━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2025年8月号 No.226                       2025年8月22日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  今さら聞けないExcel使い方あれこれ(33)   DAYS関数で指定した期間の日数を簡単に求める ● プロフェッショナルコース  Windowsで Google Lenzeを使用してAi-OCRを試す [2] サポートお役立ちサイト  本の総合カタログ。「Books」。出版書誌データベース [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  テックスープ・ジャパンの運営主体と提供プログラムの変更について [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  視覚障害者用読書器の新製品、「オーカムリード」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  やさしいICT講座 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎今さら聞けないExcel使い方あれこれ(33)  DAYS関数で指定した期間の日数を簡単に求める 日数を求めるのならば、前回ご紹介したDATEDIF関数も使えますが、 このDAYS関数は日数を求めるのに特化した関数です。 例えば、セルA1に2025/1/1、B1に2025/8/22と入力されており、 セルC1に2つの間の日数を求めたい場合、セルC1には以下のように 入力します。  =DAYS(B1,A1) すると、セルC1には233と表示されます。 つまり、8月22日は、今年に入って233日経過したことが分かります。 この関数は、例えば、生まれてから今日まで何日?とか、イベントの本番まで あと何日?といったような場面で使えます。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎Windowsで Google Lensを使用してAI-OCRを試す https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/08gglenze/ai_ocr.pdf 1.はじめに OCRは、Aiの進化により、手書き文字の変換精度が飛躍的に進化しています。 Microsoft Edge に用意されている Copilot も使用できます。 ブラウザから使用できるAi-OCRとして、iRocrも使用できます。 今回はGoogle レンズで説明します。 今回なぐり書きに近い手書き画像を使用して試してみました。内容は あいうえお かきくけこ さしすせそ 日本 日本 側  手書きの文字が読めるか? です。 側 は イ 貝 リ のように間を離しました。 入力データは下記です。 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/08gglenze/test_img.jpg 注意 OCRは完全ではありません。また、表示されている内容についての 変換なので、全部が変換されるとは限りません。 2.Google Lenze(Chrome ブラウザ インストール済とします) (1)イメージファイルを選び [Shift]キー+[F10]キーで開いたメニューから 「プログラムから開く」「Google Chrome」の順に選びます。 図1 img_g010.png https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/08gglenze/img_g010.png (2)[Tab]キーを3回程度押して、Google レンズまで移動します。 図2 img_g020.png https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/08gglenze/img_g020.png (3)[Enter]キーで実行します。 「Googleレンズで検索するテキストや画像を選択」と表示されます。 図3 img_g030.png https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/08gglenze/img_g030.png (4)全体を選択したいので、[Shift]キー+[Tab]キーを3回押すと、 逆回りにフォーカスが移動し、クライアント領域全体が選択されます。 (5)[Enter]キーを押すと、AIによる検索結果が画面右側に表示されます。 図4 img_g040.png https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/08gglenze/img_g040.png (6)できれば、左上にある「テキストをコピーする」をキーだけで 実行したいのですが。 この状態で、[Ctrl]キー+[A]キーに続いて、[Ctrl]キー+[C]キーで コピーします。 テキストをコピーしました。と表示されます。 図5 img_g050.png https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/08gglenze/img_g050.png (7)メモ帳を起動して[Ctrl]キー+[V]キーで貼り付けて、文字情報を 読みます。 図6 img_g060.png https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/08gglenze/img_g060.png (8)変換されたテキストファイル あいうえお かき(42 さしすせそ 日本 日本 手がきの 読めるか? が変換した文字情報です。                         文責 村山 慎二郎 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎本の総合カタログ。「Books」。出版書誌データベース 国内最大級の出版情報データベースだそうです。 書籍・雑誌・電子版・オーディオブックなど数多くの出版情報を 検索できます。 どんな本や雑誌が出ているか、すぐ調べられます。 また、検索項目には、「アクセシブル機能で絞り込む」というものもあり、 大活字版、視覚障害者等資料、読み上げ可能電子版、 オーディオブック、などを検索条件に設定できるようです。 今後、ますます情報が充実してきて、 私たちに大変役立つようになるのではと思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.books.or.jp/ ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎テックスープ・ジャパンの運営主体と提供プログラムの変更について 2025年11月15日(土)付けで、日本NPOセンターが担っている テックスープ・ジャパンプログラムの運営を、TechSoup Global (テックスープ米国本部)に統合することが決まりました。 また、同日付で日本NPOセンターは、テックスープ・ジャパンプログラムの 運営から離れることになりました。 上記に伴い、一部プログラムの提供方法が変更となります。 具体的には日本独自にご提供をしていた以下のプログラムです。 ・有償技術サポートプログラム ・ニュースレター配信などによる情報提供 ・その他、日本独自にご提供をしていたプログラム これまで、ZoomミーティングやMicrosoft365などの提供を受けてきた 団体にとって大きな変更となります。 ぜひ、ご確認ください。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://jnpoc.hp.peraichi.com/merger ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎視覚障害者用読書器の新製品、「オーカムリード」 今回は、2024年8月2日に株式会社システムギアビジョンから発売された、 音声読書器「オーカムリード(Orcam Read)」をご紹介します。 本機は手で持ち、レーザーで示した範囲の活字を読み上げる 視覚障害者用音声読書器です。 ロービジョンや読書時の疲労、読書に困難を感じる方々を支援します。 読みたい文章をレーザーポインターで狙って撮影ボタンを押すだけで、 デバイスが文書を読み上げます。 本製品は横書きの文書への使用を想定して設計されています。特定の条件下 (矢印レーザーモードで約15〜35cmの距離から撮影)であれば 縦書きの文書の読み上げも可能です。 組み立て式の専用スタンドが付属。専用のスタンドに本体をセットすれば、 手を使わずに読むことができます。 「Hey OrCam(ヘイ、オーカム)」の音声コマンド機能で画面やアプリを使わずに 読み上げスピードや音量を操作できます。 撮影する文章の構成によっては読み上げの順番が前後したり 読み飛ばす可能性があるため、ご購入前に必ず実機をお試しください。 お試し用のデモ機を、ご返却の際の送料のみのご負担でご利用いただけます。 詳しくはサポートまでお問合せください。 ※ご購入にはデモ機の試用と購入前チェックリストの提出が必須となります。 ■主な仕様 大きさ:約25mm×約15mm×約123mm 重さ:約44.5g 使用時間:約4時間30分(使用状況により変化します) 充電時間:90分〜120分 ■価格:198,000円(非課税)、日常生活用具給付等事業制度候補品 保証:1年間(ユーザー登録で2年間に延長) 付属品:有線イヤホン ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.sgv.co.jp/prd/reader/orcam_read.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎やさしいICT講座 認定NPO法人神戸アイライト協会では、視覚に障がいのある方が、 日々の生活の中でICT(情報通信技術)を使うことで、 どのように便利になり、さまざまな情報を得ることができるかを ご紹介するための講座を開催します。 *日時:9月5日(金) 13:30〜14:30 *会場:中山記念会館(神戸市兵庫区水木通2丁目1-9) *講師:熊澤 明(神戸アイライト協会) *参加費:無料、事前予約制 定員30名 *お申込み先:神戸アイライト協会 事務局 和田  電話 078-531-6340   (火曜から土曜 10時から16時)  メール  kobe2010@eyelight.sakura.ne.jp ◎日商PC検定2級・3級受験対策コースのご案内 SPANでは、以下の通り、日商PC検定2級・3級を受験する方のための 対策コースを開設します。 ●日商PC検定3級文書作成受験対策コース(2025年10月期) ●日商PC検定3級データ活用受験対策コース(2025年10月期) ●日商PC検定2級データ活用受験対策コース(2026年1月期) 試験は、札幌、仙台、東京、岐阜、大阪、そして北九州で受験できます。 ★ SPANは日商PC検定の試験会場なので、東京で受験する方は、  SPANで受験することができます。 このコースは、2020年7月から実施していて、これまでに全国各地から のべ70名以上の方が受講し、受験したほぼ全員が合格しています。 また、資格を取得したことで、待遇改善につながったり、 自己啓発の成果として認められたという報告もいただいています。 視覚障害者が取得できる資格が多くない中、少しでもお役に立てればと 思っています。 また、メールと遠隔での講座ですので、全国どこからでも受講可能です。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/nisshoPC-class3.html https://span.jp/certification/nisshoPC-class2.html ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。 ★教室での訓練や講座、またジョブコーチによる支援を再開しています。  ただし、一部はオンラインによる実施となっています。  詳しくはお問い合わせください。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   ネット通話アプリZoomミーティングなどを利用して行う講座で、   教室に来なくても学べます。   内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   東京都内に在勤、または在住の就労中の視覚障害者を対象とした   職業訓練で費用負担はありません。   現在、令和7年度下期の募集を行っています。  ・ジョブコーチ支援   訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援です。視覚障害者が   勤務する職場環境の整備や職業スキルの向上を図ります。   詳しくは、東京障害者職業センター、またはSPANに  お問い合わせください。  東京障害者職業センター   https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/tokyo/  ・ 就労支援をお考えの企業・団体の方  SPANでは、企業や行政機関、学校、団体などで就労する視覚障害者の方、 また、ともに働く同僚のみなさんを対象とした就労支援を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/lesson/jobsupport.html 上記の各講座や訓練、支援は常にお申し込みを受け付けています。  ・ ワンポイント講座   ワンポイント講座は、テーマを絞って2〜4時間で学ぶ講座です。   実施方法は、原則としてZoomによるオンラインです。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、募集している講座はありません。  ・ サポーター養成講座   これまで「インストラクター養成講座」として開催してきましたが、   今後は「サポーター養成講座」という名称で開催します。   現在、10月の講座の準備をしています。募集を開始したら改めて   ご案内します。 *資格取得コース  視覚障害者が受験できる資格試験受験のための対策講座を行います。  現在、以下の資格取得コースの募集を行っています。  ・ 日商PC検定2級データ活用  2026年1月期  ・ 日商PC検定3級文書作成 2025年10月期  ・ 日商PC検定3級データ活用  2025年10月期 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が、活動を続けるために不可欠なものとなっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 今号では、Excelの便利な関数や、AI-OCRの活用方法、 そして新しい読書支援機器など、日々のサポートに役立つ情報を お届けしました。 ICTの進化は目まぐるしく、私たちの支援のあり方も日々変化していますが、 変わらないのは「誰かの役に立ちたい」という思いです。 その思いを胸に、これからも一歩ずつ、共に歩んでいけたら嬉しく思います。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は9月26日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら https://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:富岡 宜喜 https://span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━