これまで図書検索システムを各機能別に分けて開発し、それらをまとめて一つのシステムを作るテクニックを学んできました。
ここで開発したシステムも正解の一つですが、どれがベストかはわかりません。
100人いれば同じシステムでも100通りのシステムが作成されます。皆さんが試行錯誤でシステムを作っていくと、今回の作品がよりよいものになっていくことでしょう。
ここまで辛抱強く読み進んで来られた読者のために、さらにVBAを自分のものにするいくつかのポイントをまとめておきます。
(1) Excelワークシート上で、できる限り考える。
VBAコードを書かなくても、関数などを駆使してできるだけワークシート上で解決するようにします。
しかし、あまりにも関数のネスティング(入れ子)が多くて、理解が難しい場面や、繰り返し処理をしなければならないときは、VBAに頼ったほうがよいでしょう。
(2) 業務補助でかまわないから自分でVBAコードを書く。
視覚障害者は、仕事上での大量データや複数シートを取り扱うのは骨が折れます。晴眼者でも苦労します。
そこで、データの構造や内容をよく見極めて、仕事で求められる最適な解決策は何かをふまえ、このVBAを検算用、またはデータの特性を調べる手段として幅広く応用するのも一つの方法です。
また、目標・目的がないと余り学習意欲がわかない人は、最初から長いコードに挑戦するのではなく10行以内の簡単なコードから始めるとよいでしょう。
(3) 他人のVBAコードを参考に。
Web上には様々なVBAコードがおいてあります。もちろん、人それぞれに個性的なVBAコードスタイルがあるので理解しにくい面もあります。
しかし、なかには参考になるコードもあります。それをまねて作り直したり、新しいものを作成すれば、めざましく実力がついていくことでしょう。
最後に、今回の図書検索システムでは、視覚障害者にとってわかりやすいように変数名を付け、又各機能別にコード分割するなど、いろいろな点を考慮したつもりですが、まだまだ不十分な点が多々あると思います。
皆さんがこれに手を加えて、操作しやすく、メンテナンスが容易なシステムにしていただければ幸いです。