━━━━━━━━<< 視覚障害者PCサポート >>━━━━━━━━   〜 一人でも多くの視覚障害者にPCやICTの恵みを伝えるために 〜           2025年9月号 No.227                       2025年9月26日発行 このメールマガジンは、視覚障害者へのパソコンサポートをする方々の スキルアップと情報交換、また相互の連携を図るためのものです。 どうかみなさんの日々の活動に役立てていただければ幸いです。 ===== も く じ ===================== [1] 教えて!サポートの知恵袋 ● ベーシックコース  ズームコントローラ その5   「大きくしていく」ことの問題点 ● プロフェッショナルコース  WindowsPCのブラウザでCopilot をキーボードで使用する [2] サポートお役立ちサイト  声での呼びかけで、サピエ図書が読める  スマートスピーカー「サピエ図書館」スキル [3] ここが知りたい!団体運営のヒント  認定NPO法人 サービスグラント [4] ソフトウエア・ハードウエア情報  新世代の視覚障害者用読書器、「クローバーブック・メイト」 [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など  第17回視覚障害者向け総合イベント「サイトワールド2025」のご案内 ほか [6] SPANからのご案内 [7] 編集後記 ================================= [1] 教えて!サポートの知恵袋 −−−−−−−−−−−−−−−− ● ベーシックコース  サポートの基本やスクリーンリーダーなどの基礎知識がテーマです。 ◎ズームコントローラ その5  「大きくしていく」ことの問題点 「ズーム」について見てきましたが、よくありがちなことは、 「大きすぎて何が何だか分からなくなる」ことだと思います。 とくに、VoiceOverで読み上げさせながら、画面を見ようとするときです。 読み上げている時はよく聞くことに注意を払い、 正確に見直してみたい、という時にズーム機能を活用していくことが 良いのではないかと思います。 アクセシビリティの「画面表示とテキストサイズ」という設定で、 「さらに大きな文字」をオンにして、「テキストサイズ」を一番大きくすれば かなり大きな文字になります。それは素晴らしいものです。 ただ、その分全体把握が難しくなります。 大切な箇所に行きつくのが難しくなるわけですね。 全体の構造を理解するのも大変になります。 この点が大きくしていくことの問題点でもあります。 ───────────────────────────────── ● プロフェッショナルコース  PCの設定やサポートのスキルアップ、またトラブル対応などが テーマです。 ◎WindowsPCのブラウザでCopilot をキーボードで使用する https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/09Copilot/use_copilot.pdf 1.Copilot とは Microsoft が用意しているAIツールです。有料と無料があります。 (1)Microsoft Edgeを使用。 (2)WordやExcel,メモ帳などのアプリで使用。 (3)Microsoft 365のCopilot。 などがあります。 今回は(1)について、マウスを使用しない方法を調べてみました。 2.Copilot の起動 (1)Edge ブラウザを開きます。 (2)Copilot起動のショートカットは[Ctrl]キー+[Shift]キー+[.]キーですが、 起動しない場合があります。その場合[Alt]キー+[Tab]キーでEdgeブラウザを 選びなおしてから押すと、ブラウザの右半分程度にCopilotが表示されます。 図1 起動時の画面 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/09Copilot/ai010.png (3)質問「Altキーについて教えてください」を入力し、[Enter]キーを押すと 回答が表示されます。 (4)[Shift]キー+[Tab]キーで解答欄にフォーカスを移動します。 (5)[Ctrl]キー+[A]キーで全体を選択し、[Ctrl]キー+[C]キーで コピーします。 図2 解答が表示され 選択された状態 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/09Copilot/ai050.png (6)メモ帳を起動し、[Ctrl]キー+[V]キーで貼り付ければ、解答を読むことが できます。 図3 解答を張り付けたメモ帳 https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/09Copilot/ai060.png 図3のテキストファイル https://smuramura.web.fc2.com/SPAN/2025/09Copilot/alt2.txt (7)質問の内容などによっては、制御コードが付いた文章が 上部にできる場合があります。 「あなたの発言」で検索しそこから読むと良いと思います。 (8)質問を追加する場合は、[Esc]キーで選択を解除し、[Tab]キーで 質問エリアに戻ることができます。 4.その他の機能  考えるレベルの調整、新たな質問、以前の質問の継続、事前に用意した質問を 使用するなどができます。今後説明します。                         文責 村山 慎二郎 ───────────────────────────────── [2] サポートお役立ちサイト −−−−−−−−−−−−−−−−−  見て役立つお勧めサイトをご紹介。 ◎声での呼びかけで、サピエ図書が読める  スマートスピーカー「サピエ図書館」スキル 音声デイジー図書とマルチメディアデイジー図書(音声のみ)の再生に 対応しています。 スマートスピーカー「サピエ図書館」スキルを使うために必要な準備は 以下の通りです。 ・インターネットとWiFi(無線)環境 ・Amazon会員登録(アカウント作成) ・スマホやタブレット ・スマートスピーカー(Amazon Echo) スマートスピーカーで「サピエ図書館」スキルを使うための準備、操作案内、 操作実演動画の掲載。 https://www.naiiv.net/zensijokyo/ss_skill/ スマートスピーカー「サピエ図書館」スキル 操作実演動画(YouTube) https://youtu.be/RVKXPJy1zVw YouTubeと同じ内容でMP3音声のみ https://www.naiiv.net/zensijokyo/wp-content/uploads/2025/08/skill.mp3 ───────────────────────────────── [3] ここが知りたい!団体運営のヒント −−−−−−−−−−−−  課題はありませんか?資金、活動場所や教材、そして会の活性化。 ◎認定NPO法人 サービスグラント この団体は、以前にもこのメルマガでご紹介しましたが、 その後、新たな事業やプロジェクトなどが立ち上るなど変化してきているので 改めてご紹介します。 サービスグラントは「プロボノ」を通して非営利団体の活動を支援する 団体です。 「プロボノ」について、同団体のWebサイトでは以下のように 紹介されています。 「プロボノ」とは、「公共善のために」を意味するラテン語 「Pro Bono Publico」を語源とする言葉で、【社会的・公共的な目的のために 職業上の経験やスキルを活かして取り組む社会貢献活動】を意味します。 さまざまな課題を抱えている非営利団体にとって、この団体はその解決策を 導き出すパートナーになると思います。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.servicegrant.or.jp/ ───────────────────────────────── [4] ソフトウエア・ハードウエア情報 −−−−−−−−−−−−−  チェックしておきたい最新のソフト、ハード。 ◎新世代の視覚障害者用読書器、「クローバーブック・メイト」 今回は、6月23日に株式会社システムギアビジョンから発売された、 視覚障害者用読書器「クローバーブック・メイト(CloverBook Mate)」を ご紹介します。 本器は、文字や画像を画面上で拡大表示する従来製品に、 高精度な読み上げ機能を加えることで、1台で拡大と読み上げの両方に 対応しました。 読み上げ精度や画面の視認性といった従来の課題も、技術革新により 大きく改善されています。 これまでの「拡大表示の見やすさ」と「持ち運びやすさ」はそのままに、 高精度な音声読み上げを新たに搭載。画面を見るのがつらいときでも、 ボタン一つで音声読み上げに切り替え、読む負担を軽減します。 自動補正機能により、画面の角度を動かしても文字が歪まず、同じ見え方で 画面に表示されます。使用する机や椅子の高さに合わせて画面の角度を 調整することで、無理のない姿勢で読書や作業をしていただくことが できます。 A4撮影モードで画面内に一括表示ができます。また、画面内で拡大し スクロールを使って読み進めることができます。本体の操作で蛇行せず、 読書酔いを防いだ快適でスムーズな読書ができます。 SDカードやUSBケーブル経由で、PDFやTXTファイルを転送し、閲覧することが できます。それらを拡大表示、白黒や白黒反転、スクロールも可能です。 ボタンや操作レバーを使った簡単操作と、タッチパネルを使った 直感的な操作の両方で使用可能。拡大した文章はタッチや操作レバーを 使用してスクロールすることで、XYテーブルがなくても読書酔いを 軽減します。 読み書きしやすい据置型と、携帯型の長所を集約、折りたたんで 持ち運べます。 スペースの問題で従来の据置型をお使いいただけなかった方にも おすすめです。 ■主な仕様 画面(寸法):12.5インチ IPS液晶タッチパネル 倍率:約1.5〜約60倍(読書モード)、約0.7〜約16倍(A4モード) 電源:ACアダプタ (入力)110-240V、(出力)12V/3A バッテリ:充電時間 約3時間、連続使用時間約4〜5時間 外形寸法・重量:折りたたみ時 横378×縦262×厚み40mm、2420g ■価格:269,000円(非課税)、日常生活用具給付等事業制度候補品 保証:1年間(ユーザー登録で2年間に延長) ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.sgv.co.jp/prd/desktop/clover_book-mate.html ───────────────────────────────── [5] ひろば 読者のページや各団体の情報など −−−−−−−−−  みんなで作ろう!サポートの輪 ◎第17回視覚障害者向け総合イベント「サイトワールド2025」のご案内 *開催日:10月16日(木)〜18日(土) *時間:10:00〜16:30(最終日は16:00) *会場:すみだ産業会館・サンライズホール(丸井錦糸町店8階・9階) *内容:出展、各種イベント *予約・入場料:不要 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.sight-world.com/ ◎令和7年度視覚障害・就労支援者講習会(大阪)のご案内 社会福祉法人 日本視覚障害者職能開発センターでは、 令和7年度視覚障害・就労支援者講習会の第2回目を大阪で開催します。 *開催日:10月23日(木)〜24日(金) *会場:社会福祉法人 日本ライトハウス 情報文化センター ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://www.jvdcb.jp/seminar/supporter/supporter_seminar2025/basic/ ★このコーナーは読者のみなさんからの投稿を中心に作っていきたいと  考えていますので、サポートや団体運営で疑問を感じていること、また  技術的な質問や「自分のところはこうしている」というようなご意見など  何でも構いませんので、メルマガ末尾に記載のアドレスまでお気軽に  お寄せください。 ───────────────────────────────── [6] SPANからのご案内 SPANが開催する講座などのご案内やご寄付のお願いです。 多くの方に私たちの活動を知っていただければ幸いです。 *講座の開催 SPANでは以下のような講座を開催しています。 ★教室での訓練や講座、またジョブコーチによる支援を再開しています。  ただし、一部はオンラインによる実施となっています。  詳しくはお問い合わせください。  ・ 個人対象講座   マンツーマンで学んでいただく講座で、内容や日程はご相談の上   決めていきます。初歩から職業スキル向上まで多様なニーズに   対応できます。  ・ グループ講座   グループ(2〜4名)で同じ内容を学んでいただく講座で、内容や日程は   ご相談の上決めていきます。受講料は個人対象講座より割安です。  ・ 遠隔講座   ネット通話アプリZoomミーティングなどを利用して行う講座で、   教室に来なくても学べます。   内容や日程はご相談の上決めていきます。  ・ 在職者訓練   東京都内に在勤、または在住の就労中の視覚障害者を対象とした   職業訓練で費用負担はありません。   現在、令和7年度下期の募集を行っています。  ・ジョブコーチ支援   訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援です。視覚障害者が   勤務する職場環境の整備や職業スキルの向上を図ります。   詳しくは、東京障害者職業センター、またはSPANに  お問い合わせください。  東京障害者職業センター   https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/tokyo/  ・ 就労支援をお考えの企業・団体の方  SPANでは、企業や行政機関、学校、団体などで就労する視覚障害者の方、 また、ともに働く同僚のみなさんを対象とした就労支援を行っています。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/lesson/jobsupport.html 上記の各講座や訓練、支援は常にお申し込みを受け付けています。  ・ ワンポイント講座   ワンポイント講座は、テーマを絞って2〜4時間で学ぶ講座です。   実施方法は、原則としてZoomによるオンラインです。   内容や日程はその都度Webサイトでお知らせします。   → 現在、募集している講座はありません。  ・ サポーター養成講座   これまで「インストラクター養成講座」として開催してきましたが、   今後は「サポーター養成講座」という名称で開催します。   現在、12月の講座の準備をしています。募集を開始したら改めて   ご案内します。 *資格取得コース  視覚障害者が受験できる資格試験受験のための対策講座を行います。  現在、以下の資格取得コースの募集を行っています。  ・ 日商PC検定2級データ活用  2026年1月期  ・ 日商PC検定3級文書作成 2025年10月期  ・ 日商PC検定3級データ活用  2025年10月期 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/certification/ *ご寄付のお願い SPANは外部からの補助を受けずに自主運営している団体です。そのため、 みなさんからのご寄付が、活動を続けるために不可欠なものとなっています。 どうぞみなさんのお力でSPANを支えていただければうれしいです。 ▼詳しくは下記をご覧ください。 https://span.jp/support/ ───────────────────────────────── [7] 編集後記 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 秋分も過ぎ、朝晩の空気にひんやりとした秋の気配が漂いはじめました。 そして、今年は例年の11月開催よりも早く、10月16日から 恒例のサイトワールドが開催されます。 視覚障害者支援の最前線に触れられる貴重な機会です。 ぜひ足を運んでみてください。 次号も良い情報をお届けできるよう、編集部一同頑張ってまいります。  今回の「視覚障害者PCサポート」、いかがでしたか? みなさんと情報を共有することで一人でも多くの視覚障害者がパソコンの 楽しさと有用さを知り、サポートの輪が広がればと願っています。 次号は10月24日配信の予定です。 ───────────────────────────────── ▼メールマガジンのバックナンバーはこちら https://span.jp/useful/magazine/index.html ▼配信停止や配信先の変更、また、ご意見や感想はこちらまでお願いします。 office@span.jp ★尚、迷惑メール対策の一環として、「@」を全角で表示しています。  メールアドレスとしてお使いになるときは、半角に訂正してくださるよう  お願い致します。   編集・発行:NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク           SPAN(スパン)メールマガジン編集部     発行責任者:富岡 宜喜 https://span.jp ★本メルマガの内容を許可なく複写、転送、改変することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━