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  今さら聞けないExcel使い方あれこれ(32)   DATEDIF関数を効率的に入力する ● プロフェッショナルコース  WindowsのGoogle Chrome ブラウザでの読み上げ [2] サポートお役立ちサイト  日本科学未来館で「さわれる絵本」 [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  受け取った寄付金の会計処理方法は? [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  携帯型拡大読書器、「Luna 6」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第290回 仙台ロービジョン勉強会のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎今さら聞けないExcel使い方あれこれ(32)  DATEDIF関数を効率的に入力する DATEDIF関数は、指定した期間の年/月/日の数を求める際に 利用し、多くの場面で活用されています。 ただ、この関数はExcelの関数リストにないため、使用する場合は 手入力しなくてはなりません。 これを高率的に入力する方法をご紹介します。 要するに、IMEの単語登録を利用するわけです。 手順は以下の通りです。 1.Wordやメモ帳などに以下の文字列を入力します。  =DATEDIF(,,) 2.上記の文字列を範囲選択します。 3.日本語入力をONにします。 4.[Ctrl]キー + [F10]キーを押してIMEのメニューを表示します。 5.[↓]キーを押して「単語の登録」に移動して[Enter]キーを押します。 6.「単語」には「=DATEDIF(,,)」が入力されているので、  [Tab]キーを押して「読み」に移動します。 7.例えば『でいとでぃふ』と入力します。 8.[Tab]キーを押して「登録」に移動して[Enter]キーを押します。 9.[Shift]キー + [Tab]キーを押して「閉じる」に移動して  [Enter]キーを押します。単語として登録されます。 実際には以下のように使用します。 ここでは、セルA2に生年月日、B2に基準日、C2にDATEDIF関数を 入力する場合で説明します。 1.Excelを起動し、セルC2に移動します。 2.日本語入力をONにします。 3.[F2]キーを押して編集状態にします。 4.『でいとでぃふ』と入力して[Space]キーを押して変換します。 5.「=DATEDIF(,,)」が表示されたら[Enter]キーを押して確定します。 6.[Shift]キー + [F3]キーを押します。  関数の引数入力のダイアログボックスが表示されます。 7.最初のエディットボックスに『a2』と入力します。 8.[Tab]キーを押して次のエディットボックスに移動し『b2』と入力します。 9.[Tab]キーを押して次のエディットボックスに移動し『y』と入力します。 10.[Enter]キーを押します。関数が入力され、結果が表示されます。 (注) 最初のエディットボックスには「生年月日」、  次のエディットボックスには「基準日」、  3つ目のエディットボックスには「年」を表す「y」が入力されています。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎WindowsのGoogle Chrome ブラウザでの読み上げ https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/06gg/gg.pdf 1.設定 読み上げ機能を使用するためには、拡張機能で 「Read Aloud:テキスト読み上げ音声リーダー」を追加する必要があります。 図1 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/06gg/image2.png 2.読み上げ 初めからすべて読み上げる場合は、ツールバーにあるアイコンを クリックします。 選択部分を読み上げたい場合は、選択状態で、右クリックし、 表示されたメニュー中の「選択したテキストを読み上げます」を使用します。 図2 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/06gg/image3.png 読み上げが開始すると、ポップアップ画面が表示され、読み上げが開始します。 図3 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/06gg/image4.png 左下のA− と A+ は文字の大きさです。 右側の+とーはポップアップ画面の大きさの調整です。 その左にあるマークは、画面表示の色を変えることができます。 図4 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/06gg/image5.png 3.オプション Read Aloud のアイコンを右クリックすると、メニューが表示されます。 オプションを実行します。 「音声」「スピード」「ピッチ」「ボリューム」などを調整できます。 図5 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/06gg/image6.png 4.ショートカットキー ショートカットキーを 選ぶと現在のショートカットキーが表示されます。 「拡張機能を有効にする」が「未設定」になっています。 ここにショートカットを定義すると、キーだけで読み上げ開始できます。 図6 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/06gg/image7.png 赤枠の鉛筆マークをクリックすると「ショートカットを入力する」に なりました。 図7 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/06gg/image8.png [Ctrl]キー+[9]キーを設定しました。 以後ここで設定したショートカットで読み上げが開始されます。 図8 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/06gg/image6.png 5.ショートカット一覧 (1)[Ctrl]キー+[9]キー 読み上げの開始(初期値ではできない) (2)[Alt]キー+[P]キー Play/pause 一時停止とその解除 (3)[Alt]キー+[O]キー stop (4)[Alt]キー+[.]キー forward (5)[Alt]キー+[,]キー rewind                          文責 村山慎二郎 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎日本科学未来館で「さわれる絵本」 日本科学未来館に見学に行った方もいらっしゃると思います。 また新しい企画があるようです。 日本科学未来館の研究エリアには、人や環境の「ちがい」をAIとクロスさせ、 多くの人々に寄りそった問題解決の仕組みづくりを目指すxDiversity (クロス・ダイバーシティ)プロジェクトが入居しています。 これまで多様な人たちとテクノロジーを通して「ちがい」の壁を乗り越え、 一緒に楽しめるワークショップやイベントをたくさん開催してきました。 今回注目するのは「さわれる絵本」です。 イベント名 さわれる絵をつくって伝え合おう! あなたの未来館 研究エリア「xDiversity(クロスダイバーシティ)」プロジェクト 内容 未来館にある研究室で開発中の「さわれるイラスト生成システム」を使って 参加者のみなさんが触覚で理解するイラストを作成するイベントです。 開催日時 2025年7月31日 (木曜) ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.miraikan.jst.go.jp/events/202507314094.html ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎受け取った寄付金の会計処理方法は? NPO法人などの非営利団体では、一般企業と異なり収入の内容が さまざまです。 特に、寄付を受取った場合の処理で悩んでいる方も いるのではないでしょうか。 一口に「寄付」といってもいろいろな形態があり、なかなか難しいです。 ここでは、全国公益法人協会が提供している情報をご紹介します。 「寄付」を形態別に分類し、その処理方法を分かりやすく解説しています。 寄付の処理で悩んでいる団体の方、ぜひご一読ください。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://koueki.jp/itaku/hieiri_k/s1-4.html ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎携帯型拡大読書器、「Luna 6」 今回は、昨年8月に株式会社日本テレソフトから発売された 携帯型拡大読書器「Luna 6(ルナシックス)」をご紹介します。 本器はコンパクトで軽量な携帯型の拡大読書器です。 レストランでメニューを確認したり、買い物中にラベルを読んだり、 製品情報や値札を確認したりするなど、外出中のさまざまな活動に 役立ちます。 新聞や本などを読む際には本体のスタンドを出して使用します。 ハンドルを出して、ルーペのように使用することもできます。 LUNA 6はワイヤレス充電が可能です。 充電器の上にLUNA 6をセットするだけで簡単に充電ができ、非常に便利です。 HDMIケーブルを接続するとTVやモニターに表示できます。 近景、遠景モードがあり、近距離も遠距離も両方に使えます。 静止画像(フリーズ)機能があります。 静止画、画像を保存することができます(400枚)。 読み取りライン、マスク機能があります。 【主な仕様】 画面サイズ:5.5インチモニター 倍率:2.5〜19倍 サイズ:160mm(横)×80mm(縦)×24mm(厚さ) 重量:約218g バッテリー:連続使用で4時間以上 充電時間:有線充電 3時間未満、ワイヤレス充電 約4時間 カラーモード:自然色/高コントラストカラー10色 本体価格:198,000円(税込)、日常生活用具給付等事業制度候補品 保証期間:2年 付属品:ワイヤレスチャージャー、USB-Cケーブル、HDMIケーブル、 電源アダプター、クロス、専用ケース ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.nippontelesoft.com/menu/zoom_025.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第290回 仙台ロービジョン勉強会のご案内 仙台ロービジョン勉強会は、視覚障害児・者の支援について さまざまなテーマについて学ぶ定例の勉強会です。 *テーマ:函館視力障害センターのご紹介 *話題提供:木村 宏輝(ひろき)さん 函館視力障害センター 支援課 *日時:7月9日(水) 19:00〜20:30 *会場:EARTH BLUE 仙台勾当台ビル 8階 仙台市第3会議室 *参加費:500円 *定員:会場30名 オンライン50名 *参加のお申し込み方法:7月3日(木)までにメール、またはFAXで  お申し込みください。 *お申し込み・お問い合わせ先  仙台市視覚障害者支援センター アイサポート仙台  担当:阿部  電話:022-341-1728  FAX:022-341-1729   メール:sisien@sky.plala.or.jp ◎2025年度 全国ロービジョン(低視覚)セミナーのご案内 社会福祉法人 日本視覚障害者職能開発センターは『テクノロジーによる 新たな風!〜視覚障害者の就労と生活を支える技術と活用法の紹介〜』を テーマに上記セミナーを開催します。 *開催日時:7月26日(土) 10:00〜16:00(受付9:30) *参加方法:会場参加(戸山サンライズ)+Web会議システム「Zoom」を  使用したオンライン参加を組み合わせたハイブリッド型での開催 *申込方法:申込ページにアクセスしてお申込ください。 *内容  ・ミニワークショップ 10:00〜11:30  ・講演・シンポジウム 13:00〜16:00  ・ロービジョン等機器展示会 10:00〜16:00 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.jvdcb.jp/seminar/lowvision/2025-2/ ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。 ★教室での訓練や講座、またジョブコーチによる支援を再開しています。  ただし、一部はオンラインによる実施となっています。  詳しくはお問合せください。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   ネット通話アプリZoomミーティングなどを利用して  行う講座で、   教室に来なくても学べます。   内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   東京都内に在勤、または在住の就労中の視覚障害者を対象とした   職業訓練で費用負担はありません。   現在、令和7年度上期の募集を行っています。  ・ジョブコーチ支援   訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援です。視覚障害者が   勤務する職場環境の整備や職業スキルの向上を図ります。   詳しくは、東京障害者職業センター、またはSPANに  お問い合わせください。  東京障害者職業センター   https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/tokyo/  ・ 就労支援をお考えの企業・団体の方  SPANでは、企業や行政機関、学校、団体などで就労する視覚障害者の方、 また、ともに働く同僚のみなさんを対象とした就労支援を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/lesson/jobsupport.html 上記の各講座や訓練、支援は常にお申し込みを受け付けています。  ・ ワンポイント講座   ワンポイント講座は、テーマを絞って2〜4時間で学ぶ講座です。   実施方法は、原則としてZoomによるオンラインです。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、募集している口座はありません。  ・ サポーター養成講座   これまで「インストラクター養成講座」として開催してきましたが、   今後は「サポーター養成講座」という名称で開催します。   なお、iPhoneを対象としたサポーター養成講座を開始しました。   現在、8月の講座の準備をしています。募集を開始したら改めて   ご案内します。 *資格取得コース  視覚障害者が受験できる資格試験受験のための対策講座を行います。  現在、以下の資格取得コースの募集を行っています。  ・ 日商PC検定2級データ活用  2025年7月期  ・ 日商PC検定3級文書作成 2025年7月期  ・ 日商PC検定3級データ活用  2025年7月期 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が、活動を続けるために不可欠なものとなっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2025年も半分が過ぎようとしています。 情報化が加速する現代において、パソコンやスマートフォン、 そして様々なICTツールは、私たちの生活を豊かにし、 可能性を広げるかけがえのない存在です。 しかし、残念ながら、その恩恵を十分に受けられていない視覚障害者の方々も 少なくありません。 一人でも多くの視覚障害者の方々がICTの恩恵を享受できるよう、 これからも役立つ情報やサポートのヒントを発信し続けてまいります。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は7月25日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら https://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:富岡 宜喜 https://span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━