Excel 2010 統計関数(平均・個数・最大/最小値など)

  1. 統計関数リストの表示
  2. 引数の平均値を求めるAVERAGE関数
  3. 文字列を含む引数の平均値を求めるAVERAGEA関数
  4. 条件に一致する数値の平均値を求めるAVERAGEIF関数
  5. 複数の条件に一致する数値の平均値を求めるAVERAGEIFS関数
  6. 数値が含まれるセルの個数を求めるCOUNT関数
  7. 空白でないセルの個数を求めるCOUNTA関数
  8. 空白セルの個数を求めるCOUNTBLANK関数
  9. 条件に一致するセルの個数を求めるCOUNTIF関数
  10. 複数の条件に一致するセルの個数を求めるCOUNTIFS関数
  11. 指定した順位番目に大きい値を求めるLARGE関数
  12. 最大値を求めるMAX関数
  13. 文字列を含む最大値を求めるMAXA関数
  14. 引数リストの中央値を求めるMEDIAN関数
  15. 最小値を求めるMIN関数
  16. 文字列を含む最小値を求めるMINA関数
  17. 数値リストの中で指定した順位を求めるRANK.AVG関数
  18. 指定した順位番目に小さい値を求めるSMALL関数

統計関数を使うと、平均値や最大値・最小値、またセルの個数や順位などを求めることができます。

サンプルデータstatistics-function_es.xlsx「統計関数(演習)」を開きます。

尚、このマニュアルでは特に断らない限り、ショートカットキーで「関数の挿入」ダイアログ ボックスを開き、「関数の分類」から関数名のリストを表示させる手順で説明します。

その他の方法での関数の入力手順については関数の入力方法を参照してください。

統計関数リストの表示

「関数の挿入」ダイアログ ボックスでは、以下の手順で統計関数のリストを表示させることができます。

(注) 各関数の入力手順の説明は、関数名のリストが表示された状態から行います。


引数の平均値を求めるAVERAGE関数

AVERAGE関数は、引数の算術平均値を返します。

【書式】 =AVERAGE(数値1,[数値2],...)

【説明】 数値1: 必ず指定します。平均を求める1つ目の数値やセル範囲などです。数値2,...: 省略可能です。平均を求めるその他の数値、セル範囲などです。引数は最大255個まで指定できます。

AVERAGE関数については、「関数の挿入」ダイアログ ボックスを利用する方法と、「合計」のメニューを利用する方法の2つの手順を説明します。

(1) 「関数の挿入」ダイアログ ボックスの利用

ここでは、「社員別売上高」のセルI8からI22までの平均値を求めます。

シート「AVERAGE(1)」を選択します。

(2) 「合計」のメニューの利用

「数式」タブの「合計」のメニューを利用することで、複数の平均値を一度に求めることができます。

ここでは、「社員別売上高」のセルI6からI20、セルB21からI21までの平均値を一度に求めます。

シート「AVERAGE(2)」を選択します。

(注) セルI21にはセルB21からH21までの平均が表示されます。


文字列を含む引数の平均値を求めるAVERAGEA関数

引数リストに含まれる値の平均値を計算します。

【書式】 =AVERAGEA(数値1,[数値2 ], ...)

【説明】 数値1: 必ず指定します。数値2,...: 省略可能です。平均を求めるセル、セル範囲、または数値データを1〜255個まで指定します。

引数には、数値のほか、セル参照やセル範囲、また数値を表す文字列(TRUE、FALSEなど)の論理値を指定できます。

TRUE は「1」、FALSEは「0」とみなされます。また文字列または空白セルは「0」となります。

例えば、売上高のような数値の表の中に文字列が入っている場合、それらを含めた平均値を求める場合に使用します。

ここでは、「社員別売上高」のセルI6からI10までの平均値を求めます。

セルB6からH10の表の中で、セルC6とD6には「出向」、セルE9には「休暇」という文字列が入っています。

シート「AVERAGEA」を選択します。

(注) セルI6の結果は、セルC6とD6の値を「0」として6ヶ月の平均を算出しています。もし、ここにAVERAGE関数を使用した場合、文字列が入力されたセルC6とD6を除いた4ヶ月の平均が算出されるので結果が異なります。


条件に一致する数値の平均値を求めるAVERAGEIF関数

AVERAGEIF関数は、範囲内の条件に一致するすべてのセルの平均値を返します。

【書式】 =AVERAGEIF(範囲,条件,[平均範囲])

【説明】 範囲: 必ず指定します。平均対象となる1つまたは複数のセルやセル範囲を指定します。条件: 必ず指定します。平均の対象となるセルを定義する条件を指定します。平均範囲: 省略可能です。平均する実際のセルを指定します。何も指定しなければ「範囲」になります。

範囲内の「TRUE」または「FALSE」を含むセルは無視されます。また、平均範囲内の空白のセルは無視されます。条件内の空白のセルは「0」と見なされます。

ここでは、「社員名簿」の男女別の平均年齢を求めます。

シート「AVERAGEIF」を選択します。


複数の条件に一致する数値の平均値を求めるAVERAGEIFS関数

AVERAGEIFS関数は、複数の検索条件に一致するすべてのセルの平均値を返します。

【書式】 =AVERAGEIFS(平均範囲,条件範囲1,条件1,[ 条件範囲2,条件2],...)

【説明】 平均範囲: 必ず指定します。平均する1つまたは複数のセルまたはセル範囲を指定します。

条件範囲1,条件範囲2,...: 条件範囲1: 必須ですが、その後に続く条件範囲は省略可能です。対応する条件による評価の対象となる1〜127個の範囲を指定します。

条件1,条件2,...: 条件1は必須ですが、その後に続く条件は省略可能です。平均の対象となるセルを定義する1〜127個の条件を指定します。

検索条件範囲内の空白のセルは「0」と見なされます。範囲内の「TRUE」を含むセルは「1」と見なされます。範囲内の「FALSE」を含むセルは「0」と見なされます。

ここでは、「社員名簿」の40歳以下の男女別の平均勤続年数を求めます。

シート「AVERAGEIFS」を選択します。

(注) 数式内の「"男"」には自動的に「""(クォーテーション)」が付加されます。


数値が含まれるセルの個数を求めるCOUNT関数

COUNT関数は、数値を含むセルの個数、および引数リストに含まれる数値の個数を数えます。

【書式】 =COUNT(値1,[値2],...)

【説明】 値1: 必須。数値の個数を調べる1つ目の項目で、セルまたはセル範囲を指定します。値2,...: 省略可能。数値の個数を調べる追加の項目で、セルまたはセル範囲を指定します。引数は最大255個まで指定できます。

計算の対象となるのは数値のみです。

引数が数値、日付、または数値を表す文字列の場合は計算対象となります。空白セル、論理値、文字列、またはエラー値は計算対象にはなりません。

ここでは、「社員名簿」の勤続年数が1年以上の社員の人数を求めます。10行目と20行目の社員の勤続年数が1年未満のため、セルG10とG20が空白になっています。

シート「COUNT」を選択します。

【ワンポイント】 上記の結果は、以下の「数式」タブの「合計」のメニューからの手順でも得られます。

(注) 数式は「=COUNT(G6:G56)」となり、セルG56までが含まれます。


空白でないセルの個数を求めるCOUNTA関数

COUNTA関数は、 セル範囲に含まれる空白でないセルの個数を返します。

【書式】 =COUNTA(値1,[値2],...)

【説明】 値1: 必ず指定します。空白でないセルの数を調べる1つ目の項目で、セルまたはセル範囲を指定します。値2,...: 省略可能。空白でないセルの数を調べる追加の項目で、セルまたはセル範囲を指定します。引数は最大255個まで指定できます。

COUNTA関数では、エラー値や空の文字列「""」を含め、すべての種類のデータを含むセルが計算の対象となります。空白セルは計算対象にはなりません。

ここでは、「社員名簿」の社員の人数を求めます。

シート「COUNTA」を選択します。


空白セルの個数を求めるCOUNTBLANK関数

COUNTBLANK関数は、 指定された範囲に含まれる空白セルの個数を返します。

【書式】 =COUNTBLANK(範囲)

【説明】 範囲: 必ず指定します。空白セルの個数を求めるセル範囲を指定します。

空白文字列「""」を返す数式が入力されているセルも計算の対象となります。ただし、数値の「0」を含むセルは計算対象となりません。

ここでは、「社員名簿」の勤続年数が1年未満の社員の人数を求めます。10行目と20行目の社員の勤続年数が1年未満のため、セルG10とG20が空白になっています。

シート「COUNTBLANK」を選択します。


条件に一致するセルの個数を求めるCOUNTIF関数

COUNTIF関数は、ある範囲に含まれるセルのうち、指定された単一の検索条件に一致するセルの個数を返します。

【書式】 =COUNTIF(範囲,検索条件)

【説明】 範囲: 必須。カウントする1つ以上のセルで、空白と文字列は含まれません。検索条件: 必須。計算の対象となるセルを定義する条件を指定します。

ここでは、「社員名簿」の男女別の人数を求めます。

シート「COUNTIF」を選択します。


複数の条件に一致するセルの個数を求めるCOUNTIFS関数

COUNTIFS関数は、複数の範囲のセルに条件を適用し、すべての条件に一致した個数を返します。

【書式】 =COUNTIFS(条件範囲1,検索条件1,[条件範囲2,検索条件2],...)

【説明】 条件範囲1: 必ず指定します。1つ目の条件を評価する範囲です。検索条件1: 必ず指定します。カウントの対象となるセルを定義する条件を指定します。

条件範囲2,検索条件2,...: 省略可能です。追加の範囲とそれに対応する条件です。最大127組の範囲/条件のペアを指定できます。

【重要】 各追加範囲の列数と行数は「条件範囲1」と同じである必要があります。範囲どうしは隣接していなくても構いません。

ここでは、「社員名簿」の40歳以下の男女別の人数を求めます。

シート「COUNTIFS」を選択します。


指定した順位番目に大きい値を求めるLARGE関数

LARGE関数は、1組のデータの中で指定した順位番目に大きなデータを返します。

【書式】 =LARGE(範囲(配列),順位)

【説明】 範囲(配列): 必ず指定します。抽出の対象となるデータが入力されているセル範囲または配列を指定します。順位: 必ず指定します。抽出する値の中で大きい方から数えた順位を数値で指定します。

ここでは、「社員名簿」の中で、勤続年数が2番目と3番目に長い社員の年数を求めます。

シート「LARGE」を選択します。


最大値を求めるMAX関数

MAX関数は、引数リストに含まれる最大の数値を返します。

【書式】 =MAX(数値1,[数値2],...)

【説明】 数値1: 必ず指定します。数値2,... 省略可能です。最大の数値を見つけるため、1〜255個までの数値を指定することができます。

文字列、空白セルは対象外となります。

ここでは、「社員名簿」の中で、勤続年数が一番長い社員の年数を求めます。

シート「MAX」を選択します。

【ワンポイント】 上記の結果は、以下の「数式」タブの「合計」のメニューからの手順でも得られます。

(注) 数式は「=MAX(G6:G56)」となり、セルG56までが含まれます。


文字列を含む最大値を求めるMAXA関数

MAXA関数は、引数リストに含まれる最大の数値を返します。

【書式】 =MAXA(数値1,[数値2],...)

【説明】 数値1: 必ず指定します。最大の値を見つけるため、最初の数値引数を指定します。数値2,...: 省略可能です。最大の値を見つけるため、2〜255個までの数値引数を指定します。

引数に「TRUE」が含まれている場合は「1」と見なされ、文字列または「FALSE」が含まれている場合は「0」と見なされます。

引数の中に数値が含まれていない場合、MAXA関数の計算結果は「0」となります。

ここでは、「社員別売上高」の中で1ヶ月の売上高が最も多い金額を求めます。表の中で、セルC6とD6、またセルE9に文字列が入力されています。

シート「MAXA」を選択します。


引数リストの中央値を求めるMEDIAN関数

MEDIAN関数は、範囲の数値を小さいものから順に並べたとき、その中央にくる数値を返します。

【書式】 =MEDIAN(数値1,[数値2],...)

【説明】 数値1: 必ず指定します。中央値を見つけるため、最初の数値引数を指定します。数値2,...: 省略可能です。中央値を見つけるため、2〜255個までの数値引数を指定します。

引数で指定したデータの個数が偶数の場合は、中央に位置する値は2つとなるので、その場合は2つの数値の平均を返します。

文字列、文字列型数字、空白セル、論理値は対象外となります。

ここでは、「社員名簿」の勤続年数の中で中央にあたる年数を求めます。

シート「MEDIAN」を選択します。

(注) この場合は、個数が偶数となるため、「15」と「16」の平均値「15.5」が返されます。


最小値を求めるMIN関数

MIN関数は、引数リストに含まれる最小の数値を返します。

【書式】 =MIN(数値1,[数値2],...)

【説明】 数値1: 必ず指定します。数値2,... 省略可能です。最小の数値を見つけるため、1〜255個までの数値を指定することができます。

文字列、空白セルは対象外となります。

ここでは、「社員名簿」の中で、勤続年数が一番短い社員の年数を求めます。

シート「MIN」を選択します。

【ワンポイント】 上記の結果は、以下の「数式」タブの「合計」のメニューからの手順でも得られます。

(注) 数式は「=MIN(G6:G56)」となり、セルG56までが含まれます。


文字列を含む最小値を求めるMINA関数

MINA関数は、引数リストに含まれる最小の数値を返します。

【書式】 =MINA(数値1,[数値2],...)

【説明】 数値1: 必ず指定します。最小の値を見つけるため、最初の数値引数を指定します。数値2,...: 省略可能です。最小の値を見つけるため、2〜255個までの数値引数を指定します。

引数に「TRUE」が含まれている場合は「1」と見なされ、文字列または「FALSE」が含まれている場合は「0」と見なされます。

引数の中に数値が含まれていない場合、MINA関数の計算結果は「0」となります。

ここでは、「社員別売上高」の中で1ヶ月の売上高が最も少ない金額を求めます。表の中で、セルC6とD6、またセルE9に文字列が入力されています。

シート「MINA」を選択します。

(注) セルC6とD6の文字列「出向」、またセルE9の文字列「休暇」を「0」とみなしているため、最小値は「0」となります。


数値リストの中で指定した順位を求めるRANK.AVG関数

RANK.AVG関数は、数値のリストの中で、指定した数値の順位を返します。返される順位は、範囲内の他の値との相対的な位置になります。複数の値が同じ順位にあるときは、平均の順位が返されます。

【書式】 =RANK.AVG(数値,参照,[順序])

【説明】 数値: 必ず指定します。範囲内での順位を調べる数値またはセル番地を指定します。参照: 必ず指定します。数値の範囲の配列またはその範囲への参照を指定します。参照に含まれる数値以外の値は無視されます。

順序: 省略可能です。範囲内の数値を並べる方法を指定します。順序に「0」を指定するか、順序を省略すると、範囲内の数値が降順に並べ替えられます。順序に「0」以外の数値を指定すると、範囲内の数値が昇順で並べ替えられます。

ここでは、「社員別売上高」のセルI6からI20までの合計に基づき、セルJ6からJ20に順位を求めます。

シート「RANK.AVG」を選択します。


指定した順位番目に小さい値を求めるSMALL関数

SMALL関数は、1組のデータの中で指定した順位番目に小さなデータを返します。

【書式】 =SMALL(範囲(配列),順位)

【説明】 範囲(配列): 必ず指定します。抽出の対象となるデータが入力されているセル範囲または配列を指定します。順位: 必ず指定します。抽出する値の中で小さい方から数えた順位を数値で指定します。

ここでは、「社員名簿」の中で、勤続年数が2番目と3番目に短い社員の年数を求めます。

シート「SMALL」を選択します。

(注) 勤続年数が「0」の社員が2名いるため、3番目に短い年数は「2」となります。

操作の結果はサンプルデータstatistics-function_kk.xlsx「統計関数(結果)」をご覧ください。